JP5060014B2 - 高粘性媒体用スクリュー押出機・歯車ポンプ装置 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、高粘性媒体用スクリュー押出機・歯車ポンプ装置に関する。
【０００２】
ＤＥ‐Ａ２１００４０３により公知の液圧ポンプは、遊星歯車装置の態様で１つの太陽歯車と、キャリヤで回転可能に支承された複数の遊星歯車と、１つのリングギヤとを備えており、すべての歯車が歯を有している。互いに噛合う遊星歯車とリングギヤとの間や、互いに噛合う遊星歯車と太陽歯車との間には、吸込室要素と圧力室要素が交互に形成され、これらの要素がキャリヤの円弧状隔壁によって密封されており、キャリヤはその他、歯車間の空隙を満たしている。遊星歯車、リングギヤおよび太陽歯車の平坦面は、相互に離間配置される２つの平らなケーシング壁にそれぞれ密封載置され、これらケーシング壁が壁開口部を備えており、壁開口部は歯車間の個々の吸込室要素および圧力室要素を、液圧供給路を備えてヘッダとして機能する吸込室に接続し、もしくは液圧排出路を備えてヘッダとして機能する圧力室に接続している。遊星歯車ポンプと称するこの公知の歯車ポンプでは、キャリヤが好ましくは固定されている一方、太陽歯車とリングギヤは公転するようになっている。このようなポンプはかなりの上流圧力で供給されなければならず、したがってセルフクリーニング性でないため、高粘性媒体の移送には基本的にあまり適していない。
【０００３】
ＤＥ３６３１５２７Ｃ１により公知の類似の歯車ポンプは、回転数に左右されることなく吐出し量の変更を可能とするものである。このポンプは、やはり歯付遊星歯車、キャリヤ、歯付リングギヤおよび歯付太陽歯車を有し、これらは外側からポンプケーシングによって包囲されている。吐出し量を変えるために、被動太陽歯車の回転数にかかわりなく選択的にキャリヤの公転運動またはリングギヤの回転運動を停止させることができるようになっている。キャリヤは、複数の流入口を有する入口密封壁とそれから軸方向で離間した、複数の流出口を有する出口密封壁とを備えており、これらの壁は回転可能に密封されて円筒形ポンプケーシング内で支承されている。ポンプケーシング内には、移送方向で入口密封壁の上流に吸込室が配置され、移送方向で入口密封壁の下流に圧力室が配置されている。吸込室はそれぞれ流入口を通して、出口密封壁まで達する個々の吸込室要素内に延びるのに対して、圧力室は流出口を通して、入口密封壁まで達する個々の圧力室要素内に延びている。吸込室要素および圧力室要素は、遊星歯車とリングギヤと太陽歯車との間の空隙内にそれぞれ配置され、かつ入口密封壁と出口密封壁との間に配置されて中実に実施されるキャリヤの空隙充填部分によって、相互に密封されている。被移送媒体用供給路は、ポンプケーシングの壁に通されたキャリヤ回転軸の内部で縦穴の態様で延びて横穴に移行しており、移送媒体用排出路は相応の仕方で太陽歯車の回転軸に通されている。このようなポンプは、穴の直径が小さく、流入口や流出口の横断面積が小さいので、高粘性媒体の移送には不適であろうし、セルフクリーニング性もないであろう。
【０００４】
遊星歯車ポンプとして働く別の歯車ポンプがＵＳ３８７０４３７により公知である。被移送容積は、太陽歯車とリングギヤとの間、そして２つの直接隣接する遊星歯車の間の空隙内にそれぞれ収容される。遊星歯車の公転中にポンピング作用を生成すべく、この空隙の大きさを吸入個所の領域（流入領域）では連続的に増大させ、圧力ゾーンの領域（流出領域）では連続的に低減させるために、このポンプは柔軟に変形可能な歯車を有している。例えば、リングギヤと被動太陽歯車は互いに偏心して配置することが可能であり、リングギヤと太陽歯車との間のさまざまな隙間幅に変形（長円形）によって適応できる軟質遊星歯車を利用している。
【０００５】
これら公知の遊星歯車ポンプに共通する特徴として、遊星歯車だけでなくリングギヤと太陽歯車もそれぞれに歯を有し、これらの歯が遊星歯車装置の意味で互いに噛合っている。
【０００６】
プラスチック溶融体またはゴム配合物の加工時において従来一般に使用される歯車ポンプは、円筒歯車装置の意味で作動し、大抵の場合スクリュー押出機に接続されている。通常、歯車ポンプは、単数または複数の押出機軸の駆動装置とは別の駆動装置を有している。このような押出機が例えばＥＰ０５０８０８０Ａ２により公知である。押出機スクリューは、被押出し材料を歯車ポンプの隅板領域内に直接送り、歯車ポンプは互いに噛合う２つの円筒歯車を有している。この種の歯車ポンプはセルフクリーニング性でなく、それゆえに大抵の場合、その都度加工されるべき材料の変更時、材料変更後の品質低下を甘受しなくともよいように手間のかかる分解・清浄作業を必要としている。
【０００７】
ＥＰ０５６４８８４Ａ１により公知の二軸スクリュー押出機は、そのスクリュー軸が被加工溶融体の圧力を高めるための部分内に歯車ポンプの２つの円筒歯車の１つをそれぞれ備えており、スクリュー軸によって歯車の直接的駆動が行われている。端面側、すなわちスクリュー軸の長手軸に直角に延びる２つの密封壁が流入側もしくは流出側に対し溶融体用貫流窓を備えており、この密封壁によって吸込室と圧力室が相互に分離されている。この歯車ポンプもセルフクリーニング性ではない。その吐出し量は、スクリュー軸の回転数にかかわりなく変更することはできない。
【０００８】
最後に、ＥＰ０６４２９１３Ａ１により公知の単軸スクリュー押出機は、その最後のスクリュー部分の上流に円筒歯車装置型の歯車ポンプを有している。歯車ポンプの２つの円筒歯車の一方はスクリュー押出機のスクリュー軸に直接固着され、このスクリュー軸によって駆動されるようになっている。押出機ハウジングが側部膨らみ部を有し、歯車ポンプの第２円筒歯車がこの膨らみ部内で支承されている。円筒歯車の平坦側に各１つの密封壁が当接し、この密封壁は押出機のハウジング内で形状噛合式に支承されている。密封壁または押出機ハウジングは、被押出し材料用の吸引側もしくは圧力側貫流窓をそれぞれ備えている。この公知押出機でもセルフクリーニング性は保証されていない。
【０００９】
本発明の課題は、高粘性材料を加工するのに特別適しかつ十分にセルフクリーニング式に作動するスクリュー押出機・歯車ポンプ装置を提案することである。
【００１０】
この課題は、請求項１の特徴で解決されることになる。また、この歯車ポンプの有利な諸構成は従属請求項から明らかとなる。
【００１１】
本発明が提供するスクリュー押出機・歯車ポンプ装置では、歯車ポンプが基本的に遊星歯車装置に合わせて構成され、プラスチック溶融体、ゴム配合物等の高粘性媒体を移送するのに特別適しており、被移送媒体の供給をさしたる上流圧力なしに行うことができるので、セルフクリーニング性が十分である利点を有することになる。本発明が出発点とする遊星歯車ポンプは、キャリヤとキャリヤ内で回転可能に支承される少なくとも１つの遊星歯車とを有している。また、この遊星歯車ポンプが２つの他の機能要素を有し、機能要素は太陽歯車もしくはリングギヤの意味で少なくとも１つの遊星歯車と協働することになる。さらに、遊星歯車および前記２つの機能要素を備えたキャリヤを外側から取り囲むポンプケーシングと、入口密封壁および出口密封壁が設けられている。入口密封壁は捩り剛性をもってキャリヤに結合されており、被移送媒体用に少なくとも１つの流入口を有している。相応する仕方で出口密封壁は捩り剛性をもってキャリヤに結合され、被移送媒体用に少なくとも１つの流出口を備えている。さらにこの歯車ポンプは、ポンプケーシングによって取り囲まれて相互に密封された吸込室と圧力室とを有し、吸込室は移送方向で入口密封壁の上流に配置され、少なくとも１つの流入口を通して少なくとも１つの吸込室要素内に少なくとも１つの遊星歯車に沿って出口密封壁まで延びており、圧力室は移送方向で出口密封壁の下流に配置されている。このような歯車ポンプにおいて本発明によれば、太陽歯車またはリングギヤとして働く２つの機能要素のうちその都度一方だけが、少なくとも１つの遊星歯車に噛合う歯を有し、それに対し他方の機能要素は少なくとも１つの密封領域を有し、この密封領域は、少なくとも１つの遊星歯車の周面の一部と長さとにわたって滑動可能にこの遊星歯車に密封当接するように平滑壁に実施されている。本発明ではさらに、少なくとも１つの密封領域を有する機能要素が捩り剛性をもってキャリヤに結合されており、つまり同じ運動を行うことになる。少なくとも１つの吸込室要素が少なくとも１つの圧力室要素から密封分離されるのを保証するために、本発明では他の主要特徴として、少なくとも１つの遊星歯車に対して周方向でずらして少なくとも１つの、入口密封壁から出口密封壁まで延びる仕切壁が配置されており、この仕切壁は、少なくとも１つの平滑壁密封領域を有する機能要素に捩り剛性をもって密封して結合されかつ半径方向で、歯を有する機能要素の歯の歯先円まで延びている。
【００１２】
好ましい実施形態において、圧力室は少なくとも１つの流出口を通して少なくとも１つの圧力室要素内に少なくとも１つの遊星歯車に沿って入口密封壁まで延びている。これは、圧力室要素と吸込室要素が遊星歯車に対してそれぞれ向き合うことを意味している。
【００１３】
別の実施形態において、各圧力室要素の容積はごく小さくされ、好ましくはゼロにされている。これは、仕切壁が各遊星歯車の軸方向全長にわたって広い面で遊星歯車の周面でその歯にそれぞれ密封当接することを意味している。この実施の場合、歯車ポンプの特別効果的なセルフクリーニング性が保証されている。
【００１４】
少なくとも１つの遊星歯車と同様に歯を備えてこれに噛合う機能要素は、好ましくはリングギヤである。このリングギヤは固定配置が可能であるので、リングギヤは望ましくはポンプケーシングと一体に実施され、または少なくとも捩り剛性をもって、リングギヤを取り囲むポンプケーシング内で支承されている。この場合、キャリヤは太陽歯車に相当する機能部材と一緒に公転し、好ましくはこれと一体に実施されている。つまり、通常の遊星歯車装置におけるような歯付太陽歯車がここにはない。つまり少なくとも１つの遊星歯車は、このような太陽歯車の歯と噛合うのでなく、本来なら太陽歯車として機能する機能部材の少なくとも１つの密封領域内で滑動可能に密封されて移動するようになっている。
【００１５】
逆の配置を選択することも当然に可能であり、そこでは歯付太陽歯車が利用され、リングギヤとして機能する機能部材は歯を持つのでなく、少なくとも１つの密封領域を備えている。その場合、「リングギヤ」はキャリヤのように停止することができる。しかし、構造が単純であるので、歯付リングギヤと無歯「太陽歯車」とを使った前記解決が優先される。
【００１６】
好ましくは複数、つまりそれぞれ少なくとも２つ、好ましくはそれぞれ少なくとも４つの遊星歯車、仕切壁、流入口および流出口が設けられている。遊星歯車およびこれに噛合う機能部材（つまり好ましくはリングギヤ）の歯は直歯にしておくことができ、しかし好ましくは斜歯で実施されることになる。これが、本発明による遊星歯車ポンプの特別均一な移送を可能とするものである。
【００１７】
遊星歯車と、これに噛合う機能部材は、山歯に実施しておくこともできる。しかしその場合分解が困難になる。しかしこの困難にする条件のもとでも、例えばリングギヤの分割実施によって分解はなお実行できることになる。
【００１８】
本発明の他の好ましい実施形態において、仕切壁は斜歯に合わせて軸方向で螺旋状に延びている。その際、仕切壁は少なくとも１つの密封領域を有する機能要素と一体に、つまり好ましくは「太陽歯車」と一体に構成するのが好ましい。その場合、キャリヤも「太陽歯車」と一体に構成されていることが好ましい。
【００１９】
遊星歯車は、好ましくは入口密封壁および出口密封壁内で支承され、これによりキャリヤの一部となっている。これらの部材を個別に構成することも当然に可能である。遊星歯車を容易に取り付けかつ分解できるように、２つの密封壁の一方だけ、好ましくは入口密封壁を、キャリヤと一体に構成し、他方の密封壁を個別の部材としてそのままにしておくと有利である。
【００２０】
歯車ポンプをスクリュー押出機のハウジング内に容易に収容できかつ簡単な分解性を保証するためには、入口密封壁の外径が出口密封壁の外径に等しくなく、好ましくはそれよりも小さく形成されている方がよい。これにより、大抵の場合、スクリュー押出機の移送端で押出機に結合される歯車ポンプは、押出機のヘッド端でハウジングから容易に引き出すことができる。
【００２１】
操業中に歯車ポンプの吐出し量の変更を可能とするために、本発明の他の好ましい実施形態では、太陽歯車に相当する機能部材、入口密封壁および出口密封壁と一緒にキャリヤがポンプケーシングの内部で歯付リングギヤに対して軸方向で摺動行程ｗだけ摺動可能に配置されている。これにより、リングギヤと遊星歯車との間の歯噛合い長、したがって歯の押しのけ容積は変更することができる。吸込室と圧力室との間に好ましくない漏れが生じることのないように、ポンプケーシング内で密封して滑動可能に支承され摺動時にリングギヤの歯領域内に移動する入口密封壁はその軸方向厚さｄを（すなわち摺動方向に見て）最大摺動行程ｗよりも大きく選定するのが好ましい。これにより、ポンプケーシングと入口密封壁との間の密封はそのまま維持されることになる。しかし、僅かな摺動によって圧力室と吸込室との間に意図的に漏れを生じさせてポンプの移送性能を絞るようにすることもできる。
【００２２】
公知の遊星歯車ポンプとは異なり、歯車ポンプを軸方向で調整する短時間だけ、その限りでごく僅かなエネルギー消費量の駆動装置が必要となるだけであるので、操業中の移送性能の絞りは１つの機能要素（リングギヤまたは太陽歯車）用に絶えず必要な第２駆動装置なしに可能である。歯車ポンプの移送性能が調整できることによって、さまざまな材料の加工への適合が可能となる。
【００２３】
遊星歯車および／またはこれに噛合うリングギヤもしくは太陽歯車は歯の表面近傍領域を軟弾性に実施するのが製造技術上好ましいことがある。その場合、厳密な歯に比べて製造技術上比較的粗い公差の金属製歯車本体を製造することができ、この歯車本体は仕上げられた歯の目標寸法よりも小さな寸法を有し、次に弾性被覆、特に、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる被覆を備えられる。この被覆は優れた弾性特性を有するので、こうして仕上げられた歯に対する要求条件も純金属製の歯の場合よりも緩やかである。過寸法は変形によっていわば補償することができる。僅かな過寸法を有するゴム被覆によって、リングギヤの歯空洞は完全に清浄化することができる。
【００２４】
本発明の他の変更態様では、リングギヤまたは遊星歯車の歯が交互に、または断続的に、高さの異なる歯を有して実施されている。つまり例えば、半分の歯が通常の寸法を有し、残り半分の歯が低減された寸法を有し、両方の歯寸法が周面にわたって絶えず交番している遊星歯車が利用されている。ポンプが複数の遊星歯車を有する場合、異なる遊星歯車、すなわち通常の歯丈を有する遊星歯車と低減された歯丈を有する別の遊星歯車を使用することもできる。これによってもたらすことのできる効果は、部分的に低減された歯丈によって、各歯車と協働する相手歯車の歯溝内に含まれる材料の圧縮を行うことができることにある。圧縮された材料は次に、完全に形成された歯とぶつかってはじめて歯溝から押し出されて移送されることになろう。
【００２５】
つまり、連続的に低減する歯丈を有する遊星歯車の場合、リングギヤの歯溝内にある材料は、最初に圧縮され、その歯が完全に構成された後続の遊星歯車によってはじめて、膨張流れおよび剪断流れのもとで歯溝からその都度押し出されることになる。歯車ポンプが４つの遊星歯車を有する場合、各２つの向き合う遊星歯車は低減された歯丈で形成され、残り２つの向き合う遊星歯車は通常の歯丈で形成されている。歯車ポンプ内にある強制流れによって、被加工材料の連続的均質化と混合（例えば充填剤）が促進されることになる。
【００２６】
遊星歯車およびリングギヤの歯の歯幾何学は基本的に任意である。一方の歯車の歯が各他方の歯車の歯溝に噛合い、他方の歯車の各歯溝を制限する両方の歯との密封滑り接触が生じるように確保しておかねばならないだけである。
【００２７】
本発明によれば、遊星歯車装置型の単数または複数の歯車ポンプ、特に、プラスチック溶融体、ゴム配合物等の流動性媒体を移送するための歯車ポンプがスクリュー押出機内で使用され、スクリュー押出機は１つのスクリュー軸を、または複数のスクリュー軸も有することができ、単数もしくは複数のスクリュー軸はそれぞれ歯車ポンプの駆動装置に機械式に結合されており、個別のポンプ駆動装置を必要としない。それとともに、歯車ポンプの駆動装置用に独自の制御装置も必要でなくなる。
【００２８】
通常、ポンプケーシングはスクリュー押出機のハウジングに直接接続され、もしくは好ましくは押出機ハウジングの一部である。
【００２９】
特に有利には、単数もしくは複数のスクリュー軸の移送端における条数はこれに接続された歯車ポンプの遊星歯車の数にそれぞれ等しく選定されている。しかし、条数はスクリュー全長にわたって決して一定である必要はない。本発明による歯車ポンプの主な使用では、スクリュー軸の移送端の上流にある部分においてスクリュー軸の条数が移送端における条数のそれぞれ半分に選定されている。
【００３０】
斜歯を有している遊星歯車ポンプを利用する場合、スクリュー軸の条の螺旋傾きがスクリュー押出機の移送方向に対してそれぞれ歯の傾きとは逆向きにしてあると有利である。
【００３１】
遊星歯車ポンプを備えたスクリュー押出機の移送性能を駆動回転数の変更なしに調節できるようにするために、スクリュー軸がそれぞれキャリヤ、太陽歯車、入口密封壁および出口密封壁と一緒に軸方向で摺動可能に配置されていることが好ましい。押しのけ容積および／または吸込室と圧力室との間の要望する漏れが前述の如く制御されるので、捩り剛性をもってキャリヤに機械式に結合されたスクリュー軸の軸方向摺動によって、歯車ポンプの移送性能を調節することができることになる。
【００３２】
スクリュー押出機を歯車ポンプと組合せた場合の主要な利点は、昇圧特性が良好で、同時に歯車ポンプに供給するのにさしたる吸込圧力が必要でないために歯車ポンプ上流の押出機スクリューをごく短く実施できることにある。押出機スクリューの長さは、好ましくはスクリュー直径の２倍〜５倍の値である。
【００３３】
遊星歯車ポンプの特別有利な使用は、歯車ポンプの下流にピンシリンダ押出機領域があるとき、特にゴム配合物を加工するためのスクリュー押出機において生じることになる。このピンシリンダ押出機領域は例えばＤＥ４０３９９４２Ａ１により公知であり、その限りでその開示内容が本願に含められる。遊星歯車ポンプは、ピンシリンダ押出機領域にとって有利な高い上流圧力を容易に構成することができる。
【００３４】
他の有利な応用において、このようなピンシリンダ押出機領域の下流になお真空脱気領域が接続され、押出機出口で所要の押出圧力を提供するために、この真空脱気領域に押出機の末端でなお第２遊星歯車ポンプが続いている。
【００３５】
以下、図に示す実施例に基づいて本発明を詳しく説明するものである。
【００３６】
図１〜図３Ｄには、スクリュー押出機１５が軸方向縦断面図、幾つかの横断面図および略展開図（図２）で示されている。スクリュー押出機１５は１つのスクリュー軸１７を有し、スクリュー軸は移送方向で見て、最初は２条に実施され、移送端１９には２倍の条数を有し、つまり４条である。スクリュー軸１７は、押出機ハウジング１６によって取り囲まれている。移送端１９には直接接続した遊星歯車ポンプ１８が設けられており、この遊星歯車ポンプは、ほぼ円筒形のポンプケーシング４を有し、キャリヤ２とその中で回転可能に支承された４つの遊星歯車１が当該ポンプケーシングの内部に配置されている。ポンプケーシング４の壁領域で内側に歯付リングギヤ３が設けられており、本発明の好ましい実施形態においてこのリングギヤ３はポンプケーシング４の部分と一体に実施されている。遊星歯車１の左側にある入口密封壁５は、密封されかつ押出機ハウジング１６内で回転可能に支承されている。この入口密封壁５は遊星歯車１の数に合わせて４つの流入口６を備えている（図３Ａ）。遊星歯車１の右側に配置された出口密封壁７はそれに合わせて４つの流出口８を備えている（図３Ｄ）。出口密封壁７も回転可能に、しかもポンプケーシング４内で、支承されている。入口密封壁５の左側、つまりスクリュー軸１７の４条部分の末端には歯車ポンプ１８の吸込室９が設けられており、その圧力室１０は出口密封壁７の右側に位置している。吸込室９は、流入口６を通して吸込室要素９ａの態様で各１つの遊星歯車１に沿って出口密封壁７まで延びている。同様に、遊星歯車１の直径上で向き合う側にそれぞれ圧力室１０が各１つの圧力室要素１０ａの態様で流出口６を通して入口密封壁５まで延びている（図１、図３Ｂ、図３Ｃ）。入口密封壁５と出口密封壁７も遊星歯車１の支承部を受容するので、機能的にはキャリヤ２に含まれ、このキャリヤが合計４つの仕切壁１２を備えている。仕切壁は、中央の本体から実質的に半径方向で遊星歯車１の間をリングギヤ３の歯まで延びている。図３Ｂ、図３Ｃから明らかとなるように、遊星歯車１は、平滑円筒形に形成された密封領域１１内で滑動可能に各付属の仕切壁１２もしくはキャリヤ２の中央本体にそれぞれ密封当接している。密封壁１２は、キャリヤ２と一体に実施されている。遊星歯車１はリングギヤ３の歯と噛合っており、そこにも密封当接が与えられている。こうして横断面で見て吸込室要素９ａは、仕切壁１２、キャリヤ２の中央本体、中央本体とリングギヤ３の歯とに密封当接する付属の遊星歯車１およびリングギヤ３の一部によってそれぞれ密閉されている。遊星歯車１の軸に対して直径上でそれぞれ向き合う圧力室要素１０ａにも同様のことが当てはまり、圧力室要素は、図３Ｂの図示断面位置のとき、入口密封壁５の近傍ではごく小さな横断面を有するだけである。対応する断面において出口密封壁７の近傍では逆の寸法事情が生じている。そこでは吸込室要素９ａが図３Ｂの圧力室要素１０ａの寸法を有するであろう。同様に、圧力室要素１０ａの横断面はそれぞれ図３ｂの吸込室要素９ａの寸法を有することであろう。これはつまり、吸込室要素９ａが横断面において流入口６から出口密封壁７まで連続的に低減する一方、反対側の圧力室要素１０ａが入口密封壁５から出口密封壁７内の流出口８まで連続的に横断面を増大させることを意味している。入口密封壁５と出口密封壁７との間の中心において吸込室要素９ａの横断面は、図３Ｃが示すように、圧力室要素１０ａとほぼ同じ大きさである。
【００３７】
圧力室要素１０ａの容積は、遊星歯車ポンプ１８のセルフクリーニング能力を高めるために、必要なら、ゼロにまで低減させることが可能である。その場合、仕切壁１２は、吸込室要素９ａに向き合う側で各遊星歯車１の歯にそれぞれ直接密封載置されることになり、また被移送材料は直接に遊星歯車１およびリングギヤ３の歯の歯溝から流出口８を通して圧力室１０内に達することになる。
【００３８】
通常の遊星歯車装置において、太陽歯車に相当するキャリヤ２の中央本体は歯を何ら有していない一方、リングギヤ３は遊星歯車１と同様に有利には斜歯を備えている。同様に本発明の好ましい構成において、仕切壁１２は螺旋状に、すなわちスクリュー押出機１５の長手軸に対して傾斜されており、この傾斜の傾きはスクリュー軸１７の条の傾きとは逆方向を向いている（図１）。図示押出機からの出口は符号２２で示されている。
【００３９】
図１の断面図からわかるように、ポンプケーシング４は、押出機ハウジング１６に比べて拡大された直径を有している。押出機ハウジング１６は、内径がリングギヤ３の歯の歯先円直径よりも僅かに小さく、押出機ハウジング１６の右端面壁は書き込まれた切断線Ｂ‐Ｂの近傍でリングギヤ３の歯の歯溝横断面を完全に覆っている。遊星歯車１がリングギヤ３の歯と噛合う領域にある限り、この遊星歯車の歯溝にも同様のことが当てはまる。その他、遊星歯車１と空隙全体は、所要の流入口６に至るまで入口密封壁５によって完全に閉鎖されている（図３Ａ）。出口密封壁７および流出口８に関して、遊星歯車１の反対側にも同様のことが当てはまる（図３Ｄ）。出口密封壁７は、外径がポンプケーシング４の内径に一致しており、リングギヤ３の歯の歯溝は歯の右端面側で出口密封壁７によって完全に密封されている。入口密封壁５の外径は、リングギヤ３の歯の歯先円直径よりも意図的に小さく選定されているので、分解を目的としてヘッド部材２５の除去後に、キャリヤ２と遊星歯車１および両方の密封壁５，７とのユニット全体をポンプケーシング４から右方向に問題なく引き出すことができる。
【００４０】
図示したスクリュー押出機の動作様式は以下のとおりである：被加工媒体、例えば熱可塑性プラスチックの溶融体は、スクリュー軸１７内を左から右へと歯車ポンプ１８の方向に移送される。２条スクリュー軸に沿って移動する２つの部分流から、移送端１９で２つの付加的スクリュー条によって４つの部分流が生成される。スクリュー条は、図２の展開図から特にはっきりわかるように、それぞれ流入口６で成端し、つまり吸込室要素９ａに注ぐ。スクリュー軸１７が機械式にキャリヤ２に結合されているので、キャリヤは、やはりこれに結合された密封壁５，７と一緒に同じ回転運動を行う。溶融体は、あまり大きな上流圧力を必要とすることなく、比較的大きな流入口６を通して個々の吸込室要素９ａ内に達する。仕切壁１２によって溶融体の材料は書き込まれた回転方向に応じてリングギヤ３の歯の歯溝に送り込まれる。それぞれ反対側の圧力室要素１０ａ内への溶融体の移送は各遊星歯車１で２つの部分流で行われる。一方の部分流は各遊星歯車１の歯溝内で密封ゾーン１１に沿って付属の圧力室要素１０ａ内に送られ、第２材料流は、遊星歯車１の歯が噛合う結果、リングギヤ３の歯溝から溶融体が絞り出されることによって生成される。こうして、ポンプ入口ではまだ４つの部分流からなる総流がいまや合計８つの部分流に分割され、遊星歯車ポンプは材料混合の向上に寄与し得ることになる。キャリヤ２の公転時に被移送材料が半径方向仕切壁１２によってリングギヤ３の歯溝に送り込まれることによって、十分なセルフクリーニング性に対するこの歯車ポンプの特別な適性も得られる。
【００４１】
入口密封壁５は、したがってキャリヤ２の少なくとも一部も、スクリュー軸１７の実体的構成要素とすることもでき、つまり個別の部材とする必要はなくなる。
【００４２】
遊星歯車ポンプを備えた図１〜図３Ｄに示すスクリュー押出機の変更態様が図４に示されている。このスクリュー押出機の基本的構造様式と機能は後者に一致しており、それらについては上記説明を参照するよう指示するものである。しかしそれとは異なり、図４のスクリュー押出機１５のスクリュー軸１７はキャリヤ２とこれに結合された入口密封壁５および出口密封壁７と一緒に軸方向で摺動可能であり、そのことは押出機の長手軸上に太線で示した両方向矢印で示唆されている。リングギヤ３の歯幅は符号ｂ₁、遊星歯車１の歯幅は符号ｂ₂である。両方の歯幅ｂ₁、ｂ₂はほぼ同じ大きさであり、スクリュー軸がこれに機械式に結合されたキャリヤ３と共に左に摺動した図示しない出発位置（左端位置）のとき、両方の歯幅ｂ₁、ｂ₂は完全に重なり合うようになっている。スクリュー軸１７およびキャリヤ２は、この出発位置に対して行う摺動行程が図４において符号ｗで示されている。それとともに、図示位置（右端位置の近傍）において歯は長さｂ₁‐ｗにわたって噛合うだけである。それに応じて、歯車ポンプ１８の吐出し量が減少している。その際、密封領域１１（図３Ｂ、図３Ｃ）の脇に通される吐出し量の部分流はまったく影響を受けない。部分流、つまりリングギヤ３の歯溝に噛合う遊星歯車１の歯の押しのけによって引き起こされる材料部分流が変化するだけである。歯車ポンプ１８のキャリヤ３の軸方向摺動によって、リングギヤ３の左側で歯溝領域において圧力室１０と吸込室９との間に望ましくない漏れが生じるのを防止するために、入口密封壁５の符号ｄとされた厚さが出口密封壁７の厚さよりもかなり大きくなっている。気密性を維持するためには、入口密封壁５の周面が摺動にもかかわらず押出機ハウジング１６またはこの領域内で延長されたポンプケーシング４の平滑壁内面に引き続き密封当接すべく、この厚さｄは最大摺動行程ｗよりも少なくとも僅かに大きくなければならない。入口密封壁５が押出機ハウジング１６でこのように覆われていないなら、リングギヤ３の歯溝のうち遊星歯車２の対応する歯とちょうど噛合っていない歯溝を通して圧力室１０から逆流が発生するであろう。しかしこの逆流効果は、ポンプの移送性能を調整するために意図的に生成して制御することもできよう。その限りで、軸方向でキャリヤ３の摺動にもかかわらず歯車ポンプ１８の機能性を維持するために入口密封壁５の厚さをかなり増大させることは必ずしも必要でない。こうして歯車ポンプ１８の移送性能は、図４に示す実施形態で可能であるよりもかなり強く低減することもできる。
【００４３】
図５は、左から右へと進む移送方向で歯車ポンプ１８の下流に、特にゴム配合物の加工にしばしば使用されるようなピンシリンダ押出機領域２０がなお接続された特徴が補足されただけのクリュー押出機１５の類似装置を示している。ピンシリンダ押出機領域２０のハウジングにはピン２３が挿入されており、このピンは両方向矢印によって示唆したように半径方向で押出機長手軸に立てられている。この場合、歯車ポンプ１８は、加工された材料を押出すのに十分な圧力がピンシリンダ押出機領域２０の末端になお存在するようになっている。
【００４４】
図６では図５の装置がなお２つの他の部分だけ拡張されている。つまり最初に、真空接続部２４と入口側ブリスタ２６と４条スクリュー軸１７とを備えた真空脱気領域２１が移送方向でピンシリンダ押出機領域２０に続き、押出端（つまり装置の右端）には、加工された溶融体の押出しに望ましい吸込圧力を発生する第２歯車ポンプ１８がなお接続されている。この装置では、両方の歯車ポンプ１８による容積移送によって堰長(Aufstaulange)と押出圧力との絶縁が可能となり、真空脱気領域２１内で真空吸引の溢流は防止することができる。
【００４５】
リングギヤ３の歯（またはポンプ配置が逆の場合太陽歯車の歯）および／または遊星歯車１の歯には、図７に遊星歯車１の部分断面図として例示的に概略示したような実施形態を選択することができる。この遊星歯車１が有する歯車本体１３は好ましくは金属（例えば鋼）から製造され、歯に関して製造技術上比較的粗い公差としておくことができる。個々の歯はかなり小さく、歯溝は遊星歯車１の最終形状用に追求されるよりもかなり大きい。この最終形状は軟弾性材料１４（例えばゴムまたは熱可塑性エラストマー）からなる被覆材によって製造されている。この材料が良好に変形可能であるため、仕上げられた遊星歯車１の形状精度は、鋼製材料の場合に必要であるほどに厳しくする必要がない。というのも、歯幾何学の過寸法は歯噛合い中の変形によって補償できるからである。形状精度に対する要求条件が厳しくないので、歯の製造支出は相応に減らすことができる。しかし他方で、望ましくない材料還流に対して噛合った歯の気密性に対する特別厳しい要求条件もこれによって満たすことができる。
【００４６】
図８には、利用可能な歯に関する他の変更態様が、部分図として示した遊星歯車１をやはり例に概略示唆されている。この遊星歯車１は、交互に異なる高さの歯を有している。歯丈差は△ｈで示している。各第２歯は通常の歯丈よりも低い歯丈を有している。選択的に、複数の歯が前後してそれぞれ同じ高さを有することも可能である。そのため、歯丈は周面にわたって断続的に変化することになろう。それ自体それぞれ同じ歯丈を有し、ただし相互に異なる歯丈を有する遊星歯車１も利用できる。これによって特別な効果、つまりリングギヤ３の歯溝内にある材料の圧縮を達成することができることになる。この材料は低減した歯丈を有する歯によって付勢され、これによりせいぜい部分的に歯溝から圧力室１０内に移送される。キャリヤの後続公転時にこのような歯溝に入り込む通常歯丈の別の歯によって、この圧縮された材料は次に圧力室内に移送されることになる。
【００４７】
本発明により提案された構造様式の歯車ポンプは、歯車ポンプ内への材料供給を確保するのに上流圧力が事実上必要でないので、このような歯車ポンプを装備した押出機の空運転時に押出機およびこれに結合された歯車ポンプから事実上溶融材料全体が移送されることを保証する。これによって、被加工材料の変更時、大抵の場合に手間のかかる清浄作業は避けることができる。それに加えて、各遊星歯車で材料流が２つの小さな部分流に分割されるので、この歯車ポンプは被加工材料に対して、溶融体ポンプとして通常使用される円筒歯車装置型の歯車ポンプの場合よりもかなり良好な混合作用を有することになる。後者では単に２つの材料流が生成され、再び１つにされる。４つの遊星歯車をそれぞれに装備した図示歯車ポンプの場合、溶融体流中に８つの部分流が生成され、再び１つにされる。これにより、著しく向上した材料混合が保証されることになる。キャリヤと押出機スクリュー軸との簡単な機械式結合によって、歯車ポンプの個別な電動駆動はまったく省略することができる。それにもかかわらず、歯車ポンプが上述したように軸方向で調整できるようになっている場合、歯車ポンプ移送性能の調整が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】 遊星歯車ポンプを備えた単軸スクリュー押出機の略縦断面図である。
【図２】 図１の縦断面図を展開して示す略縦断面図である。
【図３Ａ】 図１のＡ‐Ａ線に沿った略横断面図である。
【図３Ｂ】 図１のＢ‐Ｂ線に沿った略横断面図である。
【図３Ｃ】 図１のＣ‐Ｃ線に沿った略横断面図である。
【図３Ｄ】 図１のＤ‐Ｄ線に沿った略横断面図である。
【図４】 図１のスクリュー押出機をスクリュー軸の軸方向摺動性によって変更した態様を示す略縦断面図である。
【図５】 遊星歯車ポンプとこれに接続されたピンシリンダ押出機領域とを備えたスクリュー押出機を示す略縦断面図である。
【図６】 ２つの前後に接続された遊星歯車ポンプ、ピンシリンダ押出機領域および真空脱気領域を備えたスクリュー押出機を示す略縦断面図である。
【図７】 軟弾性被覆を備えた遊星歯車の略断面図である。
【図８】 交互に異なる高さの歯を備えた遊星歯車を示す概略図である。
【符号の説明】
１ 遊星歯車
２ キャリヤ
３ リングギヤ
４ ポンプケーシング
５ 入口密封壁
６ 流入口
７ 出口密封壁
８ 流出口
９ 吸込室
９ａ 吸込室要素
１０ 圧力室
１０ａ 圧力室要素
１１ 密封領域
１２ 仕切壁
１３ 歯車本体
１４ 軟弾性被覆
１５ スクリュー押出機
１６ 押出機ハウジング
１７ スクリュー軸
１８ 歯車ポンプ
１９ 移送端
２０ ピンシリンダ押出機領域
２１ 真空脱気領域
２２ 押出機出口
２３ 調整可能なピン
２４ 真空接続部
２５ ヘッド部材
２６ ブリスタ
ｂ₁ リングギヤの歯幅
ｂ₂ 遊星歯車の歯幅
ｗ 摺動行程
ｄ 入口密封壁の厚さ
△ｈ 歯丈差

Claims (23)

1. 高粘性媒体用、特にプラスチック溶融体およびゴム配合物用のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置であって、単数または複数のスクリュー軸（１７）と、単数または複数のスクリュー軸に機械式に駆動結合されてそのポンプケーシング（４）がスクリュー押出機（１５）のハウジング（１６）の一部でありまたはこれに直接接続された歯車ポンプ（１８）と、
   ‐回転可能に支承された少なくとも１つの遊星歯車（１）を備えたキャリヤ（２）と、
   ‐少なくとも１つの遊星歯車（１）と太陽歯車もしくはリングギヤ（３）の意味で協働する２つの他の機能要素と、
   ‐キャリヤ（２）を取り囲むポンプケーシング（４）と、
   ‐捩り剛性をもってキャリヤ（２）に結合されかつ被移送媒体用に少なくとも１つの流入口（６）を有する入口密封壁（５）と、
   ‐捩り剛性をもってキャリヤ（２）に結合されかつ被移送媒体用に少なくとも１つの流出口（８）を有する出口密封壁（７）と、
   ‐ポンプケーシング（４）によって取り囲まれて相互に密封された吸込室（９）および圧力室（１０）とを備えており、吸込室（９）が移送方向で入口密封壁（５）の上流に配置され、少なくとも１つの流入口（６）を通して少なくとも１つの吸込室要素（９ａ）内に少なくとも１つの遊星歯車（１）に沿って出口密封壁（７）まで延びており、圧力室（１０）が移送方向で出口密封壁（７）の下流に配置されており、
   ‐太陽歯車またはリングギヤ（３）として働く２つの機能要素のうちその都度一方だけが、少なくとも１つの遊星歯車（１）に噛合う歯を有し、他方の機能要素が少なくとも１つの密封領域（１１）を有し、この密封領域が、少なくとも１つの遊星歯車（１）の周面の一部と長さとにわたって滑動可能に密封当接させて平滑壁に実施されており、
   ‐少なくとも１つの密封領域（１１）を有する他方の機能要素が捩り剛性をもってキャリヤ（２）に結合されており、
   ‐少なくとも１つの吸込室要素（９ａ）を少なくとも１つの圧力室要素（１０ａ）から分離するために、少なくとも１つの遊星歯車（１）に対して周方向でずらして、入口密封壁（５）から出口密封壁（７）まで延びる少なくとも１つの仕切壁（１２）が配置されており、この仕切壁が、少なくとも１つの平滑壁密封領域（１１）を有する他方の機能要素に捩り剛性をもって密封して結合されかつ半径方向で、歯を有する機能要素の歯の歯先円まで延びているスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
2. 圧力室（１０）が少なくとも１つの流出口（８）を通して少なくとも１つの圧力室要素（１０ａ）内に少なくとも１つの遊星歯車（１）に沿って入口密封壁（５）まで延びていることを特徴とする、請求項１に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
3. 少なくとも１つの仕切壁（１２）が、少なくとも１つの遊星歯車（１）の軸方向全長にわたって広い面で遊星歯車（１）の周面でその歯に密封当接していることを特徴とする、請求項１に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
4. それぞれ少なくとも２つ、特にそれぞれ少なくとも４つの遊星歯車（１）、仕切壁（１２）、流入口（６）および流出口（８）が設けられていることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
5. 少なくとも１つの遊星歯車（１）および歯付機能要素の歯が斜歯として実施されていることを特徴とする、請求項１〜４のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
6. 少なくとも１つの仕切壁（１２）が斜歯に合わせて軸方向で螺旋状に延びていることを特徴とする、請求項５に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
7. 少なくとも１つの仕切壁（１２）が、少なくとも１つの密封領域（１１）を有する機能要素と一体に構成されていることを特徴とする、請求項１〜６のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
8. リングギヤ（３）が歯を備えており、太陽歯車に相当する機能部材が少なくとも１つの密封領域（１１）を備えていることを特徴とする、請求項１〜７のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
9. キャリヤ（２）と、太陽歯車に相当する機能部材が、一体に構成されていることを特徴とする、請求項８に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
10. 入口密封壁（５）または出口密封壁（７）がキャリヤ（２）と一体に構成されていることを特徴とする、請求項８または９に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
11. リングギヤ（３）が、ポンプケーシング（４）のリングギヤ（３）を取り囲む部分と一体に構成されていることを特徴とする、請求項８〜１０のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
12. 入口密封壁（５）の外径が出口密封壁（７）の外径に等しくなく、特に、それよりも小さいことを特徴とする、請求項８〜１１のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
13. 歯車ポンプ（１８）の吐出し量を変更可能とするために、太陽歯車に相当する機能部材、入口密封壁（５）および出口密封壁（７）と一緒にキャリヤ（２）がポンプケーシング（４）の内部でリングギヤ（３）に対して軸方向で摺動行程ｗだけ摺動可能に配置されていることを特徴とする、請求項８〜１２のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
14. 入口密封壁（５）の（摺動方向に見た）厚さｄが最大摺動行程ｗよりも大きいことを特徴とする、請求項１３に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
15. 少なくとも１つの遊星歯車（１）が、および／または少なくとも１つの遊星歯車（１）に噛合う歯を有する機能部材が、その歯の少なくとも表面近傍領域を軟弾性に実施されていることを特徴とする、請求項１〜１４のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
16. 弾性被覆（１４）、特に、ゴムまたは熱可塑性エラストマーからなる被覆を備えた製造技術上粗い公差を有する金属製歯車本体（１３）によって、歯が歯領域内でそれぞれ形成されていることを特徴とする、請求項１５に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
17. リングギヤ（３）または少なくとも１つの遊星歯車（１）の歯が交互に、または断続的に、高さの異なる歯を備えて実施されており、または複数の遊星歯車（１）の場合これら遊星歯車（１）の少なくとも１つの遊星歯車の歯が他の遊星歯車とは別の歯丈を有していることを特徴とする、請求項１〜１６のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
18. 単数／複数のスクリュー軸（１７）の移送端（１９）における条数がこれに接続された歯車ポンプ（１８）の遊星歯車（１）の数にそれぞれ等しいことを特徴とする、請求項１〜１７のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
19. スクリュー軸（１７）の移送端（１９）の上流にある部分の条数が移送端（１９）における条数のそれぞれ半分であることを特徴とする、請求項１８に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
20. 歯車ポンプ（１８）内の歯が斜歯に実施されており、スクリュー軸（１７）の条の螺旋傾きが‐スクリュー押出機（１５）の移送方向に関して‐それぞれ逆であることを特徴とする、請求項１〜１９のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
21. スクリュー軸（１７）がそれぞれキャリヤ（２）、リングギヤに相当する機能部材、入口密封壁（５）および出口密封壁（７）と一緒に軸方向で摺動可能に配置されていることを特徴とする、請求項１〜２０のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
22. 移送方向で歯車ポンプ（１８）の下流にピンシリンダ押出機領域（２０）が配置されていることを特徴とする、請求項１〜２１のいずれか１項に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。
23. スクリュー軸（１７）に軸方向で前後して２つの歯車ポンプ（１８）が配置されており、移送方向で第２の歯車ポンプ（１８）が真空脱気領域（２１）の直接下流に配置されており、この真空脱気領域がピンシリンダ押出機領域（２０）に続いていることを特徴とする、請求項２２に記載のスクリュー押出機・歯車ポンプ装置。

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