JP2588341Y2 - ギヤポンプ - Google Patents
ギヤポンプInfo
- Publication number
- JP2588341Y2 JP2588341Y2 JP1993034909U JP3490993U JP2588341Y2 JP 2588341 Y2 JP2588341 Y2 JP 2588341Y2 JP 1993034909 U JP1993034909 U JP 1993034909U JP 3490993 U JP3490993 U JP 3490993U JP 2588341 Y2 JP2588341 Y2 JP 2588341Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluid
- gear
- pump
- bearing
- outer peripheral
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Rotary Pumps (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本考案は、溶融プラスチックなど
の流体を搬送するギヤポンプに関する。
の流体を搬送するギヤポンプに関する。
【０００２】
【従来の技術】溶融プラスチックなどの粘性流体搬送用
のギヤポンプでは、ポンプケースの内部の駆動ギヤと従
動ギヤとによって搬送される流体により、その駆動ギヤ
の駆動軸と従動ギヤの従動軸の各軸受部が自己潤滑され
るギヤポンプが一般に用いられる。図３、図４および図
５に従来からの自己潤滑式ギヤポンプを示す。このもの
は、ポンプケース１内に一対の歯車２、３を互いに噛合
状態で収容され、一方の歯車２を軸着する駆動軸２ａと
他方の歯車３を軸着する従動軸３ａとがそれぞれポンプ
ケースに配設した軸受４、５によって支承されている。
ポンプケース１の両端は前カバー６、後カバー７で蓋着
され、また歯車２、３の歯どうしが漸次離反する側に吸
入口８が、また歯どうしが漸次会合する側に吐出口９が
設けられている。そして駆動軸２ａを通じて両歯車２、
３を同期回転駆動したときに、吸入口８から吸い込んだ
流体を歯車２、３とポンプケース１の間にそれぞれ形成
される容積空間に閉じ込め、その空間を移動させて吐出
口９側に移送することで流体を押し出す動作をおこなっ
ている。
のギヤポンプでは、ポンプケースの内部の駆動ギヤと従
動ギヤとによって搬送される流体により、その駆動ギヤ
の駆動軸と従動ギヤの従動軸の各軸受部が自己潤滑され
るギヤポンプが一般に用いられる。図３、図４および図
５に従来からの自己潤滑式ギヤポンプを示す。このもの
は、ポンプケース１内に一対の歯車２、３を互いに噛合
状態で収容され、一方の歯車２を軸着する駆動軸２ａと
他方の歯車３を軸着する従動軸３ａとがそれぞれポンプ
ケースに配設した軸受４、５によって支承されている。
ポンプケース１の両端は前カバー６、後カバー７で蓋着
され、また歯車２、３の歯どうしが漸次離反する側に吸
入口８が、また歯どうしが漸次会合する側に吐出口９が
設けられている。そして駆動軸２ａを通じて両歯車２、
３を同期回転駆動したときに、吸入口８から吸い込んだ
流体を歯車２、３とポンプケース１の間にそれぞれ形成
される容積空間に閉じ込め、その空間を移動させて吐出
口９側に移送することで流体を押し出す動作をおこなっ
ている。
【０００３】吐出口９と吸入口８との間を、一端が吐出
口９に開口し他端が軸２ａの端部に開口する潤滑溝４ａ
と、後カバー７の内面７ｂに設けられた還流溝７ａと、
この還流溝７ａを吸入口８に連通させる還流孔１ｂとか
らなる還流経路１０を介して接続し、この還流経路１０
に沿って吐出口９の高圧状態の流体を軸受４に供給した
後吸入口８に戻すようにしている。なお、潤滑溝４ａと
還流溝７ａの間は軸２ａの端部とカバー７の内面７ｂと
の間に軸端隙間Ｓを介して流体が流れるようになってい
る。以上の構造は軸３ａについても同様である。
口９に開口し他端が軸２ａの端部に開口する潤滑溝４ａ
と、後カバー７の内面７ｂに設けられた還流溝７ａと、
この還流溝７ａを吸入口８に連通させる還流孔１ｂとか
らなる還流経路１０を介して接続し、この還流経路１０
に沿って吐出口９の高圧状態の流体を軸受４に供給した
後吸入口８に戻すようにしている。なお、潤滑溝４ａと
還流溝７ａの間は軸２ａの端部とカバー７の内面７ｂと
の間に軸端隙間Ｓを介して流体が流れるようになってい
る。以上の構造は軸３ａについても同様である。
【０００４】
【考案が解決しようとする課題】このようなギヤポンプ
で流体を断続的に搬送する場合、流体の種類によっては
運転停止中に流体が変質するものがある。したがって、
変質する流体を取り扱う場合は、ギヤポンプを停止する
前にポンプ内に残留する流体を排出しておく必要があ
る。また、搬送流体の種類を変更するときは、変更前の
流体を取り除く洗浄作業をしなければならない。
で流体を断続的に搬送する場合、流体の種類によっては
運転停止中に流体が変質するものがある。したがって、
変質する流体を取り扱う場合は、ギヤポンプを停止する
前にポンプ内に残留する流体を排出しておく必要があ
る。また、搬送流体の種類を変更するときは、変更前の
流体を取り除く洗浄作業をしなければならない。
【０００５】この場合、従来はギヤポンプ内部に溶剤を
流して洗浄したり、変更後の流体で変更前の流体を押し
出す作業を行っていた。
流して洗浄したり、変更後の流体で変更前の流体を押し
出す作業を行っていた。
【０００６】しかしながら、ポンプ内の流体が流れ易い
部分については問題なく洗浄などを行うことができるの
であるが流体が滞留する部分についてはほとんど洗浄の
効果はなかった。したがってギヤポンプの設計において
流体が滞留する部分を作らないようにしているが、ポン
プケース内に軸受を内蔵する型のギヤポンプにおいて
は、ポンプケース内壁と軸受外周部との間に僅かな隙間
が発生してしまっていた。すなわち、ポンプケース内壁
には軸受を挿入するための貫通孔が形成され、この孔に
軸受がはめ合わすようにして取り付けられているのであ
るが、ギヤポンプが動作すると吸入口側と吐出口側とで
圧力差が生じ、図６に示すように歯車の軸２ａ、３ａと
ともに軸受４、５が吸入口側に偏心するようになって吐
出口側に隙間ができた。また、ポンプケースと軸受の材
質が異なるときは熱膨張によっても隙間ができた。この
隙間に流体が侵入してしまうとそのまま滞留してしまい
固化することになり、容易に取り除くことができなかっ
た。
部分については問題なく洗浄などを行うことができるの
であるが流体が滞留する部分についてはほとんど洗浄の
効果はなかった。したがってギヤポンプの設計において
流体が滞留する部分を作らないようにしているが、ポン
プケース内に軸受を内蔵する型のギヤポンプにおいて
は、ポンプケース内壁と軸受外周部との間に僅かな隙間
が発生してしまっていた。すなわち、ポンプケース内壁
には軸受を挿入するための貫通孔が形成され、この孔に
軸受がはめ合わすようにして取り付けられているのであ
るが、ギヤポンプが動作すると吸入口側と吐出口側とで
圧力差が生じ、図６に示すように歯車の軸２ａ、３ａと
ともに軸受４、５が吸入口側に偏心するようになって吐
出口側に隙間ができた。また、ポンプケースと軸受の材
質が異なるときは熱膨張によっても隙間ができた。この
隙間に流体が侵入してしまうとそのまま滞留してしまい
固化することになり、容易に取り除くことができなかっ
た。
【０００７】固化して生じた劣化物はやがて剥がれて流
体に不純物として入り込むことから、流体の品質を落と
す原因となった。
体に不純物として入り込むことから、流体の品質を落と
す原因となった。
【０００８】本考案はこのような問題を解決するために
なされたものであり、ポンプケース内壁と軸受の隙間に
流体が滞留しないギヤポンプを提供することを目的とす
る。
なされたものであり、ポンプケース内壁と軸受の隙間に
流体が滞留しないギヤポンプを提供することを目的とす
る。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記課題を解
決するため、ポンプケースの内部において駆動ギヤと従
動ギヤとの回転によって搬送される流体により、駆動ギ
ヤの駆動軸と従動ギヤの従動軸との各軸受部が自己潤滑
されるギヤポンプにおいて、前記軸受の外周面に流体が
圧力差により移動するポンプの吐出口側から吸入口側に
向けての対角線に沿った流体通路を形成し、軸受外周面
とポンプケース内壁との隙間に流体が滞留しないように
したことを特徴とする。
決するため、ポンプケースの内部において駆動ギヤと従
動ギヤとの回転によって搬送される流体により、駆動ギ
ヤの駆動軸と従動ギヤの従動軸との各軸受部が自己潤滑
されるギヤポンプにおいて、前記軸受の外周面に流体が
圧力差により移動するポンプの吐出口側から吸入口側に
向けての対角線に沿った流体通路を形成し、軸受外周面
とポンプケース内壁との隙間に流体が滞留しないように
したことを特徴とする。
【００１０】以下、この構造のギヤポンプがどのように
作用するかを説明する。
作用するかを説明する。
【００１１】
【作用】本考案のギヤポンプでは、ポンプケース内壁と
軸受との隙間に入り込んだ流体は軸受外周面に形成され
た流体通過用の溝に入る。溝に入った流体は少しずつ低
圧側に移動していくのでポンプケース内壁と軸受との隙
間に入り込んだ流体の滞留は生じることはない。
軸受との隙間に入り込んだ流体は軸受外周面に形成され
た流体通過用の溝に入る。溝に入った流体は少しずつ低
圧側に移動していくのでポンプケース内壁と軸受との隙
間に入り込んだ流体の滞留は生じることはない。
【００１２】
【実施例】以下、本考案の実施例を図を用いて説明す
る。
る。
【００１３】図１は本考案による一実施例を示したギヤ
ポンプの後カバー側の軸受の斜視図である。また、図２
はこの軸受外周面の展開図である。なお、軸受以外の部
分は図３、図４で示した従来からのギヤポンプと同じで
あるので説明を省略する。また、前カバー６側の軸受に
ついても後カバー７側の軸受と同様であるので説明を省
略する。
ポンプの後カバー側の軸受の斜視図である。また、図２
はこの軸受外周面の展開図である。なお、軸受以外の部
分は図３、図４で示した従来からのギヤポンプと同じで
あるので説明を省略する。また、前カバー６側の軸受に
ついても後カバー７側の軸受と同様であるので説明を省
略する。
【００１４】図２の展開図に示すように軸受４、５のギ
ヤ側で吸入口側をＡ、ギヤ側で吐出口側をＢ、後ろカバ
ー側で吸入口側をＡ’、後ろカバー側で吐出口側をＢ’
とする。
ヤ側で吸入口側をＡ、ギヤ側で吐出口側をＢ、後ろカバ
ー側で吸入口側をＡ’、後ろカバー側で吐出口側をＢ’
とする。
【００１５】軸受４、５の外周面には、後ろカバー側で
吐出口側であるＢ’からギヤ側で吸入口側であるＡに向
けての対角線に沿って外周溝４ｂ、５ｂが刻まれる。
吐出口側であるＢ’からギヤ側で吸入口側であるＡに向
けての対角線に沿って外周溝４ｂ、５ｂが刻まれる。
【００１６】つぎにこのギヤポンプの動作を説明する。
ギヤポンプを作動することによって吐出口側と吸入口側
とに圧力差が生じる。この圧力差は軸受のＡ、Ａ’、
Ｂ、Ｂ’付近に存在する流体の圧力にも差を生じさせ
る。すなわち、吐出口側のＢ付近の流体が最も高く、つ
いで潤滑溝４ａを流れた後の流体が存在するＢ’、Ａ’
がこれに続き、吸入口側のＡ付近の流体が最も低くなっ
ている。
ギヤポンプを作動することによって吐出口側と吸入口側
とに圧力差が生じる。この圧力差は軸受のＡ、Ａ’、
Ｂ、Ｂ’付近に存在する流体の圧力にも差を生じさせ
る。すなわち、吐出口側のＢ付近の流体が最も高く、つ
いで潤滑溝４ａを流れた後の流体が存在するＢ’、Ａ’
がこれに続き、吸入口側のＡ付近の流体が最も低くなっ
ている。
【００１７】圧力差によって軸受４、５が全体的にポン
プケース１の吸入口側に押しつけられると吐出側のポン
プケース１内壁と軸受４、５外周面との間に隙間が生
じ、隙間には流体が侵入する。この流体は後から次々と
流入する流体に少しずつ押し出され、やがて、外周溝４
ｂ、５ｂに到達する。外周溝４ｂ、５ｂに入った流体は
流体の圧力差によって溝内を移動し、吸入口側のＡ点に
達する。すなわち、流体は外周溝４ｂ、５ｂを移動する
ことによりポンプケース１内壁と軸受４、５の外周面と
の隙間が小さい吸入口側にまで移動することができる。
Ａ点に至った流体は吸入口から流入される新しい流体に
混合され、ポンプ作用を受けて吐出側に送り出される。
プケース１の吸入口側に押しつけられると吐出側のポン
プケース１内壁と軸受４、５外周面との間に隙間が生
じ、隙間には流体が侵入する。この流体は後から次々と
流入する流体に少しずつ押し出され、やがて、外周溝４
ｂ、５ｂに到達する。外周溝４ｂ、５ｂに入った流体は
流体の圧力差によって溝内を移動し、吸入口側のＡ点に
達する。すなわち、流体は外周溝４ｂ、５ｂを移動する
ことによりポンプケース１内壁と軸受４、５の外周面と
の隙間が小さい吸入口側にまで移動することができる。
Ａ点に至った流体は吸入口から流入される新しい流体に
混合され、ポンプ作用を受けて吐出側に送り出される。
【００１８】本考案の他の実施例として図７に示すよう
に、ポンプケースの外壁から軸受部Ｂ’に至る貫通孔か
らなる注入孔６ｃ、７ｃを設け、通常は栓により閉塞し
ておき、洗浄のときはこの注入孔６ｃ、７ｃから溶剤を
注入して強制洗浄するようにすることもできる。これに
よればポンプケース内壁と軸受外周面との間に直接溶剤
を流入できるのでより早くより確実に洗浄をすることが
できる。
に、ポンプケースの外壁から軸受部Ｂ’に至る貫通孔か
らなる注入孔６ｃ、７ｃを設け、通常は栓により閉塞し
ておき、洗浄のときはこの注入孔６ｃ、７ｃから溶剤を
注入して強制洗浄するようにすることもできる。これに
よればポンプケース内壁と軸受外周面との間に直接溶剤
を流入できるのでより早くより確実に洗浄をすることが
できる。
【００１９】なお、本実施例では外周溝４ａ、５ａは図
２で示したような外周展開図で対角線となるような外周
溝を形成したがこれに限るものではなく、曲線であって
もよく、また複数の溝であってもよい。
２で示したような外周展開図で対角線となるような外周
溝を形成したがこれに限るものではなく、曲線であって
もよく、また複数の溝であってもよい。
【００２０】
【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、軸
受外周に流体が流れる溝を設け、軸受外周面とポンプケ
ース内壁との間の隙間に入った流体が長期間滞留して劣
化しないようにすることによって、流体中に劣化物が混
入することがなくなり、流体の品質向上が図られるとと
もに劣化物が原因となる焼き付きなどの故障を低減する
ことができる。
受外周に流体が流れる溝を設け、軸受外周面とポンプケ
ース内壁との間の隙間に入った流体が長期間滞留して劣
化しないようにすることによって、流体中に劣化物が混
入することがなくなり、流体の品質向上が図られるとと
もに劣化物が原因となる焼き付きなどの故障を低減する
ことができる。
【００２１】また、ポンプケース外壁から内壁にいたる
洗浄剤投入用の貫通孔を設けることによりポンプケース
内壁と軸受との間の隙間の洗浄がより早く、より確実に
行うことができるようになる。
洗浄剤投入用の貫通孔を設けることによりポンプケース
内壁と軸受との間の隙間の洗浄がより早く、より確実に
行うことができるようになる。
【図１】本考案の一実施例であるギヤポンプの軸受の斜
視図。
視図。
【図２】図１の軸受の外周面の展開図。
【図３】従来のギヤポンプの断面図。
【図４】図３のＡーＡ’矢視図。
【図５】従来のギヤポンプの軸受とカバーの斜視図。
【図６】ギヤポンプ作動時の軸受の偏心を示す図。。
【図７】本考案の他の実施例であるギヤポンプの斜視
図。
図。
１：ポンプケース ２、３：歯車 ２ａ：駆動軸、３ａ：従動軸 ４、５：軸受 ４ａ、５ａ：潤滑溝 ４ｂ、５ｂ：外周溝 ６：前カバー、７：後カバー ８：吸入口、９：吐出口 １０：還流経路
Claims (1)
- 【請求項１】ポンプケースの内部において駆動ギヤと従
動ギヤとの回転によって搬送される流体により、駆動ギ
ヤの駆動軸と従動ギヤの従動軸との各軸受部が自己潤滑
されるギヤポンプにおいて、前記軸受の外周面に流体が
圧力差により移動するポンプの吐出口側から吸入口側に
向けての対角線に沿った流体通路を形成し、軸受外周面
とポンプケース内壁との隙間に流体が滞留しないように
したことを特徴とするギヤポンプ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1993034909U JP2588341Y2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | ギヤポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1993034909U JP2588341Y2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | ギヤポンプ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0730389U JPH0730389U (ja) | 1995-06-06 |
| JP2588341Y2 true JP2588341Y2 (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=12427334
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1993034909U Expired - Lifetime JP2588341Y2 (ja) | 1993-06-28 | 1993-06-28 | ギヤポンプ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2588341Y2 (ja) |
-
1993
- 1993-06-28 JP JP1993034909U patent/JP2588341Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0730389U (ja) | 1995-06-06 |
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