JP2585470Y2 - パンツ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は下着のパンツに関し、
特にその脚部開口部，胴部開口部（以下、両者を合わせ
て開口部と称することがある）の弾性帯紐取付け部分に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４〜６は従来のパンツの開口部におけ
るゴムの取付け部分を示す一部破断斜視図で、パンツの
内側から見た図である。図において、２はパンツ本体部
分の布、３は縫い糸、１，４はパンツの開口部を締持す
るゴム（弾性帯紐）で、ゴム４は縁飾りの付いたゴムを
示す。

【０００３】従来のパンツ開口部におけるゴムの取付構
造としては、図４に示す様に布２を内側に折り、ゴム通
し穴を残して布２の縁部を糸３で縫い付けた後、該ゴム
通し穴にゴム１を通す様にしたもの、或は図５に示す様
にゴム１を挟みつける様に布２を内側に折り、上から糸
３でゴム１を布２と共に縫い付けたものがあり、これら
は布２が縁からほつれるのを防止する為に、端ミシン縫
いで布２を糸３で押さえ込む様にしっかりと縫い付けて
ある。また図６に示す様に布２を内側に折り込み、その
上にゴム４をあて、糸３でゴム４を縫い付けたものもあ
る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら以上の様
な従来のパンツでは、図６に示したものの様にパンツの
内側へゴム全体が露出したり、又図５に示す様にゴムの
縁が布からはみ出たりするため、それらゴムが皮膚に直
接当たってザラザラ，ゴワゴワとし不快であった。ある
いは図４，５に示した様に縫い糸が多く露出して、それ
が皮膚に当たって、一層ザラザラ，ゴワゴワといった触
感を生じ、不快であるという問題があった。本考案は以
上の様な問題に鑑みてなされたもので、脚部開口部及び
胴部開口部の肌触りの良いパンツを提供するものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案に係るパンツは、
脚部開口部及び／又は胴部開口部の布の内側縁に弾性帯
紐を縫着し、更に該縫着部を包み込む様に内側へ２度折
りした上で前記弾性帯紐を再縫着したものである。

【０００６】

【作用】本考案のパンツは上述の様に構成されているの
で、弾性帯紐（ゴム）は布に包み込まれていて露出せ
ず、従って肌に直接当たることがない。且つ、布の縁は
折り込まれて隠れており、ほつれの心配がないから、端
ミシン縫い等で布を抑える必要がなくなって、糸をあま
り露出させない通常の軽い縫い方で良くなる。また開口
部は着脱の度毎に大きな力の加わる部位であるが、最初
の弾性帯紐縫着時と２度折り後の再縫着時の２回にわた
り縫着されているから、上記の様な通常の軽い縫い方で
あっても、弾性帯紐を十分に強く縫い付けることができ
る。換言すれば再縫着時の縫い糸は従来より少量とする
ことができ、かつ弾性帯紐も露出しないから、肌触わり
が悪くなることがない。

【０００７】

【実施例】図２は本考案の一実施例に係るパンツを示す
正面図である。図１(a),(b) は縫着過程を含めて示す当
該パンツ開口部の一部破断斜視図で、パンツの内側から
見た図である。図において、７は脚部開口部、８は胴部
開口部で、１は弾性帯紐であるゴム、５ａは最初のゴム
縫着用の糸、５ｂは再縫着用の糸であり布２上に露出し
ている。

【０００８】パンツ開口部は、まず図１(a) に示す様に
ゴム１が糸５ａによって布２の縁に縫着され、次いでこ
の部分が２度折られて、図１(b) に示す様に再縫着され
た形態となっている。ゴム１は布２で包み込まれてお
り、このパンツ開口部の布２上では少量の糸５ｂが露出
するだけとなっている。

【０００９】次に本考案のパンツの製造方法について説
明する。図３は本考案のパンツの製造フローの一例を示
す図である。まず図３の（ａ）に示す様に、前側の布２
ａと後側の布２ｂ及びマチ６を股部分で重ね合わせて縫
合する。この際、マチ６は後部分のみを縫合することと
なる。次に脚部開口部７の布２ａ，２ｂの内側縁にゴム
１を縫着する（図３の（ｂ））。次いでゴム１を包み込
む様に布２ａ，２ｂを２度折りし、その上から軽く再縫
着する（図３の（ｃ））。この再縫着の際又は上記ゴム
１の縫着の際には、マチ６の側縁も布２ａに縫着してお
く。これの過程を経て脚部開口部７のゴム１は図１(b)
に示す様に縫着される。

【００１０】次に前側の布２ａと後側の布２ｂとの片方
の脇を縫い合わせて、上述と同様に胴部開口部８の布２
ａ，２ｂの内側縁にゴム１を縫着し、２度折りして再縫
着する。そしてもう一方の脇を縫い合わせれば、図２に
示す様にパンツが完成する。完成したパンツでは、肌に
当たる糸５ｂは少量であり、かつゴム１は直接当たら
ず、肌には布２が接触することとなる。従ってザラザ
ラ，ゴワゴワした感触がなく、肌触りが良くなる。布２
が絹の場合は開口部であっても絹のサラッとした感触が
得られ、綿の場合は開口部であっても吸汗能力を示すこ
とができる等、その布の持つ特質を細部に渡り発揮させ
ることができる。

【００１１】

【考案の効果】この様に本考案に係るパンツは、脚部開
口部及び／又は胴部開口部の布の内側縁に弾性帯紐を縫
着し、更に該縫着部を包み込む様に布を内側へ２度折り
した上で前記弾性帯紐を再縫着したものであるので、布
の縁のほつれの心配がないことから上記再縫着は過度な
縫い方でなくてもよくなって、糸が表面にあまり出ない
縫い方ができ、そして弾性帯紐は巻き込まれて露出して
いないため、ゴムや多量の糸が皮膚に当たらず、肌触り
が良くなるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るパンツの開口部を示す
一部破断斜視図。

【図２】本考案の一実施例に係るパンツを示す正面図。

【図３】本考案の一実施例に係るパンツの製造フローを
示す図。

【図４】従来のパンツの開口部を示す一部破断斜視図。

【図５】従来のパンツの開口部を示す一部破断斜視図。

【図６】従来のパンツの開口部を示す一部破断斜視図。

【符号の説明】

１ ゴム ２，２ａ，２ｂ 布 ５ａ，５ｂ 糸 ７ 脚部開口部 ８ 胴部開口部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 脚部開口部及び／又は胴部開口部に弾性
   帯紐を有するパンツにおいて、 上記脚部開口部及び／又は胴部開口部の布の内側縁に上
   記弾性帯紐が縫着され、更に該縫着部を包み込む様に内
   側へ２度折りした上で前記弾性帯紐が再縫着されたもの
   であることを特徴とするパンツ。