JP2590139Y2 - シングルレバ−式湯水混合水栓の吐水管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、別置き式の浄水器やイ
オン水製造器や冷水器等が接続されたシングルレバ−式
湯水混合水栓の吐水管（スパウト）に関し、殊に、２重
管で構成した吐水管に関するものである。

【０００２】

【従来の技術とその課題】従来、可動および固定セラミ
ック製ディスクを内蔵したシングルレバ−式湯水混合水
栓に、別置き式の浄水器を接続し、この湯水混合水栓の
吐水管から浄水を吐水する装置は知られている（例え
ば、実開平３−１０５７７４号公報、特開平４−１４０
５７９号公報等参照）。

【０００３】ところで、前掲の特開平４−１４０５７９
号公報記載の吐水管では、湯および水の混合水用吐水管
に、浄水用吐水管を内蔵して２重パイプに構成し、混合
水と浄水とを別々の吐水口から吐水するようにしてい
る。

【０００４】一方、長寸の吐水管を首振り可能に取付け
た湯水混合水栓において、吐水管の先端部に断熱キヤッ
プを被せて、熱湯吐水中に首振り操作をしても危険がな
いようにしている（例えば、実開昭５７−１３３６７０
号公報、実開昭５９−１８８５６６号公報、実開昭６１
−１１４１７０号公報、実開昭６１−１２５５７０号公
報、実開昭６２−９９６６８号公報等参照）。

【０００５】そこで、前記の浄水用吐水管と混合水用吐
水管を２重パイプに構成した吐水管において、断熱キヤ
ップを被せようとすれば、２重パイプの吐水管が大径化
しているだけに、断熱キヤップが更に大きくなり、見映
えを損なう、という問題があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで本考案は、かかる
問題を解決するためになされたもので、その要旨とする
ところは、可動および固定セラミック製ディスクを摺動
弁とするシングルレバ−式湯水混合水栓に取付けられた
首振り可能の金属製吐水管（１５）を、湯および水の混
合水用吐水管（２０）と、該混合水用吐水管（２０）に
略同心状に内蔵した処理水用吐水管（２１）とで構成
し、該混合水用吐水管（２０）の先端に、合成樹脂製断
熱用管体（２２）を接合して延設し、該断熱用管体（２
２）の先端部を袋状とし、かつ、下向きに処理水用吐水
口（２４）を設けると共に、その基部（２９）を混合水
用吐水管（２０）と同一形状に形成し、これらの混合水
用吐水管（２０）と断熱用管体（２２）との接合部に亘
り、前記処理水用吐水管（２１）の先端部を支持する合
成樹脂製支持用管体（２３）を水密状に内嵌し、該支持
用管体（２３）および前記断熱用管体（２２）にそれぞ
れ混合水用吐水口（２６）（２６’）を下向きに設けた
ことを特徴とするシングルレバ−式湯水混合水栓の吐水
管にある。

【０００７】

【実施例】本考案を添付図面に示す実施例により詳細に
述べる。図１は本考案の実施例の要部断面図、図２は図
１のＡ〜矢視断面図、図３は図１のＢ〜矢視断面図、図
４は図１のＣ〜矢視断面図、図５は図１の吐水管が取付
けられる水栓本体の縦断面である。

【０００８】先ず、本実施例が適用される別置き式の浄
水器が接続されたシングルレバ−式湯水混合水栓の概要
について述べる。図５において、水栓本体１の上方に
は、不図示のセラミック製ディスクの摺動弁（固定ディ
スクと可動ディスクとからなり、湯および水に切換える
もの）が内蔵されたカ−トリッジソケット２が取付けら
れている。このカ−トリッジソケット２には心棒３が突
出され、この心棒３をシングルレバ−４で操作するよう
になっている。そして、このカ−トリッジソケット２は
水栓本体１に螺着された化粧筒５に内嵌されて取付けら
れている。

【０００９】この水栓本体１には、給水室６、給湯室
７、浄水器用原水室８および浄水室８’が蓮根状に形成
されている。

【００１０】これらの給水室６、給湯室７、浄水器用原
水室８および浄水室８’には、それぞれ管体９が下方に
連設され、特に、浄水器（不図示）が、例えばシンク１
０の収納室に設置されていることから、原水用管体と浄
水用管体とは長尺物になっている。

【００１１】前記給水室６と浄水器用原水室８との間の
本体壁１１には給水用連通口１２が形成され、この給水
用連通口１２には止水栓１３が設けられている。この止
水栓１３に１個のツマミ１４が設けてあって、このツマ
ミ１４を９０°回すことにより、セラミック製切換ディ
スク弁（不図示）が摺動して、浄水器への原水供給の切
換えをする。

【００１２】前記水栓本体１の胴部には、後記の吐水管
５の筒状基部１６が回動可能に外嵌されている。この筒
状基部１６には、前記カ−トリッジソケット２に連通し
た混合水室１７の混合水用出口１８と、浄水器に連通し
た浄水室８’の浄水用出口１９とが設けられている。

【００１３】次に、本実施例の吐水管１５の詳細につい
て述べる。この吐水管１５は、上面を底辺とする断面略
三角状の混合水用吐水管２０と、この混合水用吐水管２
０に内蔵された断面円形の浄水用吐水管２１とから大略
構成されている。

【００１４】この混合水用吐水管２０は全長約２５
０^mm、幅約３０^mmの黄銅管で構成され、その先端部に
は、ＡＢＳ樹脂製の断熱用管体２２を連設している。ま
た、前記浄水用吐水管２１は黄銅管で構成され、その先
端部は、ＡＢＳ樹脂製の支持用管体２３で支持されてい
る。

【００１５】前記断熱用管体２２は、その上面が混合水
用吐水管２０の上面と面一に構成され、その下面側に
は、浄水用吐水口２４、ビス止め用ボス２５および混合
水用吐水口２６が設けられ、その両側面は垂直壁２７で
構成され、また、その先端部２８は袋状になっており、
その基部２９は混合水用吐水管２０と同一形状になって
いる。そして、前記混合水用吐水口２６には吐水短管３
０が螺着され、この吐水短管３０には泡沫金具３６が螺
着されている。

【００１６】前記支持用管体２３は、その先端部が前記
ビス止め用ボス２５に内嵌する円筒部３１で構成され、
その基部が前記断熱用管体２２の基部２９と混合水用吐
水管２０の先端部とに亘り内嵌する段部３２で構成され
ている（特に、図３参照）。そして、この円筒部３１に
は混合水吐水口２６’が設けられ、また、この円筒部３
１には、２つのＯリング３３が設けられ、前記段部３２
には１つのＯリング３４が設けられて水密状になってい
て、混合水と浄水とを混合しないようにしている。

【００１７】次に、本実施例の作用について述べる。浄
水用吐水管２１に支持用管体２３を外嵌して、この支持
用管体２３の段部３２を混合水用吐水管２０の先端部に
内嵌する。次いで、断熱用管体２２を支持用管体２３に
外嵌して、その基端と混合水用吐水管２０の先端とを、
必要により接着剤を介して、接合する。次いで、ビス止
めボス部２５と円筒部３１とをビス３５により固定す
る。

【００１８】そこで、シングルレバ−４を操作すれば、
湯、水または混合水が混合水用吐水管２０を介して泡沫
金具３６から吐水する。また、止水栓１３を操作すれ
ば、別置き式浄水器により処理された浄水が浄水用吐水
管２１を介して浄水用吐水口２４から吐水する。このと
き混合水が高圧吐水を行ってもＯリング３３，３４によ
ってシ−ルされ、浄水用吐水口２４からは吐水しない。
また、熱湯を吐水中、吐水管１５の断熱用管体２２を把
持して首振りしても危険はない。

【００１９】なお、本実施例はシングルレバ−式湯水混
合水栓に、別置き式の浄水器を接続したもので説明した
が、本考案はこれに限らず、別置き式のイオン水製造器
や冷水器を接続して各処理水を吐水するものであっても
よい。

【００２０】

【考案の効果】本考案によれば、次の有益な効果を奏す
る。 断熱用管体（２２）の基部（２９）を混合水用吐水管
（２０）と同一形状としたので、２重管で構成された吐
水管（１５）が大径化しない。 処理水用吐水管（２１）の先端部を支持する支持用管
体（２３）を、混合水用吐水管（２０）の先端部と断熱
用管体（２２）の基部（２９）との接合部に亘り、水密
状に内嵌したので、処理水用吐水管（２１）の支持が強
固となって吐水時の振動による騒音がなく、しかも、断
熱用管体（２２）を混合水用吐水管（２０）に容易に接
合できるばかりでなく、高圧の混合水が処理水側へ混入
することがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の要部断面図である。

【図２】図１のＡ〜矢視断面図である。

【図３】図１のＢ〜矢視断面図である。

【図４】図１のＣ〜矢視断面図である。

【図５】図１の吐水管が取付けられる水栓本体の縦断面
である。

【符号の説明】

１５…吐水管、２０…混合水用吐水管、２１…浄水用吐
水管、２２……断熱用管体、２３…支持用管体、２４…
浄水用吐水口、２６，２６’…混合水用吐水口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 吉城 勝彦 大阪市西淀川区姫里３丁目13番２号 ヤ ンマ−産業 株式会社内 (56)参考文献 特開 平３−21730（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−366074（ＪＰ，Ａ) 実開 平５−14743（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−99760（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−108655（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−119860（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭59−10446（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F16K 11/00 - 11/24 E03C 1/00 - 1/10

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 可動および固定セラミック製ディスクを
   摺動弁とするシングルレバ−式湯水混合水栓に取付けら
   れた首振り可能の金属製吐水管（１５）を、 湯および水の混合水用吐水管（２０）と、該混合水用吐
   水管（２０）に略同心状に内蔵した処理水用吐水管（２
   １）とで構成し、 該混合水用吐水管（２０）の先端に、合成樹脂製断熱用
   管体（２２）を接合して延設し、該断熱用管体（２２）
   の先端部を袋状とし、かつ、下向きに処理水用吐水口
   （２４）を設けると共に、その基部（２９）を混合水用
   吐水管（２０）と同一形状に形成し、 これらの混合水用吐水管（２０）と断熱用管体（２２）
   との接合部に亘り、前記処理水用吐水管（２１）の先端
   部を支持する合成樹脂製支持用管体（２３）を水密状に
   内嵌し、 該支持用管体（２３）および前記断熱用管体（２２）に
   それぞれ混合水用吐水口（２６）（２６’）を下向きに
   設けたことを特徴とするシングルレバ−式湯水混合水栓
   の吐水管。