JP2591393Y2 - 流量制御弁 - Google Patents

流量制御弁

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JP2591393Y2
JP2591393Y2 JP1993016008U JP1600893U JP2591393Y2 JP 2591393 Y2 JP2591393 Y2 JP 2591393Y2 JP 1993016008 U JP1993016008 U JP 1993016008U JP 1600893 U JP1600893 U JP 1600893U JP 2591393 Y2 JP2591393 Y2 JP 2591393Y2
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洋人 岩田
一義 内野
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自動車機器株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は流量制御弁に関し、特
に、流量の垂下特性(ドルーピング)、すなわちポンプ
吐出流量の増加に伴って油圧機器への供給流量を減少さ
せる特性を持ち、さらにこの供給流量が油圧機器の圧力
変動の影響を受けて復帰してしまうおそれのない、いわ
ゆる無復帰ドルーピング特性を有する流量制御弁に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】上記特性を有する流量制御弁は、一般
に、車両の動力舵取装置に使用されて高速走行時の車両
安定性、消費馬力の低減等に役立つものであり、この種
の装置として、例えば、ポンプから吐出された圧力流体
を油圧機器へ供給する供給通路内に絞り通路を設け、こ
の絞り通路の上流側と下流側との差圧によってスプール
弁を開弁して圧力流体の一部を還流させるとともに、上
記供給通路内にさらに制限通路を設け、この制限通路前
後の圧力差に応動する制御スプールによって上記絞り通
路を縮小制御するように構成したものが従来から知られ
ている(特公昭63−37749号)。
【0003】しかしながら、上記構成に係る流量制御弁
は、構造が複雑であり、部品点数が多く、製作上高精度
が要求され、また、特性のチューニングを行うことも困
難であった。そこで本出願人は、極めて簡単な構成によ
りドルーピング特性を得ることができるとともに、組立
性が良好で信頼性が高く、しかも軸方向の長さを短縮し
てコンパクト化することができる流量制御弁を既に提案
した(特開平4−124383号)。
【0004】上記本出願人の出願に係る従来の流量制御
弁は、ポンプハウジング2に形成されたスプール弁収納
孔4内にスプール弁6を摺動可能に収納し、その弁収納
孔4の開口部に、動力舵取装置P.S.に接続される吐
出コネクタ8の先端を挿入してハウジング2に固定して
いる。上記スプール弁6は、ポンプ10から動力舵取装
置P.S.への供給通路内に設けたオリフィス19の前
後の圧力差によって作動されるようになっている。そし
て、弁収納孔4内に、ポンプ10からの圧力流体供給路
2aとタンク12への還流路2bとを開口させ、スプー
ル弁6の非作動時には、このスプール弁6によって供給
路2aと還流路2bとを遮断して、ポンプ10から吐出
された圧力流体を動力舵取装置P.S.に供給し、スプ
ール弁6が作動したときには還流路2bを開放して、上
記圧力流体の一部をタンク12に還流させるようになっ
ている。また、コネクタ8の内部には、小径の軸部18
aとこの軸部18aにテーパ面18bを介して連続する
拡大径部18cと、軸部18aの他端側に設けられた大
径フランジ部18dとを備えた弁体18を挿通し、コネ
クタ8の内面に形成した環状の縮径部8hと、弁体18
の小径軸部18aおよびテーパ部18bとにより上記オ
リフィス19を構成し、かつ、コネクタ8の外面に形成
した環状突部8iと上記スプール弁収納孔4の内面との
間に制限通路22を形成し、この制限通路22前後の差
圧によって弁体18を移動させて上記オリフィス19を
可変制御するようにしたものである。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】上記構成に係る従来の
流量制御弁は、極めて簡単な構成によりドルーピング特
性を得ることができ、かつ、組立性が良好で信頼性が高
く、しかも、軸方向にコンパクト化することができる等
種々の優れた効果を奏するが、流量制御を開始すると、
弁体18はコネクタ8に対して支持される部分が無くな
ってしまうため、不安定になり、傾いてしまうおそれが
あった。このような場合には流量特性上の異常やばらつ
きが生じたり、弁体18が引っ掛かりを起したりする場
合があるという問題があった。
【0006】本考案は、上記欠点を除くためになされた
もので、弁体の倒れを防止して、流量特性上の異常やば
らつきが発生することを抑制することができる流量制御
弁を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案に係る流量制御弁
は、ポンプから吐出された圧力流体を油圧機器へ供給す
る供給通路内にオリフィスを設け、このオリフィス前後
の差圧によってスプール弁を開弁し圧力流体の一部を還
流させるものであって、ハウジングに形成された弁収納
孔内に上記スプール弁を収納し、その開口側に、油圧機
器へ接続される流体通路が形成されたコネクタを固定
し、このコネクタの弁収納孔内部側にスリーブの一端を
固定するとともに、その他端を上記スプール弁に対向さ
せ、このスリーブの内部に、スリーブの内面に常に支持
されて摺動可能な本体部と、軸方向に外径が変化するロ
ッド部とを有する弁体を嵌合させ、この弁体のロッド部
の外面と上記スリーブの内面に形成した縮径部内面とに
より上記オリフィスを形成し、かつ、上記スプール弁が
作動した際に還流される流体の通路内に制限通路を形成
し、この制限通路の前後の差圧によって弁体を移動させ
て上記オリフィスを可変制御するとともに、上記弁体の
本体部外面に、この弁体が所定以上移動したときに、上
記制限通路の上流側と下流側とを連通する逃し通路を形
成したものである。また、第2の考案は、前記第1の考
案と同様に、制限通路の前後の差圧によって弁体を移動
させて上記オリフィスを可変制御するように構成した流
量制御弁に、さらに、上記弁体のスプール弁側端部を筒
状にするとヒもに、スリーブ内を摺動する本体部にポン
プから弁収納孔内に供給された圧力流体を上記筒状部側
に導入する通路を形成し、この通路を上記制限通路とし
たものである。
【0008】
【作用】上記流量制御弁では、ポンプの回転数が増加
し、オリフィスを通って油圧機器へ供給される圧力流体
の流量が増大すると、このオリフィスの前後の圧力差が
大きくなり、この差圧によってスプール弁を作動させて
余剰流量をタンクへ還流させる。ポンプの回転数がさら
に上昇してタンクへ還流される流量が増加すると、制限
通路を流れる流量が増大してその上流側と下流側との圧
力差が大きくなり、弁体を作動させてオリフィスの開口
面積を絞り、油圧機器へ送る圧力流体の流量を減少させ
る。この弁体は、スリーブの内面に摺動可能に支持され
ているため、安定した円滑な作動を行なう。
【0009】
【実施例】以下、図示実施例により本考案を説明する。
図1は本考案の一実施例に係る流量制御弁の縦断面図で
ある。ポンプハウジング2には開口側が大径になったス
プール弁収納孔(バルブ孔)4が形成され、このバルブ
孔4の内部側の小径部4a内にスプール弁6が摺動可能
に収容されている。また、バルブ孔4の開口側の大径部
4b内には、コネクタ8の先端部が挿入され、螺合固定
されている。このコネクタ8の中心部に形成された孔内
に筒状のスリーブ10の一端が圧入固定されており、こ
のスリーブ10の他端は、バルブ孔4内を小径部4a方
向に伸びて上記スプール弁6に対向している。バルブ孔
4の大径部4bは導入通路12を介してポンプPの吐出
側に、そして小径部4aは還流通路14を介してタンク
Tまたはポンプの吸込側にそれぞれ連通しており、小径
部4a内のスプール弁6が、バルブ孔4の底部に配置さ
れたスプリング16によって大径部4b側に付勢され上
記スリーブ10の先端面に当って停止して導入通路12
と還流通路14との連通を遮断している。
【0010】コネクタ8の先端部内に一方の端部が圧入
固定されたスリーブ10は、この圧入された部分を含む
小径筒部10aと、他端側のスプール弁6に対向してい
る大径筒部10bとからなっており、その大径筒部10
bの最も先端の部分が、バルブ孔4の小径部4a内に僅
かの間隙を隔てて挿入されている。このスリーブ10内
には、スリーブの小径筒部10aの内径とほぼ等しい
(正確には、摺動可能なクリアランスを有しており僅か
に小さい)外径の本体部18aを有する弁体18が摺動
自在に嵌合している。弁体18のスプール弁6側の端部
寄りにはフランジ18bが形成されている。一方、スリ
ーブ10の大径筒部10bの先端部内面には、リング1
9が嵌着され、このリング19と上記弁体18のフラン
ジ18bとの間にスプリング20が配設されて弁体18
をスリーブ10の小径筒部10aの内部方向に付勢して
おり、弁体18は、非作動時には、フランジ18bの側
面がスリーブ10の大径筒部10bと小径筒部10aと
の間の段部10cに当って停止している。
【0011】弁体18は、上述のようにスリーブ10の
小径筒部10aの内面を摺動する部分が本体部18aを
なしており、この本体部18aよりもスプール弁6寄り
の部分18cは、外径が本体部18aの外径とほぼ等し
い円筒状をしている。この円筒状の部分(以下、円筒部
と呼ぶ)18cの軸方向の中間部外周に上記フランジ1
8bが形成されている。フランジ18bは、図2に示す
ように、円周方向等間隔で4個所の切欠き18nが形成
されており、切欠かれた残りの扇状の部分18pの各角
部18qは、作動時の引っ掛かりを防止するためR形状
になっている。また、本体部18aの、円筒部18cと
逆側には、全体として本体部18aよりも小径のロッド
部18dが設けられている。このロッド部18dは、本
体部18a側から順に、小径軸部18e、テーパ部18
fおよび拡大径部18gが設けられている。
【0012】本体部18aの外周側は、2つのランド1
8h,18iとその中間の環状溝18jとを備えてお
り、ロッド部18d寄り(小径軸部18e寄り)のラン
ド18hには、その両端面を連通する貫通溝18kが円
周方向等間隔で複数本設けられ、円筒部18c寄りのラ
ンド18iには、円筒部18c迄延びる長溝18mが同
様に円周方向等間隔で複数本設けられている。小径軸部
18e寄りのランド18hに形成された貫通溝18kに
よって、スリーブ10のコネクタ8側の内部空間と両ラ
ンド18h,18i間の環状溝18jとが連通され、円
筒部18c寄りのランド18iの長溝18mによって環
状溝18jと円筒部18c内の空間とが連通されてい
る。上記小径軸部18e寄りのランド18hに形成され
た貫通溝18kは、ポンプPから吐出された圧力流体を
動力舵取装置P,S,へ供給する供給通路の一部を構成
している。また、円筒部18c寄りのランド18iに形
成された長溝18mと、円筒部18cの内部の空間とを
連通する開口が、スプール弁6の作動時に還流通路14
を通ってバイパスされる流体の流通を制限する制限通路
22を構成している。
【0013】スリーブの小径筒部10aのほぼ中央部に
は、このスリーブ10の内外を貫通する通路穴10d
が、円周方向等間隔で複数個形成されており、ポンプP
から吐出され、導入通路12を介してバルブ孔4の大径
部4bの室23内に供給された作動油をスリーブ10内
に導入するようになっている。
【0014】スリーブ10の小径筒部10aの、上記通
路穴10dよりもコネクタ8寄りの部分の内周面には、
環状の縮径部10eが形成されており、この縮径部10
e内に上記弁体18のロッド部18dが挿通されてい
る。図1に示す非作動時には、小径軸部18eのほぼ中
央部が縮径部10eに対向しており、後に説明するよう
に、弁体18が移動すると、小径軸部18eからテーパ
部18f、拡大径部18gが次第にこの縮径部10e内
を移動するようになっており、これら縮径部10eの内
面と弁体18のロッド部18d外面とによって可変オリ
フィス24が構成されている。なお、スリーブ10の縮
径部10eは、ロッド部18dの端部に設けられた拡大
径部18gの外径よりもやや大きい内径を有しており、
拡大径部18gが縮径部10e内に移動した場合でも、
両者間には間隙があるので、必要最小限の流体通路は確
保されるようになっている。
【0015】従って、上記スリーブ10の内外を貫通す
る通路穴10dを介して、バルブ孔4の大径部4bの室
23内からスリーブ10の内部に供給された作動油は、
弁体18の環状溝18jおよび貫通溝18kから、スリ
ーブ18の縮径部10eの上流側の室26に入り、弁体
18の小径軸部18eと縮径部10eの間のオリフィス
24を通って、縮径部10eの下流側の室28を経て、
コネクタ8の内部通路8aから図示しない動力舵取装置
P.S.等の油圧機器に供給されるようになっており、
上記各通路がオイルポンプPから吐出された圧力流体を
動力舵取装置P.S.等の油圧機器へ供給する供給通路
を構成している。また、コネクタ8の内部通路8aは、
半径方向の通路孔8bおよびポンプハウジング2内に形
成された通路2a等を介して上記スプール弁6を付勢す
るスプリング16が収容された室30内に連通してい
る。
【0016】以上の如く構成された流量制御弁の作動に
ついて、図1ないし図4および特性を示す図5によって
説明する。車両のエンジンによって駆動されるオイルポ
ンプPの回転数が低い低速走行時においては、ポンプP
から吐出されてバルブ孔4の室23内に導入され、スリ
ーブ10の縮径部10eと弁体18の小径軸部18eと
の間のオリフィス24を通過して動力舵取装置P.S.
へ送られる流量は少なく、オリフィス24前後の差圧が
小さいため、スプール弁6は移動しない(図1の状
態)。従って、導入通路12と還流通路14とは遮断さ
れており、オイルポンプPから吐出された圧力流体の全
量が動力舵取装置P.S.に送られる(図5のAの範
囲)。
【0017】車両の走行速度が上がってポンプ回転数が
次第に上昇すると、ポンプPからの吐出流量が増大し、
オリフィス24の前後の圧力差が大きくなり、この差圧
がスプリング16の付勢力に打ち勝つと、スプール弁6
が左行する。スプール弁6の左行によって、還流通路1
4の開口がバルブ孔4内に開放されると、ポンプP側の
導入通路12とタンクT側の還流通路14は、弁体18
の円筒部18c寄りのランド18iに形成された長溝1
8mと、円筒部18cの内部の空間とを連通する制限通
路22を介して接続されて余剰流量がタンクTに還流さ
れ、動力舵取装置P.S.に供給される流量はほぼ一定
に保たれる(図5のBの範囲)。
【0018】さらに、ポンプPの回転数が上昇すると、
長溝18mと円筒部18cの内部の空間とを連通する制
限通路22を通って還流する流量が増加し、こんどは制
限通路22の前後の圧力差が大きくなり、この差圧がス
プリング20の付勢力に打ち勝つと、弁体18は左行す
る。その結果、スリーブ10の縮径部10e内に位置し
ていた弁体18の小径軸部18eが移動して、テーパ部
18fが縮径部10eに接近し、弁体18のロッド部1
8dとスリーブ10の縮径部10eとにより形成される
オリフィス24の開口面積が次第に絞られる(図3の状
態)。すると、このオリフィス24を通って動力舵取装
置P.S.へ送られる流量が次第に減少するとともに、
この可変オリフィス24の前後の圧力差が増大してスプ
ール弁6をさらに左行させタンクTへの還流量を増加さ
せる(図5のCの範囲)。このように動力舵取装置P.
S.への供給流量を減少させることにより、車両の中高
速時の走行安定性が高められるとともに、消費馬力の低
減を図ることができる。なお、弁体18が左行した状態
で、動力舵取装置P.S.に圧力変動が生じても、制限
通路22を通過する流量には影響がなく、制限通路22
の前後の圧力差は変化しないので、弁体18は移動せず
動力舵取装置P.S.への供給流量が復帰してしまうこ
とはない。
【0019】ポンプPの回転数の上昇がさらに進んだ高
速走行時には、ポンプPからの吐出流量がそれ以上の増
加を示すのに対し、動力舵取装置P.S.への供給流量
は減少し、制限通路22を通る還流量は増加するため、
制限通路22の前後の圧力差は増大し、弁体18はさら
に左行する。この弁体18の左行により、弁体18のテ
ーパ部18fに続く拡大径部18gがスリーブ10の縮
径部10e内へ移動する。すると、オリフィス24の開
口面積が一定になるとともに、弁体18の本体部18a
の円筒部18c寄りのランド18iがスリーブ10の小
径筒部10aから抜け出して大径筒部18b内へ移動す
る(図4の状態)。このランド18iがスリーブ10の
小径筒部10a内を摺動していた間は、タンクT側へ還
流される余剰流量は、すべて制限通路22を通過してい
たが、ランド18iがスリーブ10の大径筒部10b内
に移行することにより、その長溝18mの端部が円筒部
18cの外周側の空間(スリーブ10の大径筒部10b
内の空間)に直接連通される。従って、余剰流量は、従
前の制限通路22に加えて、ランド18iの長溝18
m、円筒部18cの外周側および上記フランジ18bの
切欠き18nから成る通路からも還流される。この状態
では、動力舵取装置P.S.へ送られる流量はほぼ一定
の低流量となる(図5のD)。
【0020】以上述べたように、上記実施例に係る流量
制御弁は、スプール弁6を作動させるオリフィス24の
開口面積を可変にする弁体18を、コネクタ8内に圧入
固定したスリーブ10の内部に摺動自在に嵌合させたこ
とにより、簡単な構造で無復帰ドルーピング特性を得る
ことができ、また、軸方向の長さを短縮してコンパクト
化を達成することができる。さらに、弁体18の本体部
18aをスリーブ10の小径筒部10a内で摺動させて
支持するようにしたので、弁体18の作動時にこの弁体
18が傾いてしまうことがなく、安定した流量特性を得
ることができるとともに、弁体18の引っ掛かり等のト
ラブルの発生も防止することができる。しかも、オイル
ポンプPの高回転時には、弁体18を大きく移動させて
ランド18iの長溝18mから円筒部18cの外周側に
直接余剰流量を逃がしてタンクTへ還流させるようにし
たので、高回転時には制限通路22の上流側の圧力の上
昇を抑制し、圧力損失を低減することができる。
【0021】また、上記従来の流量制御弁の制限通路
部、すなわち、ハウジングのバルブ孔の内面とコネクタ
先端部の環状突部の外周面で形成する絞り通路部は、寸
法精度にばらつきがあるため、圧力損失のばらつきが発
生していた。その結果、弁体の制御が不安定となり、流
量特性が安定しないという問題があった。これに対し本
実施例の構成では、コネクタ8の内部にスリーブ10を
圧入固定し、このスリーブ10内に弁体18を摺動自在
に嵌合させて、これらスリーブ10と弁体18とによっ
て制限通路22を構成したので、スリーブ10および弁
体18を、燒結合金あるいはロストワックス鋳物等によ
って製作すれば、寸法のばらつきも抑えられ、安定した
特性を得ることができる。
【0022】図6は第2の実施例に係る流量制御弁を示
すもので、上記第1の実施例の構成と同一の部分には同
一の符号を付してその説明を省略する。この実施例で
は、スリーブ10の大径筒部10bの外径が、この大径
筒部10bが挿入されているバルブ孔4の小径部4aの
内径よりも小さく、両者間に間隙122が形成されてお
り、この間隙122が、余剰流量を還流させる制限通路
を構成している。また、弁体18は、フランジ18bの
形成されている端部側に筒状部が形成されていない。従
って、この弁体18の内部には、フランジ18b寄りの
ランド18iに形成されている長溝18mと、弁体18
とスプール弁6との間の空間とを接続する通路(上記実
施例における制限通路22)が設けられていない。その
ため、弁体18が非作動位置から所定量移動するまで
は、上記長溝18mはスプール弁6側の室内とは遮断さ
れている。
【0023】本実施例に係る流量制御弁も上記第1の実
施例の流量制御弁と同様の作動を行なうが、オリフィス
24の前後の圧力差によってスプール弁6が作動し、還
流通路14が開放すると、余剰流量は、バルブ孔4の大
径部4b内の室23から、バルブ孔4の小径部4aの内
面とスリーブ10の大径筒部10bの外面とによって形
成される制限通路122を介して還流される。また、オ
イルポンプPの高回転時に、制限通路122の上流側と
下流側との圧力差が増大して弁体18が大きく移動する
と、弁体18のフランジ18b寄りのランド18iに形
成されている長溝18mがスリーブ10の大径筒部10
b内に開放され、余剰流量がこの通路からも逃げるよう
になるため、制限通路112の上流側の圧力が一定以上
上昇しないように制御される(図7の状態)。この実施
例も上記実施例と同様に、弁体18の本体部18aがス
リーブ10の小径筒部10a内に摺動支持されているの
で、弁体18が作動時に傾いて特性に異常を生じさせた
り、引っ掛かり等のトラブルが発生することを防止する
ことができる。
【0024】なお、上記弁体18の2つのランド18
h,18iに形成されている貫通溝18kおよび長溝1
8mの数は必ずしも4個に限るものではなく、例えば、
3〜6個所の溝を設けるようにしても良く、いずれにし
てもスリーブ10の内面を摺動する部分と流体の通過を
許容する部分とを備えていればよい。また、フランジ1
8bに形成された切り欠き18nの数も4個所に限らず
適宜決定することができる。
【0025】
【考案の効果】以上述べたように、本考案によれば、ポ
ンプハウジングに形成されたバルブ孔の開口部にコネク
タを固定し、このコネクタ内にスリーブを固定し、さら
にこのスリーブ内に、オリフィスを可変制御する弁体を
常に支持された状態で摺動可能に嵌合させたので、弁体
が作動時に傾いてしまうことがなく、流量特性の異常や
ばらつきが発生するおそれがなく、また、弁体の引っ掛
かり等のトラブルが起こることも防止することができ
る。さらに、弁体が所定以上移動したときに、上記制限
通路の上流側と下流側とを連通する逃し通路を形成した
ことにより、ポンプの高回転時には制限通路の上流側の
圧力上昇を抑制し、圧力損失を低減することができる。
また、弁体のスプール弁側端部を筒状にするとともに、
スリーブ内を摺動する本体部にポンプから弁収納孔内に
供給された圧力流体を上記筒状部側に導入する通路を形
成し、この通路を上記制限通路としたことにより、制限
通路の寸法のばらつきを抑え、安定した特性を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係る流量制御弁の縦断面図
である。
【図2】図1の流量制御弁を構成する弁体のx方向矢視
図である。
【図3】上記流量制御弁の作動時(中速時)を示す縦断
面図である。
【図4】上記流量制御弁の作動時(高速時)を示す縦断
面図である。
【図5】上記流量制御弁の特性を示す線図である。
【図6】本考案の第2の実施例に係る流量制御弁を示す
縦断面図である。
【図7】第2の実施例の作動時(高速時)を示す断面図
である。
【符号の説明】
P ポンプ T タンク P.S. 油圧機器(動力舵取装置) 2 ポンプハウジング 4 弁収納孔(バルブ孔) 6 スプール弁 8 コネクタ 10 スリーブ 10e スリーブの縮径部 18 弁体 18a 弁体の本体部 18d 弁体のロッド部 22 制限通路 24 オリフィス(可変オリフィス)

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプから吐出された圧力流体を油圧機
    器へ供給する供給通路内にオリフィスを設け、このオリ
    フィス前後の差圧によってスプール弁を開弁し圧力流体
    の一部を還流させる流量制御弁において、ハウジングに
    形成された弁収納孔内に上記スプール弁を収納し、その
    開口側に、油圧機器へ接続される流体通路が形成された
    コネクタを固定し、このコネクタの弁収納孔内部側にス
    リーブの一端を固定するとともに、その他端を上記スプ
    ール弁に対向させ、このスリーブの内部に、スリーブの
    内面に常に支持されて摺動可能な本体部と、軸方向に外
    径が変化するロッド部とを有する弁体を嵌合させ、この
    弁体のロッド部の外面と上記スリーブの内面に形成した
    縮径部内面とにより上記オリフィスを形成し、かつ、上
    記スプール弁が作動した際に還流される流体の通路内に
    制限通路を形成し、この制限通路の前後の差圧によって
    弁体を移動させて上記オリフィスを可変制御するととも
    に、上記弁体の本体部外面に、この弁体が所定以上移動
    したときに、上記制限通路の上流側と下流側とを連通す
    る逃し通路を形成したことを特徴とする流量制御弁。
  2. 【請求項2】 上記弁体のスプール弁側端部を筒状にす
    るとともに、スリーブ内を摺動する本体部にポンプから
    弁収納孔内に供給された圧力流体を上記筒状部側に導入
    する通路を形成し、この通路を上記制限通路としたこと
    を特徴とする請求項1に記載の流量制御弁。
  3. 【請求項3】 上記スリーブのスプール弁側端部を弁収
    納孔内に延長し、このスリーブの端部外周面と、弁収納
    孔の内面との間で制限通路を構成したことを特徴とする
    請求項1に記載の流量制御弁。
  4. 【請求項4】 ポンプから吐出された圧力流体を油圧機
    器へ供給する供給通路内にオリフィスを設け、このオリ
    フィス前後の差圧によってスプール弁を開弁し圧力流体
    の一部を還流させる流量制御弁において、ハウジングに
    形成された弁収納孔内に上記スプール弁を収納し、その
    開口側に、油圧機器へ接続される流体通路が形成された
    コネクタを固定し、このコネクタの弁収納孔内部側にス
    リーブの一端を固定するとともに、その他端を上記スプ
    ール弁に対向させ、このスリーブの内部に、スリーブの
    内面に常に支持されて摺動可能な本体部と、軸方向に外
    径が変化するロッド部とを有する弁体を嵌合させ、この
    弁体のロッド部の外面と上記スリーブの内面に形成した
    縮径部内面とにより上記オリフィスを形成し、かつ、上
    記スプール弁が作動した際に還流される流体の通路内に
    制限通路を形成して、この制限通路の前後の差圧によっ
    て弁体を移動させて上記オリフィスを可変制御し、さら
    に、上記弁体のスプール弁側端部を筒状にするととも
    に、スリーブ内を摺動する本体部にポンプから弁収納孔
    内に供給された圧力流体を上記筒状部側に導入する通路
    を形成し、この通路を上記制限通路としたことを特徴と
    する流量制御弁。
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