JP2584263B2 - シールド掘削機の前方地盤改良方法と装置 - Google Patents

シールド掘削機の前方地盤改良方法と装置

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この出願に係る発明はいずれもシールド掘削機により
トンネル掘削中におけるシールド掘削機前方の地盤を改
良するための方法とその装置に関するものである。
(従来技術) シールド掘削機によりトンネルを形成する際,密閉型
のシールド掘削機を用いる場合が多いが,この様な場合
周囲の土圧に平衡させるためにシールド掘削機の前方と
周囲の地盤との間に泥水や泥しょう,泥土または圧気を
充満させることが行われている。しかし,この様な事を
行っても湧水の多い所や断層や多い地盤さらには軟弱地
盤等においては圧力関係が乱れ,圧力コントロールミス
による地盤における地層の急激な変化による地盤の崩壊
が生じ事故が発生することがあった。
そのためシールド掘削機の前方に地盤改良材を注入し
ながら掘削を進めていく方法が開発され,実開昭61−35
997号公報として出願されている。
しかし,この装置を用いる方法では, ボーリング作業と注入管進出作業が別工程であり,
作業が複雑であるし,装置も複雑で高価なものとなる。
カッタ面(前端面)に穿設された貫通孔(3)よ
り,ボーリング機械や注入管を機外に進出させる際,貫
通孔(3)に嵌合されたキャップを取外す必要がある
が,その時土砂や泥しょう,湧水等が一瞬のうちに大量
に機内に入ったりして地盤が崩れ危険である。
有水削孔によるボーリング穴と,注入管との間に間
隙ができ管壁が密着しないので,所望の箇所に注入がで
きなかったり注入圧力が低下し深く薬液を注入できない
し,薬液が管壁沿いに流失し無駄となる。
などの欠点があった。
このため本願発明者は ボーリング作業と注入管進出作業を1度に行う。
キャップの取外しを1回にする。
注入管壁と地盤との管隙が生じないようにする。
ことを目的として特願昭61−2739905号を出願した,し
かしこれとても 1回といえどもキャップを取外さねばならず,この
際土砂や泥しょう,湧水が崩れて事故が生じることがあ
る。
キャップを取外したり,取外したりする作業が面倒
である。
という欠点があった。
(解決すべき課題) 本発明では,上記欠点を解決するために止栓としての
キャップを取外すことなく,そのままそれに注入短管を
連結し,キャップが取付けられている孔から注入管を機
外に進出させ地盤改良材を注入させるようにすることが
できるようにすることが解決すべき課題である。
(解決するための手段) 本発明では,シールド掘削機の先端面やその近くの側
壁面に注入管進出口を穿設し,そこに掘削刃付きキャッ
プを取付けておき,トンネルを掘削している途中のいつ
でも自由に前記掘削刃付きキャップに注入管を連結し,
該キャップを先端に付けたままの状態で注入管をシール
ド掘削機の前方地盤中に進出させて瞬結注入材や緩結注
入材やセメントミルク等のグラウトのうちのいずれか又
はそれらを適宜組合せた地盤改良注入材を注入して前方
地盤を改良しながらシールド掘削を行うことによって前
記課題を解決したものである。
より具体的な解決手段としては,上記のごとき構成か
らなるシールド掘削機の前方地盤改良方法と,機体前方
に注入管進出口が穿設され,そこに掘削刃付きキャップ
が外方にのみ進出可能に水密状態で取付けられているシ
ールド掘削機と注入管と注入管に地盤改良材を圧入する
圧送装置とからなるシールド掘削中の前方地盤改良装
置,前記のごときシールド掘削機そのもの,や前記掘削
刃付きキャップを開発することにより課題を解決した。
(実施例 1) 本願各発明の実施例を図を用いて説明する。第1図
は,シールド掘削機(1)により地中に断面が略円形の
横穴(8)を掘削し,そこにセグメント(6)を設置し
てトンネル(7)が形成されていく様子を示しており,
特にその途中において前方地盤(9)に注入材を注入す
るため,注入管をシールド掘削機(1)の前端面より前
方地盤(9)中に進出させる様子を示すものである。シ
ールド掘削機(1)及びそれを用いた工法は既に公知で
あるからその説明を省略し,本発明の特徴点を詳しく説
明する。
シールド掘削機(1)により公知の方法でトンネル
(6)を形成している途中,前方地盤(9)が軟弱地盤
であったり,泥水,泥しょう,湧水の多い地盤であって
このまま掘削を続けると地盤崩壊が生じる恐れがある場
合には,一たん掘削を中断し地盤改良材を注入する。注
入方法について説明するに当って先ず,本発明に係るシ
ールド掘削機の特徴点や注入管,キャップについて説明
する。
先ず本願第3発明に係るシールド掘削機(1)は公知
のシールド掘削機の有する機構を全て備えており,それ
に加えて新たに前端面(2)やそれに近い側壁面(3)
に進出口(4)が穿設されており,そこに掘削刃付きキ
ャップ(5)が水密に嵌合されている。掘削刃付きキャ
ップの嵌合手段は種々あるがこの第1実施例では第3図
に示したものについて説明する。
第3図における掘削刃付きキャップ(5)はその先端
に掘削刃(501)があり,それに続いて本体部(502),
さらに連結部(503)がある。連結部(503)にはその後
端面に工具係合部(505)があり,前記掘削刃が外方を
向くようにして進出口(4)内にねじ止めされている。
ねじ止め手段としては本体部外周に雄ねじを刻設し,そ
れに合う雌ねじを進出口(4)の内周に刻設しておく方
法がとられている。
前記工具係合部(505)は掘削刃付きキャップ(5)
を進出口(4)にねじ止めする際に工具を係合するため
のものであるがこれはなくても良いし,形成場所もここ
に特性されるものではない。
このような掘削刃付きキャップ(5)に注入短管を連
結して推進装置により回転力を与えながら前記両者を連
結したまま前方地盤(9)中に進出させるわけである
が,ここで注入短管について説明するがこの例で第7
図,第8図に示したものについて説明する。
注入短管(30)は第7図に示すごとくその外径は上記
キャップ本体部(502)の外径と同径であり,その外壁
にはグラウトホール(4)の内周壁に該設された雌ネジ
(301)と螺合する雄ネジ(32)が刻設されている。そ
して,注入短管(30)の先端面には上記キャップの連結
部(503)の雄ネジと連結する雌ネジ(37)が形成され
ているし,その反対の後端面にはスイベル又は別の注入
短管を連結すべき雄ネジ(33)が形成されている。
そしてこの後端面には導孔(34)が開口されており,
導孔(34)は,注入短管の適宜位置まで延びており,こ
れに連通して注入口(39)(39)が注入短管の周壁に放
射状に開孔されている。注入口(39)は,注入短管外周
壁に開口している噴出口(38)を有する凹室(36)に連
通しており,該凹室には注入口(39)を覆うように環状
弾性体(35)が挿入されている。この環状弾性体(35)
が挿入されている凹室のある部分は,図に示すように環
状弾性体を取付けた状態でもその外周が注入管(30)の
他の部分の外周と同じ径となるように,取付けられてお
り,こと環状弾性体を押えている凹室の深さ及び環状弾
性体(35)の大きさ及び噴出口(38)の大きさは任意で
あり適宜決定される。
注入短管が1本で良い時はこれで良いが,これでは所
望する深度にまで注入できない時には第2,第3の注入短
管を連結しなければならない。この第2,第3の注入短管
は(30′)は,第7図で示した第1の注入短管とほとん
ど同じ構造であるが,導孔(34)が先端面(第7図で上
方)を貫通している点において異っている。この様子は
第10図を見れば明らかである。
掘削刃付きキャップ(5),第1の注入短管(30)及
び第2の注入短管(30′)を連結した注入管(300)に
ついては第10図を見れば明らかなとおり,外周壁には進
出口(4)の内周壁に刻設された雌ねじと螺合する雄ね
じが全面に刻設されており,その中央に導孔(34)が先
端を閉塞されているが各注入短管(30),(30′)を連
通して穿孔されている。
次に進出口(4)を介して,掘削兼注入管(300)を
前方地盤(10)に進入させる方法及びその装置について
説明する。
第1図の左上方に点線で示したものが掘削兼注入管
(300)で,その前方地盤(9)中へ進入させ,それに
引き続いて,地盤改良材を注入している状態を示してい
る。このような状態にするためには,先ず,押圧装置を
シールド掘削機(1)内又はそれによって掘削された横
穴(8)内にセグメント(6)を組立て連設して形成さ
れたトンネル(7)内の所定位置にレール(10)を介し
て運び固定する。
この押圧装置はレール上を走るための車輪を備えてい
る基台(12)及びフレーム(13)があり,このフレーム
(13)に注入押込み装置が角度調節可能に枢支されてい
る。この押込み装置はモータ(15)とその先に注入管保
持筒(17)が延設されており,保持筒の上方の一部に,
注入短管(30)を出し入れするためのカバー体(18)が
設けられている。
このカバー体(18)は必要時に注入短管を出し入れで
きるように保持筒(17)に対して回動又は摺動できるよ
うになっている。一方、フレーム(13)にはウオームギ
ァーとラチェットホイール(19)が軸(14)に回動可能
に設けられており,このラチェットホイール(19)が先
に述べたモータ(15)及び保持筒(17)と一体的に固定
されている。ウオームギァー(19)にはハンドル(20)
が付けられており、これを回動することによりラチェッ
トホイール(19)が回動しタータ(15)や保持筒(17)
が任意の角度に回動する。モータ(15)は電動モータ又
は流体圧モータ(油圧,空圧モータ)等を用いる。モー
タの回転力を減速して注入短管(30)の外周に刻設され
た雄ねじ(32)に伝達し,これを回動させるようにする
か又は,注入短管(30)の後端に回動を与える油圧モー
タ(15)を連結して注入短管(30)及び掘削刃付きキャ
ップ(5)を回転させる。この他に注入短管に地盤改良
材を圧送するための圧入装置が備えられている。この圧
入装置の先端には注入管の末端に連結するためのスイベ
ル(S)が取付けられ,圧をかけるためのポンプ
(P),(P′)注入液や材を混合するための混合装置
(M)などが備えられているが,これら圧入装置は公知
のものであり何ら新しいところはないので説明はこの程
度に止める。
次にこれらの装置を用いて本願第1発明の工法につい
て説明する。
シールド掘削機(1)により横穴(8)を掘削してい
る途中において前方地盤(9)が悪く崩落等の危険があ
る場合には,いったん掘削を中止し,押圧装置を所定の
位置に据える。その場合レール(10)が敷設されていた
りすると便利であるが,これは必ずしも必要ではない。
押圧装置を所定の位置に据えたら,ハンドル(20)を回
動して,ホイール(19)を回動させ,それに固設されて
いるモータ(15)及び保持筒(17)をシールド掘削機
(1)の前端面(2)やその近くの側周壁(3)に突設
されている進出口(4)の角度に合せる。次に保持筒
(17)の一部に設けられているカバー体(18)を開け
て,そこから注入短管(30)を保持筒(17)内に収納す
ると共にその先端を前記進出口(4)に嵌入されている
掘削刃付きキャップ(5)の連結部(503)に連結す
る。連結が終了したらモータ(15)を駆動して,その回
転力を掘削付きキャップ(5)と注入短管(30)が連結
されたところの注入管(300)に与える。進出口(4)
内周壁には,注入管(300)の外周に刻設された雄ねじ
と螺合する雄ねじが刻設されているので回転に伴って注
入管(300)は機外さらには,前方地盤(9)中へと進
出していく。この場合,注入管(300)の前方には,掘
削刃(501)が取付けられているので,無水でもモータ
の押付力だけで十分に地中に進出することができるが,
場合によっては注入管(300)の先方から水を噴出し,
地盤を崩しながらの有水削孔でもよい。注入管(300)
の前方地盤への進出程度が浅い場合には,さらに注入短
管(30′)をその軸方向にいくつか連結し,先に述べた
方法により注入管(300)を長くして(第10図参照)よ
り深く前記地盤(9)に進出させる。所望の深度に達し
たら,ただちに地盤改良材を注入しても良いが,進出さ
れたそのままの状態でおき,別の進出口から先と同様の
方法で,注入管(300)を前方地盤の各方向へ進出させ
た後,その後端部にそれぞれスイベル(S)を連結し
て,いっせいに地盤改良材を注入することもできる。こ
の改良材の注入方法は従来の方法と同様であり,1ショッ
ト,1,5ショット,2ショット等いろいろの周知の方法が採
用できる。
地盤改良材の注入は注入管(300)が所望深度に達し
た後そのままの状態で1回行ってもよいが,注入管(30
0)を後退させながら連続して,又は適当なところで一
時的に停止させて数回行っても良い。注入管(300)の
後退はモータ(15)を逆転させることによって又は減速
装置の歯車の組合せを変えることによって注入管(50
0)を逆転回させることにより可能となる。その際1本
の注入短管(30′)が保持筒(17)に完全に収納された
ら,その先に連接されている別の注入短管(30)との連
結を解き保持筒(17)より取り除きの注入短管(30)を
保持筒(17)内に後退させるようにして順次注入短管
(30)をはずしていき,最後に掘削刃付きキャップ
(5)が再び進出口(4)内に螺合されるようにして注
入作業を終了する。
注入作業が終了したら再びシールド掘削機(1)によ
り掘削を再開し,次に劣悪な地盤にそうぐうしたら再び
前述のごとき注入作業を行う。このようにして地盤崩壊
による事故を未然に防ぎつつ安全に強固なトンネルが形
成される。
さらに,必要に応じてセグメントにも進出口(4′)
を形成しておきそこに前端面に取付けたのと類似の掘削
刃付きキャップ(5)を取付けておき,先と同様な方
法で注入短管をそれに連結して注入管となし,注入管の
末端にスイベル(S)を連設して,地盤改良材や裏込め
材を注入することもでき,こうすることにより,トンネ
ル形成による地盤崩壊のない安定した強固なトンネルを
形成することができる。
(実施例 2) 第1図,第4図,第6図,第9図,第11図,第12図を
用いて本願第1〜第3発明の別の実施例を説明する。
この例において用いられる掘削刃付きキャップ
(5′)は第4図に示すようにその先端に掘削刃(50
1′)を有しそれに続いて本体部(502′),さらに連結
部(503′)さらにはその端面に工具係合部(505′)を
有している点で実施例1のものと基本的に類似している
が,本体部の外周に雄ねじはなく平滑である。しかしど
こかにストッパー係合部(506′)が形成されている。
一方,シールド掘削機(1)の前端面(2)やその近く
の側周壁(3)には進出口(4′)が形成されており,
その内周はおおむね平滑で内周の一部に溝がありそこに
パッキン(101)が収納されている。
一方,掘削刃付きキャップ(5′)に連結すべき注入
短管(50)は第9図に示すようにその外周は平滑であ
り,先端に連結のための凹部が形成され後端には別の注
入短管又はスイベルを連結すべき雌ねじ部(62)が形成
されている。前記凹部の内周には掘削刃付きキャップ
(5′)の連結部(503′)に刻設されている雄ねじに
螺合する雌ねじ(57)が刻設されており,前記後端部に
は次の注入短管(50)又はスイベルを連結すべき雌ねじ
が刻設されている。
この例の注入短管(50)は二重管と呼ばれる型の注入
管(500)を作るもので,管内には2種類の地盤改良薬
液や改良材,水等を同時に送れるように2つの独立した
通路が設けられている。したがって注入短管(50)の外
管(51)には大径部(62)と中径部(63)さらに小径部
(64)とからなる連続した空胴(54)内に内管(61)が
先端を小径部(64)につながる形で設けられている。具
体的には内管(61)の先端で(図で上方)は第7図から
明らかなように小径部(64)と中径部(63)部のねじ固
定されている。そして小径部の先端(第7図の上方)は
閉塞されているので,内管(61)と小径部(64)とによ
って先端が閉塞されている1つの通路即ちB液導孔
(b)が形成され,内管(61)の外周壁と大径部(62)
及び中径部(63)内壁によって区切られる空間によって
A液導孔(a)が形成される。このA液導孔(a)に連
通してA液注入口(60)及びB液導孔(b)に連通して
B液注入口(59)とがそれぞれ管外に通じるように開孔
されている。これらA液注入口(60)とB液注入口(5
9)は共に凹室(56)に連通しており,そこで2液は混
合され噴出口(58)を経て管外に噴出してゆくことにな
る。この凹室(56)には管外の土砂,泥土,泥しょう等
が管内に入り込むことを防止するための逆止弁的役割を
果すゴム状弾性体(55)が介挿されている。
以上の注入短管(50)は掘削刃付きキャップ(5′)
取付けるべき第1の注入短管(50)ともいうべきもので
あるが,これだけでは注入管として短く所望の深度にま
で注入ができない場合には,二重管構造の第2,第3…の
注入短管(50′)をつぎ足す必要がある。この第2,第3
とも言うべき注入短管(50′)は第10図の2番目に連結
された注入短管(50′)を見れば解かるとおり,第1番
目の注入短管(50)と同径の外管(51′)と内管(6
1′)が同心状に設けられており,先端に先の注入短管
とねじ結合すべき雄ねじ(57′)が,後端には次の注入
短管又はスイベル(S)を連結するための雌ねじが刻設
されている。
したがって長い注入管を得るには第11図のように掘削
刃付きキャップ(5′)に先ず第1注入管(50)を連結
し,その後第2注入管(50′)及びそれと同型の第3,第
4の注入短管(50″)を連設することになる。
このように連結された注入管(500)は第11図に示す
ごときものとなり前方地盤(10)中に進入されることに
なるが、この注入管(500)の進入方法やそれを実施す
るための装置は基本的には第1実施例と同様であるが,
異なっている点を中心に説明する。
まず,掘削刃付きキャップ(5′)(第4図参照)の
後端に第1実施例と同様な方法で第9図に示す第1注入
短管(50)を連結し,ストッパ(506′)を取外して直
線運動型油圧モータにより外方に押出す。注入短管1本
分押出したところでストッパを挿入してその位置を保持
しておき第2の注入短管を保持筒(17)内に入れ,カバ
ー(18)を閉じて再び油圧モータ(15)により直線的に
外方へ押出す。これを繰り返えすことにより注入管(50
0)を所望深度前方地盤(9)中に進出させ第1実施例
と同様な方法により注入作業を行うことができる。
(実施例 3) 第12図に示す掘削刃付きキャップ(5″)及び注入短
管として第9図のごときものを用いた例について説明す
る。
この例も基本的には第1実施例と同じであり,それと
異なる点を中心に説明する。
まず進出口(4)に嵌入されている掘削刃付きキャッ
プ(5″)は第12図に示すごときものでありその先端に
掘削刃(501″)が形成されており,それに連設して本
体部(502″)がある。この本体部(502″)の前方外周
には,グラウトホール内周壁に刻設された雌ねじと螺合
する雄ねじ(504″)が刻設されており,後方外周は,
それより小径で平滑になっている。本体部(502″)に
連設して連結部(503″)があり,その外周壁には雄ね
じが刻設されており,さらにその後方には工具係合部
(505″)が形成されている。平滑部と進出口の間に
は,パッキン(100)が介挿されており,パッキン押え
(110)によって飛び出さないように押えられている。
注入管を前方地盤(9)中に進出させるには上記のご
とき掘削刃付きキャップ(5″)の連結部(503″)に
第9図で示すごとき注入短管(50)を連結する。これだ
けでは注入管として短い場合には第11図に示すように第
2短管ともいうべき注入短管(50′)をいくつか継ぎ足
す。この第2注入短管(50′)は第1注入短管(50)と
ほぼ同じ構造であるが,小径部(64)の先端が先端面
(第9図の上面)を貫通して外部に開口している点のみ
が異る。このようにして連結した注入管(500)は第11
図のごとくなるが具体的な連結の方法は第1実施例と同
様であり,連結が終了したらモータ(15)により初め注
入短管(50)に回転力を与えながら前進させる。掘削刃
付きキャップ(5″)が進出口(4)からはずれて機外
に出れば注入短管(50)には必ずしも回転力を与える必
要はなく,直線運動を与えるだけでも注入管(500)は
地中に進出させられる。
注入短管(50)1本進出させたらストッパーを用いて
注入管(500)の機内への逆進出を防ぎつつ次の第2の
注入短管(50′)を連結し,ストッパーを外してモータ
により再び注入管(500)を前方地盤中に進出させてい
く。
注入管(500)を第1図の点線で示すように進出させ
ることができたらその後端にスイベル(S)を取付け地
盤改良材や薬液を注入するが,この方法は第2実施例で
述べたものと同様であるから説明を省略する。
(その他の実施例) 以上3つの実施例について説明したが,第1の実施例
においても2重管や3重管等の多重管を用いることがで
きることは当然であり,その場合には第9図に示したご
とき2重管(その他の多重管も含む)の外周面に第7図
で示すごときねじを刻設しておけば良い。
また第2,第3の実施例においても1重管を用いられる
ことは当然であり,その場合には1重管の外周面を平滑
にする。
さらに注入管としてはこれら図示したものの他に種々
の公知のものが利用できるものであり,公知の注入管を
トンネル内で作業しやすい長さに分割してそれを連結す
るようにして利用することもできる。本発明の注入管と
して利用できる公知の注入管としては特開昭61−24721
号公報に示されたものなどがある。また注入管の地盤中
への進出については,実施例のごとき押圧装置を用いる
ことなく工具等を用いて人力により行うこともできる
し,種々の変型した装置が用いられる。
(効 果) 本願第1発明の前方地盤改良方法によれば必要な時に
掘削を中止しシールド掘削機の前端面やその近傍の側壁
面に穿設された進出口から注入管を前方地盤中に進出さ
せ直ちに地盤改良材や薬液を注入できるので土圧関係の
乱れや,圧力コントロールミスによる地盤の崩落による
事故を未然に防げ完全で効率良く工事が遂行できること
の外に,特にこの発明では進出口に嵌合されている掘削
刃付きキャップがそのまま注入短管を連結して注入管の
先端として前方地盤中に進出していくため キャップを1たんはずして注入管を進出口に差込ん
で注入管を前方地盤に進出させるものに比べキャップを
はずした瞬間に土砂や泥水,泥しょう,湧水等が機内に
入って来てくることがなく,地盤の崩壊を防ぐことがで
きる。
キャップをそのまま注入管の掘削刃として使えるの
で便利であり作業効率が良い。
キャップの先端に掘削刃がありそのまま注入管の先
端の掘削刃として無水で地盤中に進出して行けるので掘
削作業を別に行う必要がなく掘削作業と注入管設置が同
時に行えるので効率的であると共に注入管と地盤とが密
着しているので改良材や改良薬液を高圧で遠くまで注入
できる。
セグメントにも掘削刃付きキャップが付いているの
で,セグメントの外周にできた隙間に対しても同様な方
法で裏込めが可能となり,より安定した地盤とすること
ができる。
本願第2発明の装置によれば 種々の方向に穿設されている進出口に対し,単にハ
ンドルを回して角度変更するだけで1つの装置で数個の
進出口からの注入管進出が可能となる。
掘削と注入管のセットが同時に行える。
短い注入短管を継ぐことにより長い注入管が得られ
所望深度への注入が可能となる。
任意の注入管が選択できるので,1ショット1.5ショ
ット2ショットによる注入が可能となる。
本願第3発明のシールド掘削機によれば トンネル掘削の途中任意位置において地盤改良材や
薬液の注入が行えるので安全な作業ができる。
注入作業中及び注入管の出退時においても一切水や
土砂等が機内に入らない。
本願第4発明に係る掘削刃付きキャップによれば 先端に掘削刃があるので,そのまま掘削兼注入管の
一部として利用できるので進出口を一時たりとも開っぱ
なしにすることなく注入管の出退が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は,シールド掘削機によるトンネル形成途中にお
ける前方地盤改良のための注入管進出の様子を示すもの
である。 第2図は,シールド掘削機の前端面に穿設されている進
出口の状態を示すもので,シールド掘削機の前方から見
た様子を模型的に示したものである。 第3図は,シールド掘削機の前端面の一部と側壁面の一
部に形成されている進出口とそこに嵌合されている掘削
刃付きキャップを示すものである。 第4図は,シールド掘削機の前端面の一部を示し進出口
に嵌入された掘削刃付きキャップを示す。 第5図は,第3図のI−I断面を示す図である。 第6図は,第4図のII−II断面を示す図である。 第7図及び第9図は,注入短管を示すもので第7図は1
重管,第9図は2重管である。 第8図は第7図におけるIII−III断面を示す図である。 第10図及び第11図は,掘削刃付きキャップに注入短管を
連結した注入管を示すもので,第10図のものは1重管,
第11図のものは2重管を示す。 第12図は,別の型の掘削刃付きキャップの例を示すもの
で,それがシールド掘削機の前端面に穿設された進出口
に嵌入されている様子を示す。 1……シールド掘削機、2……前端面 3……側端面、4……進出口 5……掘削刃付きキャップ、9……前方地盤 15……モータ、17……保持筒 30……注入短管、34……導孔 38……噴出口、39……注入口 50……注入短管、61……内管 54……空胴、59……B液注入口 60……A液注入口、58……噴出口 300,500……注入管

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シールド掘削機の先端面やその近くの側壁
    面に注入管進出口を穿設し,そこに掘削刃付きキャップ
    を取付けておき,トンネル掘削途中や終了時に,掘削刃
    付きキャップに注入管を連結し,該キャップを先端に付
    けた状態で注入管をシールド掘削機の前方地盤中に進出
    させて地盤改良材を注入するようにしたシールド掘削機
    の前方地盤改良方法。
  2. 【請求項2】注入管を複数本長さ方向に継ぎ足しながら
    前方地盤中に進出させるようにした特許請求の範囲第1
    項記載のシールド掘削機の前方地盤改良方法。
  3. 【請求項3】掘削刃付きキャップを先端に付けた注入管
    を前方地盤中に進出させる際,無水で行うようにした特
    許請求の範囲第1項又は第2項目に記載のシールド掘削
    機の前方地盤改良方法。
  4. 【請求項4】掘削刃付きキャップを先端に付けた注入管
    を前方地盤中に進出させる際,有水で行うようにした特
    許請求の範囲第1項又は第2項目に記載のシールド掘削
    機の前方地盤改良方法。
  5. 【請求項5】シールド掘削機の前方地盤への改良材や改
    良薬液の注入に加えて,セグメント(6)に穿設された
    進出口(4′)にも掘削刃付きキャップ(5)を嵌入
    しておきこれに注入短管(30),(50)を連結し,該掘
    削刃付きキャップ(5)先端に付けたまま注入短管を
    順次セグメント外に進出させ,その後端に裏込め材や改
    良薬液を注入管へ圧送するための圧入装置を取付けてセ
    グメントと周辺地盤との間隙や周辺地盤中へ,裏込め材
    や地盤の改良材,改良薬剤を注入するようにした特許請
    求の範囲第1項ないし第4項のいずれかに記載の前方地
    盤改良方法。
  6. 【請求項6】先端や先端面近くの側壁に注入管進出口
    (4)が穿設されており,該進出口(4)に掘削刃付き
    キャップ(5)が外方へのみ進出可能に取付けられてい
    るシールド掘削機(1)と,注入管(300),(500)
    と,該注入管に地盤改良材を圧入する圧送装置とからな
    るシールド掘削中の前方地盤改良装置。
  7. 【請求項7】先端面や先端面近くの側壁に注入管進出口
    が穿設されており,該進出口(4)に掘削刃付きキャッ
    プ(5)が外方へのみ進出可能に水密状態で取付けられ
    ているシールド掘削機(1)と,注入管(300),(50
    0)と,該注入管を進出口(4)を介してシールド掘削
    機の前方地盤へ進出させるための押出機と,前記注入管
    へ地盤改良材を圧する圧送装置とからなるシールド掘削
    機の前方地盤改良装置。
  8. 【請求項8】先端面や先端面近くの側壁に注入管進出口
    (4)が穿設されており,該進出口(4)に掘削刃付き
    キャップ(5)が外方へのみ進出可能に水密状態で取付
    けられているシールド掘削機。
  9. 【請求項9】先方に掘削刃(501)があり,本体部の外
    周全体又は一部に注入管進出口(4)の内周壁に形成さ
    れた雌ネジと螺合する雄ネジが刻設されている掘削刃付
    きキャップ。
  10. 【請求項10】先方に掘削刃(501)があり,それに連
    設されている本体部にシールド掘削機の内方には行かな
    いが外方には自由に進出出来るような止部が形成されて
    いる掘削刃付きキャップ。
  11. 【請求項11】掘削刃付きキャップの中心部を貫通して
    導水孔が穿設されており,その途中に先端部からの流入
    に対しては阻止するが後端部からの流出は許す逆止弁が
    設けられている有水によっても注入管の地中進出が可能
    な特許請求の範囲第9項又は第10項記載の掘削刃付きキ
    ャップ。
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