JP2585163Y2

JP2585163Y2 - 冷暖房装置

Info

Publication number: JP2585163Y2
Application number: JP1993031459U
Authority: JP
Inventors: 知明深沢; 健男川越
Original assignee: Sanden Corp
Current assignee: Sanden Holdings Corp
Priority date: 1993-06-11
Filing date: 1993-06-11
Publication date: 1998-11-11
Anticipated expiration: 2008-06-11
Also published as: JPH072821U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、一般家庭用及び業務用
冷暖房装置に関し、更に詳しくは、温水セントラルヒー
ティングシステムに冷房機能を具備させた冷暖房装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、戸建住宅などにおいても温水セン
トラル暖房システムの導入件数がますます増加の一途を
たどっており、この温水セントラル暖房システムに冷房
システムを併設した冷暖房システムが知られている。冷
暖房システムに用いられる装置として、ファンコイルユ
ニットの場合は送風機、冷温水コイル、エアフィルタな
どで構成される小型の室内空調機であって、ファンコイ
ルに温水または冷水を通して冷暖房を行っている。ま
た、別の冷暖房システムとして知られるものに、特に住
宅や小規模事業所においては、暖房はパネルラジエータ
やコンベクタによる自然対流暖房方式とし、冷房にはル
ームエアコンやハウジングエアコン等の空気調和機を用
いた併設システムがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、前者のファ
ンコイルユニットによる冷暖房システムは、冷房時はも
とより暖房時もファンで強制送風する方式を採っている
ことから、温水セントラル暖房システムのような自然対
流による快適性は得がたい。

【０００４】また、特に後者のパネルヒータによる暖房
とルームエアコン等による冷房とを組み合わせた併設シ
ステムの場合、施工が非常に複雑となり施工コストはも
とより、経費の面でも不利である。

【０００５】したがって、本考案は、暖房時は温水によ
る快適な自然対流暖房が得られ、これに冷房機能をコン
パクトにユニット化したことで特別な冷房用施工を不要
として、施工及び経費等で大幅なコスト低減を可能にし
た冷暖房装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この目的を解決するため
に、本考案による冷暖房装置は、熱源機器から供給され
た温水によって室内空気を温風にするエレメントが内蔵
されたケーシングを有し、ケーシングの上面に設けられ
た吹出し口から温風を出して自然対流暖房を行う放熱部
と、室外機器部と共に冷媒回路を構成する室内機器部が
内蔵されたケーシングを有し、このケーシングを放熱部
のケーシングに併設して室内機器部から冷風を吹出し冷
房を行う放冷部と、室内機器部に接続されてケーシング
から延び出し、放熱部のケーシング上部まで延長されて
温風吹出し口に平行する位置に冷風吹出し口を設けた冷
風ダクトとを備えている。

【０００７】

【作用】この構成において、暖房時は放熱部のケーシン
グから温水による温風を自然対流で室内に出して暖房を
行う。冷房時は放冷部のケーシングから冷風が吹出され
る。冷房時は放熱部の作動を停止させている。冷房用放
冷部の配管施工は暖房用放熱部の施工の延長上で行わ
れ、特に冷房用としての施工は不要である。

【０００８】

【実施例】以下、本考案による冷暖房装置の実施例を図
面に基づいて説明する。

【０００９】図１及び図２は、単体ユニット化された実
施例の冷暖房装置の外観斜視図と、このユニット多数を
配管した冷暖房システム回路を示している。図１におい
て、冷暖房装置１は温水式の放熱部１０及び冷媒方式の
放冷部２０からなっており、以下この組み合わせによる
冷暖房装置１を室内ユニットと呼ぶ。放熱部１０はケー
シング１１に温水ファンコイルのエレメント１２を内蔵
した通常コンベクタと呼ばれる自然対流放熱器の構造を
採っている。即ち、ケーシング１１の下部開口から室内
空気を吸引し、この室内空気を温水が通るエレメント１
２に接触させて温風にし、ケーシング１１の上面に設け
られた吹出し口１３から再び室内に放熱するようになっ
ている。温水の供給は室外に設置された熱源機器、この
場合温水ボイラ２（図２参照）から配管を通して行われ
る。

【００１０】放熱部１０に併設された放冷部２０は、通
常の冷媒による冷却回路を構成する室内機器部Ａと室外
機器部Ｂから構成されている。図２に示すように、室内
機器部Ａのケーシング２１内には蒸発器２２やファンモ
ータ２３等からなる冷却回路の一部が配置されている。
また、戸外設置の室外機器部Ｂでは冷媒ガスを圧縮加圧
する圧縮機２４、圧縮機２４からの加圧冷媒ガスを液化
する凝縮器２５、膨張弁２７等が順に接続され、この室
外機器部Ｂの各機器に室内機器部Ａの蒸発器２２が接続
されている。即ち、熱交換器としての蒸発器２２では膨
張弁２７を通した冷媒液を噴出させ、室内空気から熱を
奪って蒸発させて送風機２３で冷風を室内に吹き出す周
知の冷却回路を構成している。室内機器部Ａのケーシン
グ２１には、装置のオンオフや冷風の強さ調整を行うと
同時に、併せて前述の放熱部１０のオンオフや温風強さ
等の操作も行う操作パネル２８が設けられ、ここには各
種スイッチやダイヤルの類、そして表示部等が配列され
ている。また、ケーシング２１の上面には室内空気の吸
入口２９が設けられている。

【００１１】また一方、室内機器部Ａには冷風ダクト３
０が延び出して設けられている。図示のように、冷風ダ
クト３０は室内機器部Ａのケーシング２１から一度外部
に延び出し、隣の放熱部１０のケーシング１１内に引き
込まれたうえで、この放熱部１０側のケーシング１１の
上面にその出口端を露呈させている。即ち、冷風ダクト
３０の延長端は冷風吹出し口３１として放熱部ケーシン
グ１１の背面上部でケーシング長さ方向一杯の長さを有
して成形されている。つまり、放熱部１０側の温風吹出
し口１３と放冷部２０側の冷風吹出し口３１は前後で平
行に延びて配置されている。

【００１２】次に、以上の構成による室内ユニット１と
しての冷暖房装置の作用について説明する。放熱部１０
及び放冷部２０を対とする室内ユニット１は勿論単一で
の使用が可能である。ここでは、図２のように、複数の
室内ユニット１Ａ、１Ｂ、１Ｃを戸建て住宅の場合であ
れば各部屋にそれぞれ配置し、ダクトまたは配管で互い
に接続したセントラル冷暖房システムを想定している。

【００１３】図２は、このセントラル冷暖房システムの
一例の回路を示している。放冷部２０における室外機器
部Ｂの単一のものに対して、例えば３基の室内機器部Ａ
が並列に接続され、これら３基の室内機器部Ａを３基の
放熱部１０と組み合わせる。これによって図１で示され
るように部屋の窓下などに両ケーシング１１、２１が左
右に接合した外観の室内ユニット１Ａ、１Ｂ、１Ｃが形
成される。

【００１４】また、放冷部２０の室内機器部Ａを切り放
し、つまり冷房を不要として放熱部１０のみ単独での設
置使用も可能である。放熱部１０の単独使用例として、
ここのシステム例ではトイレ、ユーティリィティー、ホ
ール等に設置される暖房専用室内ユニット１Ｄ〜１Ｆが
想定されている。回路では温水を各室内ユニット１Ａ〜
１Ｆに供給する熱源ボイラ２に接続されて分岐ヘッダー
３及び合流ヘッダー４が設けられている。

【００１５】室内ユニット１Ｄ〜１Ｆの各部屋への配管
施工は放熱部１０の工事が主体であり、放冷部２０とは
冷風ダクト３０によって接続されているので、従前の冷
房システムのように特別な配管の必要はない。また、必
要によって放熱部１０と放冷部２０とを容易に分離して
それぞれ単独使用もできることは前述の通りである。

【００１６】また、図２においては、放冷部２０におけ
る室外機器部Ｂの単一のものに対して３基の室内機器部
Ａを並列に接続し、これら３基の室内機器部Ａを３基の
放熱部１０と組み合わせるセントラル冷暖房システムの
一例が示されたが、こうした設置数に限定されるもので
はない。例えば、ビル等の大規模事業所のように、放冷
部２０における室外機器部Ｂを複数基とし、これら各室
外機器部Ｂに対してそれぞれ複数の室内機器部Ａを接続
したマルチ型システムも可能である。

【００１７】また一方で、冷暖房装置としての本考案の
室内ユニット１の場合、放熱部１０と放冷部２０を同時
作動させて室内の除湿にも効果的である。従来のヒート
ポンプ空調システムの除湿運転は、冷媒を利用した除湿
のため、必然的に吹出し温度も低下し、冷風による不快
感が発生した。本考案では、温水を併用することで、除
湿後の吹出し冷風を温水により加熱することで快適な除
湿運転を実現できる。

【００１８】

【考案の効果】以上説明したように、本考案による冷暖
房装置は、温水による快適な自然循環暖房が得られ、こ
の暖房用放熱部に冷房用の放冷部を併設してコンパクト
にユニット化されているので、従来のように暖房用配管
と冷房用配管を別々に施工する不経済をなくし、施工及
び維持コストを大幅に低減させる利点がある。また、放
熱部と放冷部を同時作動させることにより冷暖房に除湿
機能を加えられる利点もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による冷暖房装置としての実施例の室内
ユニットの外観斜視図

【図２】実施例の室内ユニットの多数をシステム化した
例のセントラル冷暖房システムの構成回路図

【符号の説明】

１…室内ユニット（冷暖房装置）、２…熱源機器の温水
ボイラ、１０…放熱部、１１…ケーシング、１２…エレ
メント、１３…温風吹出し口、２０…放冷部、２１…ケ
ーシング、２２…蒸発器、２４…圧縮機、２５…凝縮
器、２８…操作パネル、２９…室内空気吸入口、３０…
冷風ダクト、３１…冷風吹出し口、Ａ…放冷部の室内機
器部、Ｂ…放冷部の室外機器部。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】熱源機器から供給された温水によって室
内空気を温風にするエレメントが内蔵されたケーシング
を有し、ケーシングの上面に設けられた吹出し口から温
風を出して自然対流暖房を行う放熱部と、室外機器部と共に冷媒回路を構成する室内機器部が内蔵
されたケーシングを有し、このケーシングを放熱部のケ
ーシングに併設して室内機器部から冷風を吹出し冷房を
行う放冷部と、室内機器部に接続されてケーシングから延び出し、放熱
部のケーシング上部まで延長されて温風吹出し口に平行
する位置に冷風吹出し口を設けた冷風ダクトと、を備え
たことを特徴とする冷暖房装置。