JP2592723B2 - 蛍光x線スペクトルの同定解析装置および方法 - Google Patents

蛍光x線スペクトルの同定解析装置および方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、蛍光X線分析におい
て、蛍光X線スペクトルのスペクトル線を同定する同定
解析装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蛍光X線分析は、試料に放射線を照射し
て、試料から発生する蛍光X線をX線検出器で測定し、
このX線検出器での測定値に基づいて試料の元素分析を
行うものである。かかる分析に用いる測定器の一例を図
5に示す。
【0003】図5において、X線管50は、一次X線B1を
出射して、試料51に一次X線B1を照射する。照射された
一次X線B1は試料51の原子を励起して、その元素固有の
蛍光X線B2を発生させる。試料51からの蛍光X線B2は、
軽元素用および重元素用の分光結晶52, 53に、それぞれ
異なる入射角θで入射し、下記のブラッグの式を満足す
る所定の波長の蛍光X線B2のみが、入射角θと同一の角
度の回折角θで回折される。 2dsin θ=nλ d:結晶の面間隔 λ:蛍光X線の波長 n:反射の次数
【0004】上記回折された蛍光X線B3は、プロポーシ
ョナルカウンタのような軽元素用のX線検出器54と、シ
ンチレーションカウンタのような重元素用のX線検出器
55に入射して検出される。一方、図示しないゴニオメー
タを駆動して、分光結晶52,53およびX線検出器54, 55
を1:2の角度比で矢印Aのように回転させて、所定の
分光角度2θごと(たとえば、0,02°ごと) に、蛍光X
線B3のX線強度を測定する。
【0005】図6は、測定した蛍光X線のX線強度を、
分光角度2θの成分、つまり見掛けの波長成分(nλ)
に分けた蛍光X線スペクトルを示す。上記X線強度の測
定は、(b) の重元素 (U〜Ti) 領域においては、単一の
分光結晶52 (たとえばLiF)を用いて連続的になされる。
一方、(a) の軽元素 (Ca〜F)領域では、目的とするス
ペクトル線の波長の付近だけを不連続的に測定して、測
定時間の短縮を図っている。また、軽元素は、検出され
るX線強度が一般に小さいので、波長に応じた最適の3
種類の分光結晶53を用いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】同定解析においては、
(b) の重元素領域についてスペクトル名を同定した後、
(a) の軽元素領域についてスペクトル名を同定する。こ
こで、(b) の重元素領域においては、連続的にX線強度
を測定しているので、同一元素の各スペクトル線 (K
α,Kβ1 …Lα,Lβ1 …)およびその高次線(nが
2以上)が同一のチャート上に表れるので、各スペクト
ル間および次数間の強度比から、正確に同定することが
できる。
【0007】しかし、(a) の軽元素領域においては、同
一のチャート上にない重元素のL線、M線または高次線
が検出されるので、同一の領域CA〜Fに複数のスペクト
ル線が現れる。その一方で、前述のように、目的とする
スペクトル線の波長の付近だけを、重元素用の分光結晶
52 (LiF)とは異なる軽元素用の分光結晶53 (たとえば、
PET)を用いて検出しているので、これらのスペクトル線
を同定するためには、各スペクトル間 (Kα,Kβ1
Lα,Lβ1 …間)の強度比および次数(n=1,2,3,
…) 間の強度比の他に、分光結晶52, 53の相違による強
度比を考慮する必要がある。さらに、分析する元素によ
っては、X線管やスリットも変えるので、これらの測定
条件を考慮して同定する必要がある。そのため、スペク
トルの波長とピークのみから、スペクトル名を決定する
ことができず、測定して得られたスペクトルから、正確
にスペクトル名を同定するのは、熟練者でも容易でな
く、かつ、時間を要する。特に、初心者では極めて困難
であり、同定することができない。
【0008】この発明は上記従来の課題に鑑みてなされ
たもので、測定した蛍光X線スペクトルから、初心者で
も、迅速かつ簡単に、スペクトル名を正確に同定しうる
蛍光X線スペクトルの同定解析装置および方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の構成を、実施例を示す図1に基づいて説明
する。図1において、測定器10は、少なくとも2種以上
の分光結晶52, 53 (図5)で重元素領域と軽元素領域に
ついて蛍光X線のX線強度を測定し、分光角度2θとX
線強度からなる測定値信号aを測定値データメモリ11に
出力する。測定値データメモリ11は、測定した蛍光X線
のX線強度を見掛けの波長 (分光角度) 成分に分けた蛍
光X線スペクトル(図6)として記憶する。記憶したデ
ータは、必要に応じて2つのデータバス31, 32を通じ
て、それぞれ、重元素同定手段12およびピーク検出手段
15に読み出される。
【0010】重元素同定手段12は、それぞれ、データバ
ス31, 34を通じて、測定値データメモリ11およびスペク
トル表データメモリ13のデータを読み出す。スペクトル
表データメモリ13には、図2のように、見掛けの波長に
対して、スペクトル名、反射の次数nおよび相対X線強
度のデータが、予め入力されており、図1の上記スペク
トル表データメモリ13は、これらのデータを記憶してい
る。重元素同定手段12は、測定値データメモリ11の測定
値に基づいて、図6の各ピークSp1,Sp2 …Spnの波長お
よびX線強度を検出し、この波長およびX線強度と、ス
ペクトル表データメモリ13からの相対X線強度 (図2)
によってスペクトル名を同定する。この重元素領域にお
ける同定は、X線強度の大きいピークから順次、スペク
トル間および次数間の強度比の判定を行いながらなされ
る。同定したスペクトル線については、スペクトル名と
そのX線強度が、図1の同定元素信号hとして、重元素
同定手段12から同定済元素データメモリ14に出力され
て、同定済元素データメモリ14に記憶される。
【0011】ピーク検出手段15は、軽元素領域におい
て、見掛けの波長の短い順に測定値データメモリ11で記
憶した波長とX線強度から、図6のピークSp11, Sp12…
Spn の波長を検出し、ピークの波長を図1のピーク波長
信号bとして同定済元素検索手段16に出力する。同定済
元素検索手段16は、上記検出したピークの波長に対し
て、同定済元素のスペクトル線のうちほぼ同一の波長に
ピークがあるか否かを検索する。つまり、同定済元素検
索手段16は、スペクトル表データメモリ13および同定済
元素データメモリ14からデータバス35, 36を通じて、検
出したピークの波長に対して同定済元素のスペクトル線
のうちに、ほぼ同一の波長のピークがあるか否かを検索
する。この同定済元素検索手段16は検索したスペクトル
線の波長、スペクトル名、次数をスペクトル信号cとし
て強度換算手段17に出力する。
【0012】強度換算手段17は検索した同定済元素のス
ペクトル線のX線強度に換算係数を乗算して、同定済元
素の換算強度を演算する。上記換算係数は、図3のよう
に、分光結晶LiF, PETの相違による測定条件およびスペ
クトル線の相違から定められるもので、図1の換算テー
ブルメモリ18に、予め入力して記憶してあり、換算テー
ブルメモリ18からデータバス37を通じて強度換算手段17
に読み出される。なお、換算係数は、予め既知の試料で
測定して得ることができるが、X線管50 (図5) やスリ
ット (図示せず) を複数有する分析装置では、これらの
要因も考慮に入れた値を測定して得ておき、予め換算テ
ーブルメモリ18に入力して記憶させる。
【0013】比較手段19は、ピーク検出手段15からのピ
ーク強度信号dと、強度換算手段17からの換算強度信号
eを入力とし、換算強度に対する測定値の割合、つま
り、換算強度と測定値の強度比を演算し、強度比信号f
として判定手段20に出力する。
【0014】判定手段20は、強度比信号fを入力とし、
強度比の大きさで、そのスペクトル線であるか否かを判
定するマップを備えており、強度比の大きさに基づい
て、検出したピークが未同定元素のスペクトル線または
同定済元素のスペクトル線のいずれか一方か、あるい
は、双方かを判定する。この判定手段20は、同定したス
ペクトル線のスペクトル名、波長およびX線強度を同定
元素信号gとして、同定済元素データメモリ14に出力す
る。同定済元素データメモリ14は、入力されたスペクト
ル名、波長およびX線強度を新たな同定済元素のスペク
トル線のデータとして記憶する。
【0015】記憶したデータは、表示器21に読み出され
て、データバス38を通じて表示器21に出力され、図7の
ように、スペクトル名がスペクトルとともに表示され
る。なお、図1の重元素同定手段12は、軽元素領域と同
様なピーク検出手段15および同定済元素検索手段16を備
えており、軽元素領域と同じものを兼用してもよい。ま
た、重元素同定手段12はスペクトル表データメモリ13か
ら、つまり図2のスペクトル表から、スペクトル間およ
び次数間の強度比を検索してもよいが、この強度比を元
素ごとに検索できる強度比チェックテーブルを設けて、
検索速度を高速にするのが好ましい。
【0016】つぎに、この発明の同定方法を図4のフロ
ーチャートを用いて説明する。まず、ステップS1におい
て開始すると、ステップS2に進み、図5の測定器10で、
重元素領域と軽元素領域について蛍光X線のX線強度を
測定する。つづいて、図4のステップS3に進み、重元素
領域においてスペクトル名を同定した後、ステップS4に
進む。ステップS4では、図6(a) の軽元素領域におい
て、ピーク検出手段15 (図1) が、上記波長の短い順
に、目的とするスペクトルごとに分割した領域CA, K…
Fに、ピークSpn があるか否かを判断し、ピークSpnの
波長を検出する。この検出の結果、ピークSpn がなけれ
ば、図4のステップS9に進む。一方、ピークSpn があれ
ば、ステップS5に進む。
【0017】ステップS5では、図1の同定済元素検索手
段16が、上記検出したピークSpn の波長に対して、同定
済元素のスペクトル線のうちに、ほぼ同一の波長のピー
クがあるか否かをスペクトル表 (図2) から検索する。
この検索の結果、同定済元素についてのピークがある場
合は、図4のステップS6に進み、同定済元素のスペクト
ルのX線強度に、測定条件およびスペクトル線の種類に
より定まる換算係数を乗算することで、同定済元素の換
算強度を演算して、ステップS7に進む。一方、ステップ
S5の検索の結果、同定済元素についてのピークがない場
合は、そのままステップS7に進む。
【0018】ステップS7では、同定済元素検索手段16
(図1)が、上記検出したピークSpnの波長に対応する未
同定元素のスペクトル名を、スペクトル表 (図2) から
検索した後、ステップS8に進む。ステップS8では、上記
換算強度と上記測定した測定値との強度比から、上記検
出したピークSpn が、未同定元素もしくは同定済元素の
スペクトルのいずれか一方か、または、双方かを判定す
る。この判定後、ステップS9に進み、図6(a) の全ての
領域CA, K…Fについて、スペクトル線の同定が完了し
たか否かを判断する。この判断の結果、全ての同定が完
了していなければ図4のステップS4に戻り、全ての同定
が完了していればステップS10 に進み終了する。
【0019】
【作用】この発明によれば、予め、分光結晶、X線管、
スリットなどの測定条件の相違に基づく換算係数を測定
し、この換算係数を、同定済元素のスペクトル線のX線
強度に乗算するから、同定済元素のスペクトルの高次線
等による影響を正確に把握できる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の同定解析装置および方法を
具体的に説明する。まず、図5の測定器10において、分
光角度2θを徐々に変化させつつ、蛍光X線B3の測定を
行い、図6に示す蛍光X線スペクトルを得る。重元素領
域についてはLiF の分光結晶を用い、軽元素領域につい
ては、領域CA〜PをGeの分光結晶で、領域SI, ALをPET
の分光結晶で、領域MG〜FをTAP の分光結晶で、それぞ
れ測定する。
【0021】ついで、重元素同定手段12 (図1) が、最
もX線強度の大きいスペクトル線から、順次、スペクト
ル名の同定検索を行う。この重元素領域のスペクトル線
はKα線、Lα線またはLβ1 線のいずれかであり、か
つ、1次線であることより、スペクトル表データメモリ
13 (図2のスペクトル表) の内容から、可能性のあるス
ペクトル名を少なく限定することができる。
【0022】つづいて、重元素同定手段12 (図1) は、
上記スペクトル名のペア(ペアはKαとKβ1 またはL
αとLβ1 )のピークを検索し、ペアのピークがあれ
ば、その元素の微小スペクトルおよび高次線のスペクト
ル名を同定する。この同定は、スペクトル間の強度比、
ならびに、1次線と高次線間の強度比に基づいて行う。
こうして、重元素同定手段12は、U〜Tiの元素を対象と
して、スペクトル名の同定を行う。重元素の同定解析で
同定された元素は、図7(b) に示すように、Rh,Mo, Zr,
As, Ni, Cu, Co, Fe, Mn, Cr, Tiの11元素である。
【0023】つぎに、軽元素領域の同定解析方法につい
て、図6の領域SIを例にとって説明する。領域SIは、 S
iKα付近のスペクトル、つまり、分光角度2θが109.22
°付近のスペクトルを示す。この領域SIには、2つのピ
ークSp15, Sp16があるので、ピーク検出手段15 (図
1) がこれらのピークSp15, Sp16の分光角度2θ=103.
61°, 109.19°を検出する。
【0024】図1の同定済元素検索手段16は、まず、上
記分光角度2θをブラッグの式に基づいて見掛けの波長
nλ(6.871Å, 7.125Å) に変換する。つづいて、同定
済元素検索手段16は、1次線のK線として現れるスペク
トル線をスペクトル表データメモリ13から、つまり図2
のスペクトル表から検索する。
【0025】スペクトル表データメモリ13 (図1) に
は、1次線から10次線までの全てのスペクトル線が入力
してあり、n次線のスペクトル線に対してはn・λ(見
掛けの波長)として、見掛けの波長毎に、スペクトル
名、反射の次数(n)および相対X線強度が入力され
て、記憶されている。
【0026】上記検索の結果、図2のスペクトル表から
分かるように、ピークSp15(6.871Å) については、対応
する1次線のK線に該当するものがない。一方、ピーク
Sp16(7.125Å) については、 SiKα線(7.126Å) が該当
する。一方、同定済元素検索手段16 (図1) は、重元素
で同定された元素について、上記2つのピークSp15, Sp
16の付近にスペクトル線があるか否かをスペクトル表か
ら検索する。この検索の結果、ピークSp15(6.871Å) に
ついては、 CrKα−3rd( 6.873Å) が検索される。一
方、ピークSp16(7.125Å) については、 ZrKα−9th
(7.086Å) と、 MoKα−10th(7.107Å) とが検索され
る。この検索後、図1の同定済元素検索手段16は、上記
各スペクトル線 CrKα、 ZrKα、 MoKαのX線強度296.
1kcps, 412.0kcps, 4.0kcps をスペクトル信号cとし
て、強度換算手段17に出力する。
【0027】強度換算手段17は、これらのスペクトル線
CrKα、 ZrKα、 MoKαの高次線の強度が、PET の分光
結晶52でどれだけの値になるかを換算 (推定)する。こ
の換算は換算テーブルメモリ18に格納された図3の換算
表に基づいてなされる。この換算表には、分光結晶およ
び波長ごとに相対X線強度が格納されている。たとえ
ば、図3(a) の真の波長λが2.2910Åのスペクトル線
は、分光結晶 LiFを用いた場合の1次線の相対強度を1.
0 としたとき、図3(b) の分光結晶 PETを用いた場合の
3次線については、0.0031の相対強度を有すると推定さ
れる。この相対強度は、予め、既知の標準物質を用いて
実際に測定して得られた値を換算テーブルメモリ18 (図
1) に入力しておく。
【0028】CrKα(6.873Å) −3rdの真の波長は、 2.
291Åであり、図3(a),(b) から、その換算係数が0.003
1であることが分かり、X線強度296.1Kcps に換算係数
0.0031を乗算して、換算強度0.92Kcpsを得る。この換算
後、図1の強度換算手段17は、比較手段19に換算強度0.
92Kcpsを換算強度信号eとして出力する。
【0029】一方、比較手段19には、上記ピーク検出手
段15からピークSp15の実際のX線強度 (測定値) が、ピ
ーク強度信号dとして入力される。比較手段19は、ピー
クSp15の測定値0.621Kcps を換算強度0.92Kcpsで除し
て、強度比0.67を得、この強度比を判定手段20に強度比
信号fとして出力する。
【0030】上記換算による推定が正確であれば、強度
比は1.0 となり、したがって、強度比が1.0 を越える大
きな値になるときは、換算強度よりも測定値が遙かに大
きいので、そのスペクトル線ではないことを意味する。
判定手段20は、この上限値を判定値としたマップを有し
ており、強度比が判定値以下のときに、そのスペクトル
線であると同定し、一方、判定値よりも大きいときにそ
のスペクトル線でないと判断する。この判定値はたとえ
ば4.0程度の値が用いられ、この場合、強度比0.67が4.0
よりも小さいので、ピークSp15は CrKα−3rdである
と同定される。この同定後、判定手段20は、ピークSp15
の波長、X線強度およびスペクトル名を同定元素信号g
として、同定済元素データメモリ14に出力する。
【0031】図6のピークSp16については、図3(b) の
換算表から、 ZrKα9th (真の波長0.7873Å) の換算係
数が0.0000であり、また、 MoKα−10th (真の波長0.71
07Å) の換算係数が0.0000であることが分かり、そのた
め換算強度が0になり、強度比が無限大となる。ゆえ
に、判定手段20がピークSp16には、 ZrKα−9thおよび
MoKα−10thが含まれていないと判定する。したがっ
て、ピークSp16は重元素の高次線等を含んでおらず、図
2のスペクトル表から検索された SiKαであると同定さ
れる。
【0032】以上の動作を図6(a) の領域CA〜Fまで行
うことにより、図7(a) のように、軽元素領域について
も、スペクトルが同定される。
【0033】ところで、ステップS8 (図4) の判定にお
いて、1つのピークに2つ以上のスペクトル線の可能性
がある場合は、上記強度比=(測定値/換算強度)が最
も小さいもの、つまり、最も可能性の高いスペクトル線
のみを同定する。但し、表示器21 (図1) の表示として
は、2番目に可能性の高いものまで米印やアンダーライ
ンなどでマークして表示する。以上の同定解析におい
て、分光結晶の他にX線管、スリットおよびアッテネー
タなどの測定条件が異なる場合は、これらについての換
算も行う。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、分光結晶、X線管、スリットなどの測定条件の相違
に基づく換算係数を予め測定し、この換算係数を同定済
のスペクトル線のX線強度に乗算して、軽元素領域のス
ペクトル線を判定して同定するので、同定済のスペクト
ル線の影響を正確に把握できるから、初心者でも迅速か
つ簡単に、スペクトル名を正確に同定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の同定解析装置の一実施例を示す概略
構成図である。
【図2】スペクトル表の内容を省略して示す図表であ
る。
【図3】換算表の内容を省略して示す図表である。
【図4】同定解析方法を示すフローチャートである。
【図5】測定装置を示す概略構成図である。
【図6】測定したスペクトルを示す特性図である。
【図7】同定解析の結果を表示器で表示した状態を示す
特性図である。
【符号の説明】
10…測定器、11…測定値データメモリ、12…重元素同定
手段、13…スペクトル表データメモリ、15…ピーク検出
手段、16…同定済元素検索手段、17…強度換算手段、18
…換算テーブルメモリ、19…比較手段、20…判定手段、
52, 53…分光結晶。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種以上の分光結晶で重元素
    領域と軽元素領域について蛍光X線のX線強度を測定す
    る測定器と、測定した蛍光X線のX線強度を見掛けの波
    長成分に分けた蛍光X線スペクトルとして記憶する測定
    値データメモリと、重元素領域において、スペクトル名
    を同定する重元素同定手段と、上記波長に対して、スペ
    クトル名、反射の次数および相対X線強度のデータを記
    憶したスペクトル表データメモリと、少なくとも分光結
    晶の相違による測定条件およびスペクトル線の相違によ
    る相対X線強度の換算係数を記憶した換算テーブルメモ
    リと、軽元素領域においてピークの波長を検出するピー
    ク検出手段と、上記検出したピークの波長に対して、上
    記重元素同定手段により同定された同定済元素のスペク
    トル線のうちに、ほぼ同一の波長のピークがあるか否か
    を検索する同定済元素検索手段と、検索した同定済元素
    のスペクトル線のX線強度に上記換算係数を乗算して、
    同定済元素の換算強度を演算する強度換算手段と、上記
    検出したピークについての測定値と上記換算強度との強
    度比を演算する比較手段と、上記強度比から、検出した
    ピークが未同定元素のスペクトル線か同定済元素のスペ
    クトル線かを判定する判定手段とを備えた蛍光X線スペ
    クトルの同定解析装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも2種以上の分光結晶で重元素
    領域と軽元素領域について蛍光X線のX線強度を測定
    し、重元素領域において、スペクトル名を同定し、軽元
    素領域においてピークの波長を検出し、この検出したピ
    ークの波長に対して、同定済元素のスペクトル線のうち
    に、ほぼ同一の波長のピークがあるか否かをスペクトル
    表から検索し、この検索の結果、同定済元素についての
    ピークがある場合は、同定済元素のスペクトル線のX線
    強度に、測定条件およびスペクトル線の相違による換算
    係数を乗算して、同定済元素の換算強度を演算し、上記
    検出したピークの波長に対し、未同定元素のスペクトル
    名をスペクトル表から検索し、上記換算強度と上記測定
    した測定値との強度比から、上記検出したピークが、未
    同定元素のスペクトル線か同定済元素のスペクトル線か
    を判定する蛍光X線スペクトルの同定解析方法。
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