JPH022926B2 - - Google Patents
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- JPH022926B2 JPH022926B2 JP15060585A JP15060585A JPH022926B2 JP H022926 B2 JPH022926 B2 JP H022926B2 JP 15060585 A JP15060585 A JP 15060585A JP 15060585 A JP15060585 A JP 15060585A JP H022926 B2 JPH022926 B2 JP H022926B2
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
(イ) 産業上の利用分野
本発明は、LNGタンク用基礎などに用いる低
温用棒鋼の製造方法に関するものである。 (ロ) 従来の技術 LNGタンク用基礎に用いる鋼棒、特に半地下
式LNGタンクに用いる鋼棒は、タンクのコンク
リートそのものが低温にさらされるため、−100℃
以下の低温域にあり、通常の鋼棒では脆化する。 半地下式LNGタンクは建設コストが地下式に
比べ安価なため、主に海外で用いられるタンクで
ある。そして、上記のような低温域での用途に用
いられる鋼棒としては、高Ni鋼、高マンガン鋼、
低温加熱+低温圧延(制御圧延)して製造した低
C―高Mn―Nb又はTi添加鋼がある。 (ハ) 発明が解決しようとする問題点 しかしながらこれら従来の鋼棒には以下のよう
な問題点がある。 即ち、前記高Ni鋼は、低温靭性が極めて優れ
ている反面、Niを9%程度含有し、そしてNiの
コストが極めて高いことからコスト的に不利であ
ること、及びこの高Ni鋼棒は、熱間圧延後770〜
920℃からの空冷を2回繰返す熱処理(2回焼準)
を行つた後550〜620℃で焼戻して製造されるが、
鉄筋用棒鋼にするためには熱処理過程で生じた曲
りを後工程で矯正しなければならないことという
問題点をかかえていた。 次に前記の高Mn鋼としては、13%Mn、15%
Mn、18%Mn、25%Mn鋼等のように多くの鋼種
が開発されてきたが、これらの高Mn鋼は高Ni鋼
と同様にコストが高いことと、溶製の過程でMn
のヒユームが飛散し労働環境上極めて問題となつ
ており、大量に生産する場合には障害となること
が多いという問題があつた。 又、前記の低C―高Mn―Nb又はTi添加鋼は、
低温加熱+低温圧延(制御圧延)する工程を含む
製造方法によつて製造されるが、以下のような問
題点を有している。即ち、上記の製造方法は、低
Cで溶接性を確保し、Mnを高めることにより
Ar3を低下させ、Nb又はTi等の合金元素を入れ
て再結晶を遅延させるとともに仕上り温度をAr3
の直上で圧延することにより結晶粒制御を行つて
低温靭性を向上させるものであるが、なお低温靭
性の向上が望まれている。 その方法として、上記の制御圧延を行つた後、
直接焼入焼戻を行う方法が特開昭57−114638号に
開示されている。 この方法は仕上温度を750〜850℃程度にすると
ともに急冷して鉄筋棒鋼を製造するというもので
ある。 本発明者等は、このような制御圧延+直接表面
焼入法の研究を行い、次のような新たな知見を得
た。 即ち、表1に例示する組成の低C―高Mn―Nb
系の鋼材を表2に示す条件で制御圧延+直接表面
焼入により棒鋼を製造すると、第4図に示すよう
に低温領域(−120℃)での所望のシヤルピー値
を満足できず、−140〜−170℃領域での靭性の確
保が困難であることを確認した。 そしてこのような現象は、一般に結晶粒を微細
にすると低温領域での鋼の靭性が向上するという
メカニズムが微細結晶+表面焼入・焼戻法では、
低温において安定しないためであると判断した。 従つて表1に例示した鋼は、熱間圧延ラインで
のインライン熱処理を指向して安価な鋼を供給す
るためには適しているが、−140〜−170℃の低温
領域での靭性確保が難しく、低温用棒鋼としては
更に改良が必要であることが判つた。 本発明はこのような状況に鑑みてなされたもの
である。
温用棒鋼の製造方法に関するものである。 (ロ) 従来の技術 LNGタンク用基礎に用いる鋼棒、特に半地下
式LNGタンクに用いる鋼棒は、タンクのコンク
リートそのものが低温にさらされるため、−100℃
以下の低温域にあり、通常の鋼棒では脆化する。 半地下式LNGタンクは建設コストが地下式に
比べ安価なため、主に海外で用いられるタンクで
ある。そして、上記のような低温域での用途に用
いられる鋼棒としては、高Ni鋼、高マンガン鋼、
低温加熱+低温圧延(制御圧延)して製造した低
C―高Mn―Nb又はTi添加鋼がある。 (ハ) 発明が解決しようとする問題点 しかしながらこれら従来の鋼棒には以下のよう
な問題点がある。 即ち、前記高Ni鋼は、低温靭性が極めて優れ
ている反面、Niを9%程度含有し、そしてNiの
コストが極めて高いことからコスト的に不利であ
ること、及びこの高Ni鋼棒は、熱間圧延後770〜
920℃からの空冷を2回繰返す熱処理(2回焼準)
を行つた後550〜620℃で焼戻して製造されるが、
鉄筋用棒鋼にするためには熱処理過程で生じた曲
りを後工程で矯正しなければならないことという
問題点をかかえていた。 次に前記の高Mn鋼としては、13%Mn、15%
Mn、18%Mn、25%Mn鋼等のように多くの鋼種
が開発されてきたが、これらの高Mn鋼は高Ni鋼
と同様にコストが高いことと、溶製の過程でMn
のヒユームが飛散し労働環境上極めて問題となつ
ており、大量に生産する場合には障害となること
が多いという問題があつた。 又、前記の低C―高Mn―Nb又はTi添加鋼は、
低温加熱+低温圧延(制御圧延)する工程を含む
製造方法によつて製造されるが、以下のような問
題点を有している。即ち、上記の製造方法は、低
Cで溶接性を確保し、Mnを高めることにより
Ar3を低下させ、Nb又はTi等の合金元素を入れ
て再結晶を遅延させるとともに仕上り温度をAr3
の直上で圧延することにより結晶粒制御を行つて
低温靭性を向上させるものであるが、なお低温靭
性の向上が望まれている。 その方法として、上記の制御圧延を行つた後、
直接焼入焼戻を行う方法が特開昭57−114638号に
開示されている。 この方法は仕上温度を750〜850℃程度にすると
ともに急冷して鉄筋棒鋼を製造するというもので
ある。 本発明者等は、このような制御圧延+直接表面
焼入法の研究を行い、次のような新たな知見を得
た。 即ち、表1に例示する組成の低C―高Mn―Nb
系の鋼材を表2に示す条件で制御圧延+直接表面
焼入により棒鋼を製造すると、第4図に示すよう
に低温領域(−120℃)での所望のシヤルピー値
を満足できず、−140〜−170℃領域での靭性の確
保が困難であることを確認した。 そしてこのような現象は、一般に結晶粒を微細
にすると低温領域での鋼の靭性が向上するという
メカニズムが微細結晶+表面焼入・焼戻法では、
低温において安定しないためであると判断した。 従つて表1に例示した鋼は、熱間圧延ラインで
のインライン熱処理を指向して安価な鋼を供給す
るためには適しているが、−140〜−170℃の低温
領域での靭性確保が難しく、低温用棒鋼としては
更に改良が必要であることが判つた。 本発明はこのような状況に鑑みてなされたもの
である。
【表】
【表】
(ニ) 問題点を解決するための手段
即ち、本発明は、
C:0.05〜0.30wt%、Si:0.40wt%、Mn:
0.5〜3.0wt%、Ni:0.5〜2.0wt%、SolAl:0.01
〜0.09wt%、及びNb0.1wt%とTi0.1wt%の
うち1種又は2種を含み、残部Feと不可避的不
純物から成る鋼を、1100℃以下の温度に加熱して
仕上温度700〜850℃を確保するように熱間圧延し
た後、直ちに急冷を行つて表面温度300℃以下に
し、その後表面温度が400〜550℃になるように復
熱させることを特徴とする低温用棒鋼の製造方法
である。 (ホ) 作用 Cはオーステナイト組織の形成に効果が大き
く、しかも安価な元素であり、許容できる範囲で
多くすることが望ましいが、Cの量を多くすると
溶接性が悪くなり、溶接部の強度、靭性に悪影響
が及ぶので、C量の最大値を0.30%とした。下限
値を0.05%としたのはこれ未満であると反対に強
度ができないなどの問題が生ずるためである。 Mnはオーステナイト組織を安定化させるため
のCと並ぶ元素であり、しかもAr3変態点を低下
させることにより比較的低い温度で制御圧延、即
ちオーステナイト領域での結晶粒の微細化を計る
ことが可能である。鉄筋の鋼棒は一般に溶接して
結合して用いられることが多いために、C量を低
く抑えるのでこの分Ar3変態点が上昇するが、
Mnを0.5%以上添加することによりAr3変態点を
低下せしめて比較的低い温度での結晶粒微細化の
ための制御圧延を容易ならしめる効果がある。反
面Mnを3.0%超含有させると靭性及び溶接性が劣
化するようになることからその含有量を0.5〜3.0
%とした。 さらにAlにはすぐれた細粒化作用があるが、
その含有量がSolAlで0.01%未満では所望の細粒
化をはかることができず。一方同じくSolAlで
0.09%を越えて含有させると非金属介在物の量が
急激に増加して鋼の靭性が劣化するようになるこ
とからその含有量を0.01〜0.09%と定めた。 Siには脱酸及び強化作用があり、多量に入れる
場合はフエライト相強化型元素ののために、靭性
低下が著しくなる。それ故に0.40%以下とした。 又Nb,Tiについては、オーステナイト相で熱
間圧延後再結晶挙動を遅延させる働きが有り、低
温靭性向上のためにはフエライト及びパーライト
結晶粒度の細かいものほど良好な性質を付与する
ので極めて重要な元素であり、Nb及びTiの1種
又は2種をそれぞれ0.10%以下含有させるのが良
い。Nb又はTiの合金元素はコストが高く、0.10
%超の添加を行う場合には非常なコスト高となり
低廉価な低温用棒鋼でなくなる。 Niはオーステナイト組織を安定化させる鋼で
低温靭性も改善する働きがあり、0.5%以上入れ
るだけで低温靭性を著しく改善する効果がある。
しかしながら、Niも又高価な元素であり2.0%を
超えて多量に入れるとコスト高となるのでその量
を0.5〜2.0%とした。 次に本発明製造方法を説明する。 (A) 加熱方法 結晶粒の細粒化のためには、加熱温度は低い程
望ましいが、合金元素であるNbあるいはTiが十
分固溶されて熱間圧延後に析出して細粒化に十分
寄与できる温度として、1100℃あれば十分である
ので上限を1100℃とした。 (B) 圧延条件 圧延条件は微細なフエライト パーライト粒を
得るよめには、熱間圧延後のいわゆる仕上り温度
が低い程望ましい。一方仕上り温度が低すぎると
反対に温間加工となつて鋼の組織に歪を与えるた
めに低温靭性が急激に劣化する。これを第2図に
示すが、700℃〜800℃付近での仕上り温度が最も
良好な靭性を与えることが判る。表3は第2図の
データーを得たときに用いた鋼の組成、表4は製
造方法を示す。 一般にAr3変態点近傍での圧延温度を制御しつ
つ圧延を行うことを制御圧延と呼称しており、熱
間圧延での結晶粒制御が重要である。 (C) 冷却条件 冷却条件は第1図に例示するように熱間圧延直
後の棒鋼11の表面をクーリングトラフ9で表面
を急冷し、表面をマルテンサイト組織にしてクー
リングトラフ通過後棒鋼中心部の熱により焼戻し
を行うことである。 第1図中、5は加熱炉、6は圧延機、7,8,
10は温度計を示す。 一般に焼入焼戻し組織は低温靭性を著しく改良
することができるが、焼入を過度に行い焼戻しが
不十分であると低温靭性は悪くなり、又焼入が不
十分であつても低温靭性は最良とはならない。こ
のために、復熱温度を最適とすることが重要であ
り、適切な量の注水冷却を行い復熱温度を管理す
ることが必要である。本発明者らは、そこで復熱
温度と低温靭性の関係を調査した。この結果を第
3図に示す。この図から明らかなように、400℃
〜550℃付近の復熱温度のところで低温靭性が良
好となるので温度範囲を400〜550℃とした。 表5及び表6は上記第3図のデーターを得たと
きに用いた鋼の組成と製造条件を示す。
0.5〜3.0wt%、Ni:0.5〜2.0wt%、SolAl:0.01
〜0.09wt%、及びNb0.1wt%とTi0.1wt%の
うち1種又は2種を含み、残部Feと不可避的不
純物から成る鋼を、1100℃以下の温度に加熱して
仕上温度700〜850℃を確保するように熱間圧延し
た後、直ちに急冷を行つて表面温度300℃以下に
し、その後表面温度が400〜550℃になるように復
熱させることを特徴とする低温用棒鋼の製造方法
である。 (ホ) 作用 Cはオーステナイト組織の形成に効果が大き
く、しかも安価な元素であり、許容できる範囲で
多くすることが望ましいが、Cの量を多くすると
溶接性が悪くなり、溶接部の強度、靭性に悪影響
が及ぶので、C量の最大値を0.30%とした。下限
値を0.05%としたのはこれ未満であると反対に強
度ができないなどの問題が生ずるためである。 Mnはオーステナイト組織を安定化させるため
のCと並ぶ元素であり、しかもAr3変態点を低下
させることにより比較的低い温度で制御圧延、即
ちオーステナイト領域での結晶粒の微細化を計る
ことが可能である。鉄筋の鋼棒は一般に溶接して
結合して用いられることが多いために、C量を低
く抑えるのでこの分Ar3変態点が上昇するが、
Mnを0.5%以上添加することによりAr3変態点を
低下せしめて比較的低い温度での結晶粒微細化の
ための制御圧延を容易ならしめる効果がある。反
面Mnを3.0%超含有させると靭性及び溶接性が劣
化するようになることからその含有量を0.5〜3.0
%とした。 さらにAlにはすぐれた細粒化作用があるが、
その含有量がSolAlで0.01%未満では所望の細粒
化をはかることができず。一方同じくSolAlで
0.09%を越えて含有させると非金属介在物の量が
急激に増加して鋼の靭性が劣化するようになるこ
とからその含有量を0.01〜0.09%と定めた。 Siには脱酸及び強化作用があり、多量に入れる
場合はフエライト相強化型元素ののために、靭性
低下が著しくなる。それ故に0.40%以下とした。 又Nb,Tiについては、オーステナイト相で熱
間圧延後再結晶挙動を遅延させる働きが有り、低
温靭性向上のためにはフエライト及びパーライト
結晶粒度の細かいものほど良好な性質を付与する
ので極めて重要な元素であり、Nb及びTiの1種
又は2種をそれぞれ0.10%以下含有させるのが良
い。Nb又はTiの合金元素はコストが高く、0.10
%超の添加を行う場合には非常なコスト高となり
低廉価な低温用棒鋼でなくなる。 Niはオーステナイト組織を安定化させる鋼で
低温靭性も改善する働きがあり、0.5%以上入れ
るだけで低温靭性を著しく改善する効果がある。
しかしながら、Niも又高価な元素であり2.0%を
超えて多量に入れるとコスト高となるのでその量
を0.5〜2.0%とした。 次に本発明製造方法を説明する。 (A) 加熱方法 結晶粒の細粒化のためには、加熱温度は低い程
望ましいが、合金元素であるNbあるいはTiが十
分固溶されて熱間圧延後に析出して細粒化に十分
寄与できる温度として、1100℃あれば十分である
ので上限を1100℃とした。 (B) 圧延条件 圧延条件は微細なフエライト パーライト粒を
得るよめには、熱間圧延後のいわゆる仕上り温度
が低い程望ましい。一方仕上り温度が低すぎると
反対に温間加工となつて鋼の組織に歪を与えるた
めに低温靭性が急激に劣化する。これを第2図に
示すが、700℃〜800℃付近での仕上り温度が最も
良好な靭性を与えることが判る。表3は第2図の
データーを得たときに用いた鋼の組成、表4は製
造方法を示す。 一般にAr3変態点近傍での圧延温度を制御しつ
つ圧延を行うことを制御圧延と呼称しており、熱
間圧延での結晶粒制御が重要である。 (C) 冷却条件 冷却条件は第1図に例示するように熱間圧延直
後の棒鋼11の表面をクーリングトラフ9で表面
を急冷し、表面をマルテンサイト組織にしてクー
リングトラフ通過後棒鋼中心部の熱により焼戻し
を行うことである。 第1図中、5は加熱炉、6は圧延機、7,8,
10は温度計を示す。 一般に焼入焼戻し組織は低温靭性を著しく改良
することができるが、焼入を過度に行い焼戻しが
不十分であると低温靭性は悪くなり、又焼入が不
十分であつても低温靭性は最良とはならない。こ
のために、復熱温度を最適とすることが重要であ
り、適切な量の注水冷却を行い復熱温度を管理す
ることが必要である。本発明者らは、そこで復熱
温度と低温靭性の関係を調査した。この結果を第
3図に示す。この図から明らかなように、400℃
〜550℃付近の復熱温度のところで低温靭性が良
好となるので温度範囲を400〜550℃とした。 表5及び表6は上記第3図のデーターを得たと
きに用いた鋼の組成と製造条件を示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
ここで更に重要なことは、第1図に示すよう
に、圧延後ただちにクーリングトラフ9によつて
急冷を行うが、クーリング出側の温度計10の指示
値が鋼材のマルテンサイトを形成する温度即ち
300℃以下になるように急冷することが必要であ
る。これらの急冷を行なわないと棒鋼表層部にマ
ルテンサイト組織が得られず、表層部に低温靭性
の優れた焼戻しマルテンサイト組織が得られな
い。 又温度計8はクーリングトラフ9より十分離れ
た位置に設置されており、鋼材の復熱を管理する
もので、同一ライン上に1つ又は複数個設置しク
ーリングトラフ9で冷却された棒鋼の表面温度が
最大値になる様にしておくことが肝要である。 (ヘ) 実施例 本発明法の成分について更に、種々の成分で低
温靭性を調査した。その結果を表9に示す。なお
表7及び8は鋼の組成及び製造条件である。
に、圧延後ただちにクーリングトラフ9によつて
急冷を行うが、クーリング出側の温度計10の指示
値が鋼材のマルテンサイトを形成する温度即ち
300℃以下になるように急冷することが必要であ
る。これらの急冷を行なわないと棒鋼表層部にマ
ルテンサイト組織が得られず、表層部に低温靭性
の優れた焼戻しマルテンサイト組織が得られな
い。 又温度計8はクーリングトラフ9より十分離れ
た位置に設置されており、鋼材の復熱を管理する
もので、同一ライン上に1つ又は複数個設置しク
ーリングトラフ9で冷却された棒鋼の表面温度が
最大値になる様にしておくことが肝要である。 (ヘ) 実施例 本発明法の成分について更に、種々の成分で低
温靭性を調査した。その結果を表9に示す。なお
表7及び8は鋼の組成及び製造条件である。
【表】
【表】
【表】
表9に示すNo.1の従来の3.5%Ni鋼は、低温靭
性は良好であるが、Ni量が多いので高価である。 又No.2,3の鋼はNiを含有しない従来鋼であ
るが、低温靭性(vE−120)が、平均値で10Kg−
m未満で良くない。これに対して、本発明に係る
No.4〜8の鋼は、従来鋼にNiを少量添加したも
のであるが、本発明に係る圧延及び熱処理によつ
て低温靭性が極めて良い。 (ト) 発明の効果 以上述べたように本発明法によれば、低温下で
使用される構造用鋼棒として低温靭性に優れしか
も従来の高Ni鋼よりもNi量が極めて少なく、安
価な鋼棒が得られる。又製造工程中に鋼棒の曲り
を矯正する工程を含まず、工程が簡単であり、さ
らにヒユーム飛散を生じないという効果がある。
依つて本発明方法は産業上極めて有益な方法であ
る。
性は良好であるが、Ni量が多いので高価である。 又No.2,3の鋼はNiを含有しない従来鋼であ
るが、低温靭性(vE−120)が、平均値で10Kg−
m未満で良くない。これに対して、本発明に係る
No.4〜8の鋼は、従来鋼にNiを少量添加したも
のであるが、本発明に係る圧延及び熱処理によつ
て低温靭性が極めて良い。 (ト) 発明の効果 以上述べたように本発明法によれば、低温下で
使用される構造用鋼棒として低温靭性に優れしか
も従来の高Ni鋼よりもNi量が極めて少なく、安
価な鋼棒が得られる。又製造工程中に鋼棒の曲り
を矯正する工程を含まず、工程が簡単であり、さ
らにヒユーム飛散を生じないという効果がある。
依つて本発明方法は産業上極めて有益な方法であ
る。
第1図は本発明に係る圧延ラインを例示する
図、第2図は本発明に係る鉄筋棒鋼の仕上り温度
とシヤルピー衝撃値との関係を示す図、第3図は
本発明に係る鉄筋棒鋼の復熱温度と衝撃値との関
係を示す図、第4図は従来鋼の仕上り温度と衝撃
値との関係を示す図である。
図、第2図は本発明に係る鉄筋棒鋼の仕上り温度
とシヤルピー衝撃値との関係を示す図、第3図は
本発明に係る鉄筋棒鋼の復熱温度と衝撃値との関
係を示す図、第4図は従来鋼の仕上り温度と衝撃
値との関係を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.05〜0.30wt%,Si:0.40wt%、 Mn:0.5〜3.0wt%,Ni:0.5〜2.0wt%、 Sol.Al:0.01〜0.09wt%、及びNb0.1wt%と
Ti0.1wt%のうち1種又は2種を含み、 残部Feと不可避的不純物から成る鋼を、1100
℃以下の温度に加熱して仕上温度700〜850℃を確
保するように熱間圧延した後、直ちに急冷を行つ
て表面温度300℃以下にし、その後表面温度が400
〜550℃になるように復熱させることを特徴とす
る低温用棒鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15060585A JPS6213523A (ja) | 1985-07-09 | 1985-07-09 | 低温用棒鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15060585A JPS6213523A (ja) | 1985-07-09 | 1985-07-09 | 低温用棒鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6213523A JPS6213523A (ja) | 1987-01-22 |
JPH022926B2 true JPH022926B2 (ja) | 1990-01-19 |
Family
ID=15500537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15060585A Granted JPS6213523A (ja) | 1985-07-09 | 1985-07-09 | 低温用棒鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6213523A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0544569Y2 (ja) * | 1987-06-26 | 1993-11-12 | ||
JP2756533B2 (ja) * | 1989-02-14 | 1998-05-25 | トーア・スチール株式会社 | 高強度、高靭性棒鋼の製造方法 |
JP4435954B2 (ja) | 1999-12-24 | 2010-03-24 | 新日本製鐵株式会社 | 冷間鍛造用棒線材とその製造方法 |
WO2015076242A1 (ja) | 2013-11-19 | 2015-05-28 | 新日鐵住金株式会社 | 棒鋼 |
-
1985
- 1985-07-09 JP JP15060585A patent/JPS6213523A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6213523A (ja) | 1987-01-22 |
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