JP3272543B2

JP3272543B2 - 衛生洗浄装置

Info

Publication number: JP3272543B2
Application number: JP16386294A
Authority: JP
Inventors: 春樹尾形
Original assignee: アイワ株式会社
Priority date: 1994-07-15
Filing date: 1994-07-15
Publication date: 2002-04-08
Anticipated expiration: 2017-04-08
Also published as: JPH0827863A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、いわゆる洋式便器に
適用して好適な衛生洗浄装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、洗浄水を使用者の局部に向けて噴
出することによって、局部を衛生的かつ快適に洗浄する
衛生洗浄装置が知られている。この衛生洗浄装置は、図
９に示すような洋式の便器３０に装着される。この便器
３０は、ドーム状の本体３１に便座３２の後端部が回転
自在に取付けられているのが普通である。本体３１の底
部には水溜部３３が設けられ、便座３２の下面には本体
３１の周縁部３４に当接する突起３５が複数個設けられ
ており、これによって便座３２が本体３１上に安定よく
載置される。

【０００３】図１０は、既存の便器３０に後から追加し
て装着するタイプの従来の衛生洗浄装置１０の構成を示
す。この衛生洗浄装置１０は、装置全体を上述の便器３
０に装着するための枠体３６の後部に横軸３７が取付け
られ、この横軸３７に便蓋３８及び中央部が開口された
便座３９の後端部が回転可能に取付けられている。そし
て、便座３９の下側にオシリ洗浄用ノズル４３Ａと、ビ
デ用ノズル４３Ｂとが取付けられている。

【０００４】更に、枠体３６の横には洗浄水の送水量や
圧力を制御するための制御部４０が取付けられ、その表
面には操作部４１が設けられている。操作部４１にはオ
シリ洗浄用ノズル４３Ａとビデ用ノズル４３Ｂとを選択
するため、オシリ洗浄選択スイッチ４１Ａとビデ選択ス
イッチ４１Ｂやストップボタン４１Ｃなどが設けられて
いる。

【０００５】洗浄水は外部のポンプ（図示せず）などに
接続された配水パイプ４２によって制御部４０内に供給
され、ここから便座３９の後方に配置されたオシリ洗浄
用ノズル４３Ａ又はビデ用ノズル４３Ｂに送水されて外
部に噴出される。

【０００６】便座３９の下面には、図１１に示すように
衛生洗浄装置１０を便器３０に装着したとき、便座３９
を便器３０の本体３１上に安定よく保持するための突起
４４が複数個設けられている。各ノズル４３Ａ，４３Ｂ
は、図示しない電磁部によって進退可能になっている。
また、各ノズル４３Ａ，４３Ｂの前面には、各ノズル４
３Ａ，４３Ｂや周囲の部品を外部から隠蔽するためのノ
ズルカバー４５が配置されている。

【０００７】この衛生洗浄装置１０を既存の便器３０に
装着する場合は、便器３０の便座３２を取り外した後
に、枠体３６を便器３０の本体３１に取付ける。このと
き、配水パイプ４２は、例えば便器３０の後方に配置さ
れている洗浄水の貯水タンク２の配水パイプ（図示せ
ず）等に接続する。そして、便器３０を使用する場合は
衛生洗浄装置１０の便座３９を本体３１上に倒してその
上に着座する。

【０００８】また、衛生洗浄装置１０を使用するとき
は、操作部４１でオシリ洗浄用ノズル４３Ａ又はビデ用
ノズル４３Ｂを選択する。次に、洗浄水の送水量及び圧
力を調整して各ノズル４３Ａ，４３Ｂから洗浄水を噴出
させる。この噴出水によって、局部が衛生的かつ快適に
洗浄される。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の衛生
洗浄装置１０は、専用の便座３９及び便蓋３８が一体に
設けられるなど装置が全体的に大型で高価になるという
問題があった。そこでこの発明は、上述したような課題
を解決したものであって、小型で安価な衛生洗浄装置を
提案するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明においては、洗浄水を噴出する洗浄用ノズル
と、洗浄用ノズルに洗浄水を供給する洗浄水供給手段
と、洗浄用ノズルを便器本体に取付けるノズル取付け部
と、洗浄水供給手段から排出された洗浄水を洗浄用ノズ
ルに導くための配管とを有する衛生洗浄装置であって、
ノズル取付け部が洗浄水供給手段に上下移動可能なよう
に取り付けられると共に、配管の通過孔を塞ぐカバーが
洗浄水供給手段に設けられ、ノズル取付け部の移動範囲
の一部をノズル取付け部と共にカバーが移動するように
したことを特徴とするものである。

【００１１】

【作用】図１に示すように、便器本体３１の横に制御部
１３が配置され、その上部側に操作部１５が設けられて
いる。図２に示すように、制御部１３の側面には連結部
１３Ｂが上下に移動可能に取付けられ、ここにノズル取
付け部１２の結合部１２Ｃが連結されている。

【００１２】連結部１３Ｂをスライド穴６３の最上位置
まで上げた状態では、図４に示すようにスライド部５２
の押し上げ部５５が可動板５３の下部を押し上げてい
る。このとき、パイプ通過孔５４Ａはスライド部５２に
よって外部から完全に隠蔽される。また、連結部１３Ｂ
をスライド穴６３の最下位置まで下げた状態では、図５
及び図６に示すように保持部６４の両側から突出するス
トッパー５６に可動板５３の下部が当接することによっ
てその位置より下がらないようになっている。このと
き、パイプ通過孔５４Ａは可動板５３及びスライド部５
２によって外部から隠蔽される。

【００１３】したがって、連結部１３Ｂがスライド穴６
３の移動範囲のどの位置にあっても、パイプ通過孔５４
Ａは外部から隠蔽されるようになっている。これによっ
て、制御部１３の内部に異物が混入するのを防止し、さ
らに外観を損なうことなく高さの異なる便器に対応する
ことが可能となる。

【００１４】

【実施例】続いて、本発明に係わる衛生洗浄装置の一実
施例について、図面を参照して詳細に説明する。なお、
上述と同様な部分には同一の符号を付けて詳細な説明を
省略した。

【００１５】図１は、本発明による衛生洗浄装置１を既
存の洋式便器３０に装着した場合で、便座３２を上げた
状態を示す。この衛生洗浄装置１においては、洗浄水を
噴出する位置が異なるように配置されたオシリ洗浄用ノ
ズル１１Ａ及びビデ用ノズル１１Ｂが、本体３１の奥側
に載置されたノズル取付け部１２に取付けられている。
図１は各ノズル１１Ａ，１１Ｂが収納されている状態、
すなわち非使用状態を示している。

【００１６】ノズル取付け部１２は便器３０の周縁部３
４の後端部に吸着盤（図示せず）で確実に取付けられて
いる。ノズル取付け部１２の上板部１２Ａには、両端側
に結合部１２Ｃが設けられている。また、各ノズル１１
Ａ，１１Ｂに洗浄水を供給するために本体３１の横に配
置された制御部１３の側面には、後述するように連結部
１３Ｂが高さを調整することができるように取付けられ
ており、この連結部１３Ｂに結合部１２Ｃを連結するこ
とによって、制御部１３にノズル取付け部１２が取付け
られている。

【００１７】また、各ノズル１１Ａ，１１Ｂを隠蔽する
ノズルカバー１２Ｂには、両側の上部にノズルカバー１
２Ｂの表面を清掃する清掃用ノズル１６，１６が取付け
られている。清掃用ノズル１６，１６は、ノズルカバー
１２Ｂの左右両側の上部に各１個ずつ配置されており、
ノズルカバー１２Ｂの表面に向けて洗浄水を噴出するよ
うになっている。

【００１８】オシリ洗浄用ノズル１１Ａ及びビデ用ノズ
ル１１Ｂには、制御部１３内の貯水タンク１３Ａからパ
イプ１４Ａ，１４Ｂを介して温水が供給される。清掃用
ノズル１６，１６には例えば既設の貯水タンク２（図１
１）など外部から供給された清掃用の水が、パイプ１４
Ｃを介して直接供給される。パイプ１４Ａ〜１４Ｃは連
結部１３Ｂ及び上板部１２Ａの下側に沿って配置されて
いる。これらのパイプ１４Ａ〜１４Ｃの直径は、便座３
２と本体３１との間の隙間より小さくなっているので潰
されるおそれがない。

【００１９】さて、図２は制御部１３の連結部１３Ｂと
パイプ１４Ａ〜１４Ｃ用のパイプ通過孔５４Ａを隠蔽す
るための可動板５３の構成を示す。連結部１３Ｂは制御
部１３の側方に突出する突出部５１と、制御部１３の側
面に平行なスライド部５２とからなり、このスライド部
５２が制御部１３の外筒６１に設けられた縦長のスライ
ド穴６３に外筒６１と同一面をなすように嵌挿されてい
る。スライド部５２の内側に配置される可動板５３は、
外筒６１と保持部６４との間に挿入されて、上下方向に
スライド自在となっている。また、ノズル取付け部１２
と突出部５１の下面に沿ってパイプ１４Ａ〜１４Ｃが配
置され、これらが保持部６４のパイプ通過孔５４Ａ及び
スライド部５２のパイプ通過孔５４Ｂ（図４）を通じ
て、制御部１３内の貯水タンク１３Ａ（図１）又は貯水
タンク２（図１１）に接続されている。

【００２０】連結部１３Ｂのスライド部５２は、図３に
示すように制御部１３の外筒６１と同一面をなすように
スライド穴６３に嵌挿され、連結部１３Ｂの突出部５１
は外側に突出している。また、外筒６１の内側に設けら
れた保持部６４の幅はスライド穴６３よりも大きくなっ
ている。そして、保持部６４と外筒６１との間に適宜な
隙間が設けられ、この隙間にスライド部５２の両側端部
５８Ａ（図２）が上下にスライド自在に挿入され、さら
にその上に可動板５３の両側端部５８Ｂが同様に上下に
スライド自在に挿入されている。また、保持部６４のパ
イプ通過孔５４Ａは、連結部１３Ｂの高さ調整にともな
うパイプ１４Ａ〜１４Ｃの上下移動範囲に応じて上下方
向に縦長に形成されている。パイプ１４Ａ〜１４Ｃは比
較的柔軟な材質で形成されており、連結部１３Ｂの高さ
調整に対応できるようになっている。

【００２１】連結部１３Ｂをスライド穴６３の最上位置
まで上げた状態では、図４に示すようにスライド部５２
の押し上げ部５５が可動板５３の下部を押し上げてい
る。このとき、パイプ通過孔５４Ａはスライド部５２に
よって外部から隠蔽されている。また、図５に示すよう
に連結部１３Ｂをスライド穴６３の最下位置まで下げた
状態では、図６にも示すように保持部６４の両側から突
出するストッパー５６に可動板５３の下端が当接するこ
とによってその位置より下がらないようになっている。
また、スライド部５２はあらかじめ可動板５３よりも幅
が若干小さく形成されており、ストッパー５６に干渉さ
れないようになっている。このとき、パイプ通過孔５４
Ａの上部側は可動板５３で隠蔽され、下部側はスライド
部５２によって外部から隠蔽されている。すなわち、連
結部１３Ｂがスライド穴６３の移動範囲のどの位置にあ
っても、パイプ通過孔５４Ａは隠蔽されるようになって
いる。

【００２２】したがって、連結部１３Ｂの移動範囲を比
較的大きく確保しても、可動板５３がこれに連動して移
動することによってパイプ通過孔５４Ａが露出しない。
これによって、制御部１３の内部に異物が混入するのを
防止し、さらに外観を損なうことなく高さの異なる便器
３０に対応することが可能になる。また、スライド部５
２の内側に設けられた係止部５８と可動板５３の下端に
設けられた突起５７とが係わり合うことによって、使用
者がこの可動板５３を手で押し上げても、パイプ通過孔
５４Ａが露出しないようになっている。

【００２３】さて、制御部１３の上部側には操作部１５
が設けられ、ここには図７にも示すように複数のモー
ド、本例では「止」モード、「オシリ洗浄」モード、
「ビデ」モード及び「清掃」モードを選択するために比
較的大型の回転ノブ（回転つまみ）１５Ａと、洗浄水の
圧力及び流量を調整する水勢調整つまみ１５Ｂと、洗浄
水の温度を調節する水温調節つまみ１５Ｃが配置されて
いる。水勢調整つまみ１５Ｂと水温調整つまみ１５Ｃ
は、時計方向に回転させるほど水勢が強く又は水温が上
昇するようになっている。回転ノブ１５Ａはドーム状に
形成されており、これを回転させてその表面に設けられ
た指示線１５Ｄを操作部１５のパネル面に設けられた
「止」モードの位置に向けると、後述のごとく回転ノブ
１５Ａの回転が一旦停止して洗浄水及び清掃水の送水が
停止される。指示線１５Ｄを「オシリ洗浄」モード又は
「ビデ」モードの位置に向けると、ここで回転が停止し
てオシリ洗浄用ノズル１１Ａ又はビデ用ノズル１１Ｂか
ら洗浄水が噴出される。

【００２４】この衛生洗浄装置１を使用する場合は、図
８に示すように便座３２を本体３１の上に倒して、その
上に着座する。そして、制御部１３の操作部１５を操作
して「オシリ洗浄」モードか「ビデ」モードのどちから
を選択する。これによって、制御部１３内の貯水タンク
１３Ａが加圧され、洗浄水が噴出される。

【００２５】この衛生洗浄装置１は、上述のように制御
部１３の連結部１３Ｂの高さを調整することができ、し
かもパイプ通過孔５４Ａが露出することがないので、制
御部１３の内部に異物が混入するのを防止し、さらに外
観を損なうことなく高さの異なる便器に対応することが
可能になる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、洗浄水を
噴出する洗浄用ノズルと、洗浄用ノズルに洗浄水を供給
する洗浄水供給手段と、洗浄用ノズルを便器本体に取付
けるノズル取付け部と、洗浄水供給手段から排出された
洗浄水を洗浄用ノズルに導くための配管とを有する衛生
洗浄装置であって、ノズル取付け部が洗浄水供給手段に
上下移動可能なように取り付けられると共に、配管の通
過孔を塞ぐカバーが洗浄水供給手段に設けられ、ノズル
取付け部の移動範囲の一部をノズル取付け部と共にカバ
ーが移動するようにしたものである。

【００２７】したがって、この発明によれば、制御部の
内部への異物の混入を防止し、さらに外観を損なわずに
高さが異なる種々の便器に容易に装着することが可能に
なるなるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係わる衛生洗浄装置１を適用した便器
３０の構成図である。

【図２】連結部１３Ｂと可動板５３を示す斜視図であ
る。

【図３】連結部１３Ｂと可動板５３の取付機構を示す断
面図である。

【図４】連結部１３Ｂの最上位置を示す断面図である。

【図５】連結部１３Ｂの最下位置を示す断面図である。

【図６】図５のＡ矢視図である。

【図７】操作部１５の構成図である。

【図８】実施例の使用状態を示す図である。

【図９】一般的な洋式便器３０の斜視図である。

【図１０】従来の衛生洗浄装置１０の構成図である。

【図１１】従来の衛生洗浄装置１０を適用した洋式便器
３０の斜視図である。

【符号の説明】

１，１０衛生洗浄装置１１Ａオシリ洗浄用ノズル１１Ｂビデ用ノズル１２ノズル取付け部１３制御部１３Ｂ連結部１４Ａ〜１４Ｃパイプ１６清掃用ノズル３０便器３１便器本体５１突出部５２スライド部５３可動板５４Ａ，５４Ｂパイプ通過孔５５押し上げ部５６ストッパー６３スライド穴６４保持部

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】洗浄水を噴出する洗浄用ノズルと、上記
洗浄用ノズルに上記洗浄水を供給する洗浄水供給手段
と、上記洗浄用ノズルを便器本体に取付けるノズル取付
け部と、上記洗浄水供給手段から排出された洗浄水を上
記洗浄用ノズルに導くための配管とを有する衛生洗浄装
置であって、上記ノズル取付け部が上記洗浄水供給手段に上下移動可
能なように取り付けられると共に、上記配管の通過孔を
塞ぐカバーが上記洗浄水供給手段に設けられ、上記ノズル取付け部の移動範囲の一部を上記ノズル取付
け部と共に上記カバーが移動するようにしたことを特徴
とする衛生洗浄装置。