JP2584851B2 - シート給送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はシートに画像形成等の所要の処理を実行する
装置本体（例えば複写機、LEDやレーザービーム、イン
クジエツト等のプリンタなど）にシート収納部に積載収
納されているシート（複写用紙、転写用紙、記録用紙な
どのカツトシート材）を給送するシート給送装置に関す
る。

〔従来の技術〕

シート給送装置は例えば電子写真技術を用いた複写
機、レーザービームプリンタや液晶シヤツター、LEDを
用いたプリンタ、あるいはインクジエツト方式等の各種
プリンタに適用される。これらの一例として、レーザー
ビームを用いたレーザービームプリンタ（以下LBPと称
する）の構成を用いて従来のシート給送装置を説明す
る。

第６図にLBPの一例を示す。

100はプリンタの外装筐であり、内部にシートに画像
を形成する手段が組み込まれている。該外装筐は下側半
体100と上側半体100Bの２つの割機構であり、下側半体1
00Aに対して、上側半体100Bを後端側ヒンジ軸101を中心
に２点鎖線示のように起したり、実線示のように倒し、
閉じたりできるようになっている。

本例の構成を簡単に説明すると、紙等のシートＳはシ
ート収納手段としてのシート収納部（カセツト）109に
納められ、本体の給送のための給送位置に装着されてい
る。シートＳは給送ローラ110により１枚ずつ分離給送
され、搬送ローラ対111a,111b及びガイド112,113によっ
てレジストローラ114まで送られる。

シートＳは、レジストローラ114によって画像信号と
のタイミングをとって、画像を形成するプロセスカート
リツジ102に送られ、転写帯電器116によって画像を転写
され、搬送ベルト117によって定着装置118に送られる。
ここでシートＳは、定着ローラ対に挟まれ画像を定着さ
れ排出口110Dより排出される。

一方、画像形成について述べると、画像形成部は大き
く上側半体100Bに、配置されたレーザー光源（不図示）
を、画像担持体の軸方向に操作するレーザスキヤナ107
及び周知の電子写真プロセスを行う各プロセス装置を集
約したプロセスカートリツジ102より構成される。

ここで、Ｌはレーザスキヤナ107より操作されるレー
ザ光、108はレーザ光Ｌを画像担持体103に導くミラー、
プロセスカートリツジ102内にある主なものとしては帯
電器104、現像器105、クリーニング装置106である。

〔発明が解決しようとしている問題点〕

このように構成される従来のシート給送装置では、以
下に示すような欠点があった。

（１）シート収納手段の装着方向に対して給送部が装置
の奥にあり、給送ローラなどのメンテナンスがやりずら
い。

（２）ジヤムしたシートを取り除くために大きな上側半
体100Bを開けたり、シート収納手段を着脱する側とは反
対側の反転ガイド部120を開ける必要があり、操作面の
数が多く操作性も余り良くなかった。

などの問題があった。

これらを解決したシート給送装置として、本出願人に
よる昭和63年10月31日特許出願（２）「シート材の給送
装置」がある。

これはシート収納部を着脱する側に給紙装置を配置し
シートＳをシート収納部の挿入方向に給送して鉛直方向
に搬送し、搬送路の長さを短くし、駆動等の機械部品を
図の左側（装置の正面）に、電気、光学部品を図の右側
（装置の後ろ）に配したもので、これにより、シートＳ
の給送の信頼性も高められ、給送部のメンテナンスも容
易になり、小型化、低コストも計りやすくなった。

しかしながら、上記のような構成であると、シートの
給送動作中は給送ローラの給送時の摩擦力により積載さ
れたシートを通じてシート収納部は装置本体から抜き出
される方向に力を受け、給送中にシート収納部が装置本
体からぬけてしまうことがあった。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上記の問題を解決するためになされたもので
ある。本発明はシート収納手段の着脱を行う側と同じ側
よりジヤムしたシートの除去や給送手段のメインテナン
スを行うことができ、給送中にシート収納手段が給送位
置より離脱することを防止できるシート給送装置を提供
することを目的とする。

上記目的を達成できる本発明の構成は、シートを収納
し、装置本体内のシートを給送するための給送位置から
引き出し可能に設けられたシート収納手段と、 前記シート収納手段に収納されたシートに圧接し、該
シートをシート収納手段の引き出し方向と同方向に給送
するシート給送手段と、 前記シート給送手段によるシート給送時に、シートの
送り出しによるシート収納手段の引き出し方向への移動
を規制するための規制手段と、 を備え、 前記規制手段は、前記シート収納手段に係合する係合
部材と、該係合部材を係合位置に維持するばねと、を有
し、前記ばねの付勢力によりシート収納手段の引き出し
方向への移動を規制することを特徴とする。

また、前記シート給送手段は、前記シート収納手段を
引き出すときに給送位置から退避可能に設けられた給送
ローラと、該給送ローラを給送位置側に付勢するばね
と、前記給送ローラの退避位置でロックするロック手段
と、を有し、前記給送ローラを給送位置側に付勢するば
ねにより前記規制手段の係合部材を係合位置に維持し、
該係合部材は給送ローラの退避に連動して係合位置から
退避することを特徴とする。

〔作用〕

以上の構成によれば、シート給送手段によりシート収
納手段に収納されているシートを送り出すときに、シー
ト収納手段の引き出し方向とシートの送り出し方向が同
一であるため、シート収納手段が移動しようとするが、
規制手段のばねにより係合位置に付勢された係合部材に
より確実に移動を規制することができる。また、シート
収納手段を引き出すときには、ばねの付勢力に抗して係
合部材を変位させてまっすぐに引き出せばよい。

退避可能な給送ローラに連動して係合部材が退避する
ものでは、シート収納手段を装着する場合には、係合部
材が退避しているためまっすくに装着でき、引き出す場
合には、ばねの付勢力に抗してまっすぐに引き出せばよ
い。

〔実施例〕

第１図ないし第３図により本発明の一実施例を説明す
る。

第１図はレーザービームプリンタの主断面であり、第
１図を用いて構成および動作を簡単に説明する。

装置本体１は、固定側1Aに対して、シートＳの搬送路
を略２分割して開閉する開閉側1Bに分けられ、開閉側1B
はヒンジ軸２を中心に開閉自在に支持されている。シー
トＳはシート収納部３に収納されており、シート給送手
段である給送部40の給送ローラ４が回転すると、給送ロ
ーラ４、および給送ローラ４に押圧され、高摩擦部材で
作られるパツド５によって１枚ずつ分離される。

１枚ずつ分離されたシートＳはガイド板対６によって
レジストローラ対７に送られ、画像担持体８に書かれた
画像と同期を取って、転写部80へ送られる。

定着器10は大きくはヒータを内蔵し、過熱するヒータ
ーローラ11、ヒーターローラ11にシートＳを押圧する加
圧ローラ12、また、ヒーターローラ11と加圧ローラ12と
の接触部に導くガイド13、および外装14、分離用の爪15
等から構成される。

ここで、シートＳ上に転写された画像が定着されシー
トＳは排出口1Cより排出され、トレイ16上に積層され
る。また、定着器11と排出口1Cとの間にはフラツパ17が
あり、これを切り替えることによりシートＳの搬送方向
を変えることができ、シートＳを排出口1Dより排出する
ことができる。このとき、シートＳは画像面が上面とな
る。

一方、画像形成手段について述べると、画像形成部は
周知のカールソン方式による画像形成プロセスをおこな
う手段を１つの容器に収納したプロセスカートリツジ18
と、画像担持体８の軸方向にレーザ光を走査するレーザ
ースキヤナー19に大別できる。

帯電ローラ20によって画像担持体８上に一様に電荷が
与えられ、スキヤナ19より射出されたレーザ光Ｌによっ
て潜像が形成される。現像容器21内のトナーｔは、攪拌
板22によって現像部に送られ、現像スリーブ23上に薄く
コートされる。このコートされたトナーｔが画像担持体
８に形成された潜像に従って、画像担持体８上に付着、
即ち、現像され先に述べた転写部でシートＳに転写され
る。

ここで本発明に関するシート給送装置の一実施例を第
2,第３図を用いて更に説明する。

第２図は第１図のレーザービームプリンタのシート給
送装置の部分を示したもので、シート材収納部が装置本
体にセツトされ、給送可能な状態を表わしている。

給送ローラ４は、給送軸43に取り付けられている。給
送軸43は給送側板41に回転可能に、不図示の軸受けによ
って取り付けられている。この給送側板41は給送側板軸
42によって、回動可能に取り付けられており、給送ユニ
ツトばね44によって、給送側板41の位置決めのための当
接部材700に所定の圧力で付勢させることによって位置
決めされている。また、給送ローラ４の駆動は、不図示
の駆動モータと複数のギヤとクラツチによって所定のタ
イミングで行われ給送ローラ４は矢印Ａ方向に回転駆動
する。

また、分離パツト５は分離パツト５を保持している支
持板51に取り付けられ、支持板51は軸52によって、給送
側板41に回転自在に取り付けられている。更に、支持板
51には、加工ばね53が掛けられており、この加圧ばね53
によって、給送ローラ４に分離パツト５が所定の圧力で
加圧されるようになっている。

シート収納部３には、シートを支える中板32と、シー
トを給送ローラ４にシートの枚数に関係なく所定の加圧
力によって押圧するばね31が設けられている。

さらに本シート収納部３には、飛び出し防止板35と、
ばね36が取り付けられており、飛び出し防止板35は、37
の回転軸を中心に回動可能となっていて、シート収納部
が装置本体内にある時には、給送装置の当接部51′によ
ってシートの給送動作に影響のない位置にまで退避させ
ている。

シート収納部３が装置本体１より取り出されていると
きには、ばね36によって係止部38が第３図に示す位置ま
で押し上げられている。この状態では、飛び出し防止板
35の係止部38がシートの先端部を塞でいるのでシートが
シート収納部３から飛び出してしまうことはない。

また、シート収納部３の側面の壁には一段低い段差部
3aが形成されている。この段差部3aの係合部3bには、装
置本体１の回転軸46を中心に回動可能に取り付けられた
ロツク部材45が入り込んできて、ロツクばね47の付勢力
によって、ロツク部材45の当接部34が当接している。

次に給送動作について説明する。所定の給送タイミン
グによって給送ローラ４が回転駆動されると、給送ロー
ラ４に当接している最上位のシートは、給送ローラの摩
擦力によってシート収納部３から給送される。しかし、
シート間の摩擦力等により必ずしも一枚ずつ給送され
ず、2,3枚同時に給送されてしまうこともある。しか
し、重送されたシートは給送ローラ４と、分離パツト５
の接触部の摩擦力で分離され、一枚ずつ送られる。

一方、シート収納部３は給送ローラ４の回転によりシ
ートを介して受ける摩擦力で、図中左方のシート収納部
３の離脱方向に力を受ける。しかし、分離パツト支持板
51に設けられた当接部55とシート収納部３の当接部33と
が、前記シート収納部３を抜き出そうとする給送ローラ
４の摩擦力より強い当接力で当接し、シート収納部３が
装置から抜けるのを防いでいる。この当接部33と当接部
55とにより規制手段が構成され、当接部55は給紙ユニッ
トばね44の付勢力により規制位置に維持されている。

第３図は装置本体１より、シート収納部３を取り出し
たときの給送部40を示したものである。第２図の動作状
態から、シートの補給などのためにシート収納部３を引
き出すと、シート収納部３側に設けられた被当接部33が
支持板51の当接部55を給紙ユニツトばね44の付勢力に抗
して図３の左側の方向に押し出す。

当接部33により、支持板51が押されると支持板51と給
送側板41を含めた給送部40は、給送側板軸42を中心に回
動退避する。給送ローラ４および分離パツト５など、シ
ート収納部３を引き出すため、充分に退避される位置に
回動すると、給送側板41に設けられた係止部48が一旦ロ
ツク部材45に設けられた凸部49に当接し、ばね47の付勢
力に打ち勝ってロツク部材を回動させる。

給送側板41に設けられた係止部48が、前記ロツク部材
45の凸部49を乗り越えると、ロツク部材45は、ばね47の
付勢力で回動して凸部49の下面が給送側板41の係止部48
の上面を押えて、給送部ばね44の付勢力によって給送位
置に戻ろうとする給送側板40をロツクする。これによ
り、給紙部40は退避位置にロツクされ、シート収納部３
の挿入時に給送ローラ４や、分離パツト５がシート収納
部３に干渉しないように保持している。

このとき、給送側板41に回動自在に取り付けられた支
持板51に取り付けられ、ばね53によって所定の圧力で給
送ローラ４に当接している分離パツト５は、給送側板41
の回動により、本体に設けられた当接部61に当接し、ば
ね53の付勢力に逆らって給送ローラ４から分離パツト５
を引き離す。これにより、シート収納部３を装置本体か
ら引き出すときに、給送ローラ４と分離パツト５に挟ま
れているシートを解除する。

さらに、給送部40が退避することにより、シート収納
部３が装置から抜けるのを防いでいた分離パツト支持板
の当接部55もシート収納部の被当接部33から退避し、シ
ート収納部３はなんの障害もなく装置本体から抜き出す
ことが出来る。

次に、シート収納部３を装置に挿入する場合について
説明する。

給送部３は前述のロツク部材45により、退避位置に保
持されているので、シート収納部３の装置経路は開けら
れている。しかし、シート収納部が給紙位置近傍まで装
着されると、シート収納部３の側壁に設けられた段差部
3aの当接部34が、給送側板41の係止部48を保持している
ロツク部材45をばね47の付勢力に抗して回動させる。ロ
ツク部材45が回動されることにより、それまで退避位置
に保持されていて給送部40はロツク解除されて、給紙ば
ね44により、給紙位置まで戻される。それにともない当
接部61によって解除されていた分離パツト５が給送ロー
ラ４に当接し、当接部55がシート収納部３に当接し、給
送可能状態となる。

〔他の実施例〕

第４図，第５図は本発明の他の実施例を示している。

図において、給送側板41に突起部55aが設けられ、シ
ート収納部３の側壁には凹部33aが設けられている。シ
ート収納部３が装置本体１の所定の位置に装着され、給
送部40が給送位置にある第４図の状態では突起部55aは
凹部33aに係合し、給送ローラ４の回転によってシート
収納部３が離脱方向に引き出されるのを防止する。この
突起部55aと凹部33aとにより規制手段が構成され、突起
部55aは給紙ユニットばね44の付勢力により規制位置に
維持されている。

シート収納部３を把持部3bに手をかけて引き出すと突
起部55aが凹部33aの壁部に押され、給送側板41は給送側
板軸42を中心に時計回りに回動し、さらにシート収納部
３を引き出すとシート収納部３の前側壁3cが支持板51を
押して給送部40をさらに回動させ、給送部40は退避位置
まで移動する。

シート収納部３を装着する時は前述した上述の実施例
と同じ作動により給送部40は給送位置に移動する。

上記した実施例においてシートの分離は分離パツトを
用いて行っていたが、分離パツトの代りにシートに給送
方向とは逆方向の搬送力を与える分離ローラを用いても
よい。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によるとシート収納手段
の着脱を行う側と同じ側よりジヤムしたシートの除去や
給送手段のメインテナンスを行うことができ、給送中に
シート収納手段が給送位置より離脱することを防止でき
る。また、シート収納手段を引き出すときには、ばねに
より付勢されている規制手段の係合部材を変位させてま
っすぐに引き出すことができ、操作性がよい。

さらに、退避可能な給送ローラを給送位置に付勢する
ばねを兼用して係合部材を付勢するようにしたもので
は、構成が簡略化され、低コスト化が図れる。また、退
避可能な給送ローラに連動して係合部材を退避させれ
ば、シート収納手段の装着時に規制部材が邪魔すること
なく、まっすぐに挿入することができて操作性が一層向
上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例の主断面を表わしたもの
である。 第２図は本発明の主要部の詳細図であり、給送可能状態
にある給送部を表わしたものである。 第３図は第２図における給送部で、シート収納部を引き
出した状態の給送部の詳細図である。 第４図及び第５図は本発明の他の実施例を表わしたもの
である。 第６図は従来例の装置を表わしたものである。 ３はシート収納部、４は給送ローラ、 ５は分離パツト、41は給送側板、 42は給送側板軸、48は給送側板係止部、 45はロツク部材、44はばね、 51は支持板、34は当接部、 36はばね、35は飛び出し防止板

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シートを収納し、装置本体内のシートを給
   送するための給送位置から引き出し可能に設けられたシ
   ート収納手段と、 前記シート収納手段に収納されたシートに圧接し、該シ
   ートをシート収納手段の引き出し方向と同方向に給送す
   るシート給送手段と、 前記シート給送手段によるシート給送時に、シートの送
   り出しによるシート収納手段の引き出し方向への移動を
   規制するための規制手段と、 を備え、 前記規制手段は、前記シート収納手段に係合する係合部
   材と、該係合部材を係合位置に維持するばねと、を有
   し、前記ばねの付勢力によりシート収納手段の引き出し
   方向への移動を規制することを特徴とするシート給送装
   置。
2. 【請求項２】前記シート給送手段は、前記シート収納手
   段を引き出すときに給送位置から退避可能に設けられた
   給送ローラと、該給送ローラを給送位置側に付勢するば
   ねと、前記給送ローラの退避位置でロックするロック手
   段と、を有し、前記給送ローラを給送位置側に付勢する
   ばねにより前記規制手段の係合部材を係合位置に維持
   し、該係合部材は給送ローラの退避に連動して係合位置
   から退避することを特徴とする請求項（１）に記載のシ
   ート給送装置。