JP2581078B2 - 可逆的発消色材料 - Google Patents

可逆的発消色材料

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JP2581078B2 JP62145391A JP14539187A JP2581078B2 JP 2581078 B2 JP2581078 B2 JP 2581078B2 JP 62145391 A JP62145391 A JP 62145391A JP 14539187 A JP14539187 A JP 14539187A JP 2581078 B2 JP2581078 B2 JP 2581078B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、可逆的発消色材料に関し、特に新規な表示
装置、一時的記録材料、センサー、教材、文具、玩具等
に応用可能な可逆的発消色材料に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、ラクトン環を有する電子供与性呈色性有機
化合物を色素前駆体とし、酸解離定数が小さく、疎水性
の固体酸を分散媒を兼ねた顕色剤とし、上記色素前駆体
と上記顕色剤とを相溶してなる可逆的発消色材料におい
て、加熱融解した状態で水分を与えることにより発色
し、冷却固化あるいは水分を除去することにより消色す
ることを可能とするものである。
〔従来の技術〕
従来、熱あるいは水による色変化を利用した各種セン
サー、ディスプレイ等への応用を目的として、各種の可
逆的熱発消色材料の開発が進められている。
本発明者は、これまでに、熱あるいは水のいずれかに
より可逆的な発消色挙動を示す各種の材料を開発してき
た。
まず、熱により発消色挙動を示す材料として、たとえ
ば特願昭61−162400号明細書に、ラクトン環を有する電
子供与性呈色性有機化合物を含む可逆的熱発消色材料が
開示されている。ここで用いられている有機化合物は、
電子受容性の顕色剤と接触してラクトン環を開環するこ
とにより発色する。このような電子供与性呈色性有機化
合物と適当な顕色剤とを、媒体となる長いアルキル鎖を
有する高分子量体中に溶解させると、室温では発色状態
の固体であるのに対し、高分子量体の融点を越える温度
に加熱すると無色透明の液体に変化し、逆にこの高分子
量体の凝固点以下の温度に冷却すると再び発色状態の固
体に戻る。
また、水による可逆的な発消色挙動を示す材料として
は、たとえば特願昭62−77776号明細書に、同じくラク
トン環を有する電子供与性色素前駆体を含む可逆的着消
色材料が開示されている。ここでは、アニオン性界面活
性剤のミセルの中に取込まれた電子供与性呈色性有機化
合物が、該ミセルを介して水中のプロトンあるいはヒド
ロニウムイオン等の電子受容体と反応することにより同
様の反応機構により着色し、水が除去されると消色す
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述のような従来の材料においては、熱あるいは水の
いずれか一方の作用により発消色挙動が現れるが、熱と
水とに同時に感応する性質はいまだ得られていない。ま
た、たとえば加熱により発色し、冷却により消色すると
いうような従来とは逆の発消色挙動も実用面においては
要求される可能性がある。
そこで本発明は、熱と水とに同時に感応する性質を有
し、より用途の広い可逆的発消色材料の提供を目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は、ラクトン環を有する色素前駆体の発消色
挙動を研究する過程において、熱および水が同時に作用
することにより発色する材料を見出し、本発明に至った
ものである。
すなわち、本発明にかかる可逆的発消色材料は、ラク
トン環を有する電子供与性呈色性有機化合物と顕色剤と
を含み、加熱冷却により固液変化を行い得る相溶体より
なり、該相溶体の加熱融解状態に水が共存することによ
り発色することを特徴とするものである。
上記電子供与性呈色性有機化合物は、それ自身無色あ
るいは淡色の色素前駆体(いわゆるロイコ染料)であ
る。これは、ラクトン環を開環することにより発色す
る。
上記ラクトン環を有する電子供与性呈色性有機化合
物、すなわち色素前駆体には、大別してトリフェニルメ
タンフタリド類やフルオラン類、チオフルオラン類、イ
ンドリルフタリド類、ローダミンラクタム類、アザフタ
リド類等があり、以下の化合物が例示される。
まず、トリフェニルメタンフタリド類としてはクリス
タルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクト
ン等が挙げられ、フルオラン類としては2−(2′−ク
ロロフェニルアミノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフル
オラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6−ベンジルオキシフルオ
ラン、1,2−ベンズ−6−ジエチルアミノフルオラン、
3,6−ジ−p−トルイジノ−4,5−ジメチルフルオランフ
ェニルヒドラジド−γ−ラクタム、3−アミノ−5−メ
チルフルオラン、2−メチル−3−アミノ−6−メチル
−7−メチルフルオラン、2,3−ブチレン−6−ジ−n
−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(パラ
トルイジノ)−フルオラン、7−アセトアミノ−3−ジ
エチルアミノフルオラン、2−ブロモ−6−シクロヘキ
シルアミノフルオラン、2,7−ジクロロ−3−メチル−
6−n−ブチルアミノフルオラン等が挙げられる。ま
た、チオフルオラン類としては3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−ジメチルアミノチオフルオラン、3−ジ
エチルアミノ−7−ジベンジルアミノチオフルオラン等
が挙げられ、インドリルフタリド類としては8−(4−
ジエチルアミノフェニル)−8−(1−エチル−2−メ
チルインドール−8−イル)フタリド3,3−ビス(1−
エチル−2−メチル−8−イル)フタリド、3,3−ビス
(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3−
(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−3−(2−フ
ェニルインドール−3−イル)フタリド、8−〔4−
(ジメチルアミノ)フェニル〕−3−〔N,N−ビス(4
−オクチルフェニル)アミノ〕フタリド等が挙げられ
る。さらに、ローダミンラクタム類としてはローダミン
ラクトン等が、アザフタリド類としては3,3−ビス(1
−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−7−ア
ザフタリド等が挙げられる。
また、本発明において使用される顕色剤としては、常
温で固体であり、かつ酸解離定数Kaの小さいこと、すな
わち弱酸であることが要求されるので、固体酸が好適で
ある。このような固体酸が疎水性である場合などは、そ
の酸解離定数を求めることは必ずしも容易ではないが、
本発明における酸解離定数の適正範囲を便宜的に次のよ
うな方法で求めてみる。
まず、固体酸ではないが、弱酸の代表例として酢酸を
考える。酢酸のpKaは常温において約4.76(Ka=1.738×
10-5)であり、これにたとえば上記のクリスタルバイオ
レットラクトンを溶解すると、完全に発色してしまう。
これでは、加熱とは無関係に常に色素前駆体が発色する
こととなり、本発明において要求される弱酸の条件には
当てはまらない。そこで、酢酸よりもさらに弱い酸であ
り、融点も31.5℃と高いカプリン酸について調べてみ
る。カプリン酸のpKaは25℃において約4.89(Ka=1.288
×10-5であり、これに同様にクリスタルバイオレットラ
クトンを溶解すると、酢酸の場合よりは顕著でないもの
の、やはりかなりの発色を示した。したがって、pKa
値は少なくとも4.9以上であることが必要である。
上述のような酸解離定数を有し、かつ疎水性の固体酸
としては、高級カルボン酸、高級カルボン酸塩、長鎖ア
ルキル置換フェノール等が使用できる。
上述のような色素前駆体と固体酸との混合比は、溶解
度、所望の発色濃度等によって適切な値に調整する必要
があるが、実際にはかなり広範囲で選択することがで
き、色素前駆体/顕色剤(重量比)の混合比の範囲はお
よそ1/107〜100/1である。
また、このようにして得られる相溶体は室温では固体
であるが、これを発色させるためには水中に投入して加
熱する、あるいは該相溶体を適当な溶媒に溶解し、PET
(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の適当な支
持体上に成膜し、加熱しながら水をスポイト、綿棒、
筆、霧吹き等により与える等の方法が考えられる。
〔作用〕
本発明において使用されるラクトン環を有する電子供
与性呈色性有機化合物、すなわち色素前駆体は、電子受
容体との相互作用によりラクトン環を開環して発色を生
じる。この反応は、たとえばクリスタルバイオレットラ
クトンを例にとると、次式のように表される。
この機構によると、クリスタルバイオレットラクトン
は、プロトンの攻撃によってラクトン環を開環してカル
ボキシル基を生じ、これに伴って生じたキノイドの共鳴
構造によって安定化された発色型の化合物となる。
上式における電子受容体、すなわちプロトンは、以下
の機構により与えられる。すなわち、本発明において色
素前駆体の分散媒を兼ねた顕色剤として使用される固体
酸は、酸解離定数が非常に小さいので、単に色素前駆体
と共に相溶体を形成するのみではプロトンを放出せず、
色素前駆体を発色させることができない。また、発色さ
せたとしても、極めて弱い呈色が現れるのみである。こ
のような相溶体を室温下で水と接触させても、やはり固
体酸は解離しないのでプロトンは発生せず、したがって
色素前駆体は発色しない。
しかし、この相溶体と水との共存系を固体酸の融点以
上に加熱すると、固体酸と水の界面が形成され、この界
面には固体酸の極性基が露出するように固体酸分子が配
向する。すると、固体酸の解離が促進されるか、あるい
は水中のプロトンがこの界面に濃縮される等の機構によ
り、固体酸のミセルの中に取り込まれた色素前駆体が発
色する。
この相溶体を冷却すると、固体酸の凝固に伴って遊離
のプロトンが消失し、同時に水との接触も断たれること
により、該色素前駆体が消色する。
〔実施例〕
以下、本発明の好適な実施例を、実験結果にもとづい
て説明する。
第1の実施例 本実施例は、ラクトン環を有する色素前駆体としてク
リスタルバイオレットラクトン、固体酸としてステアリ
ン酸を使用し、これらの物質から調製される相溶体を水
中に投入し、加熱により液相中で発色させるものであ
る。
まず、クリスタルバイオレットラクトン1gをステアリ
ン酸50gと共に100℃で30分間、撹拌しながら加熱融解
し、その後室温まで冷却することにより、やや淡黄緑色
を呈してはいるが、ほぼ白色の固体の相溶体Iを得た。
この相溶体Iは、再度加熱しても発色しなかった。
次に、この相溶体Iを塊状のまま、あるいは微粉砕し
た状態で室温にて同量の水中に投入した。この相溶体I
は水と溶け合わず、ここでも発色を示さなかった。
次に上記相溶体Iと水の混合系をステアリン酸の融点
(約67℃)以上に加熱すると、ステアリン酸が融解し、
相溶体Iを塊状のまま水中に投入した場合は上記混合系
は水層とステアリン酸を主体とする有機層とに分離し、
また上記相溶他Iを微粉砕して投入した場合は油滴が水
中に分散した状態となった。このとき、いずれの場合に
おいてもステアリン酸と水の界面から青色の発色が始ま
り、やがて上記有機層全体あるいは油滴全体が青色に呈
色した。
次に、上記混合系をたとえば室温まで冷却すると、上
記有機層あるいは油滴は固化し、消色した。この発消色
挙動は、加熱・冷却を繰返すことにより可逆的に現出し
た。
ここで、色素前駆体として使用したクリスタルバイオ
レットラクトンは、前述した従来の可逆的熱発消色材料
においても使用可能な物質であり、その発消色挙動は加
熱により消色し、冷却により発色するものであった。し
かし、熱と水の両者が作用して初めて発色するような本
発明の可逆的発消色材料においては、たとえば本実施例
のように予め反応系に水を与えておき、後から熱を作用
させることにより、加熱により発色し、冷却により消色
するという従来とは逆の発消色挙動が現れる。したがっ
て、より用途の広い可逆的発消色材料の提供が可能とな
る。
第2の実施例 本実施例は、色素前駆体として2−(2′−クロロフ
ェニルアミノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラ
ン、固体酸としてアラキン酸を使用し、これらの物質か
ら調製される相溶体を溶媒に溶解した後、適当な支持体
上に成膜し、該支持体を加熱しながら適当な手段にて水
を与えることにより発色させた例である。
まず、2−(2′−クロロフェニルアミノ)−6−ジ
−n−ブチルアミノフルオラン1gをアラキン酸100gと共
に100℃で30分間、撹拌しながら加熱融解し、その後室
温まで冷却することにより、やや赤紫色を呈してはいる
が、はぼ白色の固体の相溶体IIを得た。
次に、この相溶体IIの1gをクロロホルム50gに溶解
し、PETフィルム上に塗布した後乾燥し、被膜を形成し
た。
次に、この被膜全体を加熱し、スポイトあるいは綿棒
等により少量の水を該被膜に接触させたところ、接触し
た部分が赤黒色に発色した。なお、このときの加熱温度
はアラキン酸の融点(78℃)以上に選ぶことが必要てあ
るが、本実施例では90℃とした。
次に、上記被膜が加熱された状態で水が蒸発したり、
あるいは該被膜を冷却することにより発色部は消色し
た。なお、この被膜に室温にて水を接触させても、発色
は認められなかった。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明にかかる可
逆的発消色材料は、熱と水とが同時に作用したときにの
み発色するため、従来のように熱あるいは水により単独
に発色を制御していた場合と異なり、制御の自由度が増
す。すなわち、予め水を与えておいて後から加熱する、
あるいは逆に予め熱を加えておいて後から水を与える等
の制御が可能となり、このような原理に基づく新規な表
示装置の提供が可能となる。
また、温度と湿度を同時に検知するセンサーをはじ
め、たとえば温水に浸すことにより発色するインクや各
種教材、文具、玩具等の提供も可能となる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラクトン環を有する電子供与性呈色性有機
    化合物と顕色剤とを含み加熱冷却により固液変化を行い
    得る相溶体よりなり、該相溶体の加熱融解状態に水が共
    存することにより発色することを特徴とする可逆的発消
    色材料。
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