JP2588585B2 - 被加工材をu字状に折り曲げるための成形方法およびその装置 - Google Patents

被加工材をu字状に折り曲げるための成形方法およびその装置

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JP2588585B2 JP63142876A JP14287688A JP2588585B2 JP 2588585 B2 JP2588585 B2 JP 2588585B2 JP 63142876 A JP63142876 A JP 63142876A JP 14287688 A JP14287688 A JP 14287688A JP 2588585 B2 JP2588585 B2 JP 2588585B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は被加工材の両端に引張り力を作用させて内部
残留応力を除去しながら被加工材をU字状に折り曲げる
ようにした成形方法およびその装置に関する。
〔従来の技術〕 一般に、ストレッチフォーミング加工と呼称される成
形加工方法において、被加工材の両端に引張り力を作用
させて、曲げにより生じる被加工材の内部残留応力を除
去しながら、被加工材をU字状に折り曲げるようにした
成形方法は知られている。また、第7図は従来の成形装
置を示し、これは一対のチャック本体20、21を有してな
り、これらチャック本体20、21の間に把持された板状の
被加工材23を想像線で示されるように成形型25に沿わせ
てU字状に折り曲げるようになっている(例えば、特公
昭62−144821号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、従来の成形装置では、U字状の折り曲げ幅
が極端に小さい場合あるいは成形型25の一部に凹部や段
付部25aなどがある場合、図示のようにチャック本体2
0、21同志が干渉し合い、折り曲げ成形が不可能になる
という問題がある。また、上記成形方法は単純折り曲げ
加工であるが、このようなものでは被加工材23の内部残
留応力が除去されないため形状歪みが生じ易いという問
題がある。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有す
る問題点を解決し、折り曲げ幅が極端に小さい場合で
も、部分的凹部や段付部さらには複合曲面などがある場
合でも、被加工材の内部残留応力を除去しながら、確実
にU字状に折り曲げできるようにした被加工材をU字状
に折り曲げるための成形方法およびその装置を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の方法は、一方の
チャック本体に挟持された成形型の型本体の外周面に予
めほぼU字状に折り曲げられた被加工材の曲り部の内周
面を当接し、この被加工材の両端縁を束ねてこの端縁を
他方のチャック本体に挟持し、両チャック本体に引張り
力を付与し、この引張り力の付与を解除したのち上記被
加工材の上記曲り部に側方から圧力を付与し、上記被加
工材の曲り部を上記型本体の外周部に押圧し、よって上
記被加工材の内部残留応力を除去しながら上記被加工材
を成形することを特徴とするものである。
また、本発明の装置は、一対のチャック本体と、いず
れか一方のチャック本体に挟持されたホルダと、このホ
ルダに揺動自在に支持されるとともに予めほぼU字状に
折り曲げられた被加工材の曲り部の内周面が当接する外
周面を有する型本体と、この型本体の両側に配置される
とともに上記型本体の外周面の側面方向に押圧力を付与
し得る一対のヨークダイとを備え、上記型本体の外周面
に上記被加工材の曲り部の内周面を当接したのち、この
被加工材の両端縁を束ねてこの端縁を他方のチャック本
体に挟持し、両チャック本体に引張り力を付与し、この
引張り力の付与を解除したのち上記被加工材の上記曲り
部に側方から圧力を付与できるようにしたことを特徴と
するものである。
〔作 用〕
本発明によれば、被加工材を予めほぼU字状に折り曲
げて準備して置き、この被加工材を一方のチャック本体
に挟持された成形型に装着する。このとき被加工材の曲
り部の内周面が成形型の型本体の外周面に当接するよう
にして装着する。その後、この被加工材の両端縁を束ね
てこの端縁を他方のチャック本体に挟持し、両チャック
本体に引張り力を付与する。そして、この引張り力の付
与を解除したのち上記被加工材の上記曲り部に側方から
圧力を付与する。よって、上記被加工材の曲り部は上記
型本体の外周部に押圧されることになり、被加工材の曲
り部に所望の形状を付与することができるものである。
〔実施例〕
以下、本発明による被加工材をU字状に折り曲げるた
めの成形方法およびその装置の一実施例を添附図面を参
照して説明する。
第1図において1,1はそれぞれチャック本体を示して
いる。一方のチャック本体1には板状の被加工材2の両
端縁が挟持され、他方のチャック本体1には成形型3が
挟持されている。
この成形型3は、第2図に示されるように、チャック
本体1に把持されるべきホルダ5を有し、このホルダ5
には一対の側板5a,5bがフォーク状に固着されている。
これら一対の側板5a、5bにはボックス状のヨークダイサ
ポート6がはめ込まれ、このヨークダイサポート6には
所定の形状を有する型本体7がはめ込まれている。この
型本体7は上記ヨークダイサポート6にボルト9,9…9
を介して螺着され、さらに上記一対の側板5a、5bに対し
てピボットピン10を介して結合されている。そして、型
本体7はヨークダイサポート6と一体的に矢印Aの方向
に上記ピン10まわりを揺動する一方、ストッパピン11に
より上記一対の側板5a、5bに対して固定されるようにも
なっている。
また、ヨークダイサポート6には上記型本体7を挟ん
で一対のヨークダイ12がはめ込まれ、これらヨークダイ
12の両側には一対の押圧板13がはめ込まれている。この
押圧板13には油圧シリンダ15が固着され、この油圧シリ
ンダ15の伸縮により上記ヨークダイ12はヨークダイサポ
ート6の内面を矢印Bの方向に摺動する。またこのと
き、ヨークダイ12に突設されたガイドピン17はヨークダ
イサポート6に形成された長孔18内を摺動する。なお、
押圧板13および油圧シリンダ15は一体的に矢印Cの方向
に嵌脱できるようになっている。
また、第3図は成形型3の部分断面図である。図示の
ように、油圧シリンダ15を介して押圧力Fを作用させる
と、その反力Pは上記型本体7に対して上記ヨークダイ
12を押付けるように作用する。ここで、型本体7とヨー
クダイ12との互いに対向する面は、所定の曲げ形を被加
工材2の曲り部2aに与え得るように形成されているの
で、本実施例によれば、上記油圧シリンダ15を作用させ
るだけの簡単な操作で、被加工材2の曲り部2aに対して
部分的凹部や段付部さらには複合曲面など所定の曲げ形
を付与することができる。
次に、第4〜6図を参照して折り曲げ形成方法の一実
施例を説明する。
先ず、第4図に示されるように、被加工材2を予め手
作業でU字状に曲げて置く。次に、一方のチャック本体
1に成形型3のホルダ5を挟持し、ストッパピン11を外
したのち、型本体7およびヨークダイサポート6をピボ
ットピン10まわりに一体的に揺動させる。
次に、型本体7の外周面に、予めほぼU字状に折り曲
げられた被加工材2の曲り部2aの内周面を当接させるよ
うにして、上記型本体7とヨークダイ12との間に上記被
加工材2を挿入する。その後、型本体7およびヨークダ
イサポート6を元の位置に揺動させてストッパピン11を
差込み、さらに第5図に示されるように被加工材2の両
端縁を束ねてその端縁を他方のチャック本体1に挟み込
んで固定する。これで成形の準備が完了である。
次に、一対のチャック本体1を両側に引張り、被加工
材2が折り曲げられて型本体7の外周面にその曲り部2a
の内周面がほぼ密着するまで、緩やかに時間を掛けて成
形する。この成形が完了したら、その後さらに適量の引
伸しを行い、被加工材2の内部残留応力を除去したのち
引張りを停止する。ここまで上記油圧シリンダ15は作動
しないで置く。
以上の成形が完了したら、次に、第6図に示されるよ
うに、油圧シリンダ15を動作し、ヨークダイ12を押圧
し、型本体7とヨークダイ12との対向面間に形成された
曲げ形に沿って被加工材2を曲げ成形する。このとき被
加工材2側のチャック本体1は半開の状態にする。
成形された被加工材2の取外しは、油圧シリンダ15の
作動を停止し、被加工材2側のチャック本体1を全開に
したのち、上述の成形準備時と同様にして、ストッパピ
ン11を外して型本体7およびヨークダイサポート6をピ
ボットピン10まわりに一体的に揺動させて行う。このと
き、取外しを容易にするためには、上記型本体7に接触
していない被加工材2の一部分2b(第6図)を側方に広
げてもよい。
このように構成すれば、単曲面、複曲面に拘らず、あ
らゆる形状の折り曲げを行うことができ、しかも一部分
に凹部や段付部などを有する形状の折り曲げを行うこと
もできる。また、引張りを入れながら折り曲げるので、
内部残留応力のない高品質のU字状に折り曲げられた製
品を得ることができる。さらに、このように構成すれば
成形型への被加工材の装脱が容易になる。さらにまた、
型本体7およびヨークダイ12並びにヨークダイサポート
6を適宜交換するだけで、種々の折り曲げ形状を得るこ
とができるなどの種々の効果を得ることができる。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、一
方のチャック本体に挟持された成形型の型本体の外周面
に予めほぼU字状に折り曲げられた被加工材の曲り部の
内周面を当接し、この被加工材の両端縁を束ねてこの端
縁を他方のチャック本体に挟持し、両チャック本体に引
張り力を付与し、この引張り力の付与を解除したのち上
記被加工材の上記曲り部に側方から圧力を付与するよう
にしたから、折り曲げ幅が極端に小さい場合でも、部分
的凹部や段付部さらには複合曲面などがある場合でも、
被加工材の内部残留応力を除去しながら、確実に被加工
材をU字状に折り曲げできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による被加工材をU字状に折り曲げるた
めの成形装置の一実施例を示す平面図、第2図は同じく
成形型を示す斜視図、第3図は同じく成形型を示す断面
図、第4図乃至第6図はそれぞれ本発明による被加工材
をU字状に折り曲げるための成形方法の一実施例を示す
平面図、第7図は従来の被加工材をU字状に折り曲げる
ための成形装置を示す平面図である。 1……チャック本体、2……被加工材、3……成形型、
5……ホルダ、6……ヨークダイサポート、7……型本
体、12……ヨークダイ、13……押圧板、15……油圧シリ
ンダ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方のチャック本体に挟持された成形型の
    型本体の外周面に予めほぼU字状に折り曲げられた被加
    工材の曲り部の内周面を当接し、この被加工材の両端縁
    を束ねてこの端縁を他方のチャック本体に挟持し、両チ
    ャック本体に引張り力を付与し、この引張り力の付与を
    解除したのち上記被加工材の上記曲り部に側方から圧力
    を付与し、上記被加工材の曲り部を上記型本体の外周部
    に押圧し、よって上記被加工材の内部残留応力を除去し
    ながら上記被加工材を成形することを特徴とする被加工
    材をU字状に折り曲げるための成形方法。
  2. 【請求項2】一対のチャック本体と、いずれか一方のチ
    ャック本体に挟持されたホルダと、このホルダに揺動自
    在に支持されるとともに予めほぼU字状に折り曲げられ
    た被加工材の曲り部の内周面が当接する外周面を有する
    型本体と、この型本体の両側に配置されるとともに上記
    型本体の外周面の側面方向に押圧力を付与し得る一対の
    ヨークダイとを備え、上記型本体の外周面に上記被加工
    材の曲り部の内周面を当接したのち、この被加工材の両
    端縁を束ねてこの端縁を他方のチャック本体に挟持し、
    両チャック本体に引張り力を付与し、この引張り力の付
    与を解除したのち上記被加工材の上記曲り部に側方から
    圧力を付与できるようにしたことを特徴とする被加工材
    をU字状に折り曲げるための成形装置。
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