JP2586529Y2 - 倍力装置 - Google Patents

倍力装置

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JP2586529Y2
JP2586529Y2 JP1992009529U JP952992U JP2586529Y2 JP 2586529 Y2 JP2586529 Y2 JP 2586529Y2 JP 1992009529 U JP1992009529 U JP 1992009529U JP 952992 U JP952992 U JP 952992U JP 2586529 Y2 JP2586529 Y2 JP 2586529Y2
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佐藤  淳
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は倍力装置に関し、より詳
しくは倍力装置の弁機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に、倍力装置は、シェル内に摺
動自在に設けたバルブボディと、このバルブボディに設
けたパワーピストンの前後に形成した定圧室と変圧室
と、バルブボディに形成されて上記変圧室を弁機構に連
通させ、該弁機構と定圧通路とを介して変圧室と定圧室
とを連通させる変圧通路とを備え、上記弁機構を、上記
バルブボディに形成した環状の第1弁座と、弁体のフロ
ント側端面の外周側に形成されて上記第1弁座に接離さ
れる環状の第1シート部と、バルブボディに摺動自在に
設けた弁プランジャに形成した環状の第2弁座と、弁体
のフロント側端面の内周側に形成されて上記第2弁座に
接離される環状の第2シート部とから構成するようにし
ている。そして、上記従来の弁機構では、倍力装置の非
作動状態では、弁体の第2シート部と弁プランジャの第
2弁座とが着座して両者によって形成される大気弁を閉
じ、また弁体の第1シート部とバルブボディの第1弁座
とが離隔して両者によって形成される真空弁を開いてい
る。この状態では、シェル内に設けた定圧室と変圧室と
が真空弁を介して連通し、それによって常に定圧室内に
導入されている負圧が真空弁を介して変圧室に導入され
る。この状態からブレーキペダルが踏込まれて弁プラン
ジャが前進すると、最初に真空弁が閉じて定圧室と変圧
室との連通を遮断し、次に大気弁が開いて上記変圧通路
を介して大気を変圧室に導入し、定圧室と変圧室との圧
力差により倍力装置に倍力作用を行なわせている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の倍力装置では、上記変圧通路における弁機構側の端
部開口は、倍力装置の作動時における大気弁の位置より
もフロント側に位置しており、そのため、上記変圧通路
の端部開口と大気弁とが軸方向に隔てた距離だけ大気の
流通経路が長くなっていた。また、従来の倍力装置で
は、作動時に大気弁から流入した大気は、大気弁開口部
から弁プランジャ外周部とバルブボディ内周部の間隙、
そして上記変圧通路を通って変圧室に流入されるが、こ
のとき大気は大気弁の開口部、弁プランジャ外周端部、
および変圧通路の開口部の3箇所で屈曲される。さらに
上記弁プランジャ外周部とバルブボディ内周部の間隙の
面積を必ずしも十分大きく取れなかった。このように、
従来では、上記変圧通路の端部開口と大気弁が軸方向に
隔てた距離だけ大気の流通経路が長いこと、またその間
での流入経路の屈曲による通気抵抗が大きいこと、さら
に弁プランジャ外周部をバルブボディ内周部の間隙によ
る絞り効果があることによって、大気の導入速度が遅く
なり、したがって、倍力装置の作動時の応答性が悪いと
いう欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような事情に鑑み、
本考案は、シェル内に摺動自在に設けたバルブボディ
と、このバルブボディに設けたパワーピストンの前後に
形成した定圧室と変圧室と、バルブボディに半径に形成
されるとともに内方側の開口部が上記バルブボディの内
周面に開口して、上記変圧室を弁機構に連通させる変圧
通路とを備え、上記弁機構を、上記バルブボディに形成
した環状の第1弁座と、弁体のフロント側端面の外周側
に形成されて上記第1弁座に接離される環状の第1シー
ト部と、バルブボディに摺動自在に設けた弁プランジャ
に形成した環状の第2弁座と、弁体のフロント側端面の
内周側に形成されて上記第2弁座に接離される環状の第
2シート部とから構成した倍力装置において、上記弁体
のフロント側端面のリヤ側に配置したバックアッププレ
ートを、その内周側が外周側よりもフロント側に膨出す
るように構成して、上記弁体の第2シート部が第1シー
ト部よりも常にフロント側に位置するように構成し、上
記弁体の第1シート部を上記第1弁座に着座させた状態
で、該弁体の第2シート部を上記変圧通路の開口部にお
けるリヤ側の端部よりもフロント側に位置するように構
成したものである。
【0005】
【作用】このような構成によれば、倍力装置の作動状
態、すなわち第1シート部が第1弁座に着座してそれら
によって構成される真空弁が閉鎖され、第2弁座と第2
シート部とが離隔してそれらによって構成した大気弁が
開放される時には、第2弁座と第2シート部との間に生
じる間隙(開放状態の大気弁)は、上記変圧通路の開口
部と軸方向において常にオーバラップするようになる。
このように、倍力装置が作動される際に、大気弁と変圧
通路の開口部との間を最短距離で連通させることができ
るので、大気弁から変圧室に至るまでの大気の流通経路
を従来よりも短縮することができるとともに、大気の屈
曲箇所を従来の3箇所から1箇所に減少させることがで
き、さらに弁プランジャ外周部を通過しないので絞られ
ることもない。したがって、大気弁から変圧室への大気
の導入速度を速くすることができるようになり、従来に
比較して倍力装置の作動時の応答性が良好になる。
【0006】
【実施例】以下図示実施例について本考案を説明する
と、図1はブレーキ倍力装置の要部を示したものであ
り、シェル1内には概略筒状のバルブボディ2を摺動自
在に設けてあり、このバルブボディ2のリヤ側をシェル
1の開口を介して外部に突出させている。上記バルブボ
ディ2内には弁機構5を収納してあり、この弁機構5
は、バルブボディ2に形成した環状の第1弁座6と、こ
の環状の第1弁座6よりも内側でバルブボディ2の貫通
孔2aに摺動自在に設けた弁プランジャ7の右端部に形
成した環状の第2弁座8と、さらに両弁座6、8に図1
の右方からばね9によって着座する弁体10とを備えて
いる。上記弁プランジャ7には入力軸11の左端部を連
結してあり、この入力軸11の右端部を図示しないブレ
ーキペダルに連動させている。上記弁体10はゴムによ
って概略筒状に形成してあり、そのフロント側端面に
は、その外周側に上記第1弁座6に着座する環状の第1
シート部10aと、内周側に上記第2弁座8に着座する
環状の第2シート部10bとを形成している。そして上
記第1弁座6と第1シート部10aとで真空弁12を、
また第2弁座8と第2シート部10bとで大気弁13を
それぞれ構成している。また上記弁体10には、両シー
ト部10a、10bのリヤ側にリング状のバックアップ
プレート14を設けて補強してあり、このバックアップ
プレート14の内周側に、そのリヤ側からばね9の一端
を弾接させて、各シート部10a、10bを各弁座6、
8に向けて付勢している。そして上記弁体10における
両シート部10a、10bよりもリヤ側の軸方向部分
は、肉厚を薄くした湾曲部10cとしてあり、この湾曲
部10cが軸方向に伸縮することによって、上記両シー
ト部10a、10bが上記両弁座6、8に接離すること
ができる。さらに上記弁体10におけるリヤ側の端部1
0dは厚肉にして、バルブボディ2の内周面にリテーナ
15によって固定している。上記真空弁12よりも外周
側の空間は、バルブボディ2に形成した軸方向の定圧通
路18を介して図示しない定圧室に連通させてあり、ま
たその真空弁12よりも内周側で、大気弁13よりも外
周側部分となる空間は、バルブボディ2に形成した半径
方向の変圧通路19を介して変圧室20に連通させてい
る。さらに、上記大気弁13よりも内周側の空間は、バ
ルブボディ2の内周面によって形成した圧力通路21と
そこに設けたフィルタ22とを介して大気に連通させて
いる。以上の構成およびそれに基づく作動は、従来公知
のブレーキ倍力装置と変わるところはない。
【0007】然して、本実施例では、バックアッププレ
ート14における内周側の部分をその外周側の部分より
もフロント側にむけて膨出させるとともに、上記バック
アッププレート14の内周側の部分で支持した弁体10
のフロント側端面の内周側を、外周側よりもフロント側
にむけて膨出させるようにしている。これにより、上記
第2シート部10bは、第1シート部10aよりも常に
フロント側に位置している。なお、本実施例では、上述
のように弁体10のフロント側端面の内周側をフロント
側にむけて膨出させているが、フロント側端面の肉厚は
内周側も外周側も実質的に同じにしている。また、本実
施例では、バルブボディ2に設けた半径方向の変圧通路
19を、出来るだけ上記第1弁座6に隣接するフロント
側に位置させている。これにより、本実施例では、ブレ
ーキ倍力装置の作動状態において、開放された大気弁1
3は、変圧通路19の開口部19aのリヤ側端部よりも
フロント側に位置しており、したがって、ブレーキ倍力
装置の作動状態においては、大気弁13と変圧通路19
の開口部19aとが軸方向においてオーバラップするよ
うになっている。このような、本実施例の構成によれ
ば、図示ブレーキ倍力装置の作動状態において、開放状
態の大気弁13(第2弁座8と第2シート部10bとの
間の間隙)と変圧通路19とが最短距離で連通する。こ
れにより、従来に比較して、大気弁13から変圧室20
に至るまでの大気の流通経路を従来よりも短縮すること
ができるとともに、大気の屈曲箇所は大気弁開口部の1
箇所だけとなり、また弁プランジャ外周部で絞られるこ
ともないので、変圧室20への大気の導入速度を速くす
ることができる。したがって、ブレーキ倍力装置の作動
時の応答性が良好なものとなる。しかも、上述のよう
に、大気弁13からその半径方向外方に位置する変圧通
路19にむけて最短距離で大気が流通するので、大気弁
13から変圧室20に至るまでの大気の流通経路におい
て大気の吸入音が発生することも防止することができ
る。
【0008】上述した本実施例に対して、図2に示す従
来の技術では、倍力装置が作動された開放状態の大気弁
13’の位置に対して、変圧通路19’の開口部19
a’の位置はフロント側にずれていたものである。その
ため、従来では、大気弁13’と変圧通路19’の開口
部19a’とが軸方向に隔てた距離だけ、大気の流通経
路が長くなり、かつ、その流通経路は折れ曲がった流通
経路となっていた。したがって、従来では大気弁13’
から変圧室20’内への大気の導入速度が遅くなり、作
動時の応答性が悪くなっていたものである。しかも、大
気弁13’から変圧通路19’に至るまでの大気の流体
経路が折れ曲がっていたので、大気の吸入音が発生する
という欠点も生じていたものである。なお、図1に示し
た本実施例においては、開放状態の大気弁13における
第2シート部10bを、変圧通路19の開口部19aの
リヤ側端部よりも完全にフロント側に位置させている
が、それらは、軸方向における略同一位置であっても良
い。
【0009】
【考案の効果】以上のように、本考案によれば、従来に
比較して倍力装置の作動時の応答性が良好になるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す断面図
【図2】従来技術を示す断面図
【符号の説明】
2…バルブボデイ 5…弁機構
6…第1弁座 7…弁プランジャ 8…第2弁座 1
0…弁体 10a…第1シート部 10
b…第2シート部 19…変圧通路 19a…開口部 2
0…変圧室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 13/52 - 13/577

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル内に摺動自在に設けたバルブボデ
    ィと、このバルブボディに設けたパワーピストンの前後
    に形成した定圧室と変圧室と、バルブボディに半径に形
    成されるとともに内方側の開口部が上記バルブボディの
    内周面に開口して、上記変圧室を弁機構に連通させる変
    圧通路とを備え、 上記弁機構を、上記バルブボディに形成した環状の第1
    弁座と、弁体のフロント側端面の外周側に形成されて上
    記第1弁座に接離される環状の第1シート部と、バルブ
    ボディに摺動自在に設けた弁プランジャに形成した環状
    の第2弁座と、弁体のフロント側端面の内周側に形成さ
    れて上記第2弁座に接離される環状の第2シート部とか
    ら構成した倍力装置において、 上記弁体のフロント側端面のリヤ側に配置したバックア
    ッププレートを、その内周側が外周側よりもフロント側
    に膨出するように構成して、上記弁体の第2シート部が
    第1シート部よりも常にフロント側に位置するように構
    成し、上記弁体の第1シート部を上記第1弁座に着座さ
    せた状態で、該弁体の第2シート部を上記変圧通路の開
    口部におけるリヤ側の端部よりもフロント側に位置する
    ように構成したことを特徴とする倍力装置。
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JPS5918058A (ja) * 1982-07-23 1984-01-30 Jidosha Kiki Co Ltd ブレ−キ倍力装置
DE3330481A1 (de) * 1983-08-24 1985-03-14 Alfred Teves Gmbh, 6000 Frankfurt Unterdruckbremskraftverstaerker
JPH0547017Y2 (ja) * 1988-06-30 1993-12-09

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