JP2592742B2 - 局部洗浄装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、局部洗浄装置の改良
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】従来、用便者の局部に温水
を噴出させる洗浄ノズルを備えた局部洗浄装置において
は、ノズルから温水を噴出させるために温水タンクが備
えられているが、この温水タンクを便器から離れた場所
に設置すると、温水タンクとノズル間に滞っている冷水
が、初期にノズルから噴出されて用便者に不快感を与え
るため、従来においては初期冷水をまず外部に逃がし、
その後にノズルから温水を噴出させるように構成されて
おり、初期冷水を逃がす分だけ水が無駄になってしまう
という問題点があった。また、初期冷水を逃がす方法で
は、滞っている冷水を逃がすために時間がかかるので、
ノズルから温水を噴出させるのに時間がかかるという問
題点があった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の問題
点に鑑み案出したものであって、水を無駄使いせず、か
つコンパクトに設置可能な局部洗浄装置を提供せんこと
を目的とし、その要旨は、便座を開閉可能に支持する便
座後部のケース内に、便座に着座している用便者の局部
に向かって温水を噴出し得るノズルを設け、該ノズルへ
温水を供給する温水タンクを前記ケース外に備えた局部
洗浄装置において、前記温水タンクとチューブを介し入
口側を連結され、かつ出口側を前記ノズルと連結された
補助タンクを、前記ケース内に内装し、該補助タンクに
は、保温用のＰＴＣヒーターが付設されていることであ
る。

【０００４】

【作用】局部洗浄装置のケース内には補助タンクが内装
されており、この補助タンクはノズルに近接した位置に
存在するために、この補助タンクで少量の温水を保温し
ておけば、最初から良好な温度の温水をノズルから噴出
させることができる。また、温水タンクは便器から離れ
た遠い位置に設置することができ、温水タンクを所定の
スペース内に良好に設置することができる。また、前記
補助タンクには保温用のＰＴＣヒーターが付設されてい
ることにより、ＰＴＣヒーターは高温とならず自己温度
制御をするため、異常な温度上昇を防ぐための安全装置
が不要となり、安全性の高い構造とすることができる。

【０００５】

【実施例】以下本発明の実施例を、図面に基づいて説明
する。図１は、ケース内に内装された補助タンク周辺の
分解斜視図であり、図２は、局部洗浄装置をユニットバ
スルーム内に設置した状態の斜視構成図である。

【０００６】まず図２において、ユニットバスルーム１
内には浴槽２が設けられており、この浴槽２の側方には
洗面器３が設けられ、洗面器３から水平状にカウンター
４が設置され、このカウンター４の前面側に局部洗浄装
置５が設置さている。この局部洗浄装置５は、便器Ｂの
上面に開閉可能に便座６が設けられており、この便座６
は後方のケース７に開閉可能に支持されたものである。
このケース７には、便座６に着座状態の用便者の局部に
向かって温水を噴出するノズル８が取付けられている。

【０００７】また、前記浴槽２の前面側を覆蓋する着脱
可能なエプロン１０の裏側には、温水タンク１１が配設
されており、この温水タンク１１と前記ノズル８はチュ
ーブを介し連結されており、チューブはカウンター４の
下部等を通しノズル８に連結されている。なお、図中９
は洗浄水を貯留するためのロータンクであり、カウンタ
ー４の下面に隠蔽状に設置されている。

【０００８】図１において、前記ケース７の下側のベー
ス７ａ内には、前述したノズル８が取付けられており、
このノズル８の左側方に補助タンク１３が設置されてい
る。この補助タンク１３は１００〜５００ｃｃ程度の温
水を貯留し得る容量に形成されており、上面には逆流防
止用のバキュームブレーカー１４が設けられている。こ
の補助タンク１３の入口側には、前記温水タンク１１と
連通するチューブ１２が接続されており、補助タンク１
３の出口側は前記ノズル８とチューブ等を介し連結され
ている。この補助タンク１３の下面側にはシールパッキ
ン１５を介して銅板２０が取付けられ、さらに銅板２０
の下面には自己温度制御するＰＴＣヒーター１６が取付
けられる。さらにその下面には、アルミテープ１７を介
し保温材１８が取付けられ、その下面に樹脂板１９が取
付けられる。

【０００９】このような構造においては、前記ＰＴＣヒ
ーター１６が自己温度制御により、補助タンク１３内に
貯留されている温水を４２℃以下の温度に常に保温して
おり、保温状態にある補助タンク１３内の温水が、用便
者により操作スイッチがＯＮされた時にノズル８側へ圧
送され、ノズル８からは良好な温度の温水が初期段階よ
り噴出される。また、補助タンク１３にはチューブ１２
を介し温水タンク１１から適時温水が供給される。な
お、温水タンク１１と補助タンク１３の間のチューブ１
２内に滞留していた冷水は、その量が補助タンク１３内
の温水に比べて少量であるため、補助タンク１３内の温
水と混ざり合っても温水温度は実用上問題のないレベル
に保たれる。

【００１０】このように本例においては、補助タンク１
３がケース７内に内装されており、補助タンク１３がノ
ズル８の近傍に設けられているため、この補助タンク１
３からノズル８へ瞬時に温水が供給され、従来のような
初期冷水による不快感がなく、また初期冷水を逃がす必
要もなく水を無駄にすることがない。さらに冷水を捨て
る間待つ必要もない。また、温水タンク１１を遠方に設
置することができ、温水タンク１１を浴槽２とエプロン
１０間のスペース内等にコンパクトに設置することがで
きる。また、補助タンク１３の容量は小さくて良いた
め、ケース７はコンパクトなものとすることができ、ま
た補助タンク１３は小容量で低電圧，小電力で作動でき
るため、感電等の事故がなく、安全性が確保されたもの
となる。

【００１１】さらに、前述したＰＴＣヒーター１６を用
いたことにより、このＰＴＣヒーター１６は自己温度制
御を行い、４２℃以上の高温とはならないものとなって
いるため、従来のようなサーモスタット等の安全装置が
不要となり、さらに安全性が向上されている。

【００１２】

【発明の効果】本発明は、便座を開閉可能に支持する便
座後部のケース内に、便座に着座している用便者の局部
に向かって温水を噴出し得るノズルを設け、該ノズルへ
温水を供給する温水タンクを前記ケース外に備えた局部
洗浄装置において、前記温水タンクとチューブを介し入
口側を連結され、かつ出口側を前記ノズルと連結された
補助タンクを、前記ケース内に内装し、該補助タンクに
は、保温用のＰＴＣヒーターが付設されていることによ
り、ノズルから初期段階から補助タンク内の温水を良好
に噴出させることができ、従来のように冷水が初期に噴
出されることがなく、また冷水を逃がす時間も必要とし
ない。また、補助タンクは小容量のもので良いため、ケ
ース内にコンパクトに設置することができ、また小容量
であるため低電圧，小電力のものとし安全性を高めるこ
とができる。さらに、温水タンクは遠方に設置すること
ができるため、温水タンクの設置場所が限定されること
がない。また、補助タンクにはＰＴＣヒーターを用いた
ため、ＰＴＣヒーターの自己温度制御により安全性がよ
り高められる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】ケース内に設けた補助タンク周辺の分解斜視図
である。

【図２】局部洗浄装置をユニットバスルーム内に設置し
た状態の斜視構成図である。

【符号の説明】

１ ユニットバスルーム ２ 浴槽 ５ 局部洗浄装置 ６ 便座 ７ ケース ７ａ ベース ８ ノズル １１ 温水タンク １２ チューブ １３ 補助タンク １６ ＰＴＣヒーター

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 便座を開閉可能に支持する便座後部のケ
   ース内に、便座に着座している用便者の局部に向かって
   温水を噴出し得るノズルを設け、該ノズルへ温水を供給
   する温水タンクを前記ケース外に備えた局部洗浄装置に
   おいて、前記温水タンクとチューブを介し入口側を連結
   され、かつ出口側を前記ノズルと連結された補助タンク
   を、前記ケース内に内装し、該補助タンクには、保温用
   のＰＴＣヒーターが付設されていることを特徴とする局
   部洗浄装置。