JP2587999Y2 - 海苔養殖の種付け用袋 - Google Patents

海苔養殖の種付け用袋

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JP2587999Y2
JP2587999Y2 JP1993014680U JP1468093U JP2587999Y2 JP 2587999 Y2 JP2587999 Y2 JP 2587999Y2 JP 1993014680 U JP1993014680 U JP 1993014680U JP 1468093 U JP1468093 U JP 1468093U JP 2587999 Y2 JP2587999 Y2 JP 2587999Y2
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修吾 中林
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、養殖海苔の種付け用袋
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海苔養殖は、種付け、養殖という2工程
に渡って行われる。種付けは、糸状体を培養し、これか
ら放出される胞子を養殖網に付着させるもので、種付け
用貝殻等に糸状体を繁殖させる。そして海中に養殖網を
張り、網の下に種付け用貝殻を入れた容器を取り付け
る。2、3日で糸状体から胞子が放出して養殖網に付着
する。その後、海苔養殖の段階に入る。
【0003】従来、海苔養殖の種付け用袋に用いられる
素材としては、種付け終了までの間、中の貝殻が乾燥し
ないことが必要であり、この為ある程度の強度が要求さ
れており、主としてポリアミド、ビニロン、ポリオレフ
ィン等のフイルムからなるものが使用されている。しか
し、これらの素材には自己分解性がなく、使用後海に放
置すると種々の公害を引き起こすという問題がある。こ
の問題は、使用後焼却や埋立てあるいは回収再生等によ
り処理されれば解決されるが、これらの処理には多大の
費用を要する為、現実には海水中に放置され、海洋生物
や漁網等に絡みついたりして海を汚染するという問題が
発生している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】本考案は、使用後に自
然落下したり、回収しきれない場合でも海を汚染するこ
とがない海苔養殖の種付け用袋を提供しようとするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案者らは、海苔養殖
の種付け用袋について上記の課題を解決するために鋭意
検討の結果、種付け用袋を自然分解性の素材にすること
により、自然落下した場合でも海中で自然分解され、海
を汚すことがないことを見いだし、本考案に到達した。
すなわち、本考案は、本袋が熱可塑性生分解性ポリマー
からなるフイルムであることを特徴とする海苔養殖の種
付け用袋を要旨とするものである。
【0006】以下、本考案を詳細に説明する。本考案の
海苔養殖の種付け用袋は、生分解性能を有する熱可塑性
ポリマ−からなるフイルムにより本袋が形成されてお
り、海水中で完全に自然分解し、海を汚すことがない。
本考案において用いられる熱可塑性生分解性ポリマーと
しては、まず熱可塑性の脂肪族ポリエステルが挙げられ
る。たとえば,ポリグリコール酸やポリ乳酸またはこれ
らの共重合体のようなポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリ
(ε−カプロラクトン)、ポリ(β−プロピオラクト
ン)のようなポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)、
ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒド
ロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシカプロレー
ト、ポリ−3−ヒドロキシヘプタノエート、ポリ−3−
ヒドロキシオクタノエート及びこれらとポリ−3−ヒド
ロキシバリレートやポリ−4−ヒドロキシブチレートと
の共重合体のようなポリ(β−ヒドロキシアルカノエー
ト)が挙げられる。
【0007】また、グリコールとジカルボン酸の縮重合
物からなるものとしてポリエチレンオキサレート、ポリ
エチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリ
エチレンアゼレート、ポリブチレンオキサレート、ポリ
ブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリ
ブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、
ポリネオベンチルオキサレートまたはこれらの共重合物
が挙げられる。また、上記脂肪族ポリエステルを二官能
性のチェインエクステンダーで接合し高分子量化したも
のや、異種の脂肪族ポリエステルをブレンドしたものも
含まれる。また、上記脂肪族ポリエステルとナイロン
6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン11、ナイ
ロン12のような脂肪族ポリアミドとの共縮重合物も挙
げられる。その他,熱可塑性の生分解性ポリマーであれ
ば、特に限定されない。
【0008】以下、本考案を図面によって詳細に説明す
る。図1は、本考案の海苔養殖の種付け用袋の一部切欠
斜視図であって、図中の1は袋本体であり、2は熱接着
部、3は補強用フィラメント糸、4は海苔養殖網との脱
着用のフィラメント糸を示す。図1の袋本体1は、熱可
塑性生分解性ポリマーのフイルムからなるもので、種付
け時に貝殻を入れたときに袋が破れないことが必要であ
り、好ましくは厚さが30〜200μmのフィルムが適
当である。薄いフイルムでは破れ易く、厚過ぎる場合分
解の速度が遅くなり不適当である。
【0009】また、図中の2は、袋を形成させるため上
記フィルムを熱融着させた部分である。図中の3は、袋
の開口を保つための補強用の糸であり、その素材もフイ
ルムと同じ熱可塑性生分解性ポリマーとするのが好まし
い。この補強用の糸は袋の開口を保つため、その曲げヤ
ング率が0.03g/デニール以上のものが適当であ
る。図中の4は、種付け用の袋を養殖網に取り付ける為
の紐であり、その素材もフイルムと同じ生分解性ポリマ
ーとするのが好ましい。この紐は、種付け時に切れない
ことが必要であり、繊度が100デニール以上のものを
用いるのが好ましい。
【0010】本考案に用いる熱可塑性生分解性ポリマー
からなるフイルムは、通常のフィルム成形法を用い、フ
ィルム状に成形することによって得られる。例えば、上
記ポリ(ε−カプロラクトン)を押し出し機にて200
℃〜250℃の温度でTダイから溶融押し出しし、約1
5℃以下の温度で縦及び/または、横方向に面積倍率で
2倍以上、さらに好ましくは9倍以上延伸する事により
製造できる。
【0011】また、本考案の海苔養殖の種付け用袋の開
口部の補強用の糸や取り付け用の紐は、たとえば次のよ
うな方法で製造することができる。熱可塑性生分解性ポ
リマーとしてポリ(ε−カプロラクトン)を230−3
00℃の温度で溶融紡糸し、水冷後、一旦捲取った後ま
たは捲取ることなく連続して、熱風または加熱された
水、グリセリン、エチレングリコ−ル、シリコンオイル
等の熱媒中で延伸して得ることができる。本考案の種付
け用袋の形態は、図1に示すような形態に限らず、円錐
形、円柱形、角錘形、角柱形、四角形、三角形等いずれ
の形でもよい。
【0012】
【作用】本考案の海苔養殖の種付け用袋は、袋本体が
可塑性生分解性ポリマーのフイルムからなるので、種付
け終了後回収されずに海中に放置されても海中の微生物
が作用すると分解される。
【0013】
【実施例】次に実施例により本考案を詳細に説明する。 実施例1 ポリ(ε−カプロラクトン)を通常のエクストル−ダ−
より押し出して得た厚さ100μmの未延伸フイルムを
熱融着することにより袋を形成させて袋本体とし、開口
部を折返して熱融着して形成した帯に、ポリ(ε−カプ
ロラクトン)を溶融紡糸して得た繊度1万デニールのフ
ィラメント糸を補強用に挿入し、養殖網に取り付ける為
に、袋本体の上部に穴を開けポリ(ε−カプロラクト
ン)を溶融紡糸して得られる繊度2000デニールのフ
ィラメント糸を通して、本考案の海苔養殖の種付け用袋
を得た。
【0014】実施例2 ポリ(ε−カプロラクトン)を通常のエクストル−ダ−
より押し出して縦及び横方向に面積倍率で9倍に延伸し
た厚さ100μmのフイルムを用い、実施例1と同様に
して本考案の海苔養殖の種付け用袋を得た。
【0015】実施例3 ポリ(β−プロピオラクトン)を通常のエクストル−ダ
−より押し出して得た厚さ100μmの未延伸フイルム
を熱融着することにより袋を形成させて袋本体とし、開
口部を折返して熱融着して形成した帯に、ポリ(ε−カ
プロラクトン)を溶融紡糸して得た繊度1万デニールの
フィラメント糸を補強用に挿入し、養殖網に取り付ける
為に、袋本体の上部に穴を開けポリ(ε−カプロラクト
ン)を溶融紡糸して得られる繊度2000Dのフィラメ
ント糸を通して、本考案の海苔養殖の種付け用袋を得
た。
【0016】実施例4 ポリ乳酸を通常のエクストル−ダ−より押し出して得た
厚さ100μmの未延伸フイルムを熱融着することによ
り袋を形成させて袋本体とし、開口部を折返して熱融着
して形成した帯に、ポリ(ε−カプロラクトン)を溶融
紡糸して得た繊度1万デニールのフィラメント糸を補強
用に挿入し、養殖網に取り付ける為に、袋本体の上部に
穴を開けポリ(ε−カプロラクトン)を溶融紡糸して得
られる繊度2000Dのフィラメント糸を通して、本考
案の海苔養殖の種付け用袋を得た。
【0017】比較例1 高密度ポリエチレンを通常のエクストル−ダ−より押し
出して得た厚さ100μmの未延伸フイルムを熱融着す
ることにより袋を形成させて袋本体とし、開口部を折返
して熱融着して形成した帯に高密度ポリエチレンを溶融
紡糸して得た繊度1万デニールのフィラメント糸を補強
用に挿入し、養殖網に取り付ける為に、袋本体の上部に
穴を開け高密度ポリエチレンを溶融紡糸して得られる繊
度2000デニールのフィラメント糸を通して、比較例
としての海苔養殖の種付け用袋を得た。
【0018】実施例1〜4より得られた袋を海水中に6
か月間浸漬しておいたところ、その形状を失うか、ある
いは極めて脆いものとなった。特に、実施例1において
は、完全に消滅した。実施例1〜4および比較例1の海
苔養殖の種付け用袋を海水中に1年間浸漬し、3ヶ月毎
に測定した引張強力及び重量の初期値に対する保持率を
表1に併せて示した。引張強力は島津(株)社製のオ−
トグラフを用い、掴み間隔50mm,テストスピ−ド5
00mm/minにて測定を行った。
【0019】
【表1】
【0020】表1より明らかなごとく、本考案の実施例
1〜4の海苔養殖の種付け用袋は、6〜9ヶ月後には、
引張強力や重量を測定できない程度に脆くなっていたの
に対し、高密度ポリエチレンのフイルムを用いた比較例
1の海苔養殖の種付け用袋は、1年後においても初期の
重量を保持しており、引張強力も初期の60%を維持し
ていた。
【0021】
【考案の効果】本考案によれば、生分解性を有する熱可
塑性ポリマーからなるフイルムが、使用後に海中に放置
されると自然分解するので、自然落下したりして回収し
きれない場合でも海を汚染することのない養殖海苔の種
付け用袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の海苔養殖の種付け用袋の一部切欠斜視
図である。
【符号の説明】
1 袋本体 2 接着部 3 開口部の補強用の糸 4 養殖網に取付けるための紐
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実公 平3−15014(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01G 33/02 101

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本袋が熱可塑性生分解性ポリマーからな
    るフイルムであることを特徴とする海苔養殖の種付け
    袋。
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