JP2581207Y2 - センターキャップ - Google Patents

センターキャップ

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JP2581207Y2
JP2581207Y2 JP6536792U JP6536792U JP2581207Y2 JP 2581207 Y2 JP2581207 Y2 JP 2581207Y2 JP 6536792 U JP6536792 U JP 6536792U JP 6536792 U JP6536792 U JP 6536792U JP 2581207 Y2 JP2581207 Y2 JP 2581207Y2
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好伸 薄
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遠菱アルミホイール株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動車用軽合金ホイー
ルのセンターボアに被せるためのセンターキャップに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用軽合金ホイールは、車両のハブ
への取付け精度を向上させて走行時の微振動を減少させ
るため、センター穴加工によってディスク部の高精度な
センタリングを行い、ホイールの真円度を確保してい
る。即ち、前記ディスク部の中央にはセンターボアと呼
ばれるハブ穴が形成されており、これはホイールを車両
のハブへ取り付ける際のハブセンターとの干渉を避ける
という意味もある。
【0003】そこで、通常、この様なディスク部のセン
ターボアには外観デザインを良好にするため、センター
キャップが被せられている。この種のセンターキャップ
は、センターボア外端部の内周壁又はボス部に形成され
た段部あるいは肩部に係合する係止部を有しており、セ
ンターボア外端部を被うように嵌着される。
【0004】例えば、従来のセンターキャップを図5に
従って説明すると、アルミホイール30はディスク部中
央にセンターボア40を有し、その中に車両のハブセン
ターを貫通させるようにして車両のハブに取付けられ
る。センターボア40の端部内周には半径方向張出部3
1が連成されていて、その内周面にはディスクデザイン
面側の開口径が窄まるように環状肩部34が刻設されて
いる。
【0005】センターキャップ62は、円形の平板部6
3の外周縁に一方の平面側に延びる円環状の周壁65を
形成した円盤状部材であり、該平板部63からほぼ垂直
に延びる複数の脚64が突設されている。該脚64の先
端部外周面には、前記環状肩部34に係合する係合突起
66が形成されている。そこで、半径方向へ弾性変形可
能な前記脚64をセンターボア40内に圧入し、その先
端部に設けた係合突起66を前記環状肩部34に係合さ
せることにより、前記周壁65の環状端面が前記半径方
向張出部31の端面32に当接してセンターキャップ6
2はセンターボア40を被うようにアルミホイール30
に嵌着される。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、車両の
ハブセンターの高さは車種によって異なり、ホイールを
車両のハブに取り付けた際にハブセンター61の端部が
図5に二点鎖線で図示した如くセンターボア40から大
きく突出するものがある。このような場合には、上記の
如きセンターキャップ62を嵌着することは不可能であ
り、ハブセンター61の高さに対応して別個に深さの異
なるセンターキャップを使用しなければならない。そこ
で、センターキャップは、ハブセンターの高さが異なる
車種毎にこれに対応する専用のものが必要になるので、
多品種少量生産のホイール生産においてはコストアップ
の要因となってしまうという問題があった。
【0007】従って本考案の目的は、上記課題を解消す
ることに係り、ホイールのセンターボアから突出するハ
ブセンターの異なる高さに応じて装着が可能で、汎用性
が高く安価なセンターキャップを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案の上記目的は、車
両用ホイールのディスク部中央に形成されたセンターボ
アを被う底板が周壁によって囲まれており、かつ前記周
壁の内側にはセンターボア内周面の係合部に係合すべく
先端部外表面に係合突起を形成された高さの異なる複数
種類の脚がそれぞれ少なくとも対を成し、周方向に沿っ
て交互に垂設されたセンターキャップであって、前記高
さの低い脚の係合突起には、外周面が前記周壁に連続し
て連なる延長周壁を形成する筒状のリング部材が適宜装
着可能に構成されていることを特徴とするセンターキャ
ップにより達成される。
【0009】又、本考案の上記目的は、車両用ホイール
のディスク部中央に形成されたセンターボアを被う底板
が周壁によって囲まれており、かつ前記周壁の内側には
センターボア内周面の係合部に係合すべく先端部外表面
に係合突起を形成された第1の脚が周方向に沿って垂設
されたセンターキャップであって、前記第1の脚の係合
突起には、外周面が前記周壁に連続して連なる延長周壁
を形成し、かつ該延長周壁の内側にセンターボア内周面
の係合部に係合すべく先端部外表面に係合突起を形成さ
れた第2の脚が周方向に沿って配設された筒状のリング
部材が適宜装着可能に構成されていることを特徴とする
センターキャップによっても達成される。
【0010】
【作用】本考案によるセンターキャップは上記した構成
を具備しているので、ハブセンターがセンターボアから
突出していない場合にはそのままディスク部に取付ける
ことが可能であり、ハブセンターがセンターボアから突
出している場合には適当な軸方向高さを有するリング部
材を該センターキャップに装着することによりディスク
部に取付けることが可能となる。そこで、ハブセンター
の突出度合いに応じて複数種の軸方向高さの異なるリン
グを適宜使用することにより、同一のセンターキャップ
を複数種類の車種に対応させることができる。
【0011】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本考案の一実施例
を詳細に説明する。図1において示されるように、本考
案によるセンターキャップは通常ABS樹脂によって一
体成形され、センターキャップ1は円形の底板11が円
環状の周壁12によって囲まれている。また周壁12の
内側には、長脚13および短脚14の2種類の脚が周方
向に沿って一定間隔を置いて交互に各3本底板11上に
垂設されている。
【0012】また、前記短脚14に嵌着されるリング部
材であるリング2は、前記長脚13および短脚14の外
周面により形成される想像円2cの直径より僅かに大き
な内径を有しかつ内周面に隆起する環状内傾面26を備
えている。このリングの内周面は図1において上方から
順にフランジを形成している湾曲面22、環状溝23、
環状平面24、円筒内周面25、前記環状内傾面26、
円筒内周面27および円錐状傾斜表面2bを具備してい
る。更に、該リング2の最外周部には、円筒外周面21
に拡開した外周縁傾斜面29が連成されており、他方円
筒外周面21の反対側には水平な環状表面2aとの間に
おいて円錐状の外周傾斜面28が形成されており、前記
周壁12に連続して連なる延長周壁を形成されている。
【0013】さらに、前記センターキャップ1の長脚1
3および短脚14は円周方向に沿って円弧状に延びてお
り、その先端部外表面には突起15および16が横方向
に3個ずつ等間隔に夫々配置されている。またこれら脚
の底板11と接合する部分は上記突起と対応して垂直方
向に延びる補強リブ17が配設されており、その上端部
は前記周壁12の端面と同一平面で終止している。これ
は、後述するアルミホイールへの装着に際し、直接リン
グ2の環状表面2aと軸方向移動を生じないように強固
に当接させるためである。
【0014】図2において、アルミホイール30のディ
スク部のセンターボア40外側端部に形成された半径方
向張出部31に、上記したセンターキャップ1及びリン
グ2を取付ける際の過程を説明する。リング2の内周面
に形成された環状内傾面26に対し短脚14の突起16
を係合してセンターキャップ1にリング2を重ね合わせ
て組立体を形成し、さらに前記長脚13の先端部外表面
に形成された突起15をアルミホイールの半径方向張出
部の外端部近傍内面に形成された円錐状の環状肩部34
に係合することにより装着が完了する。この装着状態に
おいて、前記半径方向張出部31の外側端部には平坦な
張出部端面32が形成されており,かつリング2の環状
平面24と面一で当接しており、前記周壁12の端面は
前記直接リング2の環状表面2aと当接している。従っ
て、上記組立体の軸方向移動は完全に阻止される。
【0015】また、上記した半径方向張出部31の外周
面には環状溝33が刻設されており、この環状溝の内部
に前述したリング2の最外周部分が嵌入しておりその環
状の底面に対して湾曲面22が押接されている。以上述
べた構成によりアルミホイール30に対するリング2の
半径方向移動は完全に阻止されている。勿論、ハブセン
ター61がセンターボア40から突出しない場合、前記
センターキャップ1は、前記短脚14の先端部外表面に
形成された突起16を前記環状肩部34に係合すること
により、半径方向張出部31に装着可能である。
【0016】次に、図3に従って本考案の他の実施例に
基づくセンターキャップの構成を以下に説明する。セン
ターキャップ41は、円形の底板51が円環状の周壁4
4によって囲まれている。また周壁44の内側には、第
1の脚43が周方向に沿って一定間隔を置いて3本底板
51上に垂設されている。
【0017】また、前記第1の脚43に嵌着されるリン
グ部材であるリング42は、前記第1の脚43の外周面
により形成される想像円42cの直径より僅かに大きな
内径を有しかつ内周面に隆起する環状内傾面58を備え
ている。このリングの内周面は図3において上方から順
にフランジを形成している湾曲面52、環状溝53、環
状平面54、円筒内周面59、前記環状内傾面58、円
筒内周面57および円錐状傾斜表面42bを具備してい
る。更に、該リング42の最外周部には、円筒外周面4
7に拡開した外周縁傾斜面49が連成されており、他方
円筒外周面47の反対側には水平な環状表面42aとの
間において円錐状の外周傾斜面48が形成されており、
前記周壁44に連続して連なる延長周壁を形成されてい
る。また、先端部外表面に突起55を形成した第2の脚
50が、周方向に沿って一定間隔を置いて3本リング内
周面に配設されている。
【0018】さらに、前記第1の脚43および第2の脚
50は、それぞれ円周方向に沿って円弧状に延びてお
り、その先端部外表面には突起45および55が横方向
に3個ずつ等間隔に夫々配置されている。また、前記第
1の脚43の底板51と接合する部分は、上記突起45
と対応して垂直方向に延びる補強リブ46が配設されて
おり、その上端部は前記周壁44の端面と同一平面で終
止している。これは、後述するアルミホイールへの装着
に際し、直接リング42の環状表面42aと軸方向移動
を生じないように強固に当接させるためである。
【0019】以上の構成において図1に示された前記実
施例との大きな相違点は、センターキャップ1に配設さ
れた2種類の長短脚を夫々第1の脚43として3本をそ
のままの位置に残し、残りを3本を第2の脚50として
リング42の内周面にそのままの位置関係に取り付けた
点にある。従ってリング2に取り付けられた第2の脚5
0は、図1の実施例に示された長脚13ほどの高さは必
要なく、取り付けられるリングの所要軸方向高さに適応
しているか、或いはアルミホイール側の取り付け用係合
部位のボア内深度位置に適応していれば良い。
【0020】次に、図4に従って、アルミホイール30
のディスク部のセンターボア40外側端部に形成された
半径方向張出部31に、上記したセンターキャップ41
及びリング42を取付ける際の過程を説明する。なお、
取り付けられるアルミホイールの各部位の形状および構
造は図2に示されたものと同一である。最初にリング4
2の内周面に形成された環状内傾面58に対し第1の脚
43の突起45を係合してセンターキャップ41にリン
グ42を重ね合わせて組立体を形成し、さらに第2の脚
50の先端部外表面に形成された突起55をアルミホイ
ールの半径方向張出部31の外端部近傍内面に形成され
た円錐状の環状肩部34に係合することにより装着が完
了する。
【0021】この装着状態において、前記半径方向張出
部31の外側端部には平坦な張出部端面32が形成され
ておりかつリング42の環状平面54および第2の脚5
0の補強リブ56の上端面と面一で当接しており、従っ
て組立体の軸方向移動は完全に阻止される。上記した半
径方向張出部31の外周面には環状溝33が刻設されて
おり、この環状溝の内部に前記したリング42の最外周
部分が嵌入しておりその環状の底面に対してリングの湾
曲面52が押接されている。以上述べた構成によりアル
ミホイール30のディスク部に対するリング52の半径
方向移動は完全に阻止されている。
【0022】勿論、ハブセンター61がセンターボア4
0から突出しない場合、前記センターキャップ41は、
前記第1の脚43の先端部外表面に形成された突起45
を前記環状肩部34に係合することにより、半径方向張
出部31に装着可能である。これら2つの実施例におい
ては、センターキャップ1,41とリング2,42との
一体化に次いでアルミホイール30のディスク部への取
り付けが行われているが、リング2,42をアルミホイ
ール30のディスク部に取り付けた後にセンターキャッ
プ1,41を取り付けると言う順序でも良い。
【0023】更に第2の実施例において、リング42は
その軸方向高さの異なるものを個別に用意し、ハブセン
ター61の突出状態に応じて選択されかつホイールに取
り付けられ、次いでセンターキャップ41をリングの上
から係合する事も可能である。その際リング42に取り
付けられた第2の脚50の高さは、当然リングの軸方向
高さに依存して設定されねばならない。
【0024】尚、上記第1の実施例においては、長短2
種類の高さの脚を用いたが、高さの異なる3種類以上の
脚を用いることも可能である。また、前記センターキャ
ップ、脚及びリング部材等は、上記各実施例における形
状に限定されるものではなく、種々の形状を取りうるこ
とは勿論である。
【0025】
【考案の効果】上記した如く本考案によるセンターキャ
ップは、センターキャップ単独で使用可能であることは
勿論、種々の軸方向高さのリング部材を組み合わせるこ
とによって、ハブセンターがホイールディスク部のセン
ターボアから突出するような車両、あるいはホイールに
対しても同一のセンターキャップで対応することができ
るので、製造コストを大幅に下げることが可能である。
【0026】従って、ホイールのセンターボアから突出
するハブセンターの異なる高さに応じて装着が可能で、
汎用性が高く安価なセンターキャップを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に基づくセンターキャップの
全体斜視図である。
【図2】図1に示したセンターキャップのホイール装着
状態を説明する断面図である。
【図3】本考案の他の実施例に基づくセンターキャップ
の全体斜視図である。
【図4】図3に示したセンターキャップのホイール装着
状態を説明する断面図である。
【図5】従来のセンターキャップのホイール装着状態を
説明する断面図である。
【符号の説明】
1 センターキャップ 2 リング 2a 環状表面 2b 円錐状傾斜表面 2c 想像円 11 底部 12 周壁 13 長脚 14 短脚 15 突起 16 突起 17 補強リブ 21 円筒外表面 22 湾曲面 23 環状溝 24 環状平面 25 円筒内周面 26 環状内傾面 27 円筒内周面 28 外周傾斜面 29 外周縁傾斜面 30 アルミホイール 31 半径方向張出部 32 張出部端面 33 環状溝 34 環状肩部 40 センターボア 61 ハブセンター

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用ホイールのディスク部中央に形成
    されたセンターボアを被う底板が周壁によって囲まれて
    おり、かつ前記周壁の内側にはセンターボア内周面の係
    合部に係合すべく先端部外表面に係合突起を形成された
    高さの異なる複数種類の脚がそれぞれ少なくとも対を成
    し、周方向に沿って交互に垂設されたセンターキャップ
    であって、前記高さの低い脚の係合突起には、外周面が
    前記周壁に連続して連なる延長周壁を形成する筒状のリ
    ング部材が適宜装着可能に構成されていることを特徴と
    するセンターキャップ。
  2. 【請求項2】 車両用ホイールのディスク部中央に形成
    されたセンターボアを被う底板が周壁によって囲まれて
    おり、かつ前記周壁の内側にはセンターボア内周面の係
    合部に係合すべく先端部外表面に係合突起を形成された
    第1の脚が周方向に沿って垂設されたセンターキャップ
    であって、前記第1の脚の係合突起には、外周面が前記
    周壁に連続して連なる延長周壁を形成し、かつ該延長周
    壁の内側にセンターボア内周面の係合部に係合すべく先
    端部外表面に係合突起を形成された第2の脚が周方向に
    沿って配設された筒状のリング部材が適宜装着可能に構
    成されていることを特徴とするセンターキャップ。
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