JP2756533B2 - 高強度、高靭性棒鋼の製造方法 - Google Patents

高強度、高靭性棒鋼の製造方法

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    • B21B1/00Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations
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    • B21B1/18Metal-rolling methods or mills for making semi-finished products of solid or profiled cross-section; Sequence of operations in milling trains; Layout of rolling-mill plant, e.g. grouping of stands; Succession of passes or of sectional pass alternations for rolling wire rods, bars, merchant bars, rounds wire or material of like small cross-section in a continuous process

Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 (産業上の利用分野) この発明は高強度、高靱性棒鋼の製造方法に関するも
のである。
(従来の技術) 自動車部品、もしくは建設機械部品のシャフト等のよ
うな高強度、高靱性が要求されるものについては、通
常、構造用炭素銅をオフラインにおいて焼入れ焼戻し処
理を施した調資材が使用されている。
このため、工程並びにコストの合理化を図る見地か
ら、例えば特開昭51−99619もしくは特開昭62−86125の
ような熱間圧延後の棒銅をオンラインにおいて直接焼入
れを行なう方法が提案され、又、一方、特開昭59−9122
のようにV、もしくはNbを添加した非調質銅を使用する
例も近年見られるようになった。
(発明が解決しようとする課題) 調質材については表層部の硬度が内部より極めて高く
このため焼入れ後の曲がりが大きく切削性に欠けると言
う欠陥がある。
又、前述したような、オフラインによる熱処理が生産
工程を複雑にし多大のコスト増を招くことは、こと新ら
しく言うまでもないことであり、そのためにこそ前述し
たようなオンラインによる処理方法、もしくは非調質鋼
が提案される所以であるが、前者の例の特開昭51−9961
9においては、仕上げ圧延後の急冷により表層部をマル
テンサイトおよび(又は)ベイナイト組織となし、その
後の鋼材の保有熱により表層部を焼戻す方法であるが、
オフライン調質材と同様に表層部の硬さが内部より著し
く高く、大きい残留応力のため直棒の曲がりが大きく、
而も切削工具の寿命を著しく短かくするという欠点があ
る。更に特開昭59−9122には0.05〜0.15%Vを含む鋼を
900℃以下で少なくとも20%以上の熱間加工を施す方法
も提案されているが、この方法は圧延温度を低くして粒
を微細化して靱性を向上させる方法であり、圧延後は放
冷であるためオーステナイト粒の再結晶が進んで十分微
細な粒子を得ることができず、またパーライトのラメラ
ー間隔も大きくなってしまう。非調質鋼にしてもC:0.40
%以上では靱性に欠け、V、Nb等を0.10〜0.20%添加す
る場合にはコスト高は避けられない。更に特開昭63−69
914には表層部をAc1〜Ac1−60℃の温度に冷却して50%
以上の圧延を施し、表層部を球状化組織として後、下部
臨界冷却速度未満で冷却して、耐摩耗性に優れた棒線材
を製造する方法が開示されている。しかしこの表層の球
状化組織はフェライト粒の微細化のため硬度が極めて高
く、ベイナイトないし焼戻しマルテンサイトとほヾ同等
の硬度を有すると示されているが、発明者らの研究にお
いては硬度はベナイトないし焼戻しマルテンサイトより
かなり低いことが確認された。又、仮に硬度が高くても
曲がりが大きく切削工具寿命が低いという欠点は何ら改
善されていない。
本発明はこのような現状に鑑み創案されたものであ
り、特定の組成よりなる鋼片を圧延条件および冷却条件
を適切に制御することにより、オンライン処理で、表層
部が軟質で、内部はオフライン調質材と同等の高強度、
高靱性を有し且つ切削性に優れた棒鋼を製造する方法を
提供することを目的とする。
「発明の構成」 (課題を解決するための手段) 前述の目的を達成するために、本発明者等は (1)重量%で、C:0.32〜0.60%、Si:0.25〜1.00%、M
n:0.50〜1.80%を含有する鋼片を、850〜1000℃に加熱
して、圧延し、Ac1〜850℃の間で圧延を終了し、次いで
最終圧延後の鋼の表面を170〜500℃の間の温度に一旦急
冷し、後、鋼の内部保有熱により鋼表面を540〜650℃の
間の温度に復熱せしめて、表層部に微細なフェライトと
粒状炭化物および(または)層状炭化物を生成せしめる
ことにより表層部がその内部より軟質であることを特徴
とする高強度、高靱性棒鋼の製造方法。
(2)重量%で、C:0.32〜0.60%、Si:0.25〜1.00%、M
n:0.50〜1.80%を含有する鋼片を、850〜1000℃に加熱
して、圧延し、Ac1〜850℃の間で圧延を終了し、次いで
最終圧延後の鋼の表面を170〜500℃の間の温度に一旦急
冷し、後、鋼の内部保有熱により鋼表面を540〜650℃の
間の温度に復熱せしめて、表層部に微細なフェライトと
粒状炭化物および(または)層状炭化物を生成せしめ、
然る後、再度急冷して表面を400℃未満とすることによ
り表層部がその内部より軟質であることを特徴とする高
強度、高靱性棒鋼の製造方法を茲に提案する。
本発明方法を採用することにより、経費の安価なオン
ライン処理により、化学組成として高価な合金元素を使
用することもなく、表層部が軟質で内部が高強度、高靱
性の曲がりが小さく切削性に優れた棒鋼を製造すること
かできる。又、V等の焼入性向上元素を用いた場合には
従来非調質鋼より一層の強靱化を図ることができる。
「作用」 本願発明の骨子とするところは、(a)マルテンサイ
ト等の過冷組織の発生を防止するためオーステナイト粒
度を適度に小さくして、表層部の焼入れ性を低下せしめ
るための適当な低温圧延を行なうこと、(b)表層部に
フェライト粒子を多数生成せしめるための急冷を行なう
こと、(c)表層に生成した残留応力を開放するための
所定温度域への復熱処理を施すこと、(d)更に必要に
応じて内部組織を微細にして高強度、高靱性を付与する
ために後段における再度の急冷を行なうことである。
先ず、本発明方法を適用する鋼材の化学組成における
数値限定の理由について説明する。
C:0.32〜0.60% Cは強度を確保するのに重要な元素である。然し0.32
%未満では所望の強度が適切に得られず、一方0.60%を
超えて添加する場合には靱性が低下するので、0.20〜0.
60%の範囲に限定した。
Si:0.25〜1.00% Siは脱酸剤として機能し、またフェライトに固溶して
鋼を強化するが、0.25%未満ではその効果が乏しく、一
方1.00%を超えて添加する場合は鋼の清浄度を低下せし
め、靱性を劣化せしめ、また脱炭を大きくする原因とな
るので、0.25〜1.00%の範囲とした。
Mn:0.50〜1.80% Mnは焼入れ性を高めると共に、Sによる靱性の低下を
防止するための機能を有する元素である。この効果を期
待するには少なくとも0.50%以上の添加を必要とする
が、1.80%を超えて添加する場合には内部組織にベイナ
イトの占める割合が多くなって靱性を損なうことになる
ので、0.50〜1.80%の範囲とした。
尚、本願発明においては、特に必須成分としては規定
しなかったが、オーステナイト粒微細化元素として必要
に応じてTi、Zr、Nb、Al等を0.010〜0.050%、焼入れ性
向上元素としてのNi、Cr、Mo、V、B等を内部組織が完
全にベイナイトにならない程度に添加しても良く、切削
性を向上せしめる見地からS、Pb、Ca、を添加すること
も勿論可能である。
次に圧延条件並びに熱処理条件の数値限定理由につい
て述べる。
圧延のための鋼片の加熱温度:850〜1000℃ 鋼片の加熱温度は、圧延機の負荷の点から考慮し850
℃以上とする必要がある。850℃未満では負荷が大き過
ぎることになり、1000℃を超える加熱温度ではオーステ
ナイト粒の成長が著しくなるので、850〜1000℃の範囲
とする必要がある。
圧延終了温度:Ac1〜850℃ 圧延終了温度がAc1未満では、圧延機の負荷が大きく
なり過ぎ表面疵が発生し易くなる。また粒が微細化しす
ぎて焼入れ性が低くなり、内部を強靱化しにくくなる。
一方850℃を超える場合はは、圧延中の動的再結晶、圧
延後の静的再結晶の進行が著しくなり、微細な組織を得
ることができず、急冷によってベイナイトやマルテンサ
イトを生じ易くするので、Ac1〜850℃の範囲とした。
最終圧延後の鋼表面の急冷温度:170〜500℃ 急冷時の鋼の表面温度を170℃より低くした場合には
内部が冷却され過ぎてベイナイトの占める割合が多くな
って靱性が劣ってくる。一方500℃を超える表面温度と
する場合には、内部の冷却が不充分で高強度、高靱性を
得ることはできない。急冷には通常水を使用する。鋼組
成より計算されるMs点は300℃程度であり当然本発明に
おいては計算Ms点以下に冷却する場合もあるが、低温で
最終圧延を行った直後は圧延変形帯が残存しており、極
めて焼入れ性が低下しており、表層部にマルテンサトが
生ずることはない。圧延後数秒以内で急冷した場合には
転位を多数含んだ未再結晶粒がそのまま残存しており、
これは過飽和固溶炭素の析出サイトとなる。即ち変形オ
ーステナイトから急冷された鋼は過飽和固溶炭素を多量
含有しており、これは復熱処理によって転位上に析出す
る。炭化物が層状に析出する時間的余裕がないのと、析
出サイトが多数存在することの理由により炭化物は粒状
に析出するのである。この未再結晶フェライトと粒状炭
化物よりなる層はマルテンサイト、ベイナイトより軟質
である。
しかしながら最終圧延後の時間の経過とともに変形オ
ーステナイトの再結晶及び転位の消滅が進み、固溶炭素
は層状に析出するようになる。約2分後に急冷した場合
には微細なフェライト+パーライトのみの組織となる。
表層部がフェライト+パーライトのみの組織となる。表
層部がフェライト+パーライトのみの組織になっても内
部より圧倒的にフェライトの量が多いので表層部は内部
より軟質となる。50〜500℃の温度とすることにより得
られるフェライト粒度は10番以上の極めて微細なものと
なる。
復熱後の表面温度:540〜650℃ 急冷により得られる表層部組織は、熱間圧延後の回復
が不十分で残留応力が大きい。大きな残留応力は直棒の
曲がりの原因となるので、これを所定の温度にまで復熱
させて、残留応力を少なくする。540℃未満では残留応
力の解放が小さく、一方650℃を超える高温に復熱する
ような急冷の程度では、内部の高強度化不十分となるの
で、540〜650℃の範囲とした。
このように前項の急冷工程とこの復熱工程をとること
により、初めて表層部に粒度No.10以上のフェライトと
粒状炭化物および(または)層状炭化物を生成せしめ、
このような金属組織を得ることにより初めて軟質の表層
部が得られることになる。
後段急冷時の鋼の表面温度:400℃未満 熱間圧延後の急冷−復熱によって表層部に軟質層が得
られても、その内部は未変態のオーステナイトのままで
ある。70φ程度以下の棒においては400〜650℃に復熱後
放冷しても、内部の高強度化を図ることはできる。しか
し100φ程度以上の太径になると表層軟質直下は強化し
ても内部を充分強靱化することはできない。内部強度を
焼入れ焼戻し材なみ、即ち通常圧延材より10kgf/mm2
度の強度度化を図る場合には、再度急冷して表面を400
℃未満に冷却する必要がある。表層軟質部は既に変態を
完了しているので、再度の急冷によっても殆ど影響を受
けない。内部は微細はフェライト+パーライトである
が、靱性を損なわない程度のベイナイトは混在しても差
し支えはない。従って太径材において通常圧材より高強
度化を狙う場合には、内部を微細なフェライト+パーラ
イト組織にする必要があり、この後段の冷却は欠かせな
いこととなる。
本願発明方法による場合には、前述した化学的組成の
鋼片をここに述べたように圧延条件、熱処理条件により
処理することにより、表層部には軟質層が形成せしめら
れ、内部には微細組織を有する曲がりが小さく且つ切削
性に優れた高強度、高靱性を備えた棒鋼を製造すること
ができる。
(実施例) 以下に本発明を実施例に従って詳細に説明する。
第1図は本発明を実施するための装置の例を示す図で
ある。加熱炉1より抽出された鋼片は粗圧延機群2、中
間圧延機群3、仕上げ圧延機群4により所望の系に熱間
圧延される。各々の圧延機群の後には粗圧延水冷帯5、
中間圧延水冷帯6、仕上げ圧延水冷帯7を有し、さらに
所定の間隔をおいて製品水冷帯8を有する。例えば70φ
より太径の棒鋼は粗圧延機群のみで圧延を終了するの
で、4つの水冷帯を適宜選択して、或いは組み合わせて
水冷を施すことが可能である。また細径の30φ程度の棒
鋼は仕上げ圧延機群で圧延を終了するので、仕上げ圧延
水冷帯および(または)製品水冷帯を使用することにな
る。
第1表には試験に用いた試供鋼の化学成分を示す。鋼
Aは鉛を含む通常のS45C相当鋼、鋼Bは高Mnで少量の
V、Nbを含む鋼、鋼Cは炭素がやや低めでかつ高Si−Mn
でVを0.12%含む鋼である。
第2表には熱処理条件を示す。熱処理条件a〜mは後
述する第3表の試験No.1〜15に該当するものである。
第3表には試験結果を示すが、表中のTMは焼戻しマル
テンサイト、Fはフェライト、Sは粒状炭化物、Pはパ
ーライト(層状炭化物)、Bはベイナイト、またYPは降
伏点、TSは引張強さ、ELは伸び、RAは絞り、CIVは室温
での衝撃値を示す。第3表において、試験No.1は鋼Aを
50φに圧延後ただちに230℃まで冷却した例であるが、
表層部にフェライト+粒状炭化物より成る層を有し、内
部はNo.2の従来オフライン調質材と同等に強靱性を有す
る棒鋼が製造されている。従来法の表層は焼戻しマルテ
ンサイトで硬いのに対し、No.1は表層が内部より軟質で
このため残留応力が小さく、棒の曲がりが小さい。
No.3〜9は70φの鋼Aについて熱処理条件を種々変更
して試験した例である。
No.3は最終圧延後ただちに220℃まで水冷した例であ
るが、圧延終了温度が高すぎてオーステナイトの再結晶
が速く表層が焼入れされマルテンサイトがでた例で、曲
がりが大きい。
No.4は最終圧延後ただちに180℃まで水冷した例であ
るが、圧延終了温度がNo.3より低いのでフェライト+粒
状炭化物より成る表層を有し内部も強靱で曲がりも小さ
い。
No.5はNo.4より水冷時間が短い例であり、このための
内部の強靱性はNo.4よりやや低いが強靱棒鋼として十分
な性質を示している。
No.6はNo.5と同じ条件の第1回急冷に引き続き、第2
回急冷を行った例であるが、内部が十分強靱化されてい
る。
No.7は最終圧延直後の水冷帯を使用せず、20秒後に急
冷した例であるが、表層組織がフェライト+粒状炭化物
+パーライトになった例である。
No.8は最終圧延から180秒後に製品水冷帯で冷却した
例であるが、再結晶が進んで表層が焼戻しマルテンサイ
トになったため曲がりが大きい。
No.9は従来オフライン調質材の性質を示す。
No.10〜13は100φの鋼Aについて試験した例である。
No.10は仕上げ圧延水冷帯により圧延終了から120秒後
に14秒間水冷した例である。表層はフェライト+パーラ
イトで軟質であるが、太径のため内部の冷却がやや不足
で、十分強靱でない。
No.11はNo.10の内部の強靱性をされに高めるため製品
水冷帯で第2回目の急冷を施した例であり、十分な強靱
化が達成されている。
No.12は同じく2回水冷を行った例であるが第1回の
水冷が弱く、このため復熱温度が高く、再結晶が進んで
2回目の冷却でマルテンサイトが発生した例である。
No.13は従来オフライン調質材の性質を示す。
No.14、45は70φの鋼BまたはCを熱処理条件fで試
験した例である。いずれも曲がりが小さく、S45Cより強
靱な棒鋼が製造されている。鋼Cは焼入れ性が高いので
内部に若干のベイナイトを含んでいるが、衝撃値は極め
て高い。
第2図には本発明方法(試験No.5、6)の鋼材表面の
圧延過程における温度変化を図示した。
第3図は本発明の方法(試験No.6)による棒鋼の長手
方向の表層と中間部(D/4、Dは直径)の金属組織の顕
微鏡写真を示す。表層は圧延によって長く伸びたフェラ
イトに粒状炭化物を有する組織であり、中間部はフェラ
イト+パーライトである。
第4図に本発明法(試験No.6)と従来法(試験No.9)
の測定位置別硬度分布の比較を示す。本発明方法による
場合には表層部に2mm程度の軟質層を有し、残留応力が
小さくなっていることが示されており、このため曲がり
が小さくなる。
第5図に超硬工具切削におけるすくい面摩耗の進行状
況を示す。本発明法より得られた製品がすくい面摩耗が
小さいことが示されている。
(切削条件:工具材質P20、切削速度150m/min、送り0.2
mm/rev、切削油なし) 「発明の効果」 以上詳述したように、本発明の高強度、高靱性棒鋼の
製造方法による場合は、特殊な合金元素を添加すること
もなく、又、オフラインにおける調質を省略しオンライ
ンにおいて、適切な制御圧延との組合せで、冷却条件を
コントロールすることにより、表層部に切削性の優れた
硬質部を形成せしめると同時に、内部がオフライン調質
材と同等の高強度、高靱性の且つ曲がりの小さい棒鋼を
効率的に製造することができるから、本発明の産業界の
発展に寄与するところは頗る大きいと言うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を実施するための圧延機群の配列と
水冷帯の位置を示す説明図、第2図は本発明方法による
鋼材の圧延過程における鋼材の表面温度の変化の例を図
示したもの、第3図は本発明方法により得られた棒鋼の
表層と中間部の金属組織を示す顕微鏡写真、第4図は従
来法と本発明方法により得られた棒鋼の測定位置別硬度
分布の比較を示したもの、第5図は従来法と本発明方法
により得られた棒鋼の超硬工具切削におけるすくい面摩
耗の進行状況を示したものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−205031(JP,A) 特開 平2−213416(JP,A) 特開 昭62−13523(JP,A) 特開 昭62−60411(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、C:0.32〜0.60%、Si:0.25〜1.0
    0%、Mn:0.50〜1.80%を含有する鋼片を、850〜1000℃
    に加熱して、圧延し、Ac1〜850℃の間で圧延を終了し、
    次いで最終圧延後の鋼の表面温度を170〜500℃の間の温
    度に一旦急冷し、後、鋼の内部保有熱により鋼表面を54
    0〜650℃の間の温度に復熱せしめて、表層部に微細なフ
    ェライトを粒状炭化物および(または)層状炭化物を生
    成せしめることにより表層部がその内部より軟質である
    ことを特徴とする高強度、高靱性棒鋼の製造方法。
  2. 【請求項2】重量%で、C:0.32〜0.60%、Si:0.25〜1.0
    0%、Mn:0.50〜1.80%を含有する鋼片を、850〜1000℃
    に加熱して、圧延し、Ac1〜850℃の間で圧延を終了し、
    次いで最終圧延後の鋼の表面を170〜500℃の間の温度に
    一旦急冷し、後、鋼の内部保有熱により鋼表面を540〜6
    50℃の間の温度に復熱せしめて、表層部に微細なフェラ
    イトを粒状炭化物および(または)層状炭化物を生成せ
    しめ、然る後、再度急冷して表面を400℃未満とするこ
    とにより表層部がその内部より軟質であることを特徴と
    する高強度、高靱性棒鋼の製造方法。
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