JP2589538B2 - トンネル覆工用型枠装置 - Google Patents

トンネル覆工用型枠装置

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JP2589538B2
JP2589538B2 JP63101350A JP10135088A JP2589538B2 JP 2589538 B2 JP2589538 B2 JP 2589538B2 JP 63101350 A JP63101350 A JP 63101350A JP 10135088 A JP10135088 A JP 10135088A JP 2589538 B2 JP2589538 B2 JP 2589538B2
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重利 古賀
芳夫 細川
幹雄 岡野
亮太 藤原
雪久 稲川
健 福井
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はトンネル工事において、岩盤掘削面にコンク
リート覆工するのに使用されるトンネル覆工用型枠装置
に係るものである。
(従来の技術) 従来、例えば本発明者等の提案に係る実願昭62−1237
59号(実開昭64−31198号公報)及び実願昭62−123760
号(実開昭64−31199号公報)に開示されたように、岩
盤掘削面にコンクリートを圧着する型枠装置及び同型枠
の既設の覆工コンクリートと反対側に位置する側型枠を
一体化した圧着型枠装置によって、トンネル覆工を行な
う方法がある。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来のこの種の型枠装置を使用してト
ンネル覆工を行なう場合、型枠内打設コンクリートが固
化をまって側型枠を脱型しながらコンクリートを打設す
るので、覆工に時間がかかる。
また圧着型枠と側型枠とを一体化することは型枠本体
の側部との取合いから伸縮自在の側型枠板を長くするこ
とができない。
更にまた覆工面に支保工がある場所では、型枠本体よ
り側型枠を取外さなければならず、多大の時間と手間と
を要した。
本発明は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案さ
れたもので、その目的とする処は、覆工速度が従来より
も大幅に改善され、且つ覆工面に支保工が存在する場合
においても、側型枠を取外すことなく、支保工の外側に
側型枠を設置できるようにしたトンネル覆工用型枠装置
を提供する点にある。
(課題を解決するための手段) 前記の目的を達成するため、本発明に係るトンネル覆
工用型枠装置は、トンネル覆工面圧着用型枠と、同型枠
上における既設の覆工コンクリートと反対側の側面に配
設される側型枠とを分離し、同側型枠と同側型枠支持部
材との間に前記トンネル覆工面圧着用型枠の側面より離
隔する方向に側型枠を移動せしめる側型枠横移動装置を
介装して構成されている。
また本発明は前記側型枠移動装置を、側型枠底部と側
型枠支持部材とを連結する平行アームと、側型枠押し引
き用ジヤツキとより構成したものである。
更に本発明は施工性を向上し、覆工速度を増大させる
ために、トンネル覆工面圧着用型枠は型枠を長手方向に
亘って複数分割してなる各区分毎に、打設コンクリート
圧着装置を内蔵したものである。
更にまた本発明は前記トンネル覆工面圧着用型枠をト
ンネル覆工面に沿う互いに相反する両方向に移動して施
工できるように、長手方向両端に妻型枠を配設したもの
である。
(作用) このように本発明に係るトンネル覆工用型枠装置を、
トンネル覆工面圧着用型枠と側型枠とに分離させ、両者
を各別に動作させて型枠全体を構成しながら移動させる
ことができるので、前記トンネル覆工面圧着用型枠の圧
着部を側型枠の長さの数分の1に構成することによっ
て、圧着用型枠のコンクリート打設、圧着の手順を踏み
ながらコンクリートの強度発現をまたず、圧着用型枠を
側型枠の長さだけ、連続して数回移動させて覆工コンク
リートを打設する。
また覆工面に支保工が存在する場合、前記側型枠横移
動装置によって側型枠を横方向に移動させ、支保工の外
側に側型枠を設置させ、支保工と岩盤掘削面との間に生
じる間隙を塞ぐことができる。
(実施例) 以下本発明を図示の実施例について説明する。
(1)は重機、(2)は架台、(3)は架台上に配設
された回転装置である。
前記回転装置(3)上にはトンネル覆工面圧着用型枠
支持ビーム(4)の旋回用アクチユエーター(5)、及
び同圧着用型枠上における既設の覆工コンクリート
(a)と反対側の側面に位置せしめられる側型枠の支持
ビーム(6)の旋回用アクチユエーター(7)が並設さ
れている。
前記各支持ビーム(4)(6)は公知の機構によって
伸縮自在に構成され、先端にトンネル覆工面圧着用型枠
(8)及び側型枠(9)が支持されている。
なお前記側型枠(9)には同型枠本体に内蔵した油圧
ジヤツキ(10)によって側型枠片(11)が伸縮されるよ
うになっており、側型枠(9)の本体と側型枠支持ビー
ム(6)との間にはピンを介して横移動用の平行アーム
(12)が連結され、側型枠本体と前記支持ビーム(6)
とを連結する側型枠押し引き用ジヤツキ(13)を後退さ
せることによって、側型枠(9)を横移動させるように
構成されている。
第11図及び第12図はトンネル覆工面圧着用型枠(8)
の詳細を示し、本体部の長手方向両端に配設されたロー
ラ(14)に覆工コンクリート面に圧接しながら摺動する
エンドレスベルト(15)が架渡されている。
前記本体はその長手方向に亘って例えば3分割された
圧着部を有し、同圧着部は前記側型枠(9)の長さの1/
3に構成されるとともに、夫々本体に内蔵された覆工コ
ンクリート面圧着用油圧ジヤツキ(16)群と、同ジヤツ
キ群に連結された圧着板(17)とが配設されている。
本体の長手方向両端には妻型枠(18)が開閉自在に枢
支され、本体との間に介装された妻型枠開閉ジヤツキ
(19)によって開閉されるようになっている。
図中(20)は本体と前記支持ビーム(4)との間に介
装された本体の角度修正ジヤツキである。
而して前記圧着型枠(8)を覆工地山面に対向して設
置する。この際、同型枠(8)の地山に対する設置間隔
は前記支持ビーム(4)によって定め、角度は前記角度
修正ジヤツキ(20)によって定める。
一方、側型枠(9)は前記支持ビーム(6)と側型枠
押し引き用ジヤツキ(13)とによって前記圧着型枠
(8)における既設の覆工コンクリート(a)と反対側
の側面に配設し、油圧ジヤツキ(10)の操作によって側
型枠片(11)を伸長して地山面に衝接せしめる。
而して前記圧着型枠(8)と同型枠におけるトンネル
軸方向に相対する側型枠(9)及び既設の覆工コンクリ
ート(a)との間に形成された空間にコンクリートを打
設して一方の妻型枠(18)を閉じ、同コンクリートが固
化したのち、前記アクチユエーター(7)を作動して側
型枠(9)をその長さ分移動させ、次いで前記アクチユ
エーター(5)を作動して圧着型枠(8)を1/3の長さ
移動してA1に示す如くコンクリートを前記型枠(8)
(9)内に打設し、前記油圧ジヤツキ(16)及び圧着板
(17)でエンドレスベルト(15)を介して掘削面に圧着
する。(第3図参照) 前記コンクリートの打ち込みが完了するとその硬化を
またず、前記圧着型枠(8)を1/3の長さ移動して妻型
枠(18)を開き、コンクリートをA2に示す如く打込み、
圧着する。
以上の動作を3回反覆して側型枠(9)の長さL分の
覆工コンクリートを打設し、A3に示す最終コンクリート
の固化を待って前記長さL分のコンクリート覆工を完了
する。
以上の動作を反覆してトンネル掘削面(b)を覆工す
る。
このように前記実施例によれば従来のように1回宛コ
ンクリートを打設してその固化を待ち型枠を移動する場
合に比して、コンクリートの未固化状態で型枠を移動で
きるので、覆工速度が速くなる。
いま、コンクリートの固化時間を3分間、コンクリー
トの打込み時間を1分間として、コンクリートを1回打
設しては型枠をその都度移動させる従来工法と、前記実
施例の如くコンクリートを3回打設して1回移動させる
方法によって、長さLの覆工コンクリートを打設する場
合の打設速度を比較すると、 従来工法では3分(1個所)+3分(1個所)+3分
(1個所)=9分となる。
実施例による方法では1分(1個所)+1分(1個
所)+3分(1個所)=5分となり、覆工速度は実施例
による場合、大幅に改善される。
なお第3図中の例では前記圧着型枠(8)がトンネル
掘削面に沿って時計方向に移動していく場合を示した
が、トンネル断面頂部までの覆工が完了したのち、反対
側の下端より反時計方向にトンネル断面頂部まで覆工を
行なう際、前記圧着型枠(8)の長さ方向両端に妻型枠
(18)が配設されているので、同圧着型枠(8)を反転
することなく前とは反対側の妻型枠(18)を使用するこ
とによって施工を続行できる。
また第3図に示す施工例では、前記圧着用型枠(8)
における右端の圧着装置が作動されるものであるが、反
時計方向に前記圧着用型枠(8)が移動する場合は左端
の圧着装置が作動されるものである。またコンクリート
打込み量に応じて中間の圧着装置が使用されることもあ
る。
第1図は覆工面に支保工のない場合に前記型枠装置を
使用して覆工コンクリートを施工する場合を示すが、第
2図に示すように、覆工面に支保工(c)がある場合、
前記側型枠押し引き用ジヤツキ(13)を後退させること
によって平行アーム(12)を介して側型枠(9)を横方
向に移動させ、支保工(c)の外側に位置せしめコンク
リート覆工作業が支障なく行なわれるようにするもので
ある。
(発明の効果) 本発明によれば前記したように、トンネル覆工面圧着
用型枠と、同型枠上における既設の覆工コンクリートと
反対側の側面に配設される側型枠とを分離させ、両者を
別々に作動させることができるようにしたので、前記圧
着用型枠分のコンクリート打設、圧着の手順を踏みなが
ら、打設コンクリートの強度発現を待たずに同圧着用型
枠を連続的に数回移動させることができ、従って、覆工
速度が従来よりも大幅に向上される。
また前記側型枠と、同側型枠支持部材との間に側型枠
横移動装置が介装されたことによって、覆工面に支保工
がある場合、側型枠を支保工の外側に設置することがで
き、従来のように同側型枠を取外すことなく、覆工コン
クリート打設作業が行なわれる。
請求項2の発明は、側型枠底部と側型枠支持部材とを
連結する平行アームと、側型枠押し引き用ジヤツキとに
よって前記側型枠横移動装置を構成したもので、簡単な
構成で確実に側型枠を横移動せしめるようにしたもので
ある。
請求項3の発明は、トンネル覆工面圧着用型枠を同型
枠長さを複数分割して各区間に打設コンクリート圧着装
置を内蔵し、前記圧着用型枠をその長さ方向に亘る両方
向共に連続的に数回移動させるとともに打設覆工コンク
リートを圧着し、覆工速度を向上しうるものである。
請求項4の発明は前記覆工面圧着用型枠の長手方向両
端に妻型枠を配設し、前記圧着用型枠を反転することな
く、その長さ方向に亘る両方向に移動させ覆工コンクリ
ートを打設しうるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明に係るトンネル覆工用型枠装
置の一実施例によるトンネル覆工施工状態を示す縦断面
図で、第1図は覆工面に支保工のない場合、第2図は覆
工面に支保工のある場合を示す。第3図は覆工コンクリ
ート打設過程を示す正面図、第4図及び第5図並に第6
図は夫々前記型枠の設置例を示す正面図及び側面図並に
平面図、第7図及び第8図は夫々側型枠の型枠片退縮時
の状態を示す正面図並に側面図、第9図及び第10図は夫
々側型枠の型枠片伸長時の状態を示す正面図並に側面
図、第11図及び第12図は夫々覆工面トンネル圧着用型枠
の正面図並に側面図である。 (6)……側型枠支持ビーム、 (8)……トンネル覆工面圧着用型枠、 (9)……側型枠、(12)……平行アーム、 (13)……側型枠押し引き用ジヤツキ、 (16)……圧着用ジヤツキ、(17)……圧着板、 (18)……妻型枠。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細川 芳夫 東京都渋谷区千駄ケ谷4丁目6番15号 フジタ工業株式会社内 (72)発明者 岡野 幹雄 東京都渋谷区千駄ケ谷4丁目6番15号 フジタ工業株式会社内 (72)発明者 藤原 亮太 東京都渋谷区千駄ケ谷4丁目6番15号 フジタ工業株式会社内 (72)発明者 稲川 雪久 岐阜県大垣市林町7―313 (72)発明者 福井 健 愛知県名古屋市南区柴田町3―31 (56)参考文献 特開 昭62−264297(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トンネル覆工面圧着用型枠と、同型枠上に
    おける既設の覆工コンクリートと反対側の側面に配設さ
    れる側型枠とを分離し、同側型枠と同側型枠支持部材と
    の間に前記トンネル覆工面圧着用型枠の側面より離隔す
    る方向に側型枠を移動せしめる側型枠横移動装置を介装
    してなることを特徴とするトンネル覆工用型枠装置。
  2. 【請求項2】前記側型枠横移動装置は、同側型枠底部と
    側型枠支持部材とを連結する平行アームと、側型枠押し
    引き用ジヤツキとより構成された請求項1記載のトンネ
    ル覆工用型枠装置。
  3. 【請求項3】前記トンネル覆工面圧着用型枠は同型枠長
    手方向に亘って複数分割してなる各区分毎に、打設コン
    クリート圧着装置を内蔵した請求項1記載のトンネル覆
    工用型枠装置。
  4. 【請求項4】前記トンネル覆工面圧着用型枠はその長手
    方向両端に夫々妻型枠を具えた請求項1記載のトンネル
    覆工用型枠装置。
JP63101350A 1988-04-26 1988-04-26 トンネル覆工用型枠装置 Expired - Lifetime JP2589538B2 (ja)

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