JP2587309B2 - コンクリート製地下構造物の防護構造及びその施工法 - Google Patents

コンクリート製地下構造物の防護構造及びその施工法

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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、市街地に上下水道、共同溝、電信、電話等
の布設地下道等をコンクリート函体を用いて施工した場
合の、コンクリート製地下構造物の防護構造及びその施
工法に関するものである。
〔従来の技術〕
矩形断面のコンクリート函体を使用して、地下構造物
の構築を行う工法には種々のものがあるが、順次地表か
ら開削し、コンクリート函体を吊り下ろして行くいわゆ
る開削工法(オープン工法)や発進縦坑を築造し、ここ
から地中にコンクリート函体を順次押し進めていく推進
工法などがあげられる。
いずれの工法でも、使用するコンクリート函体1は第
6図に示すように、外周は上面板1a、左側面板1b、右側
面板1c、底面板1dのすべてが平面で、これらが直角に交
差する角部2を有する。
なお、内部の中空貫通部3においては原則としては断
面矩形であるが、角部は面どりを行い、ハンチとして形
成することが多い。
このようなコンクリート函体1は縦列に並べられ、相
互の接続部に鋼製カラーが嵌められ、また壁体を長さ方
向に貫通する小さな貫通孔を設けて、ここに鋼棒または
PC鋼線等の緊張材を挿通して緊張固定する。
ちなみに、コンクリート函体1の大きさは多少大小が
あるが、大きいものでは高さや幅が数メートル程度のも
のとなる。
〔発明が解決しようとする課題〕
このようなコンクリート函体1で、市街地に地下構造
物として地下道等を施工した場合、中空貫通部3は人道
や車道となるが、爆弾テロ等で内部に爆弾が仕掛けら
れ、これが爆発するとコンクリート函体1の上面板1a、
左側面板1b、右側面板1c、底面板1dにひびが入り、壊れ
やすくなる。
コンクリート函体1は地中に埋込まれるもので、その
周囲は地盤と接してるので左側面板1b、右側面板1cや底
面板1dにひび割れを生じた場合はほとんど問題とならな
い。
しかし、地下構造物としてコンクリート函体1が路面
下の土がぶりの比較的浅いところに施工されたもので
は、上面板1aにひびが入ると、路面を通行する自動車等
の交通手段の荷重も作用して上面板1aの崩壊を惹起する
おそれがあり、これは地上道路の陥没にもつながって、
大混乱を引き起こす。
本発明は前記従来例の不都合を解消し、内部からの爆
発等の衝撃に対してコンクリート函体の上面板の崩壊を
防止できるコンクリート製地下構造物の防護構造及びそ
の施工法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記目的を達成するため、上面及び前後面を
開口したシールド機内に推進ジャッキを設け、シールド
機前面又は前部上面から掘削し、後続するコンクリート
函体の既設地下構造物を反力を推進ジャッキでシールド
機を前進させ、この前進分にシールド機後部上面より新
たなコンクリート函体を吊り降して既設地下構造物の最
前列に位置させ、以下同様な工程を繰返してシールド機
を掘進させ、また縦列する既設地中構造物の上面を適宜
埋戻し、かつその上面に路面舗装を施すオープンシール
ド工法において、この埋戻しを行う時にコンクリート函
体の上面板と路面舗装間に該上面板に並べてコンクリー
ト平板を順次縦列に埋設することを要旨とするものであ
る。
〔作用〕
本発明によれば、爆発時にコンクリート函体の上面板
はもろにその衝撃を受けるが、この上面板の外側には埋
戻し土砂を介在してコンクリート平板が配されており、
このコンクリート平板で押さえた埋戻し土砂がクッショ
ン材の役割をなして衝撃をやわらげる。
また、仮にひびが上面板に入っても路面はコンクリー
ト平板で支承されるので路面崩壊のおそれはなく、かか
る上面板の損傷は路面上の交通を遮断することなく、コ
ンクリート函体の内側から補修することが可能である。
〔実施例〕
以下、図面について本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図は本発明のコンクリート製地下構造物の防護構
造の1実施例を示す斜視図で、図中4は前記第6図に示
すコンクリート函体1を縦列に並べて形成する地下構造
物である。
なお、コンクリート函体1は鉄筋コンクリート製、PC
(プレストレス)コンクリート製、その他種々のコンク
リート製のものが採用し得る。
この地下構造物4は、地下道等をなすものとして路面
下に埋設されるが、コンクリート函体1の上面板1a上に
は埋戻し土砂5を配設し、かつその上面にアスファルト
この路面舗装6が施される。
図中7は、路面基礎としての砕石である。
本発明は、前記コンクリート函体1の上面板1aと路面
舗装6間に該上面板1aと平行にコンクリート平板8を埋
設した。
このコンクリート平板8も鉄筋コンクリート製の他
に、PCコンクリート、ファイバーコンクリートなど種々
のコンクリートのものが適用できる。
このコンクリート平板8を埋め込む深さは特に限定は
ないが、これを路面舗装6に近づけて配設する場合は路
面基礎としての砕石7を省略することもできる。
また、該コンクリート平板8の幅はコンクリート函体
1の上面板1aの幅と同じかそれより少し大きい程度でよ
く、さらにこのコンクリート平板8は多数枚のパネルが
縦列に連続するが、パネル相互は長さ方向に貫通する小
さな貫通孔を設けて、ここに鋼棒またはPC鋼線等の緊張
材を挿通して緊張固定する。
次に、このような本発明のコンクリート製地下構造物
の防護構造を施工する方法について説明する。
第2図〜第5図は各工程を示す縦断側面図で、図中9
はオープンシールド機で、これは左右の側壁板とその間
を連結する底板からなる前面及び上面を開口したU型シ
ールド機である。
該オープンシールド機9は前記側壁及び底板の先端を
刃口10として形成し、また側壁板の中央又は後端近くに
推進ジャッキ11を後方に向け上下に並べて配設する。
発進坑12内にこのシールド機9を設置して、シールド
機9の前面又は上面開口より発進坑12の前方の土砂を掘
削し、かつ排土する。そして、シールド機9の推進ジャ
ッキ11を伸張して発進坑12内の反力壁13に反力をとって
シールド機9を前進させ、第1番目のコンクリート函体
1をシールド機9のテール部に上方から吊り降し、縮め
た推進ジャッキ11の後方にセットする。
次いで、同様にシールド機9の前面又は上面から土砂
を掘削しかつ排土してシールド機9を前進させ、前身第
1番目のコンクリート函体1の前に第2番目のコンクリ
ート函体1を吊り降す。
以下、同様の掘削及びコンクリート函体1のセット工
程を繰返して、順次コンクリート函体1を縦列に地中に
埋設し、第3図に示すように後方のコンクリート函体1
の左右の隙間にグラウトポンプ14でグラウトを注入し、
またコンクリート函体1の上に埋戻し土砂15を施す。
このような埋戻し土砂15を敷設する際に、前記のごと
くコンクリート函体1の上面板1aと平行にコンクリート
平板8を埋設する。
そして、第4図に示すようにタイヤローラー16等で埋
戻し土砂15の上面に路面舗装6を施す。
このようにして、第5図に示すようにオープンシール
ド機9が到達坑17まで達したならばこれを撤去して工事
を完了する。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明のコンクリート製地下構造物
の防護構造及びその施行法は、内部からの爆破等の衝撃
コンクリート函体が受けた場合でも、コンクリート函体
の上面板の外側には埋戻し土砂を介在してコンクリート
平板が配されており、このコンクリート平板で押さえた
埋戻し土砂がクッション材の役割をなして衝撃をやわら
げることができるものである。
また、仮にひびが上面板に入っても路面はコンクリー
ト平板で支承されるので路面崩壊のおそれはなく、かか
る上面板の損傷は路面上の交通を遮断することなく、コ
ンクリート函体の内側から補修することが可能なもので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のコンクリート製地下構造物の防護構造
の1実施例を示す斜視図、第2図〜第5図は本発明工法
の1実施例を示す各工程の縦断側面図、第6図はコンク
リート函体製地下構造物の斜視図である。 1……コンクリート函体 1a……上面板、1b……左側面板 1c……右側面板、1d……底面板 2……角部、3……中空貫通部 4……地下構造物、5……埋戻し土砂 6……路面舗装、7……砕石 8……コンクリート平板、9……オープンシールド機 10……刃口、11……推進ジャッキ 12……発進孔、13……反力壁 14……グラウトポンプ、15……埋戻し土砂 16……タイヤローラー、17……到達孔

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地中にコンクリート函体を縦列に接続して
    地下構造物とする場合において、コンクリート函体の上
    面板と路面舗装間コンクリート平板を埋設することを特
    徴とするコンクリート整地下構造物の防護構造。
  2. 【請求項2】上面及び前後面を開口したシールド機内に
    推進ジャッキを設け、シールド機前面又は前部上面から
    掘削し、後続するコンクリート函体の既設地下構造物を
    反力に推進ジャッキでシールド機を前進させ、この前進
    分にシールド機後部上面より新たなコンクリート函体を
    吊り降して既設地下構造物の最前列に位置させ、以下同
    様な工程を繰返してシールド機を掘進させ、また縦列す
    る既設地中構造物の上面を適宜埋戻し、かつその上面に
    路面舗装を施すオープンシールド工法において、この埋
    戻しを行う時にコンクリート函体の上面板と路面舗装間
    に該上面板に並べてコンクリート平板を順次縦列に埋設
    することを特徴とするコンクリート製地下構造物の防護
    構造の施工法。
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