JP2588169B2 - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2588169B2
JP2588169B2 JP61041681A JP4168186A JP2588169B2 JP 2588169 B2 JP2588169 B2 JP 2588169B2 JP 61041681 A JP61041681 A JP 61041681A JP 4168186 A JP4168186 A JP 4168186A JP 2588169 B2 JP2588169 B2 JP 2588169B2
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忠 小林
直正 中村
克己 鈴木
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Toshiba Corp
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Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明はレーザビーム等の照射により記録材料の相変
化を利用して情報を記録・消去する光記録媒体に係わ
り、特に記録状態を安定にした媒体に関するものであ
る。
(従来の技術) 情報の記録・再生のみならず、記録された情報の消去
を可能にした光記録媒体としては光磁気型,相変化型の
媒体が知られている。
この内、相変化型の光記録媒体は記録材料に例えばレ
ーザビームを照射して加熱し、記録材料が平衡相と非平
衡相との間で可逆的に相転移することを利用して情報の
記録・消去を行っている。すなわち、記録膜にレーザビ
ームを照射して急速加熱し、これを急速冷却することに
より、平衡相から非平衡相へ相転移を行って情報の記録
がされる。また、レーザビームを照射して加熱したの
ち、徐冷することにより、再び平衡相へ戻すことで記録
情報の消去がされる。情報の再生は、情報が記録された
非平衡相部と記録されていない平衡相との反射率、透過
率の変化をレーザビームを照射して読み取ることがなさ
れる。
ところで、従来よりこの種の相変化型の光記録媒体と
してはTe,Ge等のカルコゲナイド系半導体を記録膜に使
用したものが知られている。
例えば、純Teは結晶化温度が室温付近(10℃前後)に
存在するので、記録情報が含まれるレーザビームを照射
し、純Te薄膜を平衡相から非平衡相へ相変化させて記録
を行っても、経時変化により非平衡相部分が平衡相に戻
り、記録が自然消去されるおそれがある。
(発明が解決しようとする問題点) 上述のように、従来の光記録媒体では、記録膜として
カルコゲナイド系半導体を使用していたので、安定した
記録状態を維持できないという問題点があった。
本発明は上記事情に基づいたものであり、その目的
は、長期間にわたって記録が消去することなく、安定し
た記録状態を維持することができる光記録媒体を提供す
ることにある。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するために本発明の光記録媒体は、記
録膜をイオン結合的性格の強い電気化学的化合物や等極
結合的性格の強いものが含まれ、合金の中でも特に金属
間の結合が強く、非平衡相から平衡相への相変化が短範
囲の原子の移動によって達成されるものであって、かつ
その結晶構造がNaCl型、逆CaF2型、CaF2型、Zinc blend
e型、Wurtzite型、及びNiAs型のいずれかから選択され
たものである融点が300℃乃至800℃の原子価効果化合物
で形成したものである。
(作用) 融点が300℃乃至800℃の範囲にある原子化効果化合物
は、光ビーム照射による溶解急冷によって非平衡相化が
可能であり、その平衡相化温度は室温以上であるので、
非平衡相化された記録ビットは室温で安定に存在する。
また原子価効果化合物は酸化し難く、膜の劣化が少な
い。
(実施例) 先ず、本発明の記録膜に使用される原子価効果化合物
について説明する。
さらに、詳細に説明すると、原子価効果化合物は金属
間化合物の一種であり、上述の通りイオン結合的性格の
強い電気化学的化合物や等極結合的性格の強いものが含
まれ、合金の中でも特に金属間の結合が強く、その薄膜
は光ビームによる溶融急冷によって非平衡相化が可能で
ある。
非平衡相は、液体が急冷された組織であり、金属間の
結合が強いものほど急冷で非平衡相化し易い。
また、室温で非平衡相が安定に存在するためには平衡
相化温度が室温より高くなければならない。
一般に非平衡相の平衡相化温度は、絶対温度で表した
その物質の融点または液相温度の1/2〜2/3よりやや高い
温度であることが知られている[参照、作花著「ガラス
非晶質の科学」p51,内田老鶴圃(1983)]。従って、非
平衡相の記録ビットが室温で安定に存在するためには、
原子価効果化合物の融点が300℃以上であることが望ま
しい。
また、光記録媒体としての使用を考えると、記録媒体
上で光出力5〜20mW程度の光ビームで記録消去できるこ
とが必要であり、そのためには原子価効果化合物の融点
は800℃以下であることが望ましい。
記録ビットを非平衡相から平衡相へ相変化させて情報
を消去する速度は、高速化が望まれており、原子価効果
化合物は、非平衡相から平衡相への相変化が短範囲の原
子の移動によって達成されるので、非平衡相から平衡相
への相変化速度が通常の合金組成よりも極めて早いた
め、記録ビットの光ビームパルスにより高速消去が可能
である。
原子価効果化合物は、その結晶構造から、NaCl形型,
逆CaF2型,CaF2型,Zinc blende型,Wurtzite型,及びNiAs
型が知られており、いずれの結晶構造のものも短範囲の
原子の移動によって非平衡相から平衡相へ相変化する
[参照、阿部著「金属組織学序論」p109,コロナ社]。
融点が300℃から800℃の範囲にある原子価効果化合物
の代表的な実例を次表に示す。
これらの原子価効果化合物はスパッタ法による成膜で
非平衡相膜が得られ、高温でアニールすることにより平
衡相となる。また光ビームによる溶融急冷により非平衡
相化する。この相変化に伴ない膜の表面反射率が変化す
るので、この性質を利用して情報の記録再生消去を行な
うことができる。
また、これらの原子価効果化合は、金属間の結合が強
く、安定な化合物であるので、酸化等により膜の劣化が
少ない。
第1図は本発明に係る光記録媒体の断面を示してお
り、図示する光記録媒体1は、基板3,第1の保護膜5,記
録膜7,第2の保護膜9及び紫外線硬化樹脂(UV)膜11を
この順番で積層して円板状に形成したものである。
基板3は、アクリルやポリカーボネート等の樹脂また
はガラスにより形成された透明基板である。
第1,2の保護膜5,9はSiO2をスパッタ法又は蒸着法で50
〜5000Åの厚さで形成したものである。これら保護膜5,
9により、記録膜7の酸化や記録時における記録膜7の
飛散あるいは穴明けが防止される。
また、上記UV膜11は、2の記録膜9上にUV樹脂を塗布
して紫外線で硬化したもので、このUV膜11により光記録
媒体1の使用時における傷やひび割れ等の機械的損傷が
防止される。
記録膜7は、前記表中に示した融点が300℃乃至800℃
のAuSn,AuIn2,InSb,BiTe,SuAs,CaSb及びGeTeのいずれか
の原子価硬化化合物から選択され、スパッタ法または蒸
着法にて第1の保護膜5上に50〜5000Åの厚さで成膜さ
れる。
以下、具体的な実施例について説明する。
(実施例−1) SiO2ターゲットを使用してスパッタ法によりガラス基
板上に厚さ1000ÅのSiO2膜を形成し第1の保護膜5とし
た。
次にAuターゲットとInターゲットを使用して2元同時
スパッタ法により各ターゲットに投入するパワーを調整
することによって、AuIn2から成る記録膜7を厚さ2000
Åで第1の保護膜5上に形成した。
次いで、記録膜7上に第1の保護膜5と同様の方法で
厚さ1000ÅのSiO2膜を第2の保護膜9として形成した。
さらに、この第2の保護膜9上にUV樹脂を塗布し、紫外
線を照射して硬化させてUV膜11を形成した。
上述のように形成された記録膜7は成膜時には非平衡
相のため、5mWのレーザビーム連続照射し、徐冷して平
衡相化した。次いで、記録情報を含む出力9mW,パルス幅
200nsのレーザビーム15を照射し、急速冷却して記録膜
7を非平衡相化し記録ビット部13を形成して情報の書き
込みをした。
第2図に、ガラス基板の上にAuIn2原子価効果化合を
膜厚2000Åでスパッタ法により成膜したサンプルの温度
60℃,相対温度80%RHにおける環境試験の結果を示す。
同図は初期の表面反射率R0に対する変化率R/R0でプロッ
トしてあるが、20日後でもほとんど変化はみられず記録
が安定して維持されていることがわかった。また、X線
回折の結果では成膜直後のサンプルは非平衡相であり、
20日後のサンプルでも非平衡相であった。
従来のTe膜では、変化率R/R0が初期から大きく低下
し、20日後のサンプルをX線回折したところ、平衡相と
なっていた。またGe膜では、変化率R/R0が増加し、20日
後のサンプルをX線回折したところ、まだ非平衡相であ
ったが、表面全体に錆が発生していた。
また、出力約2mW,パルス幅2μsのレーザビームを非
平衡用の記録ビット13に照射し記録膜7の平衡相化温度
以上に加熱して徐冷することにより容易かつ高速に情報
の消去をすることができた。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、情報の記録がさ
れる薄膜を融点が300℃乃至800℃の原子価効果化合物で
形成したので、情報が記録された非平衡相部分が経時変
化により結平衡相化することがない。このため、記録情
報が自然消去するおそれがなく、長期間にわたって安定
した記録状態が維持される信頼性の高い光記録媒体を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る光記録媒体の構成を示す断面図、
第2図は本発明に係る光記録媒体の一実施例の表面反射
率変化率特性を示す図である。 1……光記録媒体 3……基板(基体) 5……第1の保護膜 7……記録膜(記録層) 9……第2の保護膜 11……UV膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−157894(JP,A) 特開 昭58−224446(JP,A) 特開 昭60−121549(JP,A) 特開 昭59−217245(JP,A) 特開 昭60−34897(JP,A) 特開 昭58−71194(JP,A) 特開 昭52−140326(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ビームの印加により記録層を加熱するこ
    とによって平衡相と非平衡相との間で可逆的に変化する
    ことを利用して、情報の記録、再生または消去を行う相
    変化型の光記録媒体において、 基板と、 この基板上に、SiO2をスパッタ法または蒸着法のいずれ
    かの方法で50〜5000Åの厚さで形成した第1の保護膜
    と、 この第1の保護膜上に、イオン結合的性格の強い電気化
    学的化合物や等極結合的性格の強いものが含まれ、合金
    の中でも特に金属間の結合が強く、非平衡相から平衡相
    への相変化が短範囲の原子の移動によって達成されるも
    のであって、かつその結晶構造がNaCl型、逆CaF2型、Ca
    F2型、Zinc blende型、Wurtzite型、及びNiAs型のいず
    れかから選択されたものである、融点が300℃乃至800℃
    の原子価効果化合物を、スパッタ法または蒸着法のいず
    れかの方法にて、50〜5000Åの厚さで成膜して非平衡相
    状態の薄膜を形成し、この性膜時の非平衡相状態の薄膜
    に、5〜20mWの光出力範囲内の第1の光出力の光ビーム
    を連続照射し徐冷して平衡相化した後、前記光出力範囲
    内で前記第1の光出力よりも高い記録情報を含む第2の
    光出力の光ビームを照射し急速冷却し非平衡相化するこ
    とにより記録ビット部を形成して情報が記録され、前記
    光出力範囲内で前記第1の光出力よりも低い第3の光出
    力の光ビームを前記非平衡相の記録ビットに照射し、平
    衡相化温度以上に加熱して徐冷することにより前記記録
    された情報が消去される記録膜と、 この記録膜上に、SiO2をスパッタ法または蒸着法のいず
    れかの方法で50〜5000Åの厚さで形成した第2の保護膜
    と、 この第2の保護膜上に紫外線硬化樹脂を塗布して紫外線
    で硬化した紫外線硬化樹脂層と、 から成ることを特徴とする光記録媒体。
JP61041681A 1986-02-28 1986-02-28 光記録媒体 Expired - Lifetime JP2588169B2 (ja)

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