JP2580344B2 - 磁性流体組成物とその製造方法及び磁性流体シ―ル装置 - Google Patents
磁性流体組成物とその製造方法及び磁性流体シ―ル装置Info
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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- F16J15/00—Sealings
- F16J15/16—Sealings between relatively-moving surfaces
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/44—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特に高度の清浄度が要求される真空装置や
コンピュータのハードディスク駆動装置等の軸シールに
好適に利用できる磁性流体組成物とその製造方法及び磁
性流体シール装置に関する。
コンピュータのハードディスク駆動装置等の軸シールに
好適に利用できる磁性流体組成物とその製造方法及び磁
性流体シール装置に関する。
例えばコンピュータのハードディスク駆動装置は、ケ
ーシング内に設けた磁気記録装置である円板をケーシン
グ外に設けたモータにより回転駆動するが、ハードディ
スク自体、塵等による汚れを極度に嫌うため、上記モー
タの駆動軸がケーシングの壁面を貫通する部分に塵の通
過を阻止するためのシール手段を設けている。このシー
ル手段としては、例えば第6図に示すような磁性流体シ
ールがある(第1従来例)。すなわち、ハードディスク
取付けフランジ1に駆動軸2を支承するための軸受3が
ハウジング4に嵌合保持されている。アルミニウム,合
成樹脂等の非磁性材からなるこのハウジング4の内周面
に、永久磁石5を挟持した2枚のポールピース6,7が固
着されている。このポールピース6,7を貫通する駆動軸
2は磁性体で構成されていて、その外面2Aとポールピー
ス6,7の内周面6A,7Aとの間には僅かなギャップ9が設け
られ、そのギャップ9に磁性流体10を満たして磁力で保
持することにより、ケーシングの内外を完全に遮断して
いる。
ーシング内に設けた磁気記録装置である円板をケーシン
グ外に設けたモータにより回転駆動するが、ハードディ
スク自体、塵等による汚れを極度に嫌うため、上記モー
タの駆動軸がケーシングの壁面を貫通する部分に塵の通
過を阻止するためのシール手段を設けている。このシー
ル手段としては、例えば第6図に示すような磁性流体シ
ールがある(第1従来例)。すなわち、ハードディスク
取付けフランジ1に駆動軸2を支承するための軸受3が
ハウジング4に嵌合保持されている。アルミニウム,合
成樹脂等の非磁性材からなるこのハウジング4の内周面
に、永久磁石5を挟持した2枚のポールピース6,7が固
着されている。このポールピース6,7を貫通する駆動軸
2は磁性体で構成されていて、その外面2Aとポールピー
ス6,7の内周面6A,7Aとの間には僅かなギャップ9が設け
られ、そのギャップ9に磁性流体10を満たして磁力で保
持することにより、ケーシングの内外を完全に遮断して
いる。
従来の磁性流体10は、上記のようなシーリング剤とし
ての用途の場合、低揮発性有機溶媒である鉱油,合成
油,エステル油,エーテル油等の炭化水素系油を分散媒
(キャリア)として用い、これらの炭化水素系油と親和
性のある親油性基を有する分散剤で表面を被覆した強磁
性体微粒子を分散媒中に安定に分散させたものが一般的
である。例えば分散媒としては、ポリアルファオレフィ
ン油とかアルキルナフタレン油,ヘキサデシルジフェニ
ルエーテル,オクタデシルジフェニルエーテル,トリ−
2−エチルヘキシルトリメリテート等が用いられ、また
分散剤には合成スルホン酸とかポリブテンコハク酸,ポ
リブテンスルホン酸,不飽和脂肪酸,リン酸エステルま
たはそれらの塩等の界面活性剤が用いられている。
ての用途の場合、低揮発性有機溶媒である鉱油,合成
油,エステル油,エーテル油等の炭化水素系油を分散媒
(キャリア)として用い、これらの炭化水素系油と親和
性のある親油性基を有する分散剤で表面を被覆した強磁
性体微粒子を分散媒中に安定に分散させたものが一般的
である。例えば分散媒としては、ポリアルファオレフィ
ン油とかアルキルナフタレン油,ヘキサデシルジフェニ
ルエーテル,オクタデシルジフェニルエーテル,トリ−
2−エチルヘキシルトリメリテート等が用いられ、また
分散剤には合成スルホン酸とかポリブテンコハク酸,ポ
リブテンスルホン酸,不飽和脂肪酸,リン酸エステルま
たはそれらの塩等の界面活性剤が用いられている。
しかし、これら炭化水素系油をキャリアとした磁性流
体をシール装置に使用した場合、駆動軸の外面2Aに対す
る“濡れ性”が顕著なので、駆動軸外面2Aの広い範囲に
拡がる傾向がある。このように磁性流体10が駆動軸外面
2Aの広い範囲に拡がると、シール本来の機能を発揮する
ための磁性流体量が相対的に減少することとなり、シー
ル装置の寿命が短くなる。
体をシール装置に使用した場合、駆動軸の外面2Aに対す
る“濡れ性”が顕著なので、駆動軸外面2Aの広い範囲に
拡がる傾向がある。このように磁性流体10が駆動軸外面
2Aの広い範囲に拡がると、シール本来の機能を発揮する
ための磁性流体量が相対的に減少することとなり、シー
ル装置の寿命が短くなる。
また、磁性流体10が駆動軸の外面2Aに沿って、或いは
ポールピースの側面6Bやハウジング4の内周面4Aに沿っ
て拡がった場合、その磁性流体がハードディスク等の設
置された清浄空間内に遠心力で飛散するおそれがあり、
ハードディスク等に付着するとコンピュータ等の誤動作
の原因となる。
ポールピースの側面6Bやハウジング4の内周面4Aに沿っ
て拡がった場合、その磁性流体がハードディスク等の設
置された清浄空間内に遠心力で飛散するおそれがあり、
ハードディスク等に付着するとコンピュータ等の誤動作
の原因となる。
そこで上記の“濡れ性”対策として、特公昭60−4866
8号公報には、第7図に示すように駆動軸2とポールピ
ース6,7との間のギャップの近傍の駆動軸外面2Aおよび
ポールピース側面6Bに、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)等の被膜11を形成したものが提案された(第2
従来例)。これはフッ素系の撥油性に着目し、その被膜
で駆動軸外面2Aやポールピース側面6Bを直接覆うことで
磁性流体10の濡れを効果的に防止しようとしたものであ
る。
8号公報には、第7図に示すように駆動軸2とポールピ
ース6,7との間のギャップの近傍の駆動軸外面2Aおよび
ポールピース側面6Bに、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)等の被膜11を形成したものが提案された(第2
従来例)。これはフッ素系の撥油性に着目し、その被膜
で駆動軸外面2Aやポールピース側面6Bを直接覆うことで
磁性流体10の濡れを効果的に防止しようとしたものであ
る。
一方、フッ素系であり不揮発性で且つ撥油性のパーフ
ルオロポリエーテル油をキャリアとし、これに強磁性体
微粒子を分散させた磁性流体がたまたま知られている
(米国特許第3784471号および特開昭61−263202号)。
それらのフッ素系の磁性流体は、本来は炭化水素系油を
キャリアとした磁性流体の使用が困難な腐食性雰囲気や
低温等の特殊条件下における使用を意図したものであ
る。しかし金属との濡れ性が小さいと考えられるから、
これをシール装置に使用すれば駆動軸外面2Aやポールピ
ース側面6Bに対する拡散が少なく、したがって濡れによ
るハードディスク等の汚損は少なくなる可能性も考えら
れる(第3従来例)。
ルオロポリエーテル油をキャリアとし、これに強磁性体
微粒子を分散させた磁性流体がたまたま知られている
(米国特許第3784471号および特開昭61−263202号)。
それらのフッ素系の磁性流体は、本来は炭化水素系油を
キャリアとした磁性流体の使用が困難な腐食性雰囲気や
低温等の特殊条件下における使用を意図したものであ
る。しかし金属との濡れ性が小さいと考えられるから、
これをシール装置に使用すれば駆動軸外面2Aやポールピ
ース側面6Bに対する拡散が少なく、したがって濡れによ
るハードディスク等の汚損は少なくなる可能性も考えら
れる(第3従来例)。
しかしながら、上記第2従来例にあっては、次のよう
な問題点があった。
な問題点があった。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等は高価であ
り、且つ成形性が悪いため、被膜形成のコストが嵩む。
り、且つ成形性が悪いため、被膜形成のコストが嵩む。
被膜厚さを薄く均一に制御することが困難であり、
駆動軸外面2Aとポールピース内周面6A,7Aとの間のすき
ま寸法が不均一になるため、所望量の磁性流体を保持す
ることができなくなりシール寿命が短くなる。
駆動軸外面2Aとポールピース内周面6A,7Aとの間のすき
ま寸法が不均一になるため、所望量の磁性流体を保持す
ることができなくなりシール寿命が短くなる。
PTFE製の被膜が剥離した場合は比較的大きな塵にな
ってハードディスク等を収めた清浄空間内に浮遊するよ
うになり、この塵がディスク面等に付着するとコンピュ
ータ等の誤動作の原因になる。
ってハードディスク等を収めた清浄空間内に浮遊するよ
うになり、この塵がディスク面等に付着するとコンピュ
ータ等の誤動作の原因になる。
また、被膜が剥離した場合、あるいは被膜面に粗い
部分や傷の部分などがある場合は、それらの部分の窪み
に沿って磁性流体が広がり易くなり、結局磁性流体の飛
散による清浄空間内の汚染が発生してしまう。
部分や傷の部分などがある場合は、それらの部分の窪み
に沿って磁性流体が広がり易くなり、結局磁性流体の飛
散による清浄空間内の汚染が発生してしまう。
一方、上記第3従来例のパーフルオロポリエーテル油
をキャリアとした磁性流体を回転軸のシール用に用いた
場合には、次のような問題点が生じる。
をキャリアとした磁性流体を回転軸のシール用に用いた
場合には、次のような問題点が生じる。
キャリアとして用いるパーフルオロポリエーテル油
は高価であり、また強磁性体微粒子の分散剤として用い
る界面活性剤も疎水基部分がパーフルオロポリエーテル
構造を有しているため高価である。
は高価であり、また強磁性体微粒子の分散剤として用い
る界面活性剤も疎水基部分がパーフルオロポリエーテル
構造を有しているため高価である。
このフッ素系の磁性流体をコンピュータ等の防塵シ
ール装置に使用した場合は、例えば駆動軸2を支承する
軸受から発生するオイルミストのようなディスクハウジ
ング外で発生した炭化水素系のオイルミストがフッ素系
の磁性流体中に混入する。炭化水素系油はフッ素系油に
比べ比重が小さく、また両者の間には相溶性がない。そ
のため、炭化水素系のオイルミストはシール部で捕捉さ
れずに容易にケーシング内の清浄空間へ相分離してしま
い、ケーシング内部を汚染する。このような『相分離現
象』は、例えば潤滑剤に炭化水素系油を用いた軸受が使
用された真空装置の真空シール用にフッ素系の磁性流体
を用いた場合にも同様に発現して、真空槽内は汚染され
る。
ール装置に使用した場合は、例えば駆動軸2を支承する
軸受から発生するオイルミストのようなディスクハウジ
ング外で発生した炭化水素系のオイルミストがフッ素系
の磁性流体中に混入する。炭化水素系油はフッ素系油に
比べ比重が小さく、また両者の間には相溶性がない。そ
のため、炭化水素系のオイルミストはシール部で捕捉さ
れずに容易にケーシング内の清浄空間へ相分離してしま
い、ケーシング内部を汚染する。このような『相分離現
象』は、例えば潤滑剤に炭化水素系油を用いた軸受が使
用された真空装置の真空シール用にフッ素系の磁性流体
を用いた場合にも同様に発現して、真空槽内は汚染され
る。
上記の理由から、キャリアとしてパーフルオロポリエ
ーテル油を用いた磁性流体は液体シール,腐食性ガスシ
ールなど、通常の炭化水素系油を用いた磁性流体では不
適当な特殊環境下での使用を専らとされ、コンピュータ
等の防塵シールや真空シール用などには不適当であって
汎用性に欠ける。
ーテル油を用いた磁性流体は液体シール,腐食性ガスシ
ールなど、通常の炭化水素系油を用いた磁性流体では不
適当な特殊環境下での使用を専らとされ、コンピュータ
等の防塵シールや真空シール用などには不適当であって
汎用性に欠ける。
そこで本発明は、このような従来の問題点に着目して
なされたものであり、その目的とするところは、剥離や
傷の発生がなく、金属に対する濡れが極めて小さく、低
価格で、拡散や飛散や蒸発等によるシール寿命の短縮が
なく、使い勝手も良好で且つ炭化水素系潤滑油との相分
離現象によりシール空間が汚染されるおそれもない磁性
流体組成物とその製造方法及び磁性流体シール装置を提
供して従来の問題点を解決することにある。
なされたものであり、その目的とするところは、剥離や
傷の発生がなく、金属に対する濡れが極めて小さく、低
価格で、拡散や飛散や蒸発等によるシール寿命の短縮が
なく、使い勝手も良好で且つ炭化水素系潤滑油との相分
離現象によりシール空間が汚染されるおそれもない磁性
流体組成物とその製造方法及び磁性流体シール装置を提
供して従来の問題点を解決することにある。
上記目的を達成するため、本発明の磁性流体組成物
は、分散媒としての低揮発性炭化水素系有機溶媒と、該
低揮発性炭化水素系有機溶媒と親和性のある親油性基を
有する分散剤と、該分散剤で表面を被覆され前記低揮発
性炭化水素系有機溶媒中に分散された強磁性体微粒子と
でなる磁性流体組成物において、前記成分組成に加え
て、更に、分子構造中に疎有機性を有する部分及び親有
機性を有する部分が共存することによって前記親有機性
を有する部分を前記低揮発性炭化水素系有機溶媒の内方
に向け前記疎有機性を有する部分を前記低揮発性炭化水
素系有機溶媒の外方に向けた配向状態で前記低揮発性炭
化水素系有機溶媒の外との界面に吸着集合するフッ素系
界面活性物質を含有していることを特徴としている。
は、分散媒としての低揮発性炭化水素系有機溶媒と、該
低揮発性炭化水素系有機溶媒と親和性のある親油性基を
有する分散剤と、該分散剤で表面を被覆され前記低揮発
性炭化水素系有機溶媒中に分散された強磁性体微粒子と
でなる磁性流体組成物において、前記成分組成に加え
て、更に、分子構造中に疎有機性を有する部分及び親有
機性を有する部分が共存することによって前記親有機性
を有する部分を前記低揮発性炭化水素系有機溶媒の内方
に向け前記疎有機性を有する部分を前記低揮発性炭化水
素系有機溶媒の外方に向けた配向状態で前記低揮発性炭
化水素系有機溶媒の外との界面に吸着集合するフッ素系
界面活性物質を含有していることを特徴としている。
上記のフッ素系界面活性物質としては、以下のような
非イオン性界面活性剤,オリゴマー,樹脂を用いること
ができ、フルオロアルキルエステル、またはパーフルオ
ロアルキルエステル、またはパーフルオロアルキルエチ
レンオキシド付加物、またはフルオロアルキルエチレン
オキシド付加物、またはパーフルオロアルキルアミンオ
キシド付加物、またはパーフルオロアクリレート構造を
含有するオリゴマー、または親有機性を有する部分にウ
レタン構造を有するオリゴマー等が好適である。
非イオン性界面活性剤,オリゴマー,樹脂を用いること
ができ、フルオロアルキルエステル、またはパーフルオ
ロアルキルエステル、またはパーフルオロアルキルエチ
レンオキシド付加物、またはフルオロアルキルエチレン
オキシド付加物、またはパーフルオロアルキルアミンオ
キシド付加物、またはパーフルオロアクリレート構造を
含有するオリゴマー、または親有機性を有する部分にウ
レタン構造を有するオリゴマー等が好適である。
上記フッ素系界面活性物質の磁性流体中の含有量は0.
01wt%〜5wt%とすることができる。
01wt%〜5wt%とすることができる。
本発明の磁性流体組成物の製造方法の第一は、強磁性
体微粒子に対して、低沸点有機溶媒と、これと親和性の
ある親油性基を有して強磁性体微粒子の表面を被覆する
分散剤とを加えることにより、該分散剤で表面を被覆さ
れた強磁性体微粒子が低沸点有機溶媒中に均一に分散さ
れた中間媒体を得る工程と、該中間媒体中の分散性が悪
い微粒子を分離した後、低揮発性炭化水素系有機溶媒を
中間媒体に加えて混合物とする工程と、該混合物を加熱
して前記低沸点有機溶媒を蒸発分離せしめて磁性流体を
得る工程とを包含する磁性流体組成物の製造方法におい
て、更に、前記各工程を経て得られた磁性流体に対し
て、分子構造中に疎有機性を有する部分及び親有機性を
有する部分が共存するフッ素系界面活性物質を添加する
ことにより、該フッ素系界面活性物質を、前記親有機性
を有する部分を前記磁性流体の内方に向け前記疎有機性
を有する部分を前記磁性流体の外方に向けた配向状態で
前記磁性流体の外との界面に集合させる工程とを包含し
ている。
体微粒子に対して、低沸点有機溶媒と、これと親和性の
ある親油性基を有して強磁性体微粒子の表面を被覆する
分散剤とを加えることにより、該分散剤で表面を被覆さ
れた強磁性体微粒子が低沸点有機溶媒中に均一に分散さ
れた中間媒体を得る工程と、該中間媒体中の分散性が悪
い微粒子を分離した後、低揮発性炭化水素系有機溶媒を
中間媒体に加えて混合物とする工程と、該混合物を加熱
して前記低沸点有機溶媒を蒸発分離せしめて磁性流体を
得る工程とを包含する磁性流体組成物の製造方法におい
て、更に、前記各工程を経て得られた磁性流体に対し
て、分子構造中に疎有機性を有する部分及び親有機性を
有する部分が共存するフッ素系界面活性物質を添加する
ことにより、該フッ素系界面活性物質を、前記親有機性
を有する部分を前記磁性流体の内方に向け前記疎有機性
を有する部分を前記磁性流体の外方に向けた配向状態で
前記磁性流体の外との界面に集合させる工程とを包含し
ている。
上記の磁性流体組成物の製造方法において、フッ素系
界面活性物椎の添加は、中間媒体中の分散性の悪い微粒
子を分離した後、低揮発性炭化水素系有機溶媒を中間媒
体に加えて混合物とする工程で行うこともできる。
界面活性物椎の添加は、中間媒体中の分散性の悪い微粒
子を分離した後、低揮発性炭化水素系有機溶媒を中間媒
体に加えて混合物とする工程で行うこともできる。
本発明の磁性流体組成物の製造方法の第二は、強磁性
体微粒子に対して、低沸点有機溶媒とこれと親和性のあ
る親油性基を有する分散剤とを加えて、該分散剤を強磁
性体微粒子の表面に結合させ、その後前記低沸点有機溶
媒を除去して前記分散剤で表面を被覆された強磁性体微
粒子を得る工程と、該強磁性体微粒子に低揮発性炭化水
素系有機溶媒を添加混合する工程とを包含する磁性流体
組成物の製造方法において、更に、前記低揮発性炭化水
素系有機溶媒を添加混合する工程と同時に又はその後
に、分子構造中に疎有機性を有する部分及び親有機性を
有する部分が共存するフッ素系界面活性物質を添加し
て、前記フッ素系界面活性物質を、前記親有機性を有す
る部分を前記磁性流体の内方に向け前記疎有機性を有す
る部分を前記磁性流体の外方に向けた配向状態で前記磁
性流体の外との界面に吸着集合させる工程とを包含して
いる。
体微粒子に対して、低沸点有機溶媒とこれと親和性のあ
る親油性基を有する分散剤とを加えて、該分散剤を強磁
性体微粒子の表面に結合させ、その後前記低沸点有機溶
媒を除去して前記分散剤で表面を被覆された強磁性体微
粒子を得る工程と、該強磁性体微粒子に低揮発性炭化水
素系有機溶媒を添加混合する工程とを包含する磁性流体
組成物の製造方法において、更に、前記低揮発性炭化水
素系有機溶媒を添加混合する工程と同時に又はその後
に、分子構造中に疎有機性を有する部分及び親有機性を
有する部分が共存するフッ素系界面活性物質を添加し
て、前記フッ素系界面活性物質を、前記親有機性を有す
る部分を前記磁性流体の内方に向け前記疎有機性を有す
る部分を前記磁性流体の外方に向けた配向状態で前記磁
性流体の外との界面に吸着集合させる工程とを包含して
いる。
上記第一および第二の磁性流体組成物の製造方法にお
いて、フッ素系界面活性物質は予め低揮発性炭化水素系
有機溶媒に対して可溶性のある溶剤に溶解させておいた
ものを添加し、その後該溶剤を蒸発分離せしめるように
してもよい。
いて、フッ素系界面活性物質は予め低揮発性炭化水素系
有機溶媒に対して可溶性のある溶剤に溶解させておいた
ものを添加し、その後該溶剤を蒸発分離せしめるように
してもよい。
本発明の磁性流体シール装置は、磁石に接したポール
ピースと該ポールピースに対向した被シール部材との間
のギャップに、本発明の磁性流体組成物を介在せしめた
ものである。
ピースと該ポールピースに対向した被シール部材との間
のギャップに、本発明の磁性流体組成物を介在せしめた
ものである。
本発明の磁性流体組成物は、キャリアに安価な炭化水
素系油からなる低揮発性有機溶媒を用いている。
素系油からなる低揮発性有機溶媒を用いている。
本発明の磁性流体組成物は、その低揮発性炭化水素系
有機溶媒をキャリアとした磁性流体に、別途に少量のフ
ッ素系界面活性物質が添加されたものであるが、このフ
ッ素系界面活性物質は基本的には、第1図に示されるよ
うに、その分子構造中に「〜CH2CH2CH2」のような親有
機性を有する部分(RH)と、「CF3CF2CF2〜」のような
疎有機性を有する部分(RF)とが共存する構造を有して
いる。なお、第1図(a)は鎖状分子の場合、同図
(b)はオリゴマーまたは樹脂の場合の構造を模式的に
表している。
有機溶媒をキャリアとした磁性流体に、別途に少量のフ
ッ素系界面活性物質が添加されたものであるが、このフ
ッ素系界面活性物質は基本的には、第1図に示されるよ
うに、その分子構造中に「〜CH2CH2CH2」のような親有
機性を有する部分(RH)と、「CF3CF2CF2〜」のような
疎有機性を有する部分(RF)とが共存する構造を有して
いる。なお、第1図(a)は鎖状分子の場合、同図
(b)はオリゴマーまたは樹脂の場合の構造を模式的に
表している。
したがって、添加されたフッ素系界面活性物質は、磁
性流体の界面に第2図に示されるような状態で吸着集合
し、磁性流体の界面は疎有機性を有する部分で被覆され
る。第2図中、Aは磁性流体、Bは大気、Cは界面を表
す。
性流体の界面に第2図に示されるような状態で吸着集合
し、磁性流体の界面は疎有機性を有する部分で被覆され
る。第2図中、Aは磁性流体、Bは大気、Cは界面を表
す。
これにより本発明の磁性流体組成物は、キャリアが炭
化水素系油であるにもかかわらず、空気や金属面との接
触界面が見掛け上あたかもフッ素系磁性流体であるかの
ような性質を示し、疎有機性で且つ金属に対する濡れも
小さくなる。その結果、磁性流体自体が金属軸面等への
拡散防止機能を有することとなり、殊更に軸やポールピ
ースの面に撥油性被膜を形成したり塗布する必要は全く
なくなり、従来の撥油性被膜形成に伴う諸問題とは無縁
である。
化水素系油であるにもかかわらず、空気や金属面との接
触界面が見掛け上あたかもフッ素系磁性流体であるかの
ような性質を示し、疎有機性で且つ金属に対する濡れも
小さくなる。その結果、磁性流体自体が金属軸面等への
拡散防止機能を有することとなり、殊更に軸やポールピ
ースの面に撥油性被膜を形成したり塗布する必要は全く
なくなり、従来の撥油性被膜形成に伴う諸問題とは無縁
である。
また、従来の炭化水素系キャリアの磁性流体に比べて
物性も向上し、例えば耐熱性が良くなりキャリアの蒸発
が抑制されて磁性流体の寿命が延長される。
物性も向上し、例えば耐熱性が良くなりキャリアの蒸発
が抑制されて磁性流体の寿命が延長される。
しかも、本発明の磁性流体のキャリア自体は炭化水素
系油であるから、例えばコンピュータ等の防塵シールや
真空装置のシール剤として用いた場合に、たとえ軸受等
から炭化水素系のオイルミストが発生しても、そのオイ
ルミストは同じ炭化水素系の磁性流体キャリアに相溶
し、容易に捕捉されてケーシング内の清浄空間への侵入
は遮断される。したがって前記『相分離現象』は発現し
ない。
系油であるから、例えばコンピュータ等の防塵シールや
真空装置のシール剤として用いた場合に、たとえ軸受等
から炭化水素系のオイルミストが発生しても、そのオイ
ルミストは同じ炭化水素系の磁性流体キャリアに相溶
し、容易に捕捉されてケーシング内の清浄空間への侵入
は遮断される。したがって前記『相分離現象』は発現し
ない。
かくして、本発明の磁性流体は自身の界面が撥油性で
あり金属との濡れが小さいから、わざわざ撥油性被膜を
被シール部材の面に別に形成する手間や費用をかけず
に、単に本発明の磁性流体をシール剤に使用するだけで
よく、安価に且つ手軽に磁性流体や軸受潤滑剤の飛散に
よる汚染の防止、磁性流体の蒸発の抑制、シールの長寿
命化、オイルミストの完全遮断が達成できる。
あり金属との濡れが小さいから、わざわざ撥油性被膜を
被シール部材の面に別に形成する手間や費用をかけず
に、単に本発明の磁性流体をシール剤に使用するだけで
よく、安価に且つ手軽に磁性流体や軸受潤滑剤の飛散に
よる汚染の防止、磁性流体の蒸発の抑制、シールの長寿
命化、オイルミストの完全遮断が達成できる。
以下、本発明の磁性流体組成物とその製造方法を詳細
に説明する。
に説明する。
本発明の強磁性体微粒子の分散媒となるキャリアとし
ては、ケロシン,鉱油をはじめとする種々の炭化水素,
合成油類及びエーテル類またはエステル類或いはシリコ
ン油等の低揮発性の有機溶媒が、磁性流体の用途に応じ
て適宜に用いられる。例えば磁気ディスク用シーリング
剤としての用途であれば、ポリアルフア(α)オレフイ
ン油とか、アルキルナフタレン油,ヘキサデシルジフェ
ニルエーテル、ヘキサデシルジフェニルエーテルとオク
タデシルジフェニルエーテルとの混合物、エイコシルナ
フタレン等が好適である。
ては、ケロシン,鉱油をはじめとする種々の炭化水素,
合成油類及びエーテル類またはエステル類或いはシリコ
ン油等の低揮発性の有機溶媒が、磁性流体の用途に応じ
て適宜に用いられる。例えば磁気ディスク用シーリング
剤としての用途であれば、ポリアルフア(α)オレフイ
ン油とか、アルキルナフタレン油,ヘキサデシルジフェ
ニルエーテル、ヘキサデシルジフェニルエーテルとオク
タデシルジフェニルエーテルとの混合物、エイコシルナ
フタレン等が好適である。
本発明の強磁性体微粒子としては、周知の湿式法によ
り得られるマグネタイトコロイドを用い得る。また、水
もしくは有機溶媒中でマグネタイト粉末をボールミルで
粉砕するいわゆる湿式粉砕法で得られるものでもよい。
り得られるマグネタイトコロイドを用い得る。また、水
もしくは有機溶媒中でマグネタイト粉末をボールミルで
粉砕するいわゆる湿式粉砕法で得られるものでもよい。
湿式粉砕法を利用する場合、研削液として水以外に例
えばヘキサン等の有機溶媒を用いるときは、強磁性体粉
末とその粒子表面に単分子層を形成できる量の後述する
分散剤を加えたうえでボールミル中で数時間以上粉砕し
てもよい。
えばヘキサン等の有機溶媒を用いるときは、強磁性体粉
末とその粒子表面に単分子層を形成できる量の後述する
分散剤を加えたうえでボールミル中で数時間以上粉砕し
てもよい。
また、マグネタイト以外のマンガンフェライト,コバ
ルトフェライト、もしくは、これらと亜鉛,ニッケルと
の複合フェライトやバリウムフェライトなどの強磁性酸
化物、または鉄,コバルト,希土類などの強磁性金属を
用いることもできる。
ルトフェライト、もしくは、これらと亜鉛,ニッケルと
の複合フェライトやバリウムフェライトなどの強磁性酸
化物、または鉄,コバルト,希土類などの強磁性金属を
用いることもできる。
更にまた、強磁性体微粒子として上記湿式法或いは湿
式粉砕法によるもののほか、乾式法で得たものを用いる
こともできる。
式粉砕法によるもののほか、乾式法で得たものを用いる
こともできる。
本発明の強磁性体微粒子の含有量は、従来一般的に用
いられている体積比で1〜20%の範囲は勿論のこと、必
要に応じて70%程度の極めて高濃度のものであってもよ
い。すなわち、本発明によれは、後述するように強磁性
体微粒子が低沸点溶媒中に分散された中間媒体を利用す
ることで、強磁性体微粒子濃度を70%に達する高濃度に
調整することができる。これにより、磁化量の極めて高
い磁性流体が得られるものである。
いられている体積比で1〜20%の範囲は勿論のこと、必
要に応じて70%程度の極めて高濃度のものであってもよ
い。すなわち、本発明によれは、後述するように強磁性
体微粒子が低沸点溶媒中に分散された中間媒体を利用す
ることで、強磁性体微粒子濃度を70%に達する高濃度に
調整することができる。これにより、磁化量の極めて高
い磁性流体が得られるものである。
本発明に用いられる強磁性体微粒子分散剤は、先に述
べたキャリアとなる低揮発性有機溶媒との親和性が大き
いものが好ましい。例えばオレイン酸またはその塩,石
油スルホン酸またはその塩,合成スルホン酸またはその
塩、エイコシルナフタレンスルホン酸またはその塩、ポ
リブテンコハク酸またはその塩、エライジン酸またはそ
の塩、エルカ酸またはその塩等の如く、カルボキシル
基,ヒドロキシル基,スルホン基などの極性基を有する
炭化水素化合物である陰イオン性界面活性剤とか、或い
はまたポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の
如き非イオン性界面活性剤とか、更にはアルキルジアミ
ノエチルグリシンの如く分子構造内に陽イオン部分と陰
イオン部分とを共にもつ両性界面活性剤等から適宜に選
択して用いられる。
べたキャリアとなる低揮発性有機溶媒との親和性が大き
いものが好ましい。例えばオレイン酸またはその塩,石
油スルホン酸またはその塩,合成スルホン酸またはその
塩、エイコシルナフタレンスルホン酸またはその塩、ポ
リブテンコハク酸またはその塩、エライジン酸またはそ
の塩、エルカ酸またはその塩等の如く、カルボキシル
基,ヒドロキシル基,スルホン基などの極性基を有する
炭化水素化合物である陰イオン性界面活性剤とか、或い
はまたポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の
如き非イオン性界面活性剤とか、更にはアルキルジアミ
ノエチルグリシンの如く分子構造内に陽イオン部分と陰
イオン部分とを共にもつ両性界面活性剤等から適宜に選
択して用いられる。
本発明の分散剤としては、いわゆるカップリング剤を
用いることもできる。このカップリング剤としては、例
えば一般式YRSiXn(n=1〜3)またはRSiXnで表すこ
とができるシランカップリング剤がある。ここに、式中
のYはビニル基,エポキシ基,アミノ基,メルカプト基
その他の有機官能基であり、Rは例えばアルキル基の如
き炭化水素基である。Xは加水分解性の基であり、例え
ばメトキシ基(CH3O−)やエトキシ基(C2H5O−)等の
アルコキシ基(R′O)である。
用いることもできる。このカップリング剤としては、例
えば一般式YRSiXn(n=1〜3)またはRSiXnで表すこ
とができるシランカップリング剤がある。ここに、式中
のYはビニル基,エポキシ基,アミノ基,メルカプト基
その他の有機官能基であり、Rは例えばアルキル基の如
き炭化水素基である。Xは加水分解性の基であり、例え
ばメトキシ基(CH3O−)やエトキシ基(C2H5O−)等の
アルコキシ基(R′O)である。
上記シランカップリング剤のアルコキシ基は、水溶液
中,空気中の水分または無機物表面に吸着された水分に
より加水分解して、シラノール基Si−OHを生成する。一
方、強磁性体微粒子はその表面に−OH基を有しており
(M−OH)、両者の間に脱水縮合反応が生じて、メタシ
ロキサン結合(Si−O−M)により化学的に結合するも
のと考えられる。
中,空気中の水分または無機物表面に吸着された水分に
より加水分解して、シラノール基Si−OHを生成する。一
方、強磁性体微粒子はその表面に−OH基を有しており
(M−OH)、両者の間に脱水縮合反応が生じて、メタシ
ロキサン結合(Si−O−M)により化学的に結合するも
のと考えられる。
一般式YRSiXnで表されるシランカップリング剤は例え
ばビニルトリエトキシシランであり、一般式RSiXnで表
されるシランカップリング剤は例えばオクタデシルトリ
メトキシシランである。
ばビニルトリエトキシシランであり、一般式RSiXnで表
されるシランカップリング剤は例えばオクタデシルトリ
メトキシシランである。
上記のシランカップリング剤以外のカップリング剤と
しては、例えば非水系に対して特に好適なアセトアルコ
キシアルミニウムジイソプロピレートからなるアルミニ
ウム系カップリング剤や、チタネート系カップリング
剤,クロム系カップリング剤等が使用できる。これらの
ものもその分子構造中に、−OH基と結合するアルコキシ
基と有機物に親和する部分(例えばアルキルアセト酢酸
基)とをもっており、親水性固体である強磁性体微粒子
表面の−OH基と化学結合して強固な親油性被膜を形成す
る機能を有する。
しては、例えば非水系に対して特に好適なアセトアルコ
キシアルミニウムジイソプロピレートからなるアルミニ
ウム系カップリング剤や、チタネート系カップリング
剤,クロム系カップリング剤等が使用できる。これらの
ものもその分子構造中に、−OH基と結合するアルコキシ
基と有機物に親和する部分(例えばアルキルアセト酢酸
基)とをもっており、親水性固体である強磁性体微粒子
表面の−OH基と化学結合して強固な親油性被膜を形成す
る機能を有する。
カップリング剤の添加量は、強磁性体微粒子表面を単
分子膜で完全に被覆する量が最適であるが、強磁性体微
粒子の比表面積,水分含有量,シランの加水分解性,膜
形成状態の違い等を考慮して定められる。
分子膜で完全に被覆する量が最適であるが、強磁性体微
粒子の比表面積,水分含有量,シランの加水分解性,膜
形成状態の違い等を考慮して定められる。
本発明のフッ素系界面活性物質は、基本的には疎有機
性のフッ化炭素鎖(RF)の部分と、親有機性の炭化水素
鎖(RH)の部分とから構成されるフッ素系の非イオン性
界面活性剤,オリゴマーまたは樹脂である。上記フッ化
炭素類(RF)の部分は、例えばフルオロフェニレン基,
フルオロエーテル基,フルオロアルキル基,パーフルオ
ロアルキル基,パーフルオロポリエーテル基等を主成分
とし、最も一般的にはパーフルオロアルキル基で構成さ
れ、炭素数は1〜18の範囲が適当である。炭素数1はフ
ッ化炭素が磁性流体の表面に配向するために必要な最小
数である。一方、炭素数が18を越えると磁性流体への溶
解性が劣化する。
性のフッ化炭素鎖(RF)の部分と、親有機性の炭化水素
鎖(RH)の部分とから構成されるフッ素系の非イオン性
界面活性剤,オリゴマーまたは樹脂である。上記フッ化
炭素類(RF)の部分は、例えばフルオロフェニレン基,
フルオロエーテル基,フルオロアルキル基,パーフルオ
ロアルキル基,パーフルオロポリエーテル基等を主成分
とし、最も一般的にはパーフルオロアルキル基で構成さ
れ、炭素数は1〜18の範囲が適当である。炭素数1はフ
ッ化炭素が磁性流体の表面に配向するために必要な最小
数である。一方、炭素数が18を越えると磁性流体への溶
解性が劣化する。
上記炭化水素鎖(RH)の部分は、炭素数5〜18の飽和
または不飽和炭化水素鎖である。特に、エチレンオキサ
イド基,ビニル基,アミノ基,エステル基,エポキシ
基,アクリレート基,エーテル基,メチルシロキサン
基,ジメチルシロキサン基等のいずれかを、付加モル数
5〜25程度含有するものは、本発明に好適に利用でき
る。
または不飽和炭化水素鎖である。特に、エチレンオキサ
イド基,ビニル基,アミノ基,エステル基,エポキシ
基,アクリレート基,エーテル基,メチルシロキサン
基,ジメチルシロキサン基等のいずれかを、付加モル数
5〜25程度含有するものは、本発明に好適に利用でき
る。
上記のような非イオン性のフッ素系界面活性物質とし
て、例えばパーフルオロアルキルエチレンオキシド付加
物、パーフルオロアルキルアミンオキシド付加物、パー
フルオロアルキルオリゴマー、パーフルオロアクリレー
ト含有オリゴマー、フルオロアルキルエステル、パーフ
ルオロアルキル基・親油性基含有ウレタン等がある。
て、例えばパーフルオロアルキルエチレンオキシド付加
物、パーフルオロアルキルアミンオキシド付加物、パー
フルオロアルキルオリゴマー、パーフルオロアクリレー
ト含有オリゴマー、フルオロアルキルエステル、パーフ
ルオロアルキル基・親油性基含有ウレタン等がある。
このフッ素系界面活性物質を磁性流体に混合すると、
炭化水素鎖(RH)を有する部分はその親有機性によって
キャリア中にとどまる。一方、フッ化炭素鎖(RF)を有
する部分はその疎有機性によってキャリア外に押し出さ
れて一定方向に配列し、磁性流体の表面(界面)に配向
吸着する。
炭化水素鎖(RH)を有する部分はその親有機性によって
キャリア中にとどまる。一方、フッ化炭素鎖(RF)を有
する部分はその疎有機性によってキャリア外に押し出さ
れて一定方向に配列し、磁性流体の表面(界面)に配向
吸着する。
本発明のフッ素系界面活性物質の磁性流体への添加量
は、磁性流体キャリアの吸着特性(あるいは吸着量)に
応じて異なるが、0.01〜5wt%で所期の目的を達するこ
とができ、好ましくは0.05〜3wt%である。この添加量
は磁性流体の使用条件等によっても調節することが可能
である。例えば飽和吸着量以上に添加した場合は、過剰
に添加されて磁性流体内部に分散した分が磁性流体表面
へ補給されるから、表面のフッ素系界面活性物質の消耗
が考えられる条件下でも、長期使用が可能になる。
は、磁性流体キャリアの吸着特性(あるいは吸着量)に
応じて異なるが、0.01〜5wt%で所期の目的を達するこ
とができ、好ましくは0.05〜3wt%である。この添加量
は磁性流体の使用条件等によっても調節することが可能
である。例えば飽和吸着量以上に添加した場合は、過剰
に添加されて磁性流体内部に分散した分が磁性流体表面
へ補給されるから、表面のフッ素系界面活性物質の消耗
が考えられる条件下でも、長期使用が可能になる。
添加量が5wt%を越えると、磁性流体への溶解性が悪
くなると共に、これ以上の添加による効果の向上はあま
り無い。
くなると共に、これ以上の添加による効果の向上はあま
り無い。
本発明の磁性流体組成物を製造するにあたり、強磁性
体微粒子の分散性の悪い粒子を効率よく除去して安定性
の高い磁性流体を得ようとするならば、或いはまたキャ
リア中に分散させる強磁性体微粒子の濃度を高くして高
磁化能力をもつ磁性流体を得ようとするならば、本出願
人が先に提案した磁性流体の製造方法(特開昭58−1744
95号)によると効率的である。
体微粒子の分散性の悪い粒子を効率よく除去して安定性
の高い磁性流体を得ようとするならば、或いはまたキャ
リア中に分散させる強磁性体微粒子の濃度を高くして高
磁化能力をもつ磁性流体を得ようとするならば、本出願
人が先に提案した磁性流体の製造方法(特開昭58−1744
95号)によると効率的である。
すなわち、強磁性体微粒子と分散剤とを、まずヘキサ
ンやベンゼン等の低沸点有機溶媒に加える。これによ
り、表面を分散剤で被覆した強磁性体微粒子が低沸点有
機溶媒中に分散された中間媒体を得る。このとき、湿式
法で得られる強磁性体微粒子を用いるのであれば、強磁
性体微粒子の水相懸濁液に所要量の分散剤を加えて被覆
層を形成し、一旦洗浄し、乾燥して疎水性強磁性体微粒
子を得た後、低沸点有機溶媒を加えて中間媒体を得ても
よい。
ンやベンゼン等の低沸点有機溶媒に加える。これによ
り、表面を分散剤で被覆した強磁性体微粒子が低沸点有
機溶媒中に分散された中間媒体を得る。このとき、湿式
法で得られる強磁性体微粒子を用いるのであれば、強磁
性体微粒子の水相懸濁液に所要量の分散剤を加えて被覆
層を形成し、一旦洗浄し、乾燥して疎水性強磁性体微粒
子を得た後、低沸点有機溶媒を加えて中間媒体を得ても
よい。
次にその中間媒体中の分散性の悪い微粒子を5000〜80
00Gの遠心力で遠心分離して除く。低沸点有機溶媒から
なる中間媒体はその粘度が極めて低いから、遠心分離は
効率良く行うことができる。
00Gの遠心力で遠心分離して除く。低沸点有機溶媒から
なる中間媒体はその粘度が極めて低いから、遠心分離は
効率良く行うことができる。
その後に、キャリアとしての低揮発性有機溶媒を加え
て混合し、その混合物を大気中または減圧中で加熱して
低沸点有機溶媒を蒸発除去する。或いはまた、中間媒体
を加熱して低沸点有機溶媒を蒸発させてから、強磁性体
微粒子にキャリアを加え、必要に応じて更に低沸点有機
溶媒を蒸発させる。かくして、極めて安定した磁性流体
を溶液とするものである。
て混合し、その混合物を大気中または減圧中で加熱して
低沸点有機溶媒を蒸発除去する。或いはまた、中間媒体
を加熱して低沸点有機溶媒を蒸発させてから、強磁性体
微粒子にキャリアを加え、必要に応じて更に低沸点有機
溶媒を蒸発させる。かくして、極めて安定した磁性流体
を溶液とするものである。
またこの場合、得られた磁性流体組成物に、必要に応
じて更に中間媒体を加えては加熱することを繰り返すこ
とで、強磁性体微粒子が非常に高濃度でしかも安定に分
散された磁性流体を得ることも可能である。
じて更に中間媒体を加えては加熱することを繰り返すこ
とで、強磁性体微粒子が非常に高濃度でしかも安定に分
散された磁性流体を得ることも可能である。
いずれの工程を用いるかは、製品の種類,使用目的,
要求性能等に応じて選択される。
要求性能等に応じて選択される。
本発明の磁性流体組成物の製造法におけるフッ素系界
面活性物質の添加は、上記の磁性流体の製造工程におけ
る途中の、中間媒体を得る工程以降のどこで行ってもよ
く、最後に得られた磁性流体に対して行ってもよい。ま
た、フッ素系界面活性物質は直接添加してもよく、ある
いは溶剤に予め溶解させたものを磁性流体と混合し、そ
の後該溶剤を蒸発除去するようにしてもよい。この場合
の溶剤としては、例えば以下のようなものが使用でき
る。
面活性物質の添加は、上記の磁性流体の製造工程におけ
る途中の、中間媒体を得る工程以降のどこで行ってもよ
く、最後に得られた磁性流体に対して行ってもよい。ま
た、フッ素系界面活性物質は直接添加してもよく、ある
いは溶剤に予め溶解させたものを磁性流体と混合し、そ
の後該溶剤を蒸発除去するようにしてもよい。この場合
の溶剤としては、例えば以下のようなものが使用でき
る。
ケロシン等の鉱油、ベンゼン、トルエン、キシレン、
アルコール、セロソルブ、エチルアセテート、セロソル
ブアセテート、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メ
チルイソブチルケトン)、1,1,1−トリクロロエタン、
クロロホルム、四塩化炭素、DMF(ジメチルホルムアル
デヒド)、酢酸エチル等。
アルコール、セロソルブ、エチルアセテート、セロソル
ブアセテート、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メ
チルイソブチルケトン)、1,1,1−トリクロロエタン、
クロロホルム、四塩化炭素、DMF(ジメチルホルムアル
デヒド)、酢酸エチル等。
なお、フッ素系界面活性物質を中間媒体工程において
添加する場合に、ヘキサンなどの中間媒体用の溶剤に溶
解させたものを添加してもよい。
添加する場合に、ヘキサンなどの中間媒体用の溶剤に溶
解させたものを添加してもよい。
或いはまた、上記溶媒以外に、先に述べた磁性流体の
キャリア、すなわち種々の炭化水素,合成油類及びエー
テル類またはエステル類等の有機溶媒と混合したフッ素
系界面活性物質を添加してもよい。
キャリア、すなわち種々の炭化水素,合成油類及びエー
テル類またはエステル類等の有機溶媒と混合したフッ素
系界面活性物質を添加してもよい。
以下に、本発明の実施例を挙げる。
〔実施例1〕 磁性流体の製造、フッ素系界面活性物質を工程の最後
で添加するもの: まず,硫酸第1鉄と硫酸第2鉄とをそれぞれ0.3molつ
づ含む水溶液1に,6NのNaOHaqをpHが11以上になるま
で加える。その後,その混合液を60℃で30分間熟成して
マグネタイトコロイドの水懸濁液を得た。ついで室温下
で水洗し,このスラリー中の電解質を除去する。以上は
湿式法によるマグネタイトコロイドを製造する工程であ
る。
で添加するもの: まず,硫酸第1鉄と硫酸第2鉄とをそれぞれ0.3molつ
づ含む水溶液1に,6NのNaOHaqをpHが11以上になるま
で加える。その後,その混合液を60℃で30分間熟成して
マグネタイトコロイドの水懸濁液を得た。ついで室温下
で水洗し,このスラリー中の電解質を除去する。以上は
湿式法によるマグネタイトコロイドを製造する工程であ
る。
このようにして得たマグネタイトコロイド液に、3Nの
HClaqを加えてそのpHを3に調整した後、これに界面活
性剤として合成スルホン酸ナトリウムを30g添加し、60
℃で30分間撹拌することにより,マグネタイト微粒子の
表面に界面活性剤を吸着させた。その後静置して、液中
のマグネタイト微粒子を凝集沈降させ、その上澄み液を
捨てる。更に新たな水を加えて撹拌してから静置し、上
澄み液を捨てる。この水洗を数回繰り返して水溶液中の
電解質を除去した後、濾過,脱水,乾燥を行い、表面が
界面活性剤で被覆された粉末状のマグネタイト微粒子と
した。
HClaqを加えてそのpHを3に調整した後、これに界面活
性剤として合成スルホン酸ナトリウムを30g添加し、60
℃で30分間撹拌することにより,マグネタイト微粒子の
表面に界面活性剤を吸着させた。その後静置して、液中
のマグネタイト微粒子を凝集沈降させ、その上澄み液を
捨てる。更に新たな水を加えて撹拌してから静置し、上
澄み液を捨てる。この水洗を数回繰り返して水溶液中の
電解質を除去した後、濾過,脱水,乾燥を行い、表面が
界面活性剤で被覆された粉末状のマグネタイト微粒子と
した。
次に、このマグネタイト粉末の低沸点溶媒としてヘキ
サンを加えて十分に振とうすることにより、マグネタイ
ト粒子がヘキサン中に分散した中間媒体が得られた。
サンを加えて十分に振とうすることにより、マグネタイ
ト粒子がヘキサン中に分散した中間媒体が得られた。
この中間媒体を遠心分離機にかけて8000Gの遠心力下
で30分間遠心分離し、マグネタイト分散粒子のうちの比
較的大きな分散性の悪い粒子を沈降せしめて除去する。
ついで、沈降せずに残ったマグネタイト微粒子が分散し
ている上澄み液をロータリエバポレータに移し、90℃に
保って低沸点有機溶媒成分すなわちヘキサンを蒸発除去
して、親油性のマグネタイト微粒子を得た。
で30分間遠心分離し、マグネタイト分散粒子のうちの比
較的大きな分散性の悪い粒子を沈降せしめて除去する。
ついで、沈降せずに残ったマグネタイト微粒子が分散し
ている上澄み液をロータリエバポレータに移し、90℃に
保って低沸点有機溶媒成分すなわちヘキサンを蒸発除去
して、親油性のマグネタイト微粒子を得た。
このマグネタイト微粒子を5g採取し、ヘキサン中に再
分散させた後、これにキャリアとなるオクタデシルジフ
ェニルエーテル4gを加えて混合する。この混合液をロー
タリエバポレータに移し、90℃に保って低沸点有機溶媒
成分すなわちヘキサンを蒸発除去した。その結果、マグ
ネタイト微粒子はキャリア中に分散する。これを、更に
遠心分離機にかけ、8000Gの遠心力下で30分間処理し
た。この操作により非分散固形物は取り除かれ、極めて
安定な磁性流体が得られた。
分散させた後、これにキャリアとなるオクタデシルジフ
ェニルエーテル4gを加えて混合する。この混合液をロー
タリエバポレータに移し、90℃に保って低沸点有機溶媒
成分すなわちヘキサンを蒸発除去した。その結果、マグ
ネタイト微粒子はキャリア中に分散する。これを、更に
遠心分離機にかけ、8000Gの遠心力下で30分間処理し
た。この操作により非分散固形物は取り除かれ、極めて
安定な磁性流体が得られた。
次いで、上記オクタデシルジフェニルエーテルをキャ
リアとする磁性流体3.0gに、フッ素系界面活性物質とし
てパーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(ダイ
キン工業(株)製、ユニダインDS−401)3mgをベンゼン
に溶解させて加え、均一に混合させた。この混合液をロ
ータリエバポレータに移し、これを90℃に保って低沸点
有機溶媒成分を蒸発除去する。このようにして、フッ素
系界面活性物質を含んだ磁性流体組成物が得られた。
リアとする磁性流体3.0gに、フッ素系界面活性物質とし
てパーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(ダイ
キン工業(株)製、ユニダインDS−401)3mgをベンゼン
に溶解させて加え、均一に混合させた。この混合液をロ
ータリエバポレータに移し、これを90℃に保って低沸点
有機溶媒成分を蒸発除去する。このようにして、フッ素
系界面活性物質を含んだ磁性流体組成物が得られた。
〔実施例2〕 磁性流体の製造、フッ素系界面活性物質を工程の途中
でキャリアと共に中間媒体中に添加するもの: 実施例1と同様の工程を経て親油性のマグネタイト微
粒子を得た。このマグネタイト微粒子を5g採取し、ヘキ
サン中に再分散させて再び中間媒体とした後、これにキ
ャリアとなるオクタデシルジフェニルエーテル4gを加え
た。同時に、更にフッ素系界面活性物質としてフルオロ
アルキルエチレンオキシド付加物(ダイキン工業(株)
製、ユニダインDS−406)10mgを加えて混合する。この
混合液をロータリエバポレータに移し、90℃に保って低
沸点有機溶媒成分すなわちヘキサンを蒸発除去した。そ
の結果、マグネタイト微粒子はキャリア中に分散する。
これを更に遠心分離機にかけ、8000Gの遠心力下に30分
間処理した。この操作により非分散固形物は取り除か
れ、フッ素系界面活性物質を含んだ磁性流体組成物が得
られた。
でキャリアと共に中間媒体中に添加するもの: 実施例1と同様の工程を経て親油性のマグネタイト微
粒子を得た。このマグネタイト微粒子を5g採取し、ヘキ
サン中に再分散させて再び中間媒体とした後、これにキ
ャリアとなるオクタデシルジフェニルエーテル4gを加え
た。同時に、更にフッ素系界面活性物質としてフルオロ
アルキルエチレンオキシド付加物(ダイキン工業(株)
製、ユニダインDS−406)10mgを加えて混合する。この
混合液をロータリエバポレータに移し、90℃に保って低
沸点有機溶媒成分すなわちヘキサンを蒸発除去した。そ
の結果、マグネタイト微粒子はキャリア中に分散する。
これを更に遠心分離機にかけ、8000Gの遠心力下に30分
間処理した。この操作により非分散固形物は取り除か
れ、フッ素系界面活性物質を含んだ磁性流体組成物が得
られた。
〔実施例3〕 組成の異なる磁性流体に対する各種フッ素系界面活性
物質の溶解性の比較: キャリアと分散剤との組み合わせが異なる複数の磁性
流体を用意した。その組み合わせは表1の通りである。
物質の溶解性の比較: キャリアと分散剤との組み合わせが異なる複数の磁性
流体を用意した。その組み合わせは表1の通りである。
フッ素系界面活性物質は次のものを選定した。
A:GALDEN MONO ACID 〔日本モンテジソン(株)〕 〔パーフルオロポリエーテルカルボン酸〕 B:フタージェント 300 〔(株)ネオス〕 〔パーフルオロアルキル第4級アンモニウム塩〕 C:ユニダインDS−101 〔ダイキン工業(株)〕 〔パーフルオロアルキルカルボン酸〕 D:フタージェント 400S 〔(株)ネオス〕 〔パーフルオロアルキルベタイン〕 E:フタージェント 251 〔(株)ネオス〕 〔パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物〕 F:ユニダインDS−401 〔ダイキン工業(株)〕 〔パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物〕 G:ユニダインDS−451 〔ダイキン工業(株)〕 〔パーフルオロアルキルオリゴマー〕 H:ユニダインDS−406 〔ダイキン工業(株)〕 〔フルオロアルキルエチレンオキシド付加物〕 I:メガファックF−142D 〔大日本インキ化学工業(株)〕 〔パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物〕 J:フロラードFC−430 〔住友スリーエム(株) 〔フルオロアルキルエステル〕 K:サーフロン S−141 〔旭硝子(株)〕 〔パーフルオロアルキルアミンオキシド付加物〕 L:サーフロン S−382 〔旭硝子(株)〕 〔パーフルオロアクリレート含有オリゴマー〕 M:メガファックF−183 〔大日本インキ化学工業(株)〕 〔パーフルオロアルキル基・親有機性基含有ウレタン〕 上記のフッ素系界面活性物質中、A,B,C,Dはイオン性
または両性界面活性物質であり、E〜Mは非イオン性界
面活性物質である。
または両性界面活性物質であり、E〜Mは非イオン性界
面活性物質である。
上記の#1〜#6の組成の磁性流体に、A〜Mのフッ
素系界面活性物質を添加した場合の溶解限度を表2に示
す。
素系界面活性物質を添加した場合の溶解限度を表2に示
す。
表中の記号は次の内容を表している。
×:溶解せず △:0.01wt%〜0.1wt%未満迄溶解 ○:0.1wt%〜1wt%未満迄溶解 ◎:1wt%以上溶解 表2の結果から、A〜Dの非イオン性以外のフッ素系
界面活性物質は磁性流体に溶解せず、したがって本発明
には不適当といえる。
界面活性物質は磁性流体に溶解せず、したがって本発明
には不適当といえる。
また、E〜Mの非イオン性のフッ素系界面活性物質は
ほとんどが溶解可能であるが、それらの中では、パーフ
ルオロアルキルエチレンオキシド付加物とフルオロアル
キルエチレンオキシド付加物が特に溶解性が良好と認め
られた。
ほとんどが溶解可能であるが、それらの中では、パーフ
ルオロアルキルエチレンオキシド付加物とフルオロアル
キルエチレンオキシド付加物が特に溶解性が良好と認め
られた。
〔実施例4〕 磁性流体組成物中のフッ素系界面活性物質濃度と金属
面に対する接触角の関係: 上記実施例3における#5の磁性流体(ポリ−α−オ
レフィン油をキャリアとし、強磁性体微粒子の分散剤に
合成スルホン酸を用いたもの)に、非イオン性のフッ素
系界面活性物質のうちE(フタージェント251),F(ユ
ニダインDS−401),J(フロラードFC−430),L(サーフ
ロンS−382)のいずれかを添加した4種の磁性流体組
成物を用意し、それらの試料について添加濃度別にステ
ンレス鋼材(SUS430)に対する接触角θを測定して比較
した。
面に対する接触角の関係: 上記実施例3における#5の磁性流体(ポリ−α−オ
レフィン油をキャリアとし、強磁性体微粒子の分散剤に
合成スルホン酸を用いたもの)に、非イオン性のフッ素
系界面活性物質のうちE(フタージェント251),F(ユ
ニダインDS−401),J(フロラードFC−430),L(サーフ
ロンS−382)のいずれかを添加した4種の磁性流体組
成物を用意し、それらの試料について添加濃度別にステ
ンレス鋼材(SUS430)に対する接触角θを測定して比較
した。
結果を第3図に示す。図から、添加濃度の増加に伴い
接触角シータが増加している。このことは、ステンレス
鋼材への濡れにくさが増すことを示している。また添加
濃度3wt%で、接触角θは上限値を示していることがわ
かる。
接触角シータが増加している。このことは、ステンレス
鋼材への濡れにくさが増すことを示している。また添加
濃度3wt%で、接触角θは上限値を示していることがわ
かる。
〔実施例5〕 磁性流体組成物をシール装置に使用した場合の軸表面
の“濡れ”に及ぼすフッ素系界面活性物質の効果の測
定: 第4図および第5図に本発明の磁性流体組成物を適用
した磁性流体シール装置を例を示す。いずれの装置も、
円筒状の内周面4Aを有するハウジング4の軸心部に、こ
のハジング4と相対回転可能な軸(SUS430)2が配設さ
れ、この軸2の外周面2Aとハウジング4の内周面4Aとの
間の円筒状の空間S内には、その空間Sを上下に仕切る
ようにして、軸方向に着磁された円輪状の永久磁石5を
サンドイッチ状に挟む少なくとも1枚(図では2枚)の
円輪状のポールピース6,7が配設されている。
の“濡れ”に及ぼすフッ素系界面活性物質の効果の測
定: 第4図および第5図に本発明の磁性流体組成物を適用
した磁性流体シール装置を例を示す。いずれの装置も、
円筒状の内周面4Aを有するハウジング4の軸心部に、こ
のハジング4と相対回転可能な軸(SUS430)2が配設さ
れ、この軸2の外周面2Aとハウジング4の内周面4Aとの
間の円筒状の空間S内には、その空間Sを上下に仕切る
ようにして、軸方向に着磁された円輪状の永久磁石5を
サンドイッチ状に挟む少なくとも1枚(図では2枚)の
円輪状のポールピース6,7が配設されている。
しかして、第4図に示されたものは、ポールピース6,
7の外径側がハウジング4の内周面4Aに固定され、ポー
ルピース6,7の内径面6A,7Aと軸2の外周面2Aとの間に、
僅かなすきま(ギャップ)9を有している。一方、第5
図に示されたものは、ポールピース6,7の内径側が軸2
の外周面2Aに固定され、ポールピース6,7の外径面6C,7C
とハウジング4の内周面4Aとの間に、僅かなすきま(ギ
ャップ)9Gを有している。そしていずれも、これらのす
きま9または9Gに、シール剤として本発明の磁性流体20
を充填している。その磁性流体20は、ポールピース6,7
の端面とこれに対向した被シール部材である軸2の外周
面2A(第5図の場合は被シール部材であるハウジング4
の内周面4A)との間に形成されている磁束により保持さ
れるように構成されている。
7の外径側がハウジング4の内周面4Aに固定され、ポー
ルピース6,7の内径面6A,7Aと軸2の外周面2Aとの間に、
僅かなすきま(ギャップ)9を有している。一方、第5
図に示されたものは、ポールピース6,7の内径側が軸2
の外周面2Aに固定され、ポールピース6,7の外径面6C,7C
とハウジング4の内周面4Aとの間に、僅かなすきま(ギ
ャップ)9Gを有している。そしていずれも、これらのす
きま9または9Gに、シール剤として本発明の磁性流体20
を充填している。その磁性流体20は、ポールピース6,7
の端面とこれに対向した被シール部材である軸2の外周
面2A(第5図の場合は被シール部材であるハウジング4
の内周面4A)との間に形成されている磁束により保持さ
れるように構成されている。
この実施例5では、上記第4図に示される磁性流体シ
ール装置を用いた。ハウジング4の内径は19mm,軸2の
外径は7mm,軸2の外周面2Aとポールピース6,7の内径面6
A,7Aとの間のすきま9の寸法は0.2mm、このすきま9に
保持した磁性流体20の量は15μとした。また、周囲温
度は60℃とし、軸2を3600rpmの回転速度で回転させつ
つ100時間経過後の、磁性流体20のシール面から軸2の
上部方向への変位量を測定した。
ール装置を用いた。ハウジング4の内径は19mm,軸2の
外径は7mm,軸2の外周面2Aとポールピース6,7の内径面6
A,7Aとの間のすきま9の寸法は0.2mm、このすきま9に
保持した磁性流体20の量は15μとした。また、周囲温
度は60℃とし、軸2を3600rpmの回転速度で回転させつ
つ100時間経過後の、磁性流体20のシール面から軸2の
上部方向への変位量を測定した。
用いた磁性流体は、ポリ−α−オレフィン油をキャリ
アとし、合成スルホン酸を強磁性体微粒子の分散剤とし
たもので(実施例3の#5)、これにフッ素系界面活性
物質として『ダイキン工業(株)』製の『ユニダインDS
−401』を添加したものである。添加濃度が、0.01、0.0
25、0.05、0.1wt%及び0wt%(無添加、すなわち従来の
磁性流体のままのもの)になるように調製した5種の試
料についても、添加濃度別の変位量測定結果を表3に示
す。
アとし、合成スルホン酸を強磁性体微粒子の分散剤とし
たもので(実施例3の#5)、これにフッ素系界面活性
物質として『ダイキン工業(株)』製の『ユニダインDS
−401』を添加したものである。添加濃度が、0.01、0.0
25、0.05、0.1wt%及び0wt%(無添加、すなわち従来の
磁性流体のままのもの)になるように調製した5種の試
料についても、添加濃度別の変位量測定結果を表3に示
す。
被シール部材である軸2に対する濡れ性が小さい程、
この磁性流体20の変位量が小さい。
この磁性流体20の変位量が小さい。
フッ素系界面活性物質を添加しない従来の磁性流体の
場合は変位量が1.5〜1.8mmもあり、コンピュータのハー
ドディスク装置や真空装置にシール剤としては不適当で
ある。これに対して、フッ素系界面活性物質を例えば0.
01wt%と極く微量添加しただけで、変位量は約半分にな
るという良結果が得られている。更に僅かに添加濃度を
増やせば変位量は零になり、シール剤の拡散を完全に防
止することができることが明白になった。
場合は変位量が1.5〜1.8mmもあり、コンピュータのハー
ドディスク装置や真空装置にシール剤としては不適当で
ある。これに対して、フッ素系界面活性物質を例えば0.
01wt%と極く微量添加しただけで、変位量は約半分にな
るという良結果が得られている。更に僅かに添加濃度を
増やせば変位量は零になり、シール剤の拡散を完全に防
止することができることが明白になった。
しかも、軸2の外周面2Aやポールピース6,7の表面等
に、殊更に撥油性被膜を別途形成する必要はなく、単に
磁性流体20をシールすきま9に充填するのみであり、使
い勝手が非常に良い。
に、殊更に撥油性被膜を別途形成する必要はなく、単に
磁性流体20をシールすきま9に充填するのみであり、使
い勝手が非常に良い。
また長時間の運転後も、撥油性被膜の場合のように剥
離するおそれは全くないし、炭化水素系の軸受潤滑剤の
オイルミストが相分離現象でシール剤を通過してしまう
こともない。
離するおそれは全くないし、炭化水素系の軸受潤滑剤の
オイルミストが相分離現象でシール剤を通過してしまう
こともない。
以上説明したように、本発明の磁性流体組成物は、低
揮発性炭化水素系有機溶媒をキャリアとする磁性流体
に、分子構造中に疎有機性を有する部分と親有機性を有
する部分が共存するフッ素系界面活性物質を微量添加し
た構成とした。そのため以下のような効果が得られる。
揮発性炭化水素系有機溶媒をキャリアとする磁性流体
に、分子構造中に疎有機性を有する部分と親有機性を有
する部分が共存するフッ素系界面活性物質を微量添加し
た構成とした。そのため以下のような効果が得られる。
磁性流体の表面はフッ素系界面活性物質の疎有機性を
有する部分で完全に覆われて、キャリアが炭化水素系の
低揮発性有機溶媒であるにもかかわらず、あたかも疎有
機性磁性流体であるかのように振る舞い、それ自体の金
属に対する濡れ性が極めて低い。よって、シール空間に
飛散して汚染することの全くないシール剤が得られる。
有する部分で完全に覆われて、キャリアが炭化水素系の
低揮発性有機溶媒であるにもかかわらず、あたかも疎有
機性磁性流体であるかのように振る舞い、それ自体の金
属に対する濡れ性が極めて低い。よって、シール空間に
飛散して汚染することの全くないシール剤が得られる。
高価なフッ素系界面活性物質の含有量は微量であるか
ら、低コストである。
ら、低コストである。
磁性流体が薄く広く拡散して蒸発や飛散が促進される
ことがないからシール寿命が長い。
ことがないからシール寿命が長い。
被シール部材に対し別途に撥油性被膜を形成すること
なく、単にシールすきまに充填するのみであり、使い勝
手が良い。
なく、単にシールすきまに充填するのみであり、使い勝
手が良い。
キャリアが炭化水素系の低揮発性有機溶媒であるから
炭化水素系潤滑油との相分離現象がなく、オイルミスト
を完全に遮断できる。
炭化水素系潤滑油との相分離現象がなく、オイルミスト
を完全に遮断できる。
又、本発明の製造方法は、分散剤で表面を被覆された
強磁性体微粒子に対して、直接に、又は該強磁性体微粒
子が低沸点有機溶媒中に分散された中間媒体を介して、
低揮発性炭化水素系有機溶媒を混合する従来の製造工程
に、単にフッ素系界面活性物質を添加する工程を付加し
たものであるから、特別の製造設備投資は不用であり、
既存設備で安価に製造できる。
強磁性体微粒子に対して、直接に、又は該強磁性体微粒
子が低沸点有機溶媒中に分散された中間媒体を介して、
低揮発性炭化水素系有機溶媒を混合する従来の製造工程
に、単にフッ素系界面活性物質を添加する工程を付加し
たものであるから、特別の製造設備投資は不用であり、
既存設備で安価に製造できる。
その、フッ素系界面活性物質の添加は製造工程の途中
でも最後でも良く適宜に選択できるから、高い生産効率
が得られる。
でも最後でも良く適宜に選択できるから、高い生産効率
が得られる。
又、本発明の磁性流体組成物をシール装置に適用する
と、ポールピースとこれに対向した被シール部材との間
のギャップに上記フッ素系界面活性物質を添加した本発
明の磁性流体組成物を介在させた構成となるため、シー
ル空間を汚染することがなく、安価で、シール寿命が長
く、使い勝手が良く、オイルミストも完全に遮断できる
という効果がある。
と、ポールピースとこれに対向した被シール部材との間
のギャップに上記フッ素系界面活性物質を添加した本発
明の磁性流体組成物を介在させた構成となるため、シー
ル空間を汚染することがなく、安価で、シール寿命が長
く、使い勝手が良く、オイルミストも完全に遮断できる
という効果がある。
第1図(a),(b)は本発明の磁性流体組成物に用い
るフッ素系界面活性物質の構造を模式的に表した図、第
2図はそのフッ素系界面活性物質が磁性流体の表面を被
覆した状態を模式的に表した図、第3図は本発明の磁性
流体組成物におけるフッ素系界面活性物質含有濃度と金
属面に対する接触角との関係を表したグラフ、第4図,
第5図は、それぞれ本発明の磁性流体組成物を適用した
シール装置の要部断面図、第6図,第7図は、それぞれ
従来の磁性流体シール装置の要部断面図である。 図中、2は軸、4はハウジング、5は磁石、6,7はポー
ルピース、9,9Aはギャップ、10,20は磁性流体。
るフッ素系界面活性物質の構造を模式的に表した図、第
2図はそのフッ素系界面活性物質が磁性流体の表面を被
覆した状態を模式的に表した図、第3図は本発明の磁性
流体組成物におけるフッ素系界面活性物質含有濃度と金
属面に対する接触角との関係を表したグラフ、第4図,
第5図は、それぞれ本発明の磁性流体組成物を適用した
シール装置の要部断面図、第6図,第7図は、それぞれ
従来の磁性流体シール装置の要部断面図である。 図中、2は軸、4はハウジング、5は磁石、6,7はポー
ルピース、9,9Aはギャップ、10,20は磁性流体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/10 C09K 3/10 Z C10M 131/12 C10M 131/12 133/18 133/18 133/30 133/30 F16J 15/43 F16J 15/40 A H01F 1/44 H01F 1/28 // C10N 30:04 40:14 40:34 70:00 (56)参考文献 特開 昭62−109896(JP,A) 特開 昭63−131502(JP,A) 特開 昭63−124402(JP,A) 特開 昭61−263202(JP,A)
Claims (12)
- 【請求項1】分散媒として低揮発性炭化水素系有機溶媒
と、該低揮発性炭化水素系有機溶媒と親和性のある親油
性基を有する分散剤と、該分散材で表面を被覆され前記
低揮発性炭化水素系有機溶媒中に分散された強磁性体微
粒子とでなる磁性流体組成物において、 前記成分組成に加えて、更に、分子構造中に疎有機性を
有する部分及び親有機性を有する部分が共存することに
よって前記親有機性を有する部分を前記低揮発性炭化水
素系有機溶媒の内方に向け前記疎有機性を有する部分を
前記低揮発性炭化水素系有機溶媒の外方に向けた配向状
態で前記低揮発性炭化水素系有機溶媒の外との界面に吸
着集合するフッ素系界面活性物質を含有していることを
特徴とする磁性流体組成物。 - 【請求項2】フッ素系界面活性物質は、フルオロアルキ
ルエステルである請求項(1)記載の磁性流体組成物。 - 【請求項3】フッ素系界面活性物質は、パーフルオロア
ルキルエステルである請求項(1)記載の磁性流体組成
物。 - 【請求項4】フッ素系界面活性物質は、パーフルオロア
ルキルエチレンオキシド付加物である請求項(1)記載
の磁性流体組成物。 - 【請求項5】フッ素系界面活性物質は、フルオロアルキ
ルエチレンオキシド付加物である請求項(1)記載の磁
性流体組成物。 - 【請求項6】フッ素系界面活性物質は、パーフルオロア
ルキルアミンオキシド付加物である請求項(1)記載の
磁性流体組成物。 - 【請求項7】フッ素系界面活性物質は、パーフルオロア
クリレート構造を含有するオリゴマーである請求項
(1)記載の磁性流体組成物。 - 【請求項8】フッ素系界面活性物質は、親有機性を有す
る部分にウレタン構造を有するオリゴマーである請求項
(1)記載の磁性流体組成物。 - 【請求項9】フッ素系界面活性物質の磁性流体中の含有
量が0.01wt%〜5wt%である請求項(1)記載の磁性流
体組成物。 - 【請求項10】強磁性体微粒子に対して、低沸点有機溶
媒と、これと親和性のある親油性基を有して強磁性体微
粒子の表面を被覆する分散剤とを加えることにより、該
分散剤で表面を被覆された強磁性体微粒子が低沸点有機
溶媒中に均一に分散された中間媒体を得る工程と、該中
間媒体中の分散性の悪い微粒子を分離した後、低揮発性
炭化水素系有機溶媒を中間媒体に加えて混合物とする工
程と、該混和物を加熱して前記低沸点有機溶媒を蒸発分
離せしめて磁性流体を得る工程とを包含する磁性流体組
成物の製造方法において、 更に、前記各工程を経て得られた磁性流体に対して、分
子構造中に疎有機性を有する部分及び親有機性を有する
部分が共存するフッ素系界面活性物質を添加することに
より、該フッ素系界面活性物質を、前記親有機性を有す
る部分を前記磁性流体の内方に向け前記疎有機性を有す
る部分を前記磁性流体の外方に向けた配向状態で前記磁
性流体の外との界面に吸着集合できるようにする工程と
を包含する磁性流体組成物の製造方法。 - 【請求項11】強磁性体微粒子に対して、低沸点有機溶
媒とこれと親和性のある親油性基を有する分散剤とを加
えて、該分散剤を強磁性体微粒子の表面に結合させ、そ
の後前記低沸点有機溶媒を除去して前記分散剤で表面を
被覆された強磁性体微粒子を得る工程と、該強磁性体微
粒子に低揮発性炭化水素系有機溶媒を添加混合する工程
とを包含する磁性流体組成物の製造方法において、 更に、前記低揮発性炭化水素系有機溶媒を添加混合する
工程と同時に又はその後に、分子構造中に疎有機性を有
する部分及び親有機性を有する部分が共存するフッ素系
界面活性物質を添加して、前記フッ素系界面活性物質
が、前記親有機性を有する部分を有する部分を前記磁性
流体の内方に向け前記疎有機性を有する部分を前記磁性
流体の外方に向けた配向状態で前記磁性流体の外との界
面に吸着集合できるようにする工程とを包含する磁性流
体組成物の製造方法。 - 【請求項12】磁石に接したポールピースと該ポールピ
ースに対向した被シール部材との間のギャップに、請求
項(1)記載の磁性流体を介在せしめたことを特徴とす
る磁性流体シール装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1277993A JP2580344B2 (ja) | 1989-10-25 | 1989-10-25 | 磁性流体組成物とその製造方法及び磁性流体シ―ル装置 |
US07/602,701 US5124060A (en) | 1989-10-25 | 1990-10-24 | Magnetic fluid composition |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1277993A JP2580344B2 (ja) | 1989-10-25 | 1989-10-25 | 磁性流体組成物とその製造方法及び磁性流体シ―ル装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03139596A JPH03139596A (ja) | 1991-06-13 |
JP2580344B2 true JP2580344B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=17591131
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1277993A Expired - Fee Related JP2580344B2 (ja) | 1989-10-25 | 1989-10-25 | 磁性流体組成物とその製造方法及び磁性流体シ―ル装置 |
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Country | Link |
---|---|
US (1) | US5124060A (ja) |
JP (1) | JP2580344B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2148000C (en) * | 1992-10-30 | 2000-10-10 | Keith D. Weiss | Thixotropic magnetorheological materials |
CA2158941A1 (en) * | 1994-01-27 | 1995-08-03 | Ciaran Bernard Mcardle | Compositions and methods for providing anisotropic conductive pathways and bonds between two sets of conductors |
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