JP2581949B2 - 耐熱性フィルム並びにその製造方法 - Google Patents

耐熱性フィルム並びにその製造方法

Info

Publication number
JP2581949B2
JP2581949B2 JP63057209A JP5720988A JP2581949B2 JP 2581949 B2 JP2581949 B2 JP 2581949B2 JP 63057209 A JP63057209 A JP 63057209A JP 5720988 A JP5720988 A JP 5720988A JP 2581949 B2 JP2581949 B2 JP 2581949B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
film
base material
resistant
heat resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63057209A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01229625A (ja
Inventor
浩介 飯田
博司 大和
洋二 角野
武治 栗田
幸一 山口
賢一 中木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takiron Co Ltd
Original Assignee
Takiron Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takiron Co Ltd filed Critical Takiron Co Ltd
Priority to JP63057209A priority Critical patent/JP2581949B2/ja
Publication of JPH01229625A publication Critical patent/JPH01229625A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2581949B2 publication Critical patent/JP2581949B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06NWALL, FLOOR, OR LIKE COVERING MATERIALS, e.g. LINOLEUM, OILCLOTH, ARTIFICIAL LEATHER, ROOFING FELT, CONSISTING OF A FIBROUS WEB COATED WITH A LAYER OF MACROMOLECULAR MATERIAL; FLEXIBLE SHEET MATERIAL NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06N7/00Flexible sheet materials not otherwise provided for, e.g. textile threads, filaments, yarns or tow, glued on macromolecular material
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0346Organic insulating material consisting of one material containing N
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0366Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、合成樹脂繊維不織布よりなる基材に樹脂を
焼き付けることにより形成された耐熱性フィルム並びに
その製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、合成樹脂繊維よりなる不織布は新規製造方式の
開発と相まって品種も多様化し、その用途は医療用、衣
料・衛生用、工業材料、電気材料等の多岐に亘ってお
り、その範囲はますます拡がっている。
現存する不織布の中でポリエステル樹脂繊維不織布
は、安価で、しかもそれに具備された柔軟性・可撓性の
ためにデザインの自由度が高く、しかもある程度の絶縁
性を有しているけれども、引張強度が弱く、熱変形温度
が約100℃と低いためにその用途が大幅に制限され、高
温度に曝される電気材料、例えば半田付け温度である25
0〜260℃の高温度に曝される電気絶縁材料や可撓性プリ
ント配線基板(FPC)としての用途には不向きであっ
た。
一方、上記半田付け温度に対する耐熱性を具備するも
のとしてポリイミド(PI)等のようなエンジニアリング
プラスチックよりなるフィルムがあったが、樹脂自体が
高価であることに加えて、フィルム加工に高度な加工技
術が必要であるために一層高価なものとなり、汎用的に
使用されるまでに至っていない。
そこで、近年では、基材自体に安価な熱可塑性樹脂を
用いているにもかかわらず、基材自体よりなる無処理フ
ィルムよりも優れた耐熱性を具備するフィルムについて
種々の研究がなされ、現実にそのようなフィルムも種々
提案されている。
安価で入手が容易な熱可塑性樹脂の代表であるポリ塩
化ビニル樹脂(PVC)に難燃剤や耐熱向上剤等の添加剤
を混和した組成物を基材とするフィルムもその一つであ
る。ところが、添加剤を混和して基材の耐熱性を改善す
る方法では、目標とする耐熱特性を得るために種々の添
加物を混和して調整しなければならないことが多く、添
加物の混和に伴って物性値などが大きく変化してしまう
という難点が指摘されていた。
他方、熱可塑性樹脂よりなる基材にコーティング層を
形成することによって、基材よりも優れた耐熱性を持つ
フィルムを得ることも考えられる。このようなフィルム
によると、基材自体が持つ透明度などの物性が余り損な
われず、コーティング層によって基材自体では得られな
い耐熱性を得られる可能性がある。
従来、このようなフィルムを得るための一般的な手法
として、熱可塑性樹脂よりなる基材に収縮やしわを生じ
るおそれがない低温条件(基材の熱変形温度よりも低温
の条件)下でコーティング層を焼き付けるという手段が
考えられていた。しかし、コーティング層を有するフィ
ルムの耐熱性はコーティング層の焼付温度と相関し、そ
のような低温で焼き付けると、耐熱性の改善度合が比較
的小さいものにしかならないと想定された。また、ガラ
ス繊維等の無機質耐熱性繊維に上記エンジニアリングプ
ラスチックのような高耐熱性樹脂を含浸し、それを既存
フィルムにラミネートした耐熱性フィルムが存在する
が、このものは厚みが厚く、柔軟性に欠けることが多い
ため、特に厚みが薄く柔軟性の要求されるような上記FP
C等の用途に用いる耐熱性フィルムとしては満足できる
ものではなかった。そのため、従来のフィルムは、幾分
かは耐熱性が改善される可能性はあり得るが、いずれに
しても耐熱性フィルムとしては未だ十分なものであると
はいい難いものであった。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のように、従来は、ポリエステル樹脂繊維不織布
のような柔軟性に富む熱可塑性樹脂を基材としたフィル
ムは耐熱性に欠ける反面、PI等のエンジニアリングプラ
スチックを基材とした耐熱性に優れるフィルムは高価で
汎用性に欠け、ポリ塩化ビニル樹脂のような安価で柔軟
な熱可塑性樹脂に添加剤を混和して耐熱性を向上させよ
うとすると物性などが損なわれるという問題があったほ
か、従来想定された耐熱性フィルムは十分に満足のいく
ものではないという問題があった。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたもので、ポリエ
ステル樹脂繊維不織布を基材とし、この基材をPI等の高
耐熱性樹脂と組み合わせ、ポリエステル樹脂繊維不織布
の構造的性状と高耐熱性樹脂の優れた耐熱性とによって
奏される相乗作用によって、FPC等に実使用可能な引張
強度と耐熱性とを具備し、しかも高耐熱性樹脂の使用量
を減らすことによって価格の低減化を図ることが可能な
耐熱性フィルム、並びにその製造方法を提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の耐熱性フィルム
は、ポリエステル樹脂繊維不織布よりなる基材にイミド
基を有する高耐熱性樹脂溶液を含浸させて担持させ、20
0〜300℃で焼き付けられて200〜275℃の耐熱性を有する
ものである。
また、本発明の耐熱性フィルムの製造方法は、ポリエ
ステル樹脂繊維不織布よりなる基材にイミド基を有する
高耐熱性樹脂溶液を含浸させて担持させ、積極的に引張
力を付与することなく弛みを生じない状態で平坦に保形
して200〜300℃で焼き付けるものである。
上記高耐熱性樹脂としては、例えばPIのほかに、ポリ
パラバン酸樹脂(PPA)、ポリアミドイミド樹脂(PA
I)、ポリヒダントイン樹脂(PH)等のイミド基を有す
るものが挙げられる。勿論、これらのみに限定されるも
のでない。
〔実施例〕
第1図は耐熱性フィルムの断面図で、100は基材、200
は基材100に担持され、かつ200〜300℃で焼き付けられ
た高耐熱性樹脂層を示している。
上記基材100はポリエステル樹脂繊維不織布よりな
る。ポリエステル樹脂繊維不織布自体は、他の一般的な
不織布と同様に引張強度がそれほど大きくないけれど
も、内部空隙率が大きいという際立った構造的性状を有
している。基材100の厚みは、作業性の点から20〜300μ
程度であることが望ましい。厚みが20μより薄いと強度
が極端に小さくなって取扱性に欠け、厚みが300μより
厚いと柔軟性が損なわれてデザインの自由度が不足する
心配がある。厚みをこの範囲に制限することは耐熱性フ
ィルムをFPCに用いる場合に特に有意義であるが、耐熱
性だけを追求する場合には厚みを上記範囲に限定する必
要はなく、さらに厚いものであってもよい。
高耐熱性樹脂層200にはPI、PAI、PPA、PHから選ばれ
る一種又は二種以上のイミド基を有する熱可塑性樹脂が
好適に用いられる。高耐熱性樹脂層200を形成するため
の熱可塑性樹脂はワニス状の溶液であることを要し、ポ
リエステル樹脂繊維の熱変形温度よりも高温の200〜300
℃で焼き付けすることが必要である。上述した各熱可塑
性樹脂の具体的な使用形態としては、PI、PAI、PPA、PH
をそれぞれ単独で用いる場合と、PI、PAI、PPA、PHの二
種以上を組み合わせて用いる場合とがある。
PPAとしては例えば東亜燃料工業(株)製,商品名XT
−1,XT−4がある。このものは一般式 を基本単位とする単独重合体又は共重合体である。上記
Arとしては、 等がある。上掲のPPAはN,N−ジメチルホルムアミド(DM
F:bp 153℃),N−メチルピロリドン(NMP)等を主溶剤
とし、希釈溶剤としてアセトン、MEK、MIBK等のケトン
系溶剤を用いてワニス状の溶液に調製して使用する。PP
AはPIに次ぐ耐熱性を持ち、本発明の耐熱性フィルムの
高耐熱性樹脂層を形成するための熱可塑性樹脂として好
適に使用できるものである。
PIとしては例えばカネボーエヌエスシー(株)製,商
品名サーミッド(IP-600)を好適に使用できる。このPI
は末端にアセチレン基を持つポリイソイミドオリゴマー
であり、次の構造式で表される。
このものの溶剤にはDMF、NMP等を主溶剤とし、希釈剤
としてアセトン、MEK、MIBK等のケトン系溶剤を使用す
る。またPIとしてビスマレイミド・トリアジン樹脂のよ
うな熱硬化性ポリイミド樹脂(三菱瓦斯化学(株),BT
レジン BT-2170)を使用できる。
PAIとしては例えば次の構造式で表されるバイエル社
製,商品面レジスサーム(AI 133L)を使用できる。
このものの溶剤にはNMP、DMAC(ジメチルアセトアミ
ド)等を主溶剤として、希釈剤としてアセトン、MEK、M
IBK等のケトン系溶剤を使用する。
PHとしては例えば次の構造式で表される住友バイエル
ウレタン(株)製,商品名レジスサーム(PH 20)を使
用できる。
このものの溶剤にはクレゾール、フェノール等を主溶
剤とし、希釈剤としてアセトン、MEK、MIBK等のケトン
系溶剤を使用する。
高耐熱性樹脂層200はイミド基を有する高耐熱性樹脂
に難燃剤やその他の機能性を向上させ得る添加剤を混和
したワニス状の溶液を基材100に含浸して担持させ、200
〜300℃で焼き付けることにより形成されるが、焼付温
度が高すぎると基材100からのブリードや他の物性値の
低下を伴うだけでなく、大きな収縮やしわ等の不都合を
生じやすく、フィルムとしての性能が損なわれる。フィ
ルムとしての性能を維持し得る焼付温度は300℃以下で
ある。焼付温度が200℃より低いと、得られるフィルム
の耐熱性が200℃以下となり、また十分な密着性などが
得られない。焼付後の薄膜の厚みはドライで2〜10μで
あることが望ましく、その程度の厚みであれば200℃以
上の耐熱性が得られる。
焼付時間は0.5〜5分程度にしておくことが望まし
い。ここで、注意を要することは、焼き付けは温度条件
を上記範囲に設定することのみでなく、基材100に弛み
を生じさせることなく平坦に保形した状態に維持して行
うことである。ところで加熱処理時に基材100に積極的
に引張力を付与して弛みを防止すると、基材100が強制
的に引き伸ばされてその形状保持が困難になる。そこ
で、本発明方法において、加熱処理時に基材100に積極
的に引張力を付与することなく弛みを生じないようにそ
の基材100を平坦に保形している。しかし、結果的に基
材100に引張力が付与されることもあり得るが、この場
合は本発明方法の範囲内であると言える。このように保
形して焼き付けを行うと、基材100に担持された高耐熱
性樹脂層200の耐熱性、形状維持性と相まって基材100が
その熱変形温度よりも高い温度で加熱されるにもかかわ
らず基材100が変形せず、フィルム表面に高度な平滑性
が付与される。フィルム表面の平滑性を高めるために
は、ドラムやローラを用いて上下からフィルムを押圧し
てもよい。
第2図は本発明の耐熱性フィルムの製造方法を実施す
るための製造工程のフローシートであり、1は基材の繰
出機、2は高耐熱性樹脂溶液のディッピングコータ、3
は乾燥炉、4は焼付炉、5はトリミング装置、6は巻取
機である。
繰出機1から繰り出された基材100はディッピングコ
ータ2を通過する間に高耐熱性樹脂溶液が含浸され、そ
の高耐熱性樹脂が乾燥炉3を通る間に乾燥される。その
後、上記基材100が平坦に保形された状態で焼付炉4を
通過する間に上記高耐熱性樹脂が所定温度で焼き付けら
れ、高耐熱性樹脂層200(第1図参照)を形成する。こ
うして得られたフィルムはトリミング加工された後、巻
取機6に巻き取られる。
上記において、ディッピングコータ2に入る前の基材
100にプライマー処理やコロナ放電処理を施してその表
面活性を高めると共に、基材100の静電気除去処理やご
み除去処理を行うことは、高耐熱性樹脂層の密着性を高
める上で有益である。
また、ディッピングコータ2の通過処理過程は基材10
0の高耐熱性樹脂含浸状態に応じて、何回もくり返され
る。更に、ディッピングコータ2の構造は、実施例のも
のに限定されるものでないのは当然である。
上記保形状態を維持する装置の一例を第3図及び第4
図に示してある。この装置は、第4図に示すクリップ機
構10を無端状に多数連結してなる左右一対の無端回動体
11,11を、その一端部同士又は他端部同士が個別に接近
離反できる状態として基台に取り付けてなる。第4図に
示すように、上記クリップ機構10は、支持台13に具備さ
れたブラケット14に、先端の爪15が上記支持台13に対し
て基材100を挾み込む位置と支持台13から離れた位置と
の間で変位可能となるようにアーム16を取り付け、この
アーム16とブラケット14との間に、上記爪15を上記挾み
込み位置側へ常時付勢するばね17を介装してなり、無端
回動体11の巻掛ローラに設けられた制御用回転板18の外
周部に上記アーム16の上端部19を対応させている。
以上の構成において、無端回動体11を図中矢印方向に
回転駆動させると、無端回動体11の転向部分ではクリッ
プ機構10のアーム16が制御用回転板18により第4図の仮
想線の位置へ揺動されて爪15が支持台13から離され、そ
の他の部分ではアーム16が同図実線の位置へ復帰して爪
15が支持台13に対応する。従って、高耐熱性樹脂が含浸
されている基材100を一対の無端回動体11,11の間へ送り
込むと、その基材100の両端部が上記装置の入口部分で
クリップ機構10により第4図実線のように支持された
後、そのままの状態で同装置の出口部分に達し、この出
口部分でその保持が解除される。ここで、基材100が加
熱により伸張する場合には、一対の無端回動体11,11の
間隔を出口側に近付くほど漸次広くなるようにし、加熱
により収縮する場合には、上記間隔を出口側に近付くほ
ど漸次狭くなるようにしておけば、焼付炉4を通過中、
基材100に弛みを生じることがないので基材100がその熱
変形温度よりも高温度に加熱されても変形(穴,しわな
ど)することがなく、基材100が平坦に保形された状態
に維持され、表面平滑性が損なわれない。なお、第3図
には基材が加熱により収縮する場合の無端回動体11,11
の配置状態を仮想線で例示してある。
叙述のように基材を平坦に保形して基材に含浸した高
耐熱性樹脂を焼き付けると、基材の収縮やしわ等が発生
せず、フィルムとしての性能が損なわれない。特に、こ
の発明では、焼付温度が基材の熱変形温度よりも高温で
あるので、基材を平坦に保形することには大きな意味が
ある。
次に実験例を説明する。
〔実験例〕
第1表に本発明により製造したフィルム(以下、発明
品という。)の基材の厚み、高耐熱性樹脂層の種類や厚
み等を示し、第2表に比較品であるポリエステル樹脂繊
維不織布と高耐熱性樹脂よりなる無処理フィルムの諸特
性を示し、第3〜4表に発明品1〜2の諸特性を示し
た。なお、実験例のポリエステル樹脂繊維不織布の目付
けは40g/m2である。これに目付けが限定されることはな
いことは勿論であ。
第2〜4表より、発明品の耐熱性は200〜275℃とな
り、安価なポリエステル樹脂繊維不織布を基材としてい
ながら、高耐熱性樹脂よりなる無処理フィルムに比べて
遜色のないものとなり、その耐熱性が上記無処理フィル
ムに近づいていることが判る。また、発明品の耐熱性
は、本発明の焼付温度条件の下限である200℃で焼き付
けられたものであっても200℃の耐熱性を有しており、
ポリエステル樹脂繊維不織布の耐熱性温度(180℃)に
比べて20℃程度も向上している。これらのことから発明
品は基材であるポリエステル樹脂繊維不織布に対して耐
熱性のグレードアップが達成されていることが明らかで
ある。さらに、発明品の引張強さは高耐熱性樹脂よりな
る無処理フィルムと遜色なく、基材であるポリエステル
樹脂繊維不織布の引張強さに比べて改善されている。従
って、これらの発明品の用途範囲はポリエステル樹脂繊
維不織布の用途に比べて大幅に拡大される。また、加熱
収縮率は基材自身のそれによって非常に優れたものとな
るのであって、エンジニアプラスチックと同程度であ
る。このことと、上述した耐熱性のグレードアップ傾向
とが相まって発明品(例えば焼付温度300℃で処理した
発明品)は冒頭で説明したエンジニアリングプラスチッ
クを基材とするフィルムの代用に用いることができる。
また、発明品は焼付温度が高いほど耐熱性が良く、基
材と高耐熱性樹脂層のとの密着性、耐溶剤性、耐アルカ
リ性なども概ね良好であり、吸水率は非常に小さい。
なお、発明品において、基材に含浸される高耐熱性樹
脂として、PI、PAI、PHを用いた場合でも、前記PPAとほ
ぼ同様の物性特性が得られ、この結果、同様の効果を得
ることができる。
ところで、熱可塑性樹脂を基材とするフィルムの可撓
性を活用することによって、FPCやコンデンサ、耐熱導
電フィルム、ICキャリアテープなどのエレクトロニクス
分野や、航空機・自動車の内装材や、原子力関連分野な
どに用いる試みがなされているが、それらに上記フィル
ムを用いる場合には、その加工条件や使用条件に応じた
耐熱性が要求される。例えばFPCのベースフィルムとし
て用いる場合は、半田時に高温にさらされるため、半田
温度である250〜260℃程度の耐熱性が要求される。この
要求に応え得るものとして、上表より、270℃以上で焼
付処理した発明品1〜2を使用できることが明らかであ
り、これらを使用すると、その可撓性を活用して曲面部
分へのFPCの配備などが可能になる利点がある。
次に、各項目の試験方法などを説明する。
密着性: 高耐熱性樹脂にレザー刃で格子状に切目を付け、24mm
幅のセロファンテープを貼り合わせ、急激にセロファン
テープを剥離したときの塗膜の剥離の有無を目視観察す
る。○は剥離が殆どなかったものを表している。発明品
はすべて剥離していない。
耐溶剤性: JIS C−6481 5.13に準じ、アセトン、MEK、トルエン
及びトリクレンの各々に室温下で5分間浸漬する。○は
剥離や溶解が殆どない状態、×は塗膜の剥離や溶解が認
められ、布でこすると脱離する状態を表している。発明
品は十分な耐溶剤性を有し、このことからエッチング処
理などにも十分耐え得るものであることが判る。
耐熱性: 銅箔を貼り合わせたフィルムを5cm×5cmにカットし、
表中に表示した各温度のオイル浴あるいは半田浴の中に
10秒間浸漬する。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の耐熱性フィルムは、20
0〜275℃の耐熱性を示し、しかも、優れた引張強度や柔
軟性を有する薄肉のものを得られ、かつ、耐溶剤性、耐
収縮性等に優れるため、特に過酷な温度条件やエッチン
グ条件の製造過程や使用条件におかれるFPCとしての用
途に適するばかりでなく、絶縁用フィルム、耐熱導電フ
ィルムやその他種々の用途にも汎用できるものである。
また、本発明の耐熱性フィルムの製造方法は、焼付温
度が基材の熱変形温度よりも高いにもかかわらず基材に
積極的に引張力を付与することなく弛みを生じさせずに
平坦に保形して製造するので、得られた耐熱性フィルム
にしわ等が生じない利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の耐熱性フィルムの拡大断面図、第2図
は本発明の耐熱性フィルムの製造工程を示すフローシー
ト、第3図は基材を保形した状態に維持するための装置
の概略平面図、第4図はクリップ機構の概略一部切欠側
面図である。 100……基材、200……高耐熱性樹脂層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 幸一 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 タキロン株式会社内 (72)発明者 中木村 賢一 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 タキロン株式会社内 審査官 芦原 ゆりか (56)参考文献 特開 昭47−34470(JP,A) 特公 昭46−34238(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル樹脂繊維不織布よりなる基材
    にイミド基を有する耐熱性樹脂溶液を含浸させて担持さ
    せ200〜300℃で焼き付けられて200〜275℃の耐熱性を有
    することを特徴とする耐熱性フィルム。
  2. 【請求項2】ポリエステル樹脂繊維不織布よりなる基材
    にイミド基を有する耐熱性樹脂溶液を含浸させて担持さ
    せ、積極的に引張力を付与することなく弛みを生じない
    状態で平坦に保形して200〜300℃で焼き付けることを特
    徴とする耐熱性フィルムの製造方法。
JP63057209A 1988-03-10 1988-03-10 耐熱性フィルム並びにその製造方法 Expired - Lifetime JP2581949B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63057209A JP2581949B2 (ja) 1988-03-10 1988-03-10 耐熱性フィルム並びにその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63057209A JP2581949B2 (ja) 1988-03-10 1988-03-10 耐熱性フィルム並びにその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01229625A JPH01229625A (ja) 1989-09-13
JP2581949B2 true JP2581949B2 (ja) 1997-02-19

Family

ID=13049126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63057209A Expired - Lifetime JP2581949B2 (ja) 1988-03-10 1988-03-10 耐熱性フィルム並びにその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2581949B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120103661A1 (en) 2009-08-20 2012-05-03 Haruhiko Narusawa Electrical insulating sheet and method for manufacturing the same
CN110014715A (zh) * 2012-11-15 2019-07-16 艾伦塔斯Pdg股份有限公司 复合绝缘膜

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01229625A (ja) 1989-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4923718A (en) Functional film and process for its production
US4272467A (en) Method for producing an essentially gas and liquid impermeable low density, closed-cell, microcellular polyparabanic acid article
JP2581949B2 (ja) 耐熱性フィルム並びにその製造方法
US4148969A (en) Polyparabanic acid/copper foil laminates obtained by direct solution casting
US5904954A (en) Composite article and method for making same
JP2537356B2 (ja) 耐熱性フイルム又はその類似物の製造方法
CN102027090B (zh) 双面粘合带及布线电路板
JPH0197638A (ja) 耐熱性フィルム又はその類似物、並びにその製造方法
JPH02180682A (ja) フレキシブルプリント配線用基板の製造方法
JPH02235633A (ja) 耐熱性フィルム又はその類似物
JPS6397637A (ja) 耐熱性フイルム又はその類似物の製造方法
JP4892834B2 (ja) 接着性の改良されたポリイミドフィルム、その製法および積層体
JPH0479713B2 (ja)
US4226913A (en) Polyparabanic acid/copper foil laminates obtained by direct solution casting
JP2698868B2 (ja) 耐熱性フィルムの製造方法
JPS63299926A (ja) 耐熱性フィルムの製造方法
JPS6398432A (ja) 耐熱性フイルム又はその類似物の製造方法
JPS63299925A (ja) 耐熱性フィルム又はその類似物
JPS62238742A (ja) 耐熱性フイルム又はシ−ト
JPH0548773B2 (ja)
CA1070575A (en) Polyparabanic acid laminates
JPS6336639B2 (ja)
JPH05310957A (ja) 繊維シートおよびそれを用いた回路基板
JPH0348675B2 (ja)
JPH08139436A (ja) カバーレイフィルム