JP2588668Y2 - 建設機械用液体封入式マウント装置 - Google Patents

建設機械用液体封入式マウント装置

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JP2588668Y2
JP2588668Y2 JP1991012135U JP1213591U JP2588668Y2 JP 2588668 Y2 JP2588668 Y2 JP 2588668Y2 JP 1991012135 U JP1991012135 U JP 1991012135U JP 1213591 U JP1213591 U JP 1213591U JP 2588668 Y2 JP2588668 Y2 JP 2588668Y2
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liquid
casing
elastic body
mounting device
diameter
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JP1991012135U
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龍雄 田中
光雄 葛川
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株式会社 フコク
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、パワーショベルなどの
建設機械のキャブを車体上に保持する防振用のマウント
に関し、特に広い周波数領域に亘り大きな減衰力が得ら
れるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】昨今の建設業界の人手不足は、作業現場
に作業者の高齢化と女性オペレーターの進出をもたら
し、業界では機械化の推進と作業環境の改善が重要課題
となっている。建設機械は、以前は丈夫で壊れさえしな
ければよいと考えられていたが、現在は快適な居住性と
操作性及び人に優しい柔らかな丸みを帯びたデザインま
で要求され、エンジン及びキャビンの静粛性の向上やプ
レス成型キャビンの採用が検討されている。また一方
で、より一層の性能の向上が計られており、パワーショ
ベルの最高速度においては3km/hから6km/hへ
スピードアップされて走行時のキャブ振動の悪化をもた
らしている。このため、従来のゴムマウントを越えたよ
り高性能なキャブマウントが必要となってきている。
【0003】従来から、キャブマウントとして、弾性体
と高粘度減衰液とを使用した液体封入式マウント装置が
知られている(実開昭64−11450)。この液体封
入式マウント装置は、図5に示すようにキャブへ取付け
られるスタッド11とケーシング金具12との間に筒状
弾性体13が介在され、筒状弾性体の内外の接合面は圧
入状態になっている。またスタッドの下端に減衰板14
が取付けられ、減衰板が設けられるケーシング金具内の
空所には、シリコンオイル15が封入されている。この
液体封入式マウント装置の軸方向動特性は図6に示すよ
うになる。すなわちtanδは周波数9Hzの場合に最
高値0.6となり、周波数が9Hzより大きくなって
も、小さくなってもtanδは減少する傾向になってい
る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】従来の液体封入式マウ
ント装置は、ある程度広い周波数領域で大きな減衰力を
得ることができる。しかし周波数が10Hz以上になる
とtanδは減少するという問題があり、建設機械のキ
ャブ保持に適用した場合、広い速度範囲での振動吸収が
不十分になるとともに建設機械のキャタピラ上を走行す
る前後両端の大輪と、途中の小輪とで発生する振動によ
り励起されるキャブのローリングとピッチングのような
いくつかの異なる固有振動数の振動を十分に減衰できな
かった。また筒状弾性体とケーシング金具との接合面
は、圧入状態にあるだけであって結合されていないの
で、半径方向(水平方向)のバネ定数が軸方向(鉛直方
向)と比較して小さくなり、パワーショベルなどに適用
した場合に、横揺れを十分押えることができない。さら
にパワーショベルでは、削岩作業時などに大きな衝撃が
キャブに作用するので、走行時の小さな衝撃とともに、
大きな衝撃にも減衰力が要求され、それらに十分対応で
きなかった。本考案は、広い周波数領域で、tanδ、
動バネ定数、減衰係数がともに大きなものにして、建設
機械のキャブ保持用に使用しても、あらゆる運転状態に
対して液体封入式マウント装置が十分に減衰できるよう
にすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案の建設機械用液体
封入式マウント装置は、上記目的を達成するため、ケー
シング金具が、小径筒部の上下端にそれぞれ鍔部を有し
かつ下部に有底の大径筒部を有する形状に形成され、ケ
ーシング金具の小径筒部内に筒状弾性体の外周部が焼付
接着されるとともに、筒状弾性体の上部張り出し部がケ
ーシング金具の上部鍔部上に取り付けられ、小径筒部の
下端鍔部に大径筒部の上部が嵌合固着され、筒状弾性体
の中央孔内に棒状のスタッドが焼付接着され、スタッド
の下端にケーシング金具の大径筒部内に収容される減衰
板が取付けられ、減衰板の外周部に絞り通路が設けられ
るとともに、減衰板の周縁部にケーシング金具の底部と
下側鍔部とに位置規制させられる弾性材のストッパーが
取付けられ、ケーシング金具の大径筒部内に高粘土減衰
液が充填されている。
【0006】
【作用】上記の建設機械用液体封入式マウント装置は、
筒状弾性体の内、外周面をスタッドとケーシング金具と
にそれぞれ焼付接着しているので筒状弾性体の大部分が
軸方向と水平方向の緩衝に関与し、動特性のtanδ
を、広い周波数領域で大きな値とすることができ、この
ため鉛直方向より水平方向のバネ定数を高くでき、キャ
ブの横揺れを押えることができ、さらに広い周波数域に
分布する各固有振動数に対して大きな減衰力を有する。
また大きな衝撃力に対して吸収能力が高い。なお、減衰
板には、上下を連通するエアー逃げ孔を兼ねた絞り孔が
設けられ、スタッドの上下動にともない絞り孔あるいは
減衰板の周囲を高粘度減衰液が流れることにより減衰板
に減衰作用をさせている。
【0007】
【実施例】本考案の実施例を図1により説明する。液体
封入式マウント装置は、ケーシング金具1がパワーショ
ベル等のキャブを保持するために、車両側に取付けられ
る。ケーシング金具1は小径筒部1aの上下端にそれぞ
れ鍔部1bを有し、さらに下側鍔部1bの下に有底の大
径筒部1cが嵌合されている。ケーシング金具の小径筒
部1a内に筒状弾性体2が焼付接着されている。筒状弾
性体2の上部には半径方向の張り出し部2aが設けら
れ、その張り出し部2aがケーシング金具の上側鍔部1
b上に焼付接着され、その張り出し部2aは、後記する
スタッドの下方向への移動力に対向するように作用す
る。なお、筒状弾性体2の下端は小径筒部1aの下端位
置より少し上部に設けてあり、残留空気溜めを形成して
いる。また本実施例では、小径筒部1aは、その全長の
外径が一定であったが、上側が大径となるテーパ状に形
成してもよく、その場合、筒状弾性体2及びスタッド3
も上側が大径となるように形成する。
【0008】筒状弾性体2の中央孔内には棒状のスタッ
ド3が焼付接着され、その上端突出部が前記キャブに連
結されるようになっている。スタッド3の下端に減衰板
4が取付けられ、その外周部に弾性体で作成したストッ
パ5が取付けられ、ストッパ5がケーシング金具の下側
鍔部1bに当たることにより上方向移動位置が規制され
るようになっている。また減衰板には、その上下を連通
する絞り孔6が設けられ、この絞り孔はエアー逃げ孔を
兼ねている。ケーシング金具の大径筒部1c内にはシリ
コンオイルなどの高粘度減衰液7が封入され、その液が
絞り孔6あるいは減衰板4の外周部の絞り通路を流れる
ことによりスタッド3から減衰板4に作用する上下方向
の衝撃を緩衝させるようになっている。なお、筒状弾性
体2の下面と高粘度減衰液7との間に少し空気が入って
いて、緩衝に寄与させている。またケーシング金具1の
底には高粘度減衰液7を入れるための注入口が設けら
れ、それはシールリベット8で閉じられている。
【0009】上記構成の液体封入式マウント装置を作成
し、各周波数での動バネ定数と、tanδと減衰係数と
を測定し、その結果を図2に示した。図2からわかるよ
うに、tanδは周波数3.5Hz以上の広い周波数領
域で0.6以上と大きな値となり、広い領域で大きな減
衰力が得られることが分かる。また前記液体封入式マウ
ント装置についてそれぞれ鉛直方向と水平方向の荷重−
たわみ静特性を測定して、図3、4にそれぞれの結果を
示した。これらの図からわかるように、鉛直方向より水
平方向のたわみが小さくなっており、キャブの横揺れを
十分に押えられることがわかる。
【0010】
【考案の効果】本考案の液体封入式マウント装置によれ
ば、広い周波数領域に亘り大きな減衰力を得ることがで
き、しかも走行時振動のように広い速度範囲での振動も
吸収でき、さらに広い周波数域に分布する各固有振動数
に対して減衰力が大きなものとなる。また鉛直方向より
水平方向のたわみが小さいためキャブの横揺れを十分に
防止でき、削岩作業時のような大きな衝撃力に対しても
十分に衝撃を吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の液体封入式マウント装置の断面図であ
る。
【図2】本考案の液体封入式マウント装置の動特性を示
す特性図である。
【図3】本考案の液体封入式マウント装置の鉛直方向の
荷重−たわみの静特性図である。
【図4】本考案の液体封入式マウント装置の水平方向の
荷重−たわみの静特性図である。
【図5】従来の液体封入式マウント装置の断面図であ
る。
【図6】従来の液体封入式マウント装置の動特性を示す
特性図である。
【符号の説明】
1 ケーシング金具 2 筒状弾性体 3 スタッド 4 減衰板 5 ストッパ 7 高粘度減衰液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−295046(JP,A) 特開 昭59−1831(JP,A) 実開 平2−128843(JP,U) 実開 昭62−199549(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング金具が、小径筒部の上下端に
    それぞれ鍔部を有しかつ下部に有底の大径筒部を有する
    形状に形成され、ケーシング金具の小径筒部内に筒状弾
    性体の外周部が焼付接着されるとともに、筒状弾性体の
    上部張り出し部がケーシング金具の上部鍔部上に取り付
    けられ、小径筒部の下端鍔部に大径筒部の上部が嵌合固
    着され、筒状弾性体の中央孔内に棒状のスタッドが焼付
    接着され、スタッドの下端にケーシング金具の大径筒部
    内に収容される減衰板が取付けられ、減衰板の外周部に
    絞り通路が設けられるとともに、減衰板の周縁部にケー
    シング金具の底部と下側鍔部とに位置規制させられる弾
    性材のストッパーが取付けられ、ケーシング金具の大径
    筒部内に高粘土減衰液が充填されていることを特徴とす
    る建設機械用液体封入式マウント装置。
JP1991012135U 1991-02-13 1991-02-13 建設機械用液体封入式マウント装置 Expired - Lifetime JP2588668Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0716126Y2 (ja) * 1989-03-31 1995-04-12 東海ゴム工業株式会社 流体封入式マウント装置

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