JP2586619B2 - 磁気テープ記録再生装置のドラムユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、磁気テープ記録再生装置に用いるドラム
ユニツトに関し、詳しくは、ドラムユニツトの高さを小
さくするための下ドラムの組立構造に関する。

〔従来の技術〕

第５図は例えば実開昭62−45712号公報に示された従
来のドラムユニツトの縦断面図であり、図において、
（１）は上ドラム、（２）は上ドラム（１）を固定する
フランジ、（３）はフランジ（２）下端に取り付けられ
た回転側ロータリートランス、（４）は上ドラム（１）
に取り付けられたヘツド、（５）は回転体であるシヤフ
ト、（６）は上ドラム（１）をシヤフト（５）を介して
駆動するモータ、（７）はモータ（６）のロータ部をシ
ヤフト（５）に固定する固定ホルダ、（８）は図示して
いない基台に固定される下ドラム、（９）は下ドラム
（８）に接着固定された固定側ロータリートランス、
（10a），（10b）はボールで、シヤフト（５）の外周面
に設けた内側レース面（11a），（11b）と外輪（12
a），（12b）に設けた外側レース面（13a），（13b）に
当接する。これらのシヤフト（５）、ボール（10a），
（10b）、外輪（12a），（12b）、コイルバネ（16）は
一体ものとして軸付軸受（40）と称される。（14）は外
輪（12a）を焼嵌め固定する下ドラム（８）の圧入面、
（15）は磁気テープ（図示せず）を走行案内する下ドラ
ム（８）の外周面に設けたリード部、（16）はコイルバ
ネで、一対の外輪（12a），（12b）に予圧を与え、ボー
ル（10a），（10b）と外輪（12a），（12b）と、シヤフ
ト（５）間のガタを除去する。

外輪（12a），（12b）と、下ドラム（８）との固定の
方法には、第５図に示した焼嵌め圧入以外に、接着によ
る方法が通常採用されている。この例を第６図および第
７図で説明する。

第６図はシヤフト（５）にフランジ（２）を圧入して
固着するタイプのドラムユニツトの縦断面図である。

図において、（17）はフランジ（２）の側面に形成さ
れた透穴、（18a），（18b）は下ドラム（８）の上・下
端部に形成された接着剤注入穴で、接着剤注入穴（18
a）は、透穴（17）とシヤフト（５）の軸線とを結ぶ線
上に設けられている。

この例では、下ドラム（８）と外輪（12a），（12b）
とは、ゆるいしまりばめか、すぎまばめの嵌合条件で軸
付軸受（40）が下ドラム（８）の所定の位置まで挿入さ
れ、透穴（17）と、接着剤注入穴（18a）の位置を合わ
せて、接着剤注入治具（50）を側面から挿入して接着剤
（図示せず）を注入して固着する。

第７図は、フランジ（２）をシヤフト（５）にネジ止
で固定するタイプのドラムユニツトの縦断面図である。

図において、（19）は止ネジ、（20）はネジ穴であ
る。

この例では、上下２ケ所の接着注入穴（18a），（18
b）から接着剤注入治具（50）を挿入して接着剤を注入
して外輪（12a），（12b）と下ドラム（８）とを固着し
たのち、フランジ（２）をシヤフト（５）に上から挿入
してネジ（19）で固定する。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来のドラムユニツトは以上のように構成されている
ので、接着剤注入穴（18a）を下ドラムの外周面の上端
よりも高い位置に設けなければならないため、下ドラム
の高さが大きくなり、ドラムユニツトの高さも大きくす
るという問題点があつた。

この発明は上記のような問題点を解消する為になされ
たもので、高さの小さいドラムユニツトを得ることを目
的としている。

〔課題を解決するための手段〕

この発明に係る磁気テープ記録再生装置のドラムユニ
ットは、下ドラムとこの下ドラムにゆるいしまりばめま
たはすきまばめの嵌め合い条件で挿入されている軸付軸
受の外輪の隙間に、下ドラムの嵌め合い部分に形成され
た接着剤注入穴から接着剤が注入されて接着固定される
磁気テープ記録再生装置のドラムユニットにおいて、下
ドラムの外周面の上端部に切欠部または透穴が形成され
ると共に、切欠部または透穴に対向する嵌め合い部分に
対して、切欠部または透穴から軸付軸受の中心軸に直交
する方向に接着剤注入穴が形成されたものである。

〔作用〕

この発明においては、下ドラムの外周面の上端部に切
欠部または透穴が形成されると共に、切欠部または透穴
に対向する嵌め合い部分に対して、切欠部または透穴か
ら軸付軸受の中心軸に直交する方向に接着剤注入穴が形
成されているので、切欠部または透穴から簡単に接着剤
注入治具を接着剤注入穴に挿入することが可能であり、
接着作業の作業効率を損なうことなくドラムの高さを小
さくすることができる。

〔発明の実施例〕

以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
１図において、第５図ないし第７図と同一部分には同一
符号を付して説明は省略する。

（25）は下ドラム（８）の外周面の上端部（23）に設
けた切欠部で、この切欠部（25）を通して接着剤注入治
具（50）が挿入できる位置に、接着剤注入穴（18）が形
成されている。

第２図は、接着剤注入治具（50）の挿入方向を示すド
ラムユニツトの平面図で、（24）は接着剤注入治具（5
0）の挿入方向、（27）はガイドピン、（30）は磁気テ
ープを示し、ドラムによつて磁気テープ（30）上に記録
再生する状態、つまり、テープローデイング完了後の巻
付角180゜の場合を示す。第３図は、接着剤注入治具（5
0）の挿入方向から見た下ドラム（18）の正面図で、切
欠部（25）と、接着注入穴（18a）を通して、外輪（12
a）の外周面の一部分が表われている。

この実施例では、接着剤注入治具（50）を切欠部（2
5）から接着剤注入穴（18a）に挿入し、軸付軸受（40）
の外輪（12a）の外周面と下ドラム（８）とのはめあい
面に接着剤を注入して固定する。この時、接着剤注入治
具（50）は、第２図に示すように、ローデイングが終了
して磁気テープ（30）がドラム（８）に巻付された後、
磁気テープ（30）が巻付いていない場所、例えば後方か
ら行なう。

なお、上記実施例では、下ドラム（８）外周面の上端
部に矩形状の切欠部（25）を設けたが、第４図に示すよ
うに、透穴（26）でもよい。

また、上記実施例では、切欠部（25）を軸付軸受（4
0）の接着用のものとして説明したが、固定側ロータリ
ートランス（９）の信号引出線（図示せず）の引出用の
切欠部と共用してもよい。

〔発明の効果〕 以上のように、この発明によれば、下ドラムとこの下
ドラムにゆるいしまりばめまたはすきまばめの嵌め合い
条件で挿入されている軸付軸受の外輪の隙間に、下ドラ
ムの嵌め合い部分に形成された接着剤注入穴から接着剤
が注入されて接着固定される磁気テープ記録再生装置の
ドラムユニットにおいて、下ドラムの外周面の上端部に
切欠部または透穴が形成されると共に、切欠部または透
穴に対向する嵌め合い部分に対して、切欠部または透穴
から軸付軸受の中心軸に直交する方向に接着剤注入穴が
形成されているので、切欠部または透穴から簡単に接着
剤注入治具を接着剤注入穴に挿入することが可能であ
り、接着作業の作業効率を損なうことなくドラムの高さ
を小さくすることができる磁気テープ記録再生装置のド
ラムユニットを得ることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】 第１図はこの発明の一実施例の接着作業時の状態を示す
縦断面図、第２図はこの実施例の接着剤の注入方向を示
すドラムユニツトの平面図、第３図はこの実施例の接着
剤注入方向からみた下ドラムの正面図、第４図はこの発
明の他の実施例の下ドラムの正面図、第５図は従来のド
ラムユニツトの縦断面図、第６図はこの従来例の接着作
業時の状態を示す縦断面図、第７図は他の従来例の組立
手順を説明するための縦断面図である。 （５）……シヤフト、（８）……下ドラム、（12a），
（12b）……外輪、（18a），（18b）……接着剤注入
穴、（23）……下ドラムの外周面の上端部、（25）……
切欠部、（26）……透穴、（40）……軸付軸受。 なお、各図中、同一符号は同一、または相当部分を示
す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下ドラムとこの下ドラムにゆるいしまりば
   めまたはすきまばめの嵌め合い条件で挿入されている軸
   付軸受の外輪の隙間に、上記下ドラムの嵌め合い部分に
   形成された接着剤注入穴から接着剤が注入されて接着固
   定される磁気テープ記録再生装置のドラムユニットにお
   いて、 上記下ドラムの外周面の上端部に切欠部または透穴が形
   成されると共に、上記切欠部または透穴に対向する嵌め
   合い部分に対して、上記切欠部または透穴から上記軸付
   軸受の中心軸に直交する方向に接着剤注入穴が形成され
   たことを特徴とする磁気テープ記録再生装置のドラムユ
   ニット。