JP2591449Y2 - フロッピーディスクドライブのヘッドキャリッジガイド装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案はフロッピーディスクド
ライブに関するものであり、特にヘッドキャリッジを案
内するヘッドキャリッジガイド装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のヘッドキャリッジガイド装置を図
４に従って説明する。同図はマイクロフロッピーディス
クドライブ１を示し、シャーシ２の後部の左右中間部位
にヘッドキャリッジ３が配置されている。ヘッドキャリ
ッジ３は、上部キヤリッジアーム４の下側（図において
紙面の奥）に位置する下部キャリッジ５の側面にガイド
ブラケット６を設け、ガイドブラケット６へスライドガ
イドロッド７が挿通されている。

【０００３】スライドガイドロッド７は、シャーシ２を
切起こしたロッド受け部８，８とクランププレート９と
によって両端部を挟圧して固定されている。クランププ
レート９は、両端にクランプ部９ａ，９ａを設けた金属
板で、中央部にねじ孔１０並びにねじ孔１０をはさんで
一対の位置決め孔１１，１１を設け、シャーシ２に設け
た突起１２，１２を位置決め孔１１，１１に合致させ、
ねじ孔１０へねじ１３を挿入してシャーシ２に締結して
いる。

【０００４】ヘッドキャリッジ３の下部キャリッジ５か
ら側方へ突設したガイドピン１４は、シャーシ２に配設
したステッピングモータ１５のリードスクリュー軸１６
に噛合っており、リードスクリュー軸１６の回転に伴な
いヘッドキャリッジ３はスライドガイドロッド７に沿っ
て前或いは後へと移動する。そして、上部キヤリッジア
ーム４の先端部に装着した上部磁気ヘッド１７と、上部
磁気ヘッド１７に対向して下部キャリッジ５に装着され
た図に表われない下部磁気ヘッドとがフロッピーディス
クの両面に接触してデータの読書きを行う。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】前述した従来のヘッド
キャリッジガイド装置は、スライドガイドロッドを固定
するクランププレートを一本のねじで固定するのでスラ
イドガイドロッドの両端への押圧力のバランスを取る必
要があり、クランププレートの中央部付近をねじ止めし
ている。従って、ねじ止め位置がディスクテーブルより
となり、フロッピーディスクドライブに装填されたフロ
ッピーディスクの前部の下にねじが位置することにな
る。そのため、シャーシ及び回路基板等とフロッピーデ
ィスクとの間隔を接近させてフロッピーディスクドライ
ブの薄形化を図る際に、シャーシ上に突出するねじの頭
が障害になる。

【０００６】そこで、クランププレートの固定ねじの頭
によって生じるクリアランスを削減してフロッピーディ
スクドライブをより薄形化するために解決すべき技術的
課題が生じており、この考案は上記課題を解決すること
を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この考案は上記目的を達
成するために提案するものであり、フロッピーディスク
ドライブのヘッドキャリッジをスライドガイドロッドに
係合し、前記スライドガイドロッドの両端部をシャーシ
に設けたロッド受け部へ載置し、前記両端部を一片のク
ランププレートで固定したヘッドキャリッジガイド装置
において、前記両端部を固定するクランププレートのデ
ィスクテーブル側の端部をシャーシに設けた切起こし若
しくは切条等の係合部に係合させて固定し、他端部をシ
ャーシへねじ止めするように形成したことを特徴とする
フロッピーディスクドライブのヘッドキャリッジガイド
装置を提供するものである。

【０００８】

【作用】ヘッドキャリッジのスライドガイドロッドの両
端部をシャーシに固定するクランププレートは、ディス
クテーブル側の端部をシャーシに設けた切起こし等の係
合部に係止し、他端部側をシャーシにねじ止めしてシャ
ーシに固定される。２点でシャーシに固定するため、ね
じ止め位置が中央部位に限定されず、フロッピーディス
クに干渉しない位置に設定でき、ねじ頭の厚さの分フロ
ッピーディスクドライブを薄形化することができる。

【０００９】

【実施例】以下、この考案の一実施例を図１乃至図３に
従って詳述する。図１は３．５インチマイクロフロッピ
ーディスクドライブのシャーシ２１を示し、符号２２は
ディスクテーブル、２３は回路基板、２４は装填された
フロッピーディスクを示している。ヘッドキャリッジ２
５の下部キャリッジ２６の後部上面（図１において上）
には上部キヤリッジアーム２７の後端が取付けられてお
り、上部キヤリッジアーム２７の前部にサスペンション
プレート２８を介して上部磁気ヘッド２９が装着されて
いる。下部キャリッジ２６には上部磁気ヘッド２９と同
様にサスペンションプレートを介して下部磁気ヘッド
（図示せず）が装着されて上部磁気ヘッド２９に対向し
ており、ヘッド開閉機構によりフロッピーディスク２４
の挿填動作に連動して上下の磁気ヘッドが開閉する。

【００１０】下部キャリッジ２６の側面から、同図にお
いて右側方へ突設したガイドブラケット３０にはスライ
ドガイドロッド３１を遊挿し、スライドガイドロッド３
１はシャーシ２１に開設した長孔３２内に架け渡し、シ
ャーシ２１を切起こしたロッド受け部３３，３３にてス
ライドガイドロッド３１の両端部を支持してクランププ
レート３４によって固定している。

【００１１】下部キャリッジ２６から左側方へ突出した
ガイドピン３５は、ステッピングモータ３６のリードス
クリュー軸３７に噛合っており、リードスクリュー軸３
７の回転に伴ってヘッドキャリッジ２５がディスクテー
ブル２２へ向かって前進或いは後退される。図２はクラ
ンププレート３４を示し、可撓性を有する金属板にて形
成され、天板部４１の長手方向の一側縁部をアングル鋼
状に立下げて回路基板２３の側縁部に被装できるように
し、立下げ部４２の長手方向一端部と他端部近傍から夫
々側方にアーム４３，４４を突出させている。アーム４
３，４４は立下げ部４２から側方へ水平に延設され、先
端部位を斜め上方へ屈曲して斜面部４５，４６を形成
し、斜面部４５，４６とシャーシ２１のロッド受け部３
３，３３とによってスライドガイドロッド３１を挟圧す
る。また、斜面部４５，４６はスライドガイドロッド３
１の両端側を夫々下方へ折曲げてスラスト受け部４７，
４８を設け、スライドガイドロッド３１の軸方向の位置
を規制する。天板部４１の長手方向一端部近傍からは側
方へねじ受け部４９を突設し、ねじ受け部４９の中央に
ねじ孔５０が開穿されている。

【００１２】立下げ部４２の長手方向他端部からは側方
へ上面視Ｌ字状のフック５１を設け、図１に示すように
シャーシ２１に設けた切起こし５２に差込む。切起こし
５２は、図３に示すようにクランププレート３４のフッ
ク５１を挿入できる高さに門形に切起こされている。フ
ック５１を切起こし５２に差込み、ねじ孔５０を予め回
路基板２３に開穿した孔と一致させ、図３に示すように
ねじ５３を挿通してシャーシ２１のねじ孔５４へ締結す
ると、斜面部４５，４６がスライドガイドロッド３１を
ロッド受け部３３，３３に圧接させて固定するととも
に、天板部４１が回路基板２３の上面に面接触して回路
基板２３をシャーシ２１へ押さえつける。

【００１３】このように、クランププレート３４の両端
部位をシャーシ２１に固定し、ディスクテーブル２２側
の端部はシャーシ２１の切起こし５２に係合させるの
で、フロッピーディスク２４とクランププレート固定用
のねじ５３とが干渉することがなく、フロッピーディス
クドライブの全高を可及的に薄形化することができる。
また、回路基板２３をクランププレート３４の天板部４
１で押さえるので回路基板２３が強固に固定されて振動
が防止されるとともに、回路基板２３固定用のねじの点
数を削減できるという効果もある。

【００１４】尚、クランププレート３４の形状等は上記
一実施例に限定するものではなく種々の改変を為すこと
ができる。そして、本考案がそれらの改変されたものに
及ぶことは当然である。

【００１５】

【考案の効果】この考案は上記一実施例において詳述し
たように、ヘッドキャリッジのスライドガイドロッドを
固定するクランププレートのフロッピーディスク側端部
をシャーシの係合部に係止させて固定し、他端部をねじ
止めするので、ねじ止め位置をフロッピーディスクに干
渉しない位置に任意に設定することができる。従って、
従来のフロッピーディスクドライブに比較してクランプ
プレートの固定ねじの頭の高さに相当するクリアランス
を削減でき、フロッピーディスクドライブを可及的に薄
形化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のヘッドキャリッジガイド装置を示すフ
ロッピーディスクドライブのシャーシの平面図。

【図２】クランププレートを示し、（ａ）は正面図、
（ｂ）は平面図、（ｃ）は側面図である。

【図３】クランププレートの取付状態を示す図１のＡ−
Ａ線矢視図。

【図４】従来のヘッドキャリッジガイド装置を示すフロ
ッピーディスクドライブの平面図。

【符号の説明】

２１ シャーシ ２２ ディスクテーブル ２３ 回路基板 ２４ フロッピーディスク ２５ ヘッドキャリッジ ３０ ガイドブラケット ３１ スライドガイドロッド ３３ ロッド受け部 ３４ クランププレート ４１ 天板部 ４２ 立下げ部 ４３，４４ アーム ４５，４６ 斜面部 ４７，４８ スラスト受け部 ５０ ねじ孔 ５１ フック ５２ 切起こし ５３ ねじ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フロッピーディスクドライブのヘッドキ
   ャリッジをスライドガイドロッドに係合し、前記スライ
   ドガイドロッドの両端部をシャーシに設けたロッド受け
   部へ載置し、前記両端部を一片のクランププレートで固
   定したヘッドキャリッジガイド装置において、前記両端
   部を固定するクランププレートのディスクテーブル側の
   端部をシャーシに設けた切起こし若しくは切条等の係合
   部に係合させて固定し、他端部をシャーシへねじ止めす
   るように形成したことを特徴とするフロッピーディスク
   ドライブのヘッドキャリッジガイド装置。