JP2593259Y2 - 高圧用コンデンサ - Google Patents

高圧用コンデンサ

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JP2593259Y2
JP2593259Y2 JP1993025136U JP2513693U JP2593259Y2 JP 2593259 Y2 JP2593259 Y2 JP 2593259Y2 JP 1993025136 U JP1993025136 U JP 1993025136U JP 2513693 U JP2513693 U JP 2513693U JP 2593259 Y2 JP2593259 Y2 JP 2593259Y2
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dielectric
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富士夫 漆原
武史 大久保
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株式会社タイツウ
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、フィルム巻回型の高圧
用コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】本出願
人は、先にこの種の高圧用コンデンサとして、片面の長
さ方向に複数個の電極が所定間隔で配設された一対の第
1誘電体フィルムと、2枚の第2誘電体フィルムとを重
ね合わせて巻回し、該一対の第1誘電体フィルム間に2
枚の第2誘電体フィルムが介在しかつ1対の第1誘電体
フィルムの複数の電極が互いに対向するようにして成
り、該2枚の第2誘電体フィルムのうち第1誘電体フィ
ルムの電極配設面に接する第2誘電体フィルムは少なく
とも該電極配設面に接する面に融着材層が被着された誘
電体フィルムであり、巻回された第1及び第2誘電体フ
ィルムを熱処理して第2誘電体フィルムの融着材層を少
なくとも第1誘電体フィルムの電極配設面に融着させ、
巻回された第1及び第2誘電体フィルムにより形成され
た隙間に液化した固体含浸剤を含浸させた高圧用コンデ
ンサを提案した。
【0003】この高圧用コンデンサによれば、第1誘電
体フィルムの電極非配設面と第2誘電体フィルムの間に
形成された隙間又はこの隙間と第2誘電体フィルム同志
間の隙間が広くなってこの隙間に含浸剤が十分に含浸
し、従来のものに比べて耐候特性及び耐電圧特性が著し
く向上した。
【0004】本考案は、先に提案の高圧用コンデンサの
改良に係り、直流負荷寿命特性及び充放電特性の優れた
ものを得ることをその目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案は上記の目的を達
成するために、片面の長さ方向に複数個の電極が所定間
隔で配設された一対の第1誘電体フィルムと、2枚の第
2誘電体フィルムとを重ね合わせて巻回し、該一対の第
1誘電体フィルム間に2枚の第2誘電体フィルムが介在
しかつ1対の第1誘電体フィルムの複数の電極が互いに
対向するようにして成り、該2枚の第2誘電体フィルム
のうち第1誘電体フィルムの電極配設面に接する第2誘
電体フィルムは少なくとも該電極配設面に接する面に融
着材層が被着された誘電体フィルムであり、巻回された
第1及び第2誘電体フィルムを熱処理して第2誘電体フ
ィルムの融着材層を少なくとも第1誘電体フィルムの電
極配設面に融着させ、巻回された第1及び第2誘電体フ
ィルム間の隙間に液化した固体含浸剤を含浸させた高圧
用コンデンサにおいて、前記1対の第1誘電体フィルム
の1方の誘電体フィルム及び該フィルムに配設された電
極の幅はそれぞれ第2誘電体フィルムの幅より広く及び
狭く、他方の誘電体フィルム及び該フィルムに配設され
た電極の幅はそれぞれ第2誘電体フィルムの幅より狭い
ことを特徴とする。
【0006】
【作用】本考案の構成によれば、第1誘電体フィルムと
第2誘電体フィルム間に含まれるボイド量が少なくな
り、その分だけ含浸剤がよく含浸することになるため、
直流負荷寿命特性及び充放電特性が一層向上する。
【0007】
【実施例】以下に本考案の実施例を図面に付き説明す
る。
【0008】図1は、本考案の高圧用コンデンサの1例
の誘電フィルム及び電極の配置関係を示すフィルムの幅
方向から見た正面図である。
【0009】図1において、1Aは上面にその幅よりも
狭く金属を例えば真空蒸着してその長さ方向に複数個
(例えば5個、図示せず)の電極2Aが所定間隔で隔て
られて配設された第1誘電体フィルム、1Bは同様の方
法により上面に複数個(例えば6個、そのうち両端の2
個はリ−ド線が溶接された金属箔電極、図示せず)の電
極2Bが隔てられて配設された第1誘電体フィルム、3
は電極が形成されない第2誘電体フィルム、4は下面に
塗布又は接合により融着材層5が被着された第2誘電体
フィルムである。
【0010】第1誘電体フィルム1A及びこれに配設さ
れた電極2Aの幅はそれぞれ第2誘電体フィルム3およ
び4の幅より広く及び狭く、第1誘電体フィルム1B及
びこれに配設された電極2Bの幅は第1誘電体フィルム
1Aの電極2Aに等しくかついずれも第2誘電体フィル
ム3、4の幅より狭く、第2誘電体フィルム3と4の幅
は等しい。
【0011】図示のように第1誘電体フィルム1B、電
極2B、融着材層5、第2誘電体フィルム4及び3、第
1誘電体フィルム1A、電極2A、融着材層5並びに第
2誘電体フィルム4及び3をこの順序でかつ第1誘電体
フィルム1A及び1Bの各電極2の1部が対向するよう
に重ね合わせた後巻回し、次いでこの巻回体に融着材層
5の融着温度より高い温度で熱圧着、熱エ−ジングなど
の熱処理を施し、さらに液化した合成樹脂の固体含浸剤
を真空含浸する。
【0012】かくて、前記熱処理により第2誘電体フィ
ルム4と第1誘電体フィルム1B及び第2誘電体フィル
ム4と第1誘電体フィルム1Aがそれぞれ接着し、第2
誘電体フィルム4と第2誘電体フィルム3間と、第2誘
電体フィルム3と第1誘電体フィルム1A間及び第2誘
電体フィルム3と第1誘電体フィルム1B間の隙間が広
くなりその隙間に従来より十分に含浸剤が含浸剤する。
【0013】 実施例1 第1誘電体フィルム1Aは、幅45mm、厚さ6ミクロン
のポリエステルフィルムで、この片面にアルミニウムを
真空蒸着して、幅35mmの電極2Aが5個、所定間隔で
配設され、第1誘電体フィルム1Bは、幅35mm、厚さ
6ミクロンのポリエステルフィルムで、この片面にアル
ミニウムを真空蒸着して、幅35mmの電極2Bが4個、
配設されている。またその電極2Bの両側に間隔をおい
てリ−ド線を溶接したアルミニウム箔からなる電極(図
示せず)が配設されている。第2誘電体フィルム3及び
4は、幅が共に41mm、厚さがそれぞれ6及び12ミク
ロンのポリエステルフィルムであり、該フィルム4は片
面に飽和ポリエステル樹脂を主成分とし多官能イソシア
ネ−トで架橋した溶剤型の接着剤を塗布又は接合して融
着材層5が被着されている。
【0014】第1誘電体フィルム1B、第2誘電体フィ
ルム4、3、第1誘電体フィルム1A、第2誘電体フィ
ルム4、3を前述の様に重ね合わせて巻回し、丸型又は
偏平にして前記接着剤の熱接着温度約80℃より高い1
20℃で5〜60分熱処理を施し、液化したエポキシ樹
脂の固体含浸剤を真空含浸し、30KV/3000PF
の丸型品及び偏平品をそれぞれ10個作成した。
【0015】 比較例1 図2に示すように、第1誘電体フィルム10Aは、幅4
5mm、厚さ6ミクロンのポリエステルフィルムで、この
片面にはアルミニウムを真空蒸着して5個の、幅35mm
の電極20Aが所定間隔で配設されている。第1誘電体
フィルム10Bはフィルム10Aと同じく、幅45mm、
厚さ6ミクロンのポリエスエルフィルムで、この片面に
アルミニウムが真空蒸着されて4個の、幅35mmの電極
20Bが配設され、またその電極20Bの両側に所定間
隔をおいてリ−ド線を溶接したアルミニウム箔からなる
電極(図示せず)が配設されている。第2誘電体フィル
ム30は、幅が45mm、厚さが6ミクロンのポリエステ
ルフィルムであり、第2誘電体フィルム40は、幅が4
1.5mm、厚さが12ミクロンで、その片面に実施例1
と同様の接着剤を塗布又は接合して融着材層50が被着
されたポリエステルフィルムである。第2誘電体フィル
ム40は、図示のようにその一端及び他端とフィルム3
0の一端及び他端間の距離が1.0mm及び2.5mmにな
るように一方にかたよって配置された以外は前記実施例
1と同様の手順で作成され、30KV/3000PFの
丸型品及び偏平品をそれぞれ10個作成した。
【0016】図3は、前記実施例1及び比較例1の丸型
品及び偏平品について測定したボイド量を示す図であ
る。Xはそのまま、Yは2つにカットした状態で測定し
たもので、それぞれ3ロットづつ(1ロットは10個)
行なった。測定方法は、図4に示すように、ケ−スaに
入れた常温のシリコン油b中に供試品cを置き、供試品
cの上にシリコン油bを満たしたケ−スdを逆にして置
く。この状態でケ−スaをデシケ−タeの中にいれてそ
の中を3Torrの真空にし、ケ−スd内に溜まった空
気量を測定した。
【0017】この図から分かるように、本考案品は丸型
品及び偏平品とも比較例品に比べてボイド量が少ない。
図中丸印は平均値を示す。
【0018】図5は、前記実施例1及び比較例1の偏平
品に付いて行なった直流負荷寿命試験の結果を示す。
【0019】実施例品及び比較例品は、いずれもケ−ス
にいれて樹脂モ−ルドしたもので、試験は、100℃の
環境下で、36KVの直流電圧を3000時間印加して
行なった。
【0020】実施例品は、A〜Dロット(各ロットは1
0個)とも1個も絶縁破壊を生じなかった。これに対
し、比較例品のE、F及びHロットはそれぞれ1個、2
個及び1個がコンデンサ内部で絶縁破壊を生じ、Gロッ
トは絶縁破壊を生じなかった。図中×印は絶縁破壊の時
点を示す。
【0021】図6は、前記実施例1及び比較例1の偏平
品に付いて行なった充放電試験の結果を示す。
【0022】実施例品及び比較例品は、いずれもケ−ス
にいれて樹脂モ−ルドしたもので、試験は、図7に示す
ように、30KVの交流電源を整流して充電した後、直
径8mmの1対の球状電極を5mmの間隔で対向させた放電
間隙を、ア−ス側の電極を毎秒2回の速度で回転させて
放電させ、このサイクルを20000回行なった。
【0023】実施例品は、A〜Dロット(各ロットは1
0個)とも1個も絶縁破壊を生じなかった。これに対
し、比較例品のE〜Hロットはそれぞれ1000サイク
ル以内に3個、2個、1個及び2個が絶縁破壊を生じ
た。図中×印は絶縁破壊の時点を示す。なお、前記第2
誘電体フィルム4の融着材層5は該フィルム4の片面の
みであったが、両面に設けてもよい。
【0024】
【考案の効果】本考案は、その構成によれば、先に提案
のものに比べて、直流負荷寿命特性及び充放電特性の優
れたものが得られるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案コンデンサを構成する第1及び第2誘
電体フィルムの重ね合わせ状態を誘電体フィルムの長さ
方向から見た図。
【図2】 比較例1の図1に対応する図。
【図3】 本考案と比較例のボイド量測定結果を示す
図。
【図4】 図3の測定方法の説明図。
【図5】 本考案と比較例1の直流負荷寿命特性図。
【図6】 本考案と比較例1の充放電特性図。
【図7】 本考案と比較例1の充放電試験回路図。
【符号の説明】
1A、1B 第1誘電体フィルム 2A、2B
電極 3、4 第2誘電体フィルム 5 融着
材層

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面の長さ方向に複数個の電極が所定間
    隔で配設された一対の第1誘電体フィルムと、2枚の第
    2誘電体フィルムとを重ね合わせて巻回し、該一対の第
    1誘電体フィルム間に2枚の第2誘電体フィルムが介在
    しかつ1対の第1誘電体フィルムの複数の電極が互いに
    対向するようにして成り、該2枚の第2誘電体フィルム
    のうち第1誘電体フィルムの電極配設面に接する第2誘
    電体フィルムは少なくとも該電極配設面に接する面に融
    着材層が被着された誘電体フィルムであり、巻回された
    第1及び第2誘電体フィルムを熱処理して第2誘電体フ
    ィルムの融着材層を少なくとも第1誘電体フィルムの電
    極配設面に融着させ、巻回された第1及び第2誘電体フ
    ィルムの隙間に液化した固体含浸剤を含浸させた高圧用
    コンデンサにおいて、前記1対の第1誘電体フィルムの
    1方の誘電体フィルム及び該フィルムに配設された電極
    の幅はそれぞれ第2誘電体フィルムの幅より広く及び狭
    く、他方の誘電体フィルム及び該フィルムに配設された
    電極の幅はそれぞれ第2誘電体フィルムの幅より狭いこ
    とを特徴とする高圧用コンデンサ。
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