JP2591960B2 - コーヒー、茶またはこれらの代用品の抽出方法並びに装置 - Google Patents

コーヒー、茶またはこれらの代用品の抽出方法並びに装置

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Description

【発明の詳細な説明】 《発明の目的》 〈産業上の利用分野〉 本発明はコーヒー、紅茶、ウーロン茶、緑茶等の抽出
方法並びに装置に関するものである。
〈従来の技術とその問題点〉 この種の飲料製品を製造するにあたっては、原料素材
を抽出槽やタワータンク状の抽出容器の中に投入すると
ともに、ここに加熱した抽出水を注入して原料素材と抽
出水との接触を図り、原料素材のエキス分を抽出液中に
浸出させるものである。そして一定時間経過後、エキス
分を抽出した抽出製品液は、例えば槽状の抽出装置の場
合にはこの槽ごと上下を反転させて取り出されたり、あ
るいはタワータンク状の抽出装置の場合には下方から抜
き取られるようにして取り出される。
しかしながらこのような手法であると、まず抽出槽を
反転して抽出後の廃棄原料素材と抽出製品液とを一緒に
取り出すものの場合には(このような製造を行うのは一
定の抽出時間で直ちに抽出反応を止めなければならない
紅茶等に適用される場合が多い)取り出し後も抽出製品
液と廃棄される原料素材との分離を行わねばならず、い
わば二度手間となるものであり、また抽出製品液が外気
にさらされることも多く酸化等の変質の問題や他の雑菌
等の混入も皆無とはなし得ない点で製品管理面で必ずし
も万全なものとは言い難かった。またコーヒー等を対象
とした抽出手法としては先に述べたタワータンク状の槽
内において下方から製品抽出液を取り出すことが多く行
われているが、これは抽出製品液の取り出しに時間がか
かる上、この手法では短時間の接触で抽出を完了させな
ければならない紅茶等には適用できないから、この種の
装置はコーヒーの専用機としてしか利用することができ
なかった。
〈開発を試みた技術的事項〉 本発明はこのような従来手法の種々の問題点に関みな
されたものであって、抽出作業時間の長短にかかわりな
く使用でき、また製品抽出液の取り出しを迅速に行い、
且つ原料素材とは完全に分離した状態で取り出しのでき
るようにした新規なコーヒー、茶またはこれらの代用品
の抽出方法並びに装置の開発を試みたものである。
《発明の構成》 〈目的達成の手段〉 即ち本発明たるコーヒー、茶またはこれらの代用品の
抽出方法は、原料素材を抽出タンク内に投入し、次いで
少なくとも抽出時において適宜温度に加熱される抽出水
を抽出タンク内に供給し、所定時間経過後、抽出タンク
の側方を外部と連通させて、ここで原料素材の濾過を行
うとともに、抽出製品液を取り出すようにしたことを特
徴として成るものであり、もって前記目的を達成しよう
とするものである。
また本発明たるコーヒー、茶またはこれらの代用品の
抽出装置は、抽出タンク内に原料素材と抽出水とを供給
し、原料素材のエキス分を抽出した抽出製品液を取り出
す装置において、抽出タンクの少なくとも側面に一カ所
または複数カ所、原料素材の堆積域から堆積上限よりも
上方にわたる濾過部材を具えた抽出製品液取出部を設け
たことを特徴として成るものであり、もって前記目的を
達成しようとするものである。
〈実施例〉 以下本発明の実施例を図面を参照しながら具体的に説
明する。この説明にあたってはまず本発明の抽出装置の
構成について説明し、その装置の作動状態を述べながら
併せ本発明の方法を説明する。
符号1は本発明たる抽出装置であって、抽出タンク2
を主要部材とする。この抽出タンク2はほぼ円筒形状の
缶体であり、まずその下方に底部蓋板3を具える。この
底部蓋板3はヒンジ4において回動自在に取り付けられ
ているアーム5によって支持されて成り、このアーム5
には蓋板開閉シリンダ6の摺動子が作用して底部蓋板3
の開閉を行う。そしてこの底部蓋板3は閉蓋状態を維持
するためにクランプユニット7によって閉蓋状態を維持
するものであり、このクランプユニット7はクランプシ
リンダ8の作用を受けてクランプ状態の維持ないし解除
を図るようにする。そしてこの底部蓋板3の中央にはド
レン口9を設けるものであり、抽出タンク2内の廃液等
を排除する。勿論、用法によってはここから抽出製品液
L2を取り出すことも可能である。そして底部蓋板3の内
側上面には内部の原料素材等の重量を支持し得るような
耐荷重を有するパンチングメタル10を張設するととも
に、その上面に例えば80メッシュ程度の充分に小さな網
目の金網11を張設する。そして抽出タンク2のやや下方
寄りの側面には一例として周囲に四カ所にわたって抽出
製品液取出部12を設ける。このものはやや内側に矩形状
に張り出したものであって、原料素材の堆積域たる金網
11の上方から、堆積上限(嵩高は通常、抽出タンク2の
1/3程度)よりも上方となる抽出タンク2の約1/2付近に
亘ってパンチングメタル13によって区画されるととも
に、その周面を覆うように濾過部材たる金網14が張設さ
れる。そしてこの抽出製品液取出部12の下方には側面液
出口15を連通させる。更に抽出タンク2の下方周囲には
温度計取付口17とガス注入口18を設ける。因みにガス注
入口18は後述するように窒素ガスN2等を抽出タンク2内
に供給し得るようにしている。一方抽出タンク2の上方
における諸部材について述べると、まず予備注入口20を
上方に複数カ所設けるものであり、このものはその下方
吐出口の抽出タンク2の内壁側に偏向するように湾曲さ
せて成り、発泡防止構造をとる。更に抽出タンク2の頂
部中央には抽出水L1の給水ノズル21を設けるとともに、
それに隣接して洗浄口22を設ける。また更に補機的なも
のとして点検用覗き窓24とマンホール25を設ける。
本発明の抽出装置1は以上述べたような具体的な構造
を有するものであり、次のようにしてコーヒー、紅茶等
のエキス分の抽出を行う。まず作業開始にあたっては底
部蓋板3の閉蓋状態を確認し、且つドレン口9あるいは
側面液出口15の閉鎖状態を確認して上方のマンホール25
を開けて、ここから原料素材Aを投入する。この投入量
は抽出タンク2の容量如何によって適宜設定できるが、
多くは数100kgを中心として数10kg〜1t以上の範囲で適
宜投入量が設定できるものである。尚この投入にあたっ
ては、予め抽出タンク2内に前記ガス注入口18から窒素
ガスN2等を供給して抽出タンク2内を窒素ガスN2等で満
たした状態としておくことができるものであって、これ
は望ましい措置の一つである。このようにした後、給水
ノズル21から抽出水L1を抽出タンク2内に供給するもの
であって、抽出タンク2内にはスプレー状に吐出する。
この実施例では抽出タンク2内に特に加熱装置を設けな
いから、この抽出水L1はエキス分の抽出に都合のよい温
度に加熱された温水を供給する。このように抽出水L1
供給すると、このものと原料素材Aとが反応して原料素
材A中のエキス分の抽出が図られる。勿論この場合に例
えば両者を積極的に撹拌して抽出反応を促す場合には適
宜の撹拌羽根等を作用させてもよいし、あるいはすでに
述べたガス注入口18から更に窒素ガスN2等の供給を行
い、そのガス流によって抽出タンク2内の原料素材Aと
抽出水L1とに旋回流を生じさせるようにしてもよいし、
更に前記予備注入口20から抽出水L1を送り込み撹拌を行
ってもよい。このようにして一定時間経過した後は側面
液出口15の先端に設けたバルブ(図示を省略)を開放
し、抽出製品液L2を取り出す。即ちすでにエキス分が抽
出されて抽出製品液L2となったものは抽出製品液取出部
12の金網14とパンチングメタル13の間から流出し、側面
液出口15に排出されてゆくのである。このとき抽出製品
液L2が外部に排出されるにあたっては、下方に堆積され
た状態となっている原料素材Aに妨げられることなく堆
積上限よりも上方から円滑な外部への排出がなされる。
このようにして抽出製品液L2の取り出しが完全になされ
た後には原料素材Aを排除するために底部蓋板3を開口
させ、この底部蓋板3における金網11上に堆積した状態
となっている抽出後の原料素材Aを下方に落下させ適宜
回収廃棄する。尚その後、更に抽出タンク2内の洗浄を
行う場合には例えば洗浄口22から洗浄液L3をシャワー状
に噴射し、その洗浄を行う。
《発明の効果》 本発明は以上述べたような構成を有するから、まず抽
出後の抽出製品液L2を取り出すにあたり、抽出タンク2
の側面から取り出される抽出製品液L2は堆積する原料素
材Aを通過せずに堆積上限よりも上方から取り出される
から迅速な取り出しが可能となる。そして迅速な取り出
しが可能なことは一定時間抽出作業を行った後、直ちに
原料素材Aと抽出製品液L2を分離しなければならない紅
茶等の抽出にも適用できるものであり、コーヒー、紅茶
等の従来抽出手法に差異のあったものでも共通的に抽出
加工できる。また取り出された抽出製品液L2は金網14に
より濾過され、すでに原料素材Aを全く含まない状態で
取り出されるからその後の製品管理等の手間が更に省け
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明たるコーヒー等の抽出装置を示す一部破
断斜視図、第2図は同上縦断側面図、第3図は同上平面
図、第4図は同上底面図である。 1;抽出装置 2;抽出タンク 3;底部蓋板 4;ヒンジ 5;アーム 6;蓋板開閉シリンダ 7;クランプユニット 8;クランプシリンダ 9;ドレン口 10;パンチングメタル 11;金網 12;抽出製品液取出部 13;パンチングメタル 14;金網 15;側面液出口 17;温度計取付口 18;ガス注入口 20;予備注入口 21;供給ノズル 22;洗浄口 24;点検用覗き窓 25;マンホール A;原料素材 L1;抽出水 L2;抽出製品液 L3;洗浄液 N2;窒素ガス

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料素材を抽出タンク内に投入し、次いで
    少なくとも抽出時において適宜温度に加熱される抽出水
    を抽出タンク内に供給し、所定時間経過後、抽出タンク
    の側方を外部と連通させて、ここで原料素材の濾過を行
    うとともに、抽出製品液を取り出すようにしたことを特
    徴とするコーヒー、茶またはこれらの代用品の抽出方
    法。
  2. 【請求項2】抽出タンク内に原料素材と抽出水とを供給
    し、原料素材のエキス分を抽出した抽出製品液を取り出
    す装置において、抽出タンクの少なくとも側面に一カ所
    または複数カ所、原料素材の堆積域から堆積上限よりも
    上方にわたる濾過部材を具えた抽出製品液取出部を設け
    たことを特徴とするコーヒー、茶またはこれらの代用品
    の抽出装置。
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JPH0687740B2 (ja) * 1990-03-08 1994-11-09 株式会社ニチレイ 抽出飲料液製造方法及び同装置
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