JP2581267B2 - 高強度、高延性13Crステンレス鋼の製造方法 - Google Patents

高強度、高延性13Crステンレス鋼の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、熱間圧延のままで所定の強度および延性を
有する13Cr系ステンレス鋼の製造方法に関し、特に海砂
を使用するコンクリートの鉄筋用として耐食性は勿論、
強度と延性に優れた13Cr系ステンレス鋼を経済的に製造
する方法に関する。
[従来の技術] 従来よりコンクリート用の鉄筋として使用されている
のは、比較的強度の高い炭素鋼であり、熱処理により必
要な強度と延性を発揮させている。
近年、コンクリート用に川砂の採取が困難なため、海
砂を使用したり、アラブ諸国のコンクリート工事では、
専ら海砂が使用されるため、このような場合の鉄筋とし
ては、強度、延性の他にある程度の耐食性を備えた13Cr
ステンレス鋼の異形丸棒が採用されつつある。しかしな
がら、価格的には高価なため、低価格の炭素鋼を代替し
うるような経済的製造法が必要である。
[発明が解決しようとする課題] 13Crステンレス鋼は、通常構造用鋼として使用され、
焼入れ焼戻しによって幅広い強度範囲が得られるので、
使用目的によって適切な熱処理を施すのが通例である。
13Crステンレス鋼は熱間圧延中の温度領域では一般的
にはγ相であり、熱間加工後の放冷でマルテンサイト相
に変態する。
マルテンサイト相は硬さが著しく高く、伸びが低い性
質を有し、加工性が悪く、歪を与えると脆く破壊する場
合がある。
このため、13Crステンレス鋼の熱間圧延後の矯正工程
は焼なまし処理を実施する必要がある。この焼なまし処
理は、Ac1変態点以上に加熱(900℃)均熱後、徐冷する
方式が採用されている。
更に使用に際しては、使用目的に適した硬さ、靭性を
得るため、焼入れ焼戻しを実施しなければならない。
このように13Crステンレス鋼は、熱間圧延後の熱処理
が少なくとも3回実施され、調質後に使用されるのが通
例である。このため熱処理工数又はエネルギー適に多大
の損失となるので、これらの改善が必要となる。
クロム系ステンレス鋼を熱間圧延および冷間圧延した
のち、フェライトおよびオーステナイト2相域に加熱
し、急冷してフェライトおよびマルテンサイト組織とし
た面内異方性の小さい高延性高強度の鋼板を製造する方
法が知られている(特開昭63−7338号公報)。この方法
では、複相組織を得るための熱処理が不可欠の要件であ
る。
本発明は、前記した13Crステンレス鋼の製造における
複雑な熱処理工程を必要とせず、熱経済的にも有利な製
造方法を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重
ねた結果、合金成分間のバランスを調整し、熱間圧延終
了温度を制御することにより、必要な機械的性質を備え
た13Crステンレス鋼が製造可能なことを知見し、本発明
を完成するに至った。
すなわち、本発明は、化学成分が、重量%でC≦0.1
%、Cr12〜14%、Si≦2.0%、Ni≦0.5%、Mn≦0.75%、
N≦0.1%、P≦0.04%、Al≦0.1%、S≦0.03%、0.04
%≦C+N≦0.10%、次式で表される−5<Ni−bal<
−3.5 式;Ni−bal=30(C+N)+0.5Mn+Ni+8.2−
1.1(1.5Si+Cr)残部不可避不純物およびFeよりなる鋼
を1300〜1100℃に加熱し、1000℃以下で熱間圧延を終了
するように圧延した後、放冷を行うことよりなる、降伏
強さ35.0kg/mm2以上、伸び15%以上のクロムステンレス
鋼を製造する方法である。
[作用] 本発明の構成について説明する。
本発明において合金成分組成範囲を限定した理由は次
のとおりである。
本発明において、C量を0.1%以下としたのは、0.1%
を超えるとNi−balと熱延終了温度を制御しても必要な
伸びと降伏強さを同時に満足できなくなるためである。
ステンレス鋼としての耐食性を維持するため、Crは12%
以上が必要であるが、14%を超えるとC量と同様に必要
な伸びと降伏強度がバランスして得られない。Si、Mnは
製鋼上必要であるが、それぞれ2.0%、0.75%を超える
とNi−bal上望ましくない結果をもたらす。NiはNi−bal
のためその上限が0.5%であり、それ以上の添加は所定
の伸び、降伏強度を発現する上で悪影響がある。P、S
は不純物として0.04%、0.03%までが許容される上限で
ある。Alは脱酸作用を示し、結晶粒微細化の役割を果た
すものである。NはNiと同じく、Ni−balを所定値にす
る上で必要であり、C+N<0.04では所定の強度が得ら
れず、0.1%を超えると窒化物が多く析出し伸びが低下
する。好ましくは0.08以下が望ましい。
第1図は、C+Nの変動により0.2%耐力が変化する
状態を示したもので、(a)および(d)は比較鋼2お
よび1を、(b)および(c)は本発明鋼1および2を
示す。仕上温度による耐力の変化はあまりみられない。
第2図は、C+N(%)の変動による伸び(%)の変
化を示しており、C+N(%)が大きくなるほど伸びは
低下し、C+N(%)が小さいほど仕上温度の上昇と共
に伸びが低下することが示されている。式;Ni−bal=30
(C+N)+0.5Mn+Ni+8.2−1.1(1.5Si+Cr)で示さ
れるNi−balは−5<Ni−bal<−3.5であり、−3.5より
も大きい場合は、熱延後の冷却時に望ましくない組織が
生成し、伸びが低下する。また−5より小さい場合は降
伏強度が低下する。
第3図は、Ni−balが変動したとき、C+N=0.048
%、970℃仕上の条件で、耐力および伸びがどのように
変化するかを示すグラフである。この結果、Ni−balが
大きくなると耐力は上昇し、伸びは低下することが判
る。
加熱温度は、均一なオーステナイト組織とするため、
1300〜1100℃が必要であり、1300℃を超えれば、酸化損
失が大きく、1100℃未満では、十分にオーステナイト化
が行われない。
熱間圧延終了温度は、所定の伸び、降伏強度を発揮さ
せるために1000℃以下が望ましく、また伸びが20%以上
の延性が要求される場所では900〜970℃が好適である。
調質圧延は、通常行うもので、これによって、伸びと
降伏強度の調整が行われる。
このようにして、従来行われていた焼なまし、焼入れ
および焼戻しを省略しても、所定の機械的性質を具備し
た13Crステンレス鋼細棒鋼を得ることが可能となった。
[実施例] 本発明を実施例により具体的に説明する。SUS403材を
基本成分として制御圧延により製造した。
使用した素材の合金成分ならびにNi−balは第1表に
示すとおりである。
上記の成分組織を有する素材を高周波炉で溶解し、50
×100×200mmの10kg平鋼塊に鋳造し、皮剥ぎをして粗熱
間圧延により25×100×400mmに圧延し、25×100×120mm
の鋼片に切断した後、1200℃に加熱し、7×100×900mm
に制御圧延し、圧延終了温度を970℃で仕上げた。700℃
までの平均冷却速度は、970℃のとき3.2℃/sであった。
970℃仕上げ温度によって得られた0.2%耐力および伸
びを第1表に示した。
[発明の効果] 本発明は以上説明したように構成されていることによ
り、従来13Crステンレス鋼に必要とされた複数の熱処理
工程を省略し、熱間圧延のままで高強度、高延性を有す
るコンクリート鉄筋材に適した13Crステンレス鋼棒を経
済的に得ることが可能となり、産業上益するところ極め
て大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、C+N(%)と仕上温度の変動が耐力に及ぼ
す影響を示すグラフ、第2図は、同じく伸びに及ぼす影
響を示すグラフであり、第3図は、970℃仕上、C+N
=0.048%のときに、Ni−balの変動が耐力および伸びに
及ぼす影響を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−563(JP,A) 特開 昭60−21324(JP,A) 特開 昭64−68420(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でC≦0.1%、Cr12〜14%、Si≦2.0
    %、Ni≦0.5%、Mn≦0.75%、N≦0.1%、P≦0.04%、
    Al≦0.1%、S≦0.03%、0.04%≦C+N≦0.10%、次
    式で表される−5<Ni−bal<−3.5 式;Ni−bal=30(C+N)+0.5Mn+Ni+8.2−1.1(1.5
    Si+Cr) 残部不可避不純物およびFeよりなる校を1300〜1100℃に
    加熱し、1000℃以下で熱間圧延を終了するように圧延し
    たのち、放冷を行うことよりなる、降伏強さ35.0kg/mm2
    以上、伸び15%以上のクロムステンレス鋼を製造する方
    法。
  2. 【請求項2】5%以下の調質圧延を行う請求項1記載の
    クロムステンレス鋼を製造する方法。
JP2131418A 1990-05-23 1990-05-23 高強度、高延性13Crステンレス鋼の製造方法 Expired - Lifetime JP2581267B2 (ja)

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