JP2581479Y2 - 扉開閉用マグネットキャッチャー - Google Patents

扉開閉用マグネットキャッチャー

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JP2581479Y2
JP2581479Y2 JP1993032613U JP3261393U JP2581479Y2 JP 2581479 Y2 JP2581479 Y2 JP 2581479Y2 JP 1993032613 U JP1993032613 U JP 1993032613U JP 3261393 U JP3261393 U JP 3261393U JP 2581479 Y2 JP2581479 Y2 JP 2581479Y2
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JP
Japan
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slider
yoke
case
door
locking
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Inventor
隆之 浦野
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双葉金属工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、スライダーがケースか
らその係止状態が解除されて最大限突出したときには、
このスライダーの吸着面がスライダー先端面に対して傾
斜状態になって、このスライダーに吸着させた被吸着物
の外れ動作が簡単に行える機構を持つ扉開閉用マグネッ
トキャッチャーに関する。
【0002】
【従来の技術】スライダーがケースからその係止状態が
解除されて突出するとき、このスライダーの吸着部分の
吸着面がスライダー先端面に対して次第に傾斜状態にな
って最後はこの吸着部分がスライダー先端面から完全に
内部に内装された状態になって、この吸着部分に吸着さ
れた被吸着物の外れ動作が簡単に行える扉開閉用マグネ
ットキャッチャーは、例えば本出願人が先に出願した実
公平2−11570号公報に開示されている。この扉開
閉用マグネットキャッチャーは、一端が開口したケース
の内外にスライド可能にして外方に付勢したスライダー
のスライド先端側に、永久磁石等の着磁体の両面にヨー
クを重ね合わせ、その先端の吸着面と反対側が吸着面側
より幅が狭くなるようにスライダーのスライド方向に沿
った面が傾斜面となった吸着部分をその奥側の端部に立
設させた支持軸をスライダーのそのスライド方向に対し
て傾斜させた長孔を挿通させ、且つケースのこの長孔と
交差する方向に傾斜させた溝部にのぞませて設けること
で前記動作を可能としたものである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし、こうした扉開
閉用マグネットキャッチャーは、脆くて加工の困難な永
久磁石等の着磁体に傾斜面を設ける等の加工を施す必要
があって面倒であり、また吸着部分に立設させた支持軸
はスライダーに設けた長孔とケースに設けた溝部の交差
部分で案内させるようにしたものであるから、構成が複
雑で加工並びに組付けにも問題がある。
【0004】そこで、本考案は、スライダーがケースか
らその係止状態が解除されて最大限突出したときには、
このスライダー先端の吸着面がスライダー先端面に対し
て傾斜状態になって、このスライダーに吸着させた被吸
着物の外れ動作が簡単に行える機構を持った扉開閉用マ
グネットキャッチャーを簡単な構造で且つ安価に提供で
きるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案に係る扉開閉用マ
グネットキャッチャーは、前面を開口させたケースと、
ケースに出没自在に内装したスライダーと、スライダー
を突出側へ常時付勢する付勢手段と、スライダーをケー
ス内に押し込み操作する毎に、スライダーをケース内に
収納した収納位置と、ケースから突出した突出位置とに
位置切換え可能に択一的に係止する係止機構と、スライ
ダーの前半部に内装した着磁体と、着磁体を挟んでスラ
イダーの上下両側に設けた1対のヨークとを備え、ヨー
ク前端の吸着面を扉に設けた磁性体からなる被吸着物に
吸着させて扉を閉鎖位置に保持する扉開閉用マグネット
キャッチャーであって、ヨークをスライダーに対して、
吸着面が被吸着物に面接触可能な初期位置と、吸着面が
被吸着物に点接触可能な傾動位置とに亙って面内方向に
首振り自在に組付け、ケースの側壁内面に、スライダー
を突出位置に位置させた状態で、ヨークの首振りを一定
範囲で許容し、スライダーを収納位置側へ操作すること
により、ヨークの側部に接して、ヨークを初期位置へ強
制的に案内する案内面を形成したものである。
【0006】請求項2記載のように、ヨークの前端部の
一側に係止段部を形成し、スライダーの前端部の一側に
該係止段部に係合する係止突部を形成し、該ヨークをス
ライダーに対して係止突部を中心に首振り自在に組付
け、該ヨークの他側に対面させてケースの側壁に前方へ
開口する案内溝であって、底面に前記案内面を有する案
内溝を設けたり、請求項3記載のように、後方側へ行く
にしたがって案内溝の深さが浅くなるように、前記案内
面の後部に傾斜面を形成し、スライダーを収納位置側へ
操作したときに、ヨークの他側の後端部が傾斜面に摺接
して、ヨークを初期位置へ強制的に案内することが好ま
しい。
【0007】
【作用】以上の如く本考案の扉開閉用マグネットキャッ
チャーによれば、例えば一面が開口した箱体状になった
テレビ台又はオーディオラック等の本体内面側のこの開
口を閉止するためテレビ台又はオーディオラック等の本
体に枢着させて取付けた扉の開閉側に対応した位置にス
ライダー側をテレビ台又はオーディオラック等の本体の
開口側から外部に向けて取付けるとともに、扉裏面のス
ライダーに対応した位置には鉄板等よりなる被吸着物を
取付ける。
【0008】こうした扉開閉用マグネットキャッチャー
を取付けたテレビ台又はオーディオラック等の閉止状態
にある扉を開放するときは、扉の遊端側を手前側から押
すと、スライダーはケース内に押込まれてその係止状態
が解除され、付勢手段の付勢力により突出位置に移動す
る。こうしてスライダーが突出位置に移動すると、ヨー
クは着磁体に吸着された状態で、スライダーに対して吸
着面が被吸着物に面接触可能な初期位置と、吸着面が被
吸着物に点接触可能な傾動位置とに亙って面内方向に一
定範囲で首振り自在な状態となり、この状態で手で扉を
開放操作すると、ヨークの吸着面が扉の被吸着物間に吸
着ていることから、ヨークに対して前方への操作力が作
用し、この操作力で、ヨークが傾動位置側へ回動して、
ヨークの吸着面と扉の被吸着物の接触面積が除々に小さ
くなり、吸着面が被吸着物に対して一旦点接触状態にな
ってから、被吸着物が吸着面から切り離されることにな
る。 このように、扉を開放するときには、ヨークが扉の
被吸着物に対して一旦点接触状態になるので、容易に扉
を開放することが可能となる。しかも、ヨークは案内溝
等を介して強制的に首振りさせる訳ではなく、スライダ
ーが突出位置に移動した状態で、単に一定範囲で首振り
自在な状態に保持されるだけなので、スライダーの突出
位置への移動がスムーズになるとともに、ヨークを首振
りさせるために付勢手段として大型なものを用いる必要
もない。また、ヨークをケース等に凹凸嵌合させる必要
がないので、ヨークの組付性も向上できる。
【0009】次に、こうして開放した扉を閉止するとき
には、扉をテレビ台又はオーディオラック等の本体内に
押込むことになるが、このとき案内面を介してヨークが
強制的に初期位置に回動し、スライダーが収納位置に保
持された状態では吸着面が被吸着物に面接触状態にな
る。 このように、扉を閉止するときには、案内面を介し
てヨークが強制的に初期位置に回動するので、被吸着物
に対してヨークの吸着面を面接触させて、強固に吸着さ
せることが可能となる。
【0010】請求項2記載のマグネットキャッチャーに
おいては、ヨークの前端部の一側に形成した係止段部
を、スライダーの前端部の一側に形成した係止突部に係
合させて、該ヨークをスライダーに対して係止突部を中
心に首振り自在に組付けることになるが、このような係
止段部や係止突部はヨーク及びスライダーの製造工程を
複雑にすることなく形成できるので好ましい。しかも、
ケースの側壁に前方へ開口する案内溝を設けて、この案
内溝に案内面を形成することになるが、このような案内
溝は、ケースの開口を成形する成形型の形状を多少変更
することで容易に形成でき、ケースの成形性を阻害する
ことなく、案内面を形成できる。 請求項3記載のマグネ
ットキャッチャーにおいては、スライダーを収納位置側
へ操作したときに、ヨークの他側の後端部が、案内面の
後部に形成した傾斜面に摺接して、ヨークが初期位置へ
強制的に案内される。このような傾斜面は、後方側へ行
くにしたがって案内溝の深さが浅くなるように構成した
ものであり、ケースの開口を成形する成形型の抜き方向
への移動に支障を来すこともない。
【0011】
【実施例】本考案に係る扉開閉用マグネットキャッチャ
ー(以下、単にマグネットキャッチャーと称する。)の
詳細を添付の図面に基づき更に説明する。特に、テレビ
台又はオーディオラックにおける片開き用扉の開閉を行
うためのマグネットキャッチャーを想定して説明を行
う。図1から図4に示したものは、第1実施例のマグネ
ットキャッチャーAである。1はこのマグネットキャッ
チャーAをテレビ台又はオーディオラックの本体に取付
け、この本体に開閉自在に取付けられる扉の開閉動作を
行わせるスライダーを保持するためのケースである。
又、図中2はこうしたスライダーを示している。ケース
1は、一端が開口した箱体状に形成され、その両側方に
は家具等の本体への取付部3、3を設け、その内側に係
止口3′、3′を開設したものである。スライダー2
は、こうしたケース1の内外にスライド可能にして両者
の間に設けたばね4で外方に付勢して取付けられてい
る。このばね4は、図2に示すようにケース1の開口と
対面した壁体に立設させた取付突部5に外嵌させるとと
もに、スライダー2のスライド基端側のスライド方向に
設けた挿通口6に内装させて取付けられている。
【0012】又、このケース1とスライダー2の間に
は、スライダー2をケース1内に押込むとスライダー2
がケース1に係止固定され、再度スライダー2を押込む
とその係止状態が解除される係止機構7が設けられ、こ
の係止機構7により、スライダー2は、ケース1内に収
納された図3に図示の収納位置と、ケース1から突出し
た図4に図示の突出位置とに択一的に係止される。この
係止機構7は、図2のようにケース1の奥側内面側に設
けた係止部8とスライダー2側に設けた係止具9の組合
わせから構成されている。係止部8は図3に示すように
ケース1の奥側内面側に突出した外周がハート状になっ
たもので、そのケース1奥側に開口側に凹んだ係止凹所
10がケース1並びにスライダー2のスライド方向に沿
った中心線Oの側位に形成され、その開口側に突出した
部分がこの中心線Oに対して係止凹所10と反対側に向
けられたものである。図中11はこの係止部8を成形す
る金型の抜きのための開口で、係止部8とこの開口11
を間にはさんだケース1の奥側にはこの係止部8と同高
の部分が形成されている。一方、係止具9は図1にその
詳細を示すように水平に向けた板状本体12の一側に係
止部8の係止凹所10に係止される係止突起13が立設
され、他側の係止突起13と反対側には支持脚14が立
設されている。この支持脚14はその係止突起13と反
対面が平坦な支持面15に形成されている。尚、図中1
6は板状本体12他側の支持脚14と反対面に係止突起
13とほぼ同高に形成された支持突起である。そして、
この係止具9はスライダー2のスライド方向に沿ったほ
ぼ中央に開設された取付口17のスライド先端側に向い
た平坦面にその支持脚14をこれの支持面15を対面さ
せて挿入させてスライダー2に取付けるとともに、スラ
イダー2をケース1に取付けたときにはその係止突起1
3が係止部8の外周に位置づけされ、更には支持脚14
の支持面15の反対側に図2に示すようにばね4の端部
を当接させてその係止突起13が常に前記中心線O上に
向くように付勢されたものである。
【0013】18はスライダー2のスライド先端側に開
設された内装口19に内装される永久磁石からなる着磁
体、20、20は図1の如く鉄板からなり、そのスライ
ド方向先端に吸着面21を有するとともに、途中に係止
段部22を設け、基端に二股状に大小のガイド凸部2
3、凸部24を有するヨークであり、特にガイド凸部2
3は側面から突出するような寸法関係に設定している。
更に、スライダー2は図1の如くスライド方向の両側に
テーパー面25aを有する係止突部25,25、位置決
め突部26,26、突部27,27を離間して上下両面
に設け、係止突部25,25と位置決め突部26,26
の間にスライド先端側に向けて吸着面21が首振り可能
になる寸法関係に収納面28を形成し、位置決め突部2
6,26と突部27,27が遊端状態となるように周囲
に切欠部28、28を設けて内部を空洞にし、突部27
の側方には抜止め突起29を突出させている。ヨーク2
0は、スライダー2に対して、その吸着面21が扉33
に付設させた被吸着物34に面接触可能な図3に図示の
初期位置と、吸着面21が被吸着物34に点接触可能な
図4に図示の傾動位置とに首振り可能に組付けられてい
る。尚、図1中30はケース1内にスライダー2を挿入
するのに、スライダー2の抜止め突起29を通過させる
ための導入溝であり、又は図1中3′で示した係止口に
おけるスライド方向先端側の端部に、抜止め突起29を
係止させることにより、スライダー2が一定距離以上突
出しないように規制している。
【0014】本考案のポイントは、スライダー2が外方
に突出した状態で、ヨーク20を初期位置と傾動位置と
に亙って首振り自在に保持する点にあり、本実施例で
は、ヨーク20先端に係止段部22を設けるとともにス
ライダー2に係止突部25,25を設け、更に案内部3
1として、図3及び図4に示すようにヨーク20のガイ
ド凸部23と該ガイド凸部23を案内する案内溝32を
ケース1の内側面に設けた構造を採用している。この案
内溝32は、基端に支持突部面32a及び傾斜面32b
を形成し、先端に水平面32cを形成したものであり、
スライダー2が没した状態では、図3に示すようにヨー
ク20はスライダー2の係止突部25,25と位置決め
突部26,26の間に位置し、ヨーク20のガイド凸部
23は支持突部面32a及び位置決め突部26に当接す
るとともに、凸部24は位置決め突部26に当接し、係
止段部22に係止突部25が係止した状態となり、スラ
イダー2が突出すると、ヨーク20のガイド凸部23が
案内溝32の水平面32cに当接するまで、つまり案内
溝32の深さ分だけの一定範囲でヨーク20が首振り自
在な状態となる。そして、この状態で、扉33を開放し
ようとすると、ヨーク20の吸着面21が被吸着物34
に吸着されていることから、ヨーク20に対して前方へ
の操作力が作用し、ヨーク20の係止段部22がスライ
ダー2の係止突部25に係止された状態で、ヨーク20
が係止突部25を中心に回動して、図4に示すようにス
ライダー2に対してヨーク20全体が傾斜する。この状
態で、ガイド凸部23は案内溝32の水平面32cに当
接し、凸部24が位置決め突部26に当接し、係止段部
22が係止突部25のテーパー面25aに当接した状
となる。また、逆にスライダー2を押し込むと、ヨーク
20のガイド凸部23は案内溝32に沿って移動し、ガ
イド凸部23が傾斜面32bに案内されて支持突部面3
2aに当接し、ヨーク20が傾斜位置から初期位置に回
動して、初期位置に保持されるのである。尚、支持突部
面32aと傾斜面32bと水平面32cとが案内面に相
当する。
【0015】更に、マグネットキャッチャーA全体を組
み立てる場合、着磁体18をスライダー2の内装口19
内に保持され、この着磁体18を挟みこむようにヨーク
20、20を取り付けるとともに、係止具9とばね4を
取り付けた状態でケース1内にスライダー2を押し込む
ことにより行うことができる。
【0016】次に、図5及び図6に基づいて第2実施例
のマグネットキャッチャーAについて説明する。第2実
施例のマグネットキャッチャーAは、上述した第1実施
例のマグネットキャッチャーAと同様に、ヨーク20の
ガイド凸部23と該ガイド凸部23を案内する案内溝3
2を用いてヨーク20の吸着面21を傾斜させた状態に
保持することができるようにしたものであるが、図5及
び図6に示すようにガイド凸部23を側面から突出させ
ずに同一面状とし、基端側に突出させてガイド凸部23
を形成し、ヨーク20の吸着面21の両側に係止段部2
2,22を設けたものである。尚、第1実施例のマグネ
ットキャッチャーAと同様に、案内溝32を支持突部面
32a及び斜面32b及び水平面32cで形成している
が、単に斜面32bのみで形成することも可能であり、
また、ヨーク20のガイド凸部23を基端からではな
く、側端の途中から突設することもできる。
【0017】また、スライダー2が外方に突出した状態
で、ヨーク20を初期位置と傾動位置とに亙って首振り
自在な状態に保持する構造としては、上述したヨーク2
0のガイド凸部23と該ガイド凸部23を案内する案内
溝32を用いてヨーク20の吸着面21を傾斜させた状
態に保持することができるようにしたものに限定され
ず、特に図示しないが例えばヨーク20の端部に傾斜面
を有する案内凹部を設けるとともに、該案内凹部内を移
動可能なガイド凸部をケース1内に突設させたものであ
ってもよい。
【0018】而して、本考案に係る第1実施例のマグネ
ットキャッチャーAによれば、例えば図3に示すように
一面が開口した箱体状になったテレビ台又はオーディオ
ラック等の本体内面側のこの開口を閉止するためテレビ
台又はオーディオラック等の本体に枢着させて取付けた
扉33の開閉側に対応した位置にスライダー側をテレビ
台又はオーディオラック等の本体の開口側から外部に向
けて取付けるとともに、扉33裏面のスライダーに対応
した位置には鉄板等よりなる被吸着物34を取付ける。
【0019】こうしたマグネットキャッチャーAを取付
けたテレビ台又はオーディオラック等の閉止状態にある
扉33を開放するときは以下のようにする。まず、図3
の扉33の遊端側を手前側から押すと、スライダー2は
ケース1内に押込まれてその係止状態が解除され、ばね
4の付勢力によりスライダー2が手前に突出し、案内溝
32を介してヨーク20が一定範囲で首振り自在な状態
に保持される。そして、前方へ突出した扉33を保持し
て開放操作すると、ヨーク20が被吸着物34に吸着し
た状態で前方へ引っ張られ、図4に示すように、ヨーク
20の先端部が係止突部25,25の間に保持されたま
まで、ヨーク20の係止段部22がスライダー2の係止
突部25に係止され、ガイド凸部23が水平面32cに
当接するまでヨーク20が係止突部25を中心に回動し
て、ヨーク20の吸着面21が傾斜し、吸着面21が被
吸着物34に対して点接触状態になってから、吸着面2
1から被吸着物34が離脱する。
【0020】次に、こうして開放した扉33を閉止する
ときには、扉33をテレビ台又はオーディオラック等の
本体内に押込むことで、スライダー2が後退して収納位
置に保持されるとともに、ガイド凸部23が傾斜面23
bに案内されて、ヨーク20が初期位置に復帰し、被吸
着物34が吸着面21に面接触して吸着面21に強固に
吸着され、扉33が閉止されることになる。
【0021】このように本考案に係る実施例のマグネッ
トキャッチャーAによれば、案内部31として、ヨーク
20の基端にガイド凸部23を有するように、該ガイド
凸部23を案内する案内溝32をケース1の内側面に有
するように、スライダー2に係止突部25,25と位置
決め突部26,26を有するように、それぞれの部材を
一体成形により製造することができるので、従来のもの
に比べて構造が簡単となり、マグネットキャッチャーの
組み立てが簡単となるとともに、加えて製造コストも大
幅に軽減することができる。しかも、ヨーク20のガイ
ド凸部23を案内溝32内に位置させて移動させるだけ
であるので、摩擦もなくスムースな動きを行うことがで
きる。
【0022】
【考案の効果】本考案に係る扉開閉用マグネットキャッ
チャーによれば、例えばヨーク先端に係止段部を設ける
とともに該係止段部と係止しながらヨークが首振りを行
う係止突部をスライダーに設け、更に案内部として、ヨ
ークの基端にガイド凸部を有するように、該ガイド凸部
を案内する案内溝をケースの内側面に有するように、ス
ライダーに係止突部と位置決め突部を有するように、そ
れぞれの部材を一体成形により製造することができるの
で、従来のものに比べて構造が簡単となり、加えてマグ
ネットキャッチャーの組み立てが簡単となるとともに、
製造コストも大幅に軽減することができる。また、扉を
開放するときには、ヨークが扉の被吸着物に対して一旦
点接触状態になるので、容易に扉を開放することが可能
となる。しかも、ヨークは案内溝等を介して強制的に首
振りさせる訳ではなく、スライダーが突出位置に移動し
た状態で、単に一定範囲で首振り自在な状態に保持され
るだけなので、スライダーの突出位置への移動がスムー
ズになるとともに、ヨークを首振りさせるために付勢手
段として大型なものを用いる必要もない。また、ヨーク
をケース等に凹凸嵌合させる必要がないので、ヨークの
組付性を向上できる。 更に、扉を閉止するときには、案
内面を介してヨークが強制的に初期位置に回動するの
で、被吸着物に対してヨークの吸着面を面接触させて、
強固に吸着させることが可能となる。 請求項2記載のよ
うに構成すると、ヨーク及びスライダーの製造工程を複
雑にすることなく係止段部や係止突部を形成できる。し
かも、案内溝はケースの開口を成形する成形型の形状を
多少変更することで容易に形成でき、ケースの成形性を
阻害することなく案内面を形成できる。 請求項3記載の
ように構成すると、後方側へ行くにしたがって案内溝の
深さが浅くなるように構成した傾斜面を介してヨークを
初期位置へ強制的に案内させるので、ケースの開口を成
形する成形型により容易に案内面を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の扉開閉用マグネットキャッチャー
の分解斜視図
【図2】同じくスライダーがケース内に押込まれた状態
を示す縦断面図
【図3】同じく作動状態を示す平面図
【図4】同じくスライダーが突出した状態の作動状態を
示す平面図
【図5】第2実施例の扉開閉用マグネットキャッチャー
の作動状態を示す概略平面図
【図6】同じくスライダーが突出した状態の作動状態を
示す概略平面図
【符号の説明】
A 扉開閉用マグネットキャッチャー 1 ケース 2 スライダー 3 取付部 4 ばね 5 取付突部 6 挿通口 7 係止機構 8 係止部 9 係止具 10 係止凹所 11 開口 12 板状本体 13 係止突起 14 支持脚 15 支持面 16 支持突起 17 取付口 18 着磁体 19 内装口 20 ヨーク 21 吸着面 22 係止段部 23 ガイド凸部 24 凸部 25 係止突部 26 位置決め
突部 27 突部 28 収納面 29 抜止め突部 30 導入溝 31 案内部 32 案内溝 33 扉 34 被吸着物

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面を開口させたケースと、ケースに出
    没自在に内装したスライダーと、スライダーを突出側へ
    常時付勢する付勢手段と、スライダーをケース内に押し
    込み操作する毎に、スライダーをケース内に収納した収
    納位置と、ケースから突出した突出位置とに位置切換え
    可能に択一的に係止する係止機構と、スライダーの前半
    部に内装した着磁体と、着磁体を挟んでスライダーの上
    下両側に設けた1対のヨークとを備え、ヨーク前端の吸
    着面を扉に設けた磁性体からなる被吸着物に吸着させて
    扉を閉鎖位置に保持する扉開閉用マグネットキャッチャ
    ーであって、 前記ヨークをスライダーに対して、吸着面が被吸着物に
    面接触可能な初期位置と、吸着面が被吸着物に点接触可
    能な傾動位置とに亙って面内方向に首振り自在に組付
    け、 前記ケースの側壁内面に、スライダーを突出位置に位置
    させた状態で、ヨークの首振りを一定範囲で許容し、ス
    ライダーを収納位置側へ操作することにより、ヨークの
    側部に接して、ヨークを初期位置へ強制的に案内する案
    内面を形成した、 ことを特徴とする扉開閉用マグネットキャッチャー。
  2. 【請求項2】 前記ヨークの前端部の一側に係止段部を
    形成し、スライダーの前端部の一側に該係止段部に係合
    する係止突部を形成し、該ヨークをスライダーに対して
    係止突部を中心に首振り自在に組付け、該ヨークの他側
    に対面させてケースの側壁に前方へ開口する案内溝であ
    って、底面に前記案内面を有する案内溝を設けた請求項
    1記載の扉開閉用マグネットキャッチャー。
  3. 【請求項3】 後方側へ行くにしたがって案内溝の深さ
    が浅くなるように、前記案内面の後部に傾斜面を形成
    し、スライダーを収納位置側へ操作したときに、ヨーク
    の他側の後端部が傾斜面に摺接して、ヨークを初期位置
    へ強制的に案内する請求項2記載の扉開閉用マグネット
    キャッチャー。
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