JP2592466B2 - 2,5−ジスチリルピラジン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

2,5−ジスチリルピラジン誘導体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は2,5−ジスチリルピラジンの4位に置換基を
有する新規なジオレフィン化合物、およびその製造法に
関する。
〔従来の技術およびその問題点〕
これまでに剛直な分子骨格を有するジオレフィン化合
物として、2,5−ジスチリルピラジンが合成され、この
化合物が固相で光重合し、高結晶製に高重合体を与える
ことは良く知られていた。しかしながら、本発明化合物
の如く2,5−ジスチリルピラジンのフェニル環の4位に
アミノ基を有した化合物は合成がなされていなかった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は4位にアミノ基を有する2,5−ジスチリル
ピラジン誘導体の合成について鋭意研究した結果、2,5
−ビス(4−アセトアミノスチリル)ピラジンおよび2,
5−ビス(4−アミノスチリル)ピラジンを新規に合成
し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の構造式(I)で表わされる2,5
−ジスチリルピラジン誘導体 (式中、XはCOCH3又はHを表わす)、具体的には下記
の構造式(IV)と(V)で表わされる2,5−ビス(4−
アセトアミノスチリル)ピラジンと2,5−ビス(4−ア
ミノスチリル)ピラジンを提供するものである。
本発明の化合物は以下の合成経路で得ることができ
る。即ち、2,5−ジメチルピラジンにp−アセトアミノ
ベンズアルデヒドを縮合剤の存在下、作用させることに
より2,5−ビス(4−アセトアミノスチリル)ピラジン
(IV)を得ることができる。そして酸性条件下で脱アセ
チル化することにより2,5−ビス(4−アミノスチリ
ル)ピラジン(V)を得ることができる。
尚、上記(1)の反応式において、Aはポリリン酸、
無水酢酸、硫酸、無水安息香酸、塩化亜鉛、あるいはそ
れらの混合物からなる縮合剤を表わすが、必ずしもこれ
らに限定されるものでなく、縮合作用のある化合物なら
ばすべて用いることができる。又、Bは塩酸、硫酸、p
−トルエンスルホン酸、リン酸等の酸触媒を表わすが、
必ずしもこれらに限定されるものでなく、一般にブレン
ステッド酸ならすべて用いることができる。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1 2,5−ビス(4−アセトアミノスチリル)ピラジンの合
10.8g(0.1mol)の2.5−ジメチルピラジンと、36.0g
(0.2×1.1mol)のp−アセトアミノベンズアルデヒド
と、1.0gのZnCl2とを丸底フラスコに入れ、180℃で4時
間、200℃で2時間油浴中で反応させた。系に200mlのジ
メチルアセトアミド(DMAc)を加え、10分間還流後、濾
紙を通して溶液を三角フラスコに移した。更に200mlのD
MAc、最後に100mlのDMAcで同様に行った。析出する結晶
を濾別後、もう一度DMAcから再結晶した。
収量:23.6g 収率:59.3% 得られた2,5−ビス(4−アセトアミノスチリル)ピ
ラジンの赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)および300MH
z 1H−NMRスペクトル〔溶媒=ジメチルスルホキシド−d
6(DMSO−d6)、内部標準物質;テトラメチルシラン(T
MS)〕を図1と図2にそれぞれ示す。
IR(KBr法):3307,1664,1592,1535,1441,1367,1321,126
8,973,823cm-1 1 H−NMR(300MHz;DMSO−d6):δ2.07(s,6H)、δ7.2
−7.3(d,2H)、δ7.5−7.8(m,10H)、δ8.70(s,2
H)、δ9.99(s,2H)ppm 実施例2 2,5−ビス(4−アミノスチリル)ピラジンの合成 実施例1で得た2,5−ビス(4−アセトアミノスチリ
ル)ピラジン10.0gを、100mlの濃塩酸と6時間還流し
た。冷却後濾別し、生成物を200mlの水に分散し、固体
のNaOHで強アルカリにした。濾別後、小量の水を含くむ
DMAcで再結晶し、もう一度DMAcから再結晶した。
収量:5.6g 収率:71.0% 得られた2,5−ビス(4−アミノスチリル)ピラジン
の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)および300MHz 1H−
NMRスペクトル(溶媒=DMSO−d6、内標準物質;TMS)を
図3と図4にそれぞれ示す。
IR(KBr法):3318,3197,1596,1515,1483,1286,1178,115
1,1027,975,817cm-1 1 H−NMR(300MHz;DMSO−d6):δ5.42(s,4H)、δ6.5
−6.7(d,4H)、δ6.9−7.1(d,2H)、δ7.3−7.5(d,4
H)、δ7.5−7.7(d,2H)、δ8.54(s,2H)ppm 実施例3(光反応性の評価) 実施例1,2で得た2,5−ビス(4−アセトアミノスチリ
ル)ピラジン2,5−ビス(4−アミノスチリル)ピラジ
ンについて、結晶状態での光反応性を調べた。光反応性
は室温で、100W高圧水銀灯を用いて24時間光照射するこ
とで評価した。IRスペクトルにおいてオレフィンの吸収
ピークが減少し、光反応が起こったことを示した。ま
た、これら化合物の溶液は青紫色の蛍光を示し、光照射
により反応した。この反応は薄層クロマトグラフィーで
確認された。
〔発明の効果〕
本発明の化合物は高反応性のアミノ基を有する二官能
性モノマーであるから、ジアミン成分をモノマー原料と
するポリマー全般に有用ある。例えば、ポリアミド、ポ
リイミド、ポリスルホンアミド、ポリウレア、ポリアミ
ン等、(即ち、アミド結合、イミド結合、スルホンアミ
ド結合、ウレア結合、アミノ結合を有するポリマーおよ
びそれらの結合が混在したポリマーに対する)モノマー
として有用である。
又、本発明の化合物は、光により固相状態および溶液
中で〔2+2〕光環化付加反応によりシクロブタン環を
有する付加体を生成する。さらに、より短波長の光によ
りシクロブタン環あるいはピラジン環が光開裂する特性
を有する。
従って、本発明の化合物は、これらの性質を利用した
光反応剤、光記録材料として有用なものである。更に、
化合物自体が蛍光物質であるから増白剤、光反応性の螢
光物質として分析、測定試剤としても有用である。
【図面の簡単な説明】
図1、図2は実施例1で得た2,5−ビス(4−アセトア
ミノスチリル)ピラジンの赤外吸収スペクトル及び300M
Hz 1H−NMRスペクトルのチャート、図3,図4は実施例2
で得た2,5−ビス(4−アミノスチリル)ピラジンの赤
外吸収スペクトル及び300MNz 1H−NMRスペクトルのチャ
ートである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の構造式(IV)で表わされる2,5−ビ
    ス(4−アセトアミノスチリル)ピラジン。
  2. 【請求項2】構造式(II) で表わされるp−アセトアミノベンズアルデヒドと構造
    式(III) で表わされる2,5−ジメチルピラジンを縮合剤存在下で
    反応させることを特徴とする下記の構造式(IV)で表わ
    される2,5−ビス(4−アセトアミノスチリル)ピラジ
    ンの製造方法。
JP62267989A 1987-10-23 1987-10-23 2,5−ジスチリルピラジン誘導体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP2592466B2 (ja)

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