JP2587943Y2 - 複合型消音器 - Google Patents

複合型消音器

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JP2587943Y2
JP2587943Y2 JP1993051383U JP5138393U JP2587943Y2 JP 2587943 Y2 JP2587943 Y2 JP 2587943Y2 JP 1993051383 U JP1993051383 U JP 1993051383U JP 5138393 U JP5138393 U JP 5138393U JP 2587943 Y2 JP2587943 Y2 JP 2587943Y2
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秀彦 堀部
勇太 臼井
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株式会社テネックス
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は内燃機関の吸気系や排
気系その他のエアダクトに装着される複合型消音器に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ケーシングの内部を開口を有する
仕切板で区切り、ケーシングの内部を前記開口で直列に
連なる二つの共鳴用空室として、消音すべき周波数に二
つのピークを設けることにより消音音域を拡張した複合
型消音器が知られている。
【0003】このような消音器は図6に示すように多く
の場合合成樹脂でエアダクト20と一体に成形された筒
状の基端部材21と有底筒状の先端部材22とを接合し
てケーシング23を形成し、両者の接合部分のフランジ
24、25に平坦な仕切板26を挟持させたものであ
る。エアダクト20の側壁には開口27、仕切板26に
は開口28が設けられ、ケーシング23に形成された空
室29、30を直列にエアダクト20内に連通させてい
る。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上記の従来の複合型消
音器は、平坦な仕切板26をフランジ24、25に挟持
させているので、所要の消音特性に対し空室29、30
の容積が定まると、フランジ24、25の位置すなわち
エアダクト20の側壁からの距離も定まる。ケーシング
23の空室29、30の容積配分を変更して消音特性を
変更したい場合は、フランジの位置を変えるために基端
部材21、先端部材22という大型の主要部材二つの形
状を変更しなければならないから、種々の消音特性の変
更に対応するのに部材の種類が多くなり、製造経費や部
品管理の面で手間がかかり不経済である。
【0005】
【課題を解決するための手段】この考案の複合型消音器
は、エアダクトの側壁に設けた開口の周りに設けられ、
合成樹脂から成り先端が開放する容器状の基端部材と、
合成樹脂から成り開放端を有する容器状の先端部材と、
中央部に開口を有する底板とその周縁に立上る側壁と側
壁端面から外側方に伸びるフランジとでなり底板とフラ
ンジとの間に段差を形成した仕切板とでなり、仕切板
フランジを前記基端部材の開放端と前記先端部材の開
放端との間に挟持させ接合したものである。
【0006】
【作用】上記構成の複合型消音器は、底板とフランジと
の間に段差を形成した仕切板で区分された二つの空室に
より消音周波数に二つのピークを持つ。この消音器を設
定するにあたり、基端部材や先端部材の形状を変更しな
いで、仕切板の段差寸法を変更することにより簡単にケ
ーシング内の二つの容積配分を変更することができる。
またこの仕切板の段差は仕切板の振動に対する剛性を高
める。
【0007】
【実施例】図1に実施例を示す。内燃機関の吸入系をな
すエアダクト1の側壁に開口2を設け開口2を囲む筒状
の基端部材3を合成樹脂でダクト1と一体に成形する。
基端部材3の先端には、その端面から外側方に伸びるフ
ランジ4が形成されている。フランジ4に対応するフラ
ンジ6を開口端に備えた容器状すなわち有底筒状の先端
部材5を合成樹脂で形成し、後述の仕切板7に設けられ
た環状のフランジ7aを前記フランジ4、6で挟持して
フランジ4、6を溶着接合し、仕切板7を内蔵したケー
シング8を形成させる。仕切板7は、中央部に開口10
を有する底板7bとその周縁に立上る側壁7cと該側壁
7c端面から外側方に伸びる環状のフランジ7aとでな
り、底板7bとフランジ7aとの間に段差9が形成され
る。周縁の近傍に段差9が設けられ、段差9に囲まれた
中央部分に開口10を有する。
【0008】ケーシング8内は仕切板7によって空室1
1、12に区分され、ケーシング8は、空室11、12
それぞれの容積に応じて消音周波数が二つのピークを有
する複合型消音器をなす。この場合ダクト1の近辺に
A、Bのような支障物があると従来構造の複合型消音器
では仕切板の取付け部のではフランジの位置が支障物
A、Bに干捗するため実現不能であるが、この例では支
障物A、Bを避けた位置にフランジ4、6を設けること
ができ、消音器を所望の位置に装着することができる。
【0009】また例えば一点鎖線13のように前記仕切
板7を反転させて取付け、部材形状を変更せずに空室1
1、12の容積を逆転するように変更して消音特性を変
化させることができる。また二点鎖線14に示すように
仕切板の段差寸法を変更するのみで基端部材3、先端部
材5を変更することなく消音特性を変更することができ
る。尚仕切板7は段差9を設けることにより単なる平板
状のものより剛性が高まるので耐振強度が大となる。
【0010】上記の実施例の変形例として、ダクト1と
基端部材3とを別部材として成形し溶着、その他接合
手段で固着するようにしてもよい。
【0011】図2は、他の実施例を示すものであり、複
合型の共鳴型消音器30は、吸気系の一部を成し、エア
フィルタ(図示せず)と機関との間に位置するエアダク
ト32を有する。機関内に吸入される吸気は、エアダク
ト32を流通する。エアダクト32は、ポリプロピレン
のような合成樹脂で形成され、その側壁を貫通する開口
34を有する。消音器30の本体36は、カップ状の基
端部材38を有しエアダクト32に一体化され、開口3
4の周囲に設けられる。基端部材38の内部は、開口3
4を介してエアダクト32の内部に連通している。基端
部材38は、下側開放端部に周縁フランジ40を有し、
該フランジは平坦な当接面を有する。フランジ40は、
図2のように外側方に伸びている。基端部材38は、ポ
リプロピレンのような合成樹脂から成る。容器状つまり
ほぼカップ状の先端部材42は、上方の開放端に周縁フ
ランジ44を有し、該フランジは上部平坦面を有する。
フランジ44の上部平坦面は、基端部材38のフランジ
40の下部平坦面に緊密に当接しており、先端部材42
と基端部材38により画成される室Cを形成する。先端
部材42は、ポリプロピレンのような合成樹脂で成る。
【0012】仕切板46は、基端部材38と先端部材4
2との間に配置され、フランジ40、44の近傍に位置
しているフランジ46aを有する。
【0013】フランジ40、44の平坦な当接面の内周
には、溝が形成され、仕切板46のフランジ46aの
外周縁部は、前記フランジ40、44の両溝内に緊密に
装着され、仕切板46の大部分が、室C内に挿設され
る。仕切板46は、室C内を、基端部材38により画成
される第一の共鳴室48と先端部材42により画成され
る第二の共鳴室50とに区画する。仕切板46は、底板
46bと底板の周縁に立上る側壁46cと側壁46b端
面から外側方に伸びる前記フランジ46aとでなり、底
板46bは、ケーシング36の軸Aの向きにフランジ
6aから離隔している。軸Aは、フランジ40、44の
平坦な当接面と同一の面に対し直角である。言い換える
と、底板46bはフランジ46aと距離Dだけ離隔され
ている。底板46bは、ほぼ平坦で、側壁46cはほぼ
円筒状であり、フランジ46aとともに一体化されてい
る。
【0014】底板46bはその中央部に、開口52が形
成され、これにより第一、第二の共鳴室48、50が相
互に連通する。仕切板46は、ポリプロピレンのような
合成樹脂で成る。基端部材38と先端部材42のフラン
ジ40、44と仕切板46のフランジ46aとは、たが
いに溶着される。
【0015】第1円筒部34Aは、エアダクト32に一
体的かつ開口34の周縁に形成される。また、第1円筒
部34Aは、第一共鳴室58内に突出している。第2円
筒部52Aは、仕切板46の中央部46bに一体的に設
けられ、開口52の周縁に形成される。第2円筒部52
Aは、第二共鳴室50内に突出している。第1、第2円
筒部34A、52Aは、所望の騒音減衰特性をもつ消音
器30を得るために設けられる。
【0016】上述した仕切板46は、他の形状の仕切板
に変更可能である。図2において、破線46Aで示す仕
切板は、仕切板46から距離Eの長さだけ離隔してい
る。また、一点鎖線46B、二点鎖線46Cで各々示さ
れる仕切板は、フランジ40、44の当接面と同一面に
対し、仕切板46、46Aと反対側に位置しており、仕
切板46から各々所定距離だけ離隔する。
【0017】図3は、さらに他の実施例を示すものであ
り、この消音器30ではのケーシング36が円筒首部5
4を介してエアダクト32に連結する、円筒首部54の
構造以外は、図1の実施例のものと同様である。基端部
38は、容器状に形成され、上壁38aがエアダクト
32から離隔するように配設される。上壁38aには、
エアダクト32の開口34に対面する開口38bが設け
られる。円筒首部54は、基端部材38の上壁38aと
エアダクト32とに一体的に連結するように配置され、
開口34、38bの周りに位置している。円筒首部54
は、所定の騒音減衰特性をもつ消音器を得るために設け
られる。
【0018】図4、図5は、さらに他の実施例を示すも
のであり、エアダクト32は、ほぼS字状に曲げられて
いる。容器状の基端部材38は、その上隅部に切り欠き
38cを有し、この切り欠き部分がエアダクト32の開
口34部分に装着され、基端部材38とエアダクト32
との間の気密を保つ。このため、基端部材38とエアダ
クト32とは、相互に溶着され連結される。当然なが
ら、基端部材38とエアダクト32とは、他の固定部材
(エンジンの一部)に強固に支持される。したがって、
基端部材38がエアダクト32から外れるのが阻止され
る。この実施例のものは、図2の実施例のものと同様
に、基端部材38がエアダクト32に一体的に形成され
る。また、仕切板46のフランジ46aの外周縁部は、
基端部材38のフランジ40の平坦面にのみ設けられた
溝(数字なし)内に装着される。仕切板46の外周縁部
は、先端部材42と基端部材38のフランジ40、44
間に配置される。
【0019】以上の実施例において、消音器30は、内
燃機関の吸気系に用いられ吸気音を減衰させるものとし
て説明してきたが、たとえばエアコンプレッサなどの他
の装置の吸気系に用いることができ、また、耐熱性合成
樹脂製の消音器とすることにより内燃機関の排気系に用
いられ、排気音を減衰させることもできる。さらに、消
音器30は、先端部材42と基端部材38とを強固に連
結するための、フランジ40、44を有するものとして
説明したが、たとえば基端部材38または、先端部材4
2の側壁が部厚い場合にはフランジ40、44のうちの
少なくとも一方を取り除くこともできる。
【0020】
【考案の効果】この考案の複合式消音器は仕切板に段差
を設けることにより、仕切板の中央部分の位置を簡単に
変更することができるから仕切板の段差変更という簡便
な措置のみで種々の消音特性を有する複合型消音器を得
ることができる。また、仕切板の段差は仕切板の剛性を
高めるので耐振強度が大となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示す断面図。
【図2】他の実施例を示す断面図。
【図3】他の実施例を示す断面図。
【図4】他の実施例を示す断面図。
【図5】図4のE−E断面図。
【図6】従来の複合型消音器の断面図。
【符号の説明】
1 エアダクト 2、10 開口 3 基端部材 4、6 フランジ 5 先端部材 7 仕切板 9 段差 11、12 空室
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 1/02 F02M 35/12

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エアダクトの側壁に設けた開口の周りに
    設けられ、合成樹脂から成り先端が開放する容器状の
    端部材と、合成樹脂から成り開放端を有する容器状の先
    端部材と、中央部に開口を有する底板とその周縁に立上
    る側壁と側壁端面から外側方に伸びるフランジとでなり
    底板とフランジとの間に段差を形成した仕切板とでな
    り、仕切板のフランジを前記基端部材の開放端と前記
    先端部材の開放端との間に挟持させ接合してなる複合型
    消音器。
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