JP2584493Y2 - 磁気ヘッドの保護装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、パソコン、ワープロ等
のフロッピーディスクのドライブ装置に設けられている
磁気ヘッドの保護装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種パソコン、ワープロ等の
機器本体１には、図３に示すように、フロッピーディス
クドライブ装置２が設けられており、このドライブ装置
２にフロッピーディスク３が挿着及び脱着できるように
なっている。

【０００３】すなわち、機器本体１に設けられているド
ライブ装置２の前面には、フロッピーディスク３の挿入
口２ａ、イジェクトボタン４、及びフロッピーディスク
３が挿入されている状態を検知するアクセスランプ５が
設けられている。また、上記フロッピーディスク３の前
部上下面には、所定のウインド６ａを開口したシャッタ
−６が横方向にスライド可能に装着されており、フロッ
ピーディスク３をドライブ装置２に挿着したとき、シャ
ッター６が横方向にスライドし、ディスクケース７のヘ
ッドウインド７ａがシャッター６のウインド６ａに一致
して開口するようになっている。

【０００４】また、上記ドライブ装置２には、図４に示
したように、挿入口２ａより挿入されたフロッピーディ
スク３のシャッター６を横方向にスライドさせるウイン
ド開閉レバ８、ディスクケース７内のディスクを回転駆
動するディスクテーブル１０、このディスクテーブル１
０を所定の速度で回転させる駆動モータ１１、ディスク
の上下面に所定の信号を記録したり、または記録された
信号を読み出す磁気ヘッド１２ａ，１２ｂを有するヘッ
ドキャリッジ１３が設けられている。ドライブ装置２内
には、フロッピーディスク３の挿着を案内するディスク
ホルダー２９が、図示しない昇降機構により昇降可能に
設けられ、フロッピーディスク３が所定の挿入位置まで
押し込まれた時のみ下降して磁気ヘッド１２ａ、１２ｂ
によるチャッキングを行ない、このチャッキング時以外
は常に上昇位置に保持される。

【０００５】上記ヘッドキャリッジ１３は、図５に示す
ように、上キャリッジ１５と下キャリッジ１６との後部
が板バネ１７により連結され、上キャリッジ１５が鎖線
で示すように上下方向に開閉できるようになっている。
また、上記上キャリッジ１５と下キャリッジ１６との先
端部の対向位置には、それぞれ板バネ状のジンバルプレ
ート１９，１９を介して磁気ヘッド１２ａ，１２ｂが弾
性保持されている。そして、上キャリッジ１５の上面
は、捩じりバネ１８の一方のフック１８ａにより押圧さ
れており、上キャリッジ１５を常時下方に押し付けてい
る。２５は、ディスクホルダー２９の昇降と連動する押
上げ部材であり、磁気ヘッド１２ａ，１２ｂの非チャッ
キング時には、ディスクホルダー２９と共に上昇位置に
あり、その一端に上キャリッジ１５の中途部に形成され
た突出片を支承して、上キャリッジを開いた状態に支持
している。この状態において、上キャリッジ１５の上端
縁は、カバー本体２６の内面に弾接し、その上昇位置が
規制され、挿入されるフロッピーディスク３と磁気ヘッ
ド１２ａとのクリアランスを最大に保っている。

【０００６】一方、上記ヘッドキャリッジ１３は、図４
に示すように、モータ２０により回転するネジ軸２１に
係合した走行部材２２と、ガイド軸２３に摺動自在に挿
入された走行ガイド部材２４とによりディスクケース７
のヘッドウインド７ａに沿って矢印Ａ方向に移動できる
ようになっている。また、イジェクトボタン４を操作し
てドライブ装置２よりフロッピーディスク３を取り出す
際には、ヘッドキャリッジ１３の上キャリッジ１５が押
上げ部材２５により上方に押上げられるようになってい
る。

【０００７】また、ドライブ装置の薄型化の要望ととも
にフロッピーディスク３とヘッドキャリッジ１３とのク
リアランスが狭くなっているので、フロッピーディスク
３の厚みの誤差や変形等でフロッピーディスク３の挿着
時にヘッドキャリッジ１３を損傷しないように、上記ド
ライブ装置２の上面に取付けるアルミ板からなるカバー
本体２６の所定位置には弾性体からなるヘッドガード２
７が固着されている。したがって、上キャリッジ１５の
押上げ位置がカバー本体２６により規制されているが、
ドライブ装置２にフロッピーディスク３を挿着する際に
は、フロッピーディスク３の前方上面がヘッドガード２
７に当接してこれを押上げると共に、カバー本体２６を
上方に撓ませて上キャリッジ１５をさらに上方に逃が
し、フロッピーディスク３の先端部が上キャリッジ１５
の磁気ヘッド１２ａに衝突するのを防止してヘッドキャ
リッジ１３を保護している。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の磁気ヘッド構造では、図６に示すように、フロッピ
ーディスク３を挿着した後、フロッピーディスク３のシ
ャッター６の後部がディスクケース７の面より上方に開
いていたり（図５中２点鎖線で示す）、反り返っていた
りした場合には、シャッター６の開閉が円滑に行われな
いだけでなく、ヘッドキャリッジ１３がフロッピーディ
スク３をチャッキングした時に、上キャリッジ１５がシ
ャッター６に突き当ってこじられたり、ヘッドの位置決
めが正常に行われず、若干上方に開いた状態（図５中２
点鎖線で示す）になり、安定した記録／再生機能が得ら
れない等の問題があった。

【０００９】本考案の目的は、上記従来構造の課題を解
決するためになされたもので、フロッピーディスクを案
内するヘッドガードを板バネを介してディスクホルダー
に設置したことにより、磁気ヘッドの保護とシャッター
の開きを押さえてなる磁気ヘッドの保護装置を提供する
ものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本考案による磁気ヘッドの保護装置は、フロ
ッピーディスクのドライブ装置に設けられている磁気ヘ
ッドにおいて、上記ドライブ装置にフロッピーディスク
の挿着を案内するよう設けられたディスクホルダーに、
板バネの一端部を固着し、この板バネの先端部に、下端
面がディスクホルダー内に突出し、前記板バネの弾性に
よりドライブ装置に挿着されるフロッピーディスクの前
方上面を押圧すると共に上端面が対向するフレームカバ
ーに係合するヘッドガードを固着したことを特徴とする
ものである。

【００１１】

【作用】このような構成に基づいて、本考案による磁気
ヘッドの保護装置では、フロッピーディスクの前方上面
を押さえるヘッドガードを、一端をディスクホルダーに
固着した板バネの先端部に設置したことにより、フロッ
ピーディスクをドライブ装置に挿着する際、フロッピー
ディスクの前方上面によりヘッドガードを押上げると共
に、カバー本体を上方に撓ませて上キャリッジをさらに
上方に逃がし、フロッピーディスクの先端部が上キャリ
ッジの磁気ヘッドに衝突するのを防止してヘッドキャリ
ッジを保護すると共に、シャッターが開いていた場合で
も、フロッピーディスクが挿着された後には、ヘッドガ
ードが板バネの弾性によりシャッターの開きを押さえる
ので、安定した記録／再生機能を得ることができる。

【００１２】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

【００１３】図１は本考案の実施例である磁気ヘッドの
要部を示す断面図、図２はフロッピーディスクの挿着状
態を示す断面図であり、図において、従来構造と対応す
る同一部品には同じ符号を付して説明する。

【００１４】まず、本考案による機器本体１のドライブ
装置２に設けられているヘッドキャリッジ１３は、上キ
ャリッジ１５と下キャリッジ１６との後部が板バネ１７
により連結され、上キャリッジ１５が上下方向に開閉で
きるようになっている。また、上記上キャリッジ１５と
下キャリッジ１６との先端部の対向位置には、それぞれ
板バネ状のジンバルプレート１９，１９を介して磁気ヘ
ッド１２ａ，１２ｂが弾性保持されている。そして、上
キャリッジ１５の上面は、捩じりバネ１８の一方のフッ
ク１８ａが押圧しており、上キャリッジ１５を常時下方
に押し付けている。

【００１５】また、上記ドライブ装置２内には、フロッ
ピーディスク３の挿着を案内するディスクホルダー２９
が従来技術と同様に図示しない昇降機構により昇降可能
に支持されている。また、ディスクホルダー２９の上板
は、上キャリッジ１５の中途部まで延設され、上キャリ
ッジ１５の中途部に形成した突出片（図示せず）を支承
して、上キャリッジ１５を上方に押し上げ、開いた状態
に支持している。したがって上キャリッジ１５の上端縁
は、カバー本体２６の内面に弾接し、その上昇位置が規
制され、挿入されるフロッピーディスク３と磁気ヘッド
１２ａとのクリアランスを最大に保っている。このディ
スクホルダー２９の上面に固着した板バネ３０の先端部
には、弾性体からなるヘッドガード３１が固着されてい
る。上記ヘッドガード３１は、ディスクホルダー２９に
形成した開口窓３２からディスクホルダー内に突出する
下端面を有し、該下端面が板バネの弾性によりドライブ
装置２に挿着されるフロッピーディスク３の前方上面を
押さえ、ドライブ装置２にフロッピーディスク３を装着
した際に、フロッピーディスク３のシャッター６の上面
を押さえることができる適正位置に設けられている。ま
た、ヘッドガード３１の上端面は対向するカバー本体の
内面に係合している。

【００１６】このように構成された本考案の実施例によ
れば、通常、イジェクトボタン４を押し込んだ状態で
は、ディスクホルダー２９は上昇位置にあることから、
上キャリッジ１５が押上げられてカバー本体２６により
その上昇位置が規制されているが、ドライブ装置２にフ
ロッピーディスク３を挿着する際には、フロッピーディ
スク３の前方上面がヘッドガード３１の下端面に係合し
て、板バネの弾性に抗してこれを押上げると共に、ヘッ
ドガード３１の上端面が対向するカバー本体２６を押し
上げて上方に撓ませて上キャリッジ１５をさらに上方に
逃がし、フロッピーディスク３の先端部が上キャリッジ
１５の磁気ヘッド１２ａに衝突するのを防止してヘッド
キャリッジ１３を保護している。

【００１７】また、図２に示すように、フロッピーディ
スク３のシャッター６の後部がディスクケース７の面よ
り開いていたり、反り返っていたりした場合でも、フロ
ッピーディスク３をドライブ装置２に挿着した後は、シ
ャッター６がヘッドガード３１の下端面により押さえら
れるので、シャッター６の開閉が円滑に行われると共
に、ヘッドキャリッジ１３がフロッピーディスク３をキ
ャッチングした時に、シャッター６でキャリッジがこじ
られることもなく、ヘッドの位置決めが正常に行われ
る。

【００１８】

【考案の効果】以上詳細に説明したように、本考案によ
る磁気ヘッドの保護装置は、フロッピーディスクを案内
するヘッドガードを板バネを介してディスクホルダーに
設置したことにより、ドライブ装置にフロッピーディス
クを挿着する際に、フロッピーディスクの先端部が上キ
ャリッジの磁気ヘッドに衝突するのを防止することがで
きると共に、フロッピーディスクのシャッターが開いて
いたり、反り返っていた場合でも、フロッピーディスク
をドライブ装置に挿着した後は、シャッターがヘッドガ
ードにより押さえられるので、シャッターでキャリッジ
がこじられることもなく、ヘッドの位置決めが正常に行
われ、安定したヘッド機能を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例である磁気ヘッドの要部を示す
断面図である。

【図２】フロッピーディスクの挿着状態を示す断面図で
ある。

【図３】一般のパソコン、ワープロ等の機器本体を示す
要部の斜視図である。

【図４】図３のドライブ装置を示す平面図である。

【図５】図４の５−５線断面図である。

【図６】図５におけるフロッピーディスクの挿着状態を
示す断面図である。

【符号の説明】

２ ドライブ装置 ３ フロッピーディスク １２ａ，１２ｂ 磁気ヘッド １３ ヘッドキャリッジ １５ 上キャリッジ ２９ ディスクホルダー ３０ 板バネ ３１ ヘッドガード

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フロッピーディスクのドライブ装置に設
   けられている磁気ヘッドにおいて、上記ドライブ装置に
   フロッピーディスクの挿着を案内するよう設けられたデ
   ィスクホルダーに、板バネの一端部を固着し、この板バ
   ネの先端部に、下端面がディスクホルダー内に突出し、
   前記板バネの弾性によりドライブ装置に挿着されるフロ
   ッピーディスクの前方上面を押圧すると共に、上端面が
   対向するカバー本体に係合するヘッドガードを固着した
   ことを特徴とする磁気ヘッドの保護装置。