JPH0475A - 磁性流体シール装置とその製造方法 - Google Patents

磁性流体シール装置とその製造方法

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JPH0475A
JPH0475A JP2135359A JP13535990A JPH0475A JP H0475 A JPH0475 A JP H0475A JP 2135359 A JP2135359 A JP 2135359A JP 13535990 A JP13535990 A JP 13535990A JP H0475 A JPH0475 A JP H0475A
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JP
Japan
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magnetic fluid
fluorine
seal device
based surfactant
fluid seal
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Pending
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JP2135359A
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English (en)
Inventor
Atsushi Yokouchi
敦 横内
Shigeki Matsunaga
茂樹 松永
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明に係る磁性流体シール装置とその製造方法は、
コンピュータ等に組み込まれるハードディスク用駆動軸
がケーシングの壁面を貫通する部分の、気密保持を図る
場合等に利用する磁性流体シール装置と、それの製造方
法に関する。
(従来の技術) コンピュータ等に組み込まれるハードディスクは、ケー
シング内に設けた磁気記録素子である円板を、ケーシン
グ外に設けたモータにより回転駆動するが、ハードディ
スク自体、塵等による汚れを極端に嫌う為、上記モータ
の駆動軸かケーシングの壁面を貫通する部分に、塵を通
過させない様にする為の、シール装置を設ける必要があ
る。
この様な部分に設置し、塵等の通過を阻止する為のシー
ル装置として従来から、特開昭62−110080号公
報、実開昭59−191423号公報、同61−130
25号公報、同61−44067号公報、同61−79
070号公報、同62−195261号公報、同61−
204027号公報、同63−8419号公報、同63
−139325号公報、実公昭63−29944号公報
、米国特許第4628384号明細書、同469282
6号明細書等に記載された磁性流体シール装置が、一般
的に使用されている。
上記各先行技術文献に記載された磁性流体シール装置の
構造は、細部に於いては種々異なっているが、基本的に
は第15図に示す様な構造を有している。
この第15図に於いて1は、アルミニウム、合成樹脂等
の非磁性材により造られたハウジングで、例えば前記ケ
ーシングの壁面等に固定される。2は鉄等の磁性材によ
り造られた軸で、磁性流体シール装置本体3は、上記ハ
ウジング1の内周面4と軸2の外周面5との間の、円筒
状の空間6内に設置されている。
上記磁性流体シール装置本体3は、軸方向(第15図の
左右方向)に亙って着磁された円輪状の永久磁石7を、
磁性材により円輪状に造られた1対のポールピース8.
9によりサンドイッチ状に挟持し、各ポールピース8.
9の内周縁と軸2の外周面5との間の隙間11.11内
に磁性流体10を、上記永久磁石7の磁力によって保持
する事により、構成されている。上記永久磁石7と1対
のポールピース8.9との外径は、ハウジング1の内径
と同じか、僅かに大きくして、各部材7.8.9.10
により構成される磁性流体シール装置本体3をハウジン
グ1の内周面に、内嵌固定している。
磁性流体シール装置本体3は、前述の様に構成され、上
述の様にハウジング1の内周面4と軸2の外周面5との
間に装着して、磁性流体シール装置を構成する為、ハウ
ジング1の内側での軸2の回転に拘らず、この軸2の外
周面5と各ポールピース8.9の内周縁との間に保持さ
れた磁性流体10により、ハウジング1の内周面4と軸
2の外周面5との間のシール性保持が図られる。
尚、ポールピース8.9は必ずしも2枚1組として使用
するとは限らず、磁性流体シール装置本体3の近傍に設
けられた軸受等により磁界が形成されるのであれば、1
枚のポールピースで、磁性流体シール装置を構成する事
も出来る。
ところが、上述の様に構成され、使用される磁性流体シ
ール装置の場合、揮発性が極めて低い、炭化水素系の鉱
物油、合成油やエステル油、エーテル油、シリコン油等
の油中に、強磁性体の微粒子を分散させて成る磁性流体
10が、金属製の軸2の表面に対する強い濡れ性に基づ
いて、この軸2の表面の広い範囲に互って広がる傾向と
なる。
この様に磁性流体10が軸2の表面に沿って(或は他の
構造の場合は、ポールピース8.9の側面やハウジング
1の内周面に沿って)、ハードディスク等を設けた清浄
空間内に広がった場合、この磁性流体10が、ハードデ
ィスク等を設けた清浄空間内に飛散する危険性が高くな
る。
磁性流体10が上記清浄空間内に飛散し、この清浄空間
内に設けたハードディスク等に付着した場合、このハー
ドディスク等を組み込んだコンピュータ等が誤動作する
原因となってしまう。
この様な不都合を解消する為の技術として、特公昭60
−48668号公報には、第16図に示す様に、磁性流
体10を保持する隙間11の近傍に、ポリテトラフロロ
エチレン(PTFE)等の撥油皮膜12.12を形成し
、磁性流体10が上記隙間11から清浄空間内に広がら
ない様にする技術が開示されている。
又、特公昭58−27426号公報には、弗素系のオイ
ルを溶剤であるトルエンで希釈したものを、所望部位に
塗布した後、焼き付は処理を施す事で、撥油性皮膜を形
成する技術が開示されている。
(発明が解決しようとする課題) 上述の2通の公報に記載された様な従来技術に於いて、
性能が良好で、耐久性、信頼性が高く、且つ安価な磁性
流体シール装置を提供する為には、皮膜の厚さが極力薄
くて、且つ剥離し難く、しかも撥油性の良好な皮膜を、
能率良く簡単に形成出来る様にする事が望まれる。
ところが、上記公報に記載されている技術では、これら
の要求が十分には満足されない。
例えば、前記特公昭60−48668号公報には、前述
の様に、PTFE製の撥油性皮膜12.12を形成する
技術が記載されているが、この公報に記載された技術で
は、皮膜形成の為のコストが嵩むだけでなく、形成され
る皮膜12.12が厚(なる為、磁性流体10を保持す
る為の隙間11の寸法が変化し易く、所望量の磁性流体
10を保持出来なくなる恐れがある。又、PTFE製の
皮膜12.12が剥離した場合、比較的大きな塵が、ハ
ードディスク等を収納した清浄空間内に浮遊する様にな
り、やはりこのハードディスク等を組み込んだコンピュ
ータ等が誤動作する原因とな)てしまう。
又、特公昭58−27426号公報に記載された技術の
場合も、撥油性皮膜を十分に薄くする事、並びに皮膜を
剥離し難くする事が難しいだけでなく、皮膜形成作業に
要するコストの低廉化が難しい。
一方、本出願に関する最先の優先日(平成1年5月31
日)以後に出願公開された特許出願である、特願昭63
−243717号(特開平2−89878号)には、磁
性流体の広がり防止を図る為の撥油性皮膜を薄くする技
術として、ポールピースやシャフト等の磁性流体保持部
材の表面に、脂肪酸系の界面活性剤を吸着させる技術か
記載されている。
この先願に係る発明の場合、十分に薄く、且つ剥離し難
い皮膜を安価に形成出来る反面、界面活性剤として脂肪
酸を使用する為、磁性流体をはじく機能(撥油性)か必
ずしも十分とは言えない場合がある。従って、ハードデ
ィスク駆動装置の様な、使用条件が厳しい部分に使用す
る磁性流体シール装置の場合、より撥油性の優れたもの
を提供するのが好ましい。
十分な撥油性を得る為には、皮膜を形成する物質として
、前記特公昭58−27426号公報に記載された技術
の様に、弗素系の物質を使用する事が好ましいが、この
公報に記載された技術は、前述の様な点で改良が望まれ
るものである。
本発明の磁性流体シール装置とその製造方法は、上述の
様な要求を満足する事を、その目的としている。
(課題を解決する為の手段) 本発明の磁性流体シール装置は何れも、第1図或は第2
図に示す様に、円筒状の外周面5を有する軸2(第2図
の構造の場合、軸2の断面は必ずしも円形である必要は
ない。)と、この軸2の外周面5と同心で円筒状の内周
面4(第2図の構造の場合、内周面4は軸2と同心であ
る必要はない。)を有し、上記軸2に対して相対的に回
転するハウジング1と、このハウジング1の内周面4と
上記軸2の外周面5との間の円筒状の空間6内に挿入自
在な大きさを有する円輪状に形成され、軸方向に亙って
着磁された永久磁石7と、それぞれ円輪状に形成され、
上記永久磁石7をサンドイッチ状に挟む、少なくとも1
枚(図示の例では2枚)のポールピース8.9(第2図
の構造の場合、ポールピース8.9の外周が円形であれ
ば、永久磁石7とポールピース8.9とは必ずしも円輪
状である必要はない。)と、上記永久磁石7の磁力によ
り、ポールピース8.9の周縁と軸2の外周面5又はハ
ウジング1の内周面4との間に保持される、磁性流体1
oとから構成されており、ハウジング1の内周面4と軸
2の外周面5との内、少なくとも磁性流体10が付着す
る面を、磁性材により構成している。
又、第1図に示す様に、ハウジング1の内周面に永久磁
石7とポールピース8.9とを固定した構造の場合、前
記軸2の外周面5の一部で、磁性流体10を付着させた
部分を第一の付着面13とし、前記軸2の外周面5で、
この第一の付着面13よりも清浄空間(第1図の上部に
存在する)内に入り込んだ部分を第一の清浄面1・4と
し、清浄空間に対向するポールピース8の、内周縁部分
表面を第二の付着面15とし、ポールピース8の側面で
、上記清浄空間に対向する面の一部を第一の清浄面16
としている。
そして、第2図に示す様に、軸2の外周面5に永久磁石
7とポールピース8.9とを固定した構造の場合、上記
ハウジング1の内周面4の一部で、磁性流体10が付着
した部分を第三の付着面17とし、上記ハウジング1の
内周面4で、この第三の付着面17よりも清浄空間内に
入り込んだ部分を第三の清浄面18とし、上記ポールピ
ース8の外周縁部分表面を第四の付着面19とし、上記
ポールピース8の一側面で、上記清浄空間と対向する面
の一部を第四の清浄面20としている。
上記第一〜第四の付着面13.15.17.19は何れ
も、磁性流体10が付着する事で、ハウジング1の内周
面4と軸2の外周面5との間の隙間を塞ぐ部分であるが
、第一〜第四の清浄面14.16.18.20は何れも
、ハードディスク等を収納した清浄空間に面しており、
磁性流体10が付着する事が好ましくない部分である。
上述の様な構成は、従来から知られた磁性流体シール装
置と同様であるが、更に本発明の磁性流体シール装置に
於いては、上記各付着面13.15.17.19と各清
浄面14.16.18.20との間に、本発明独特の撥
油層を形成して、各付着面13.15.17.19部分
に存在する磁性流体10が、各清浄面14.16.18
.20に達する事の防止を図っている。
即ち、請求項1に記載された発明の場合、少なくとも、
軸2の外周面5て、前記第一の付着面13と第一の清浄
面14との間に存在する第一の中間部分21と、上記第
二の付着面15と第二の清浄面16との間に存在する第
二の中間部分22との一方の中間部分21.22に、弗
素系界面活性剤を吸着させる事で、撥油層を形成してい
る。
又、請求項3に記載された発明の場合、少なくとも、ハ
ウジング1の内周面で、前記第三の付着面17と第三の
清浄面18との間に存在する第三の中間部分23と、上
記第四の付着面19と第四の清浄面20との間に存在す
る第四の中間部分24との一方の中間部分23.24に
、やはり弗素系界面活性剤を吸着させる事で、撥油層を
形成している。
尚、何れの発明の場合に於いても、両方の中間部分(請
求項1に記載の発明の場合に於ける、第、第二の中間部
分21.22、請求項3に記載の発明の場合に於ける、
第三、第四の中間部分23.24)に撥油層を形成する
事が、磁性流体10の広がりを防止する為に好ましいが
、ハウジング1或は軸2の回転に基づく遠心力により、
磁性流体10の広がりを防止される部分には、必ずしも
撥油層を形成しなくても良い。又、各付着面13.15
.17.19や各清浄面14.16.18.20にも撥
油層を形成しても、何ら差支えない。
又、本発明の磁性流体シール装置の製造方法に於いては
、弗素系界面活性剤を所望部分に所望量だけ吸着させる
為の溶剤として、アルコール、弗素系溶剤、セロソルブ
系溶剤、ケトン系溶剤、アルデヒド系溶剤、エステル系
溶剤、塩素系有機化合物を、それぞれ単独で、又は混合
して使用する。
(作  用) 上述の様に構成される、本発明の方法により作られた本
発明の磁性流体シール装置により、ハウジング1と軸2
との相対的回転を自在としつつ、ハウジング1の内周面
4と軸2の外周面5との間の隙間を塞ぐ作用は、従来か
ら知られた磁性流体シール装置の場合と同様である。
又、本発明の磁性流体シール装置の場合、少なくとも第
一〜第四の中間部分の何れかに形成された撥油層により
、ポールピース8の端縁部に保持サレタ磁性流体10が
清浄空間に向けて広がる事が防止されるが、この作用自
体は、前述した特公昭60−48668号公報に開示さ
れた発明と同様である。
但し、本発明の磁性流体シール装置の場合、弗素系界面
活性剤により撥油層を形成する為、極〈薄く、しかも極
めて剥離し難い撥油層を容易に形成する事が出来る。こ
の為、撥油層を形成する事により、磁性流体を保持する
為の隙間の寸法が変化する事も殆どなく、性能が良好で
、耐久性、信頼性の高い磁性流体シール装置を安価に提
供出来る。
即ち、弗素系界面活性剤により撥油層を形成する場合、
弗素系界面活性剤を揮発性溶剤に溶かす事で造られた溶
液中に、表面に撥油層を形成すべき部品を浸漬する事で
、或は上記溶液を部品の表面に塗布する事で、焼き付は
等、面倒な処理を行なわなくても、容易に、且つ短時間
で、この部品の表面に丈夫な撥油層を形成する事が出来
る。
そして、撥油層を形成する弗素系界面活性剤の分子は、
最も部品表面寄りに存在する分子のみが、その端部に有
する極性基が金属製の部品の表面に物理的、或は化学的
に吸着する事により、上記表面に強く付着し、この表面
に1分子分だけの、極めて薄い撥油層(!IL分子吸着
層)を形成する。
部品を上記溶液中に浸漬する際、この部品の表面に付着
した余分の(JI!−分子吸着層を形成するのに必要な
量を越えた)弗素系界面活性剤は、撥油層を形成後に、
部品を揮発性の溶剤中に浸漬する事で容易に取り除く事
が出来る為、磁性流体シール装置に組み付は後の部品か
ら、余分の弗素系界面活性剤が剥離する事は殆どなくな
る。
又、仮に撥油層を構成する単分子吸着層から弗素系界面
活性剤が剥離し、この剥離片が清浄空間内に浮遊した場
合でも、この剥離片は(1分子車位の)極めて小さいも
のであり、この剥離片の大きさは、清浄空間に求められ
るクリーン度10(1インチ立方中に、0.5μm以上
の粒子が10個以下)に規定する粒子よりも遥かに小さ
くなる為、この清浄空間内に収納したハードディスク等
を誤動作させる様な恐れはない。
(実施例) 次に、本発明の効果を確認する為に行なった実験に就い
て説明する。
実験は、ポールピース8と同材質で、円形のステンレス
鋼板25(後述の第3〜4図参照)の表面に撥油層を形
成し、このステンレス鋼板25の表面に、実際の磁性流
体シール装置に使用するものと同じ材質の磁性流体10
を境下し、この磁性流体10が移動する様子を観察する
事で行なフた。
尚、(表面処理を行なわなかったものを除き)何れの実
験例の場合も、次の(a)〜(d)に示した第一〜第四
工程により、上記ステンレス鋼板25の表面処理(撥油
層形成作業)を行なった。
(a)第一工程 表面を脱脂したステンレス鋼板25を、溶剤であるエチ
ルアルコールにコーティング剤(本発明の場合、弗素系
界面活性剤)を0. 5at/v%加えた溶液中に、2
0秒間浸漬した後取り出す(但し、第1〜4実験例に示
した、コーティング剤としてパーフルオロポリエーテル
型の弗素系界面活性剤を用いたものの場合は、溶剤とし
て、エチルアルコールに代えて、フレオンを使用する。
)。
(b)第二工程 溶液から取り出したステンレス鋼板25を乾燥させる。
(c)第三工程 乾燥させたステンレス鋼板25を、純粋なエチルアルコ
ール(或はフレオン)中に20秒間浸漬し、ステンレス
鋼板25の表面に付着した余分なコーティング剤を取り
除いた後、取り出す。
(d)第四工程 エチルアルコール(或はフレオン)中から取り出したス
テンレス鋼板25を乾燥させる。
上述の様な一連の工程によって表面処理された、ステン
レス鋼板25の表面には、その上面中央部に磁性流体1
0を1μ℃滴下した後、直ちに第3〜4図に示す様な架
台26に置き、5分間経過後に於ける、この磁性流体1
0の形状変化を、目視により観察した。
尚、上記架台26の上面は45度傾斜しており、この架
台26上に、上面中央部に磁性流体10を滴下したステ
ンレス鋼板25を載せた場合、上記磁性流体10には重
力により、下方に流下しようとする重力が働く。
そこで、前述の様に、5分経過後に於ける磁性流体10
の形状変化を目視により観察した結果、第5図に示す様
に、磁性流体10の形状が変化しなかった場合をr優良
Jとし、第6図に示す様に、磁性流体10の形状が変化
はするが、ステンレス鋼板25の下端縁にまでは達しな
かった場合にはr良」とし、磁性流体1oの形状が変化
し、ステンレス鋼板25の下端縁に迄達した場合にr不
良」とした。
本発明は、この内のr良1以上の状態、更に好ましくは
r優良」の状態を得る事を目標としている。
第1実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロポリエーテ
ルジカルボン酸として、r日本モンテジソン社J製f7
) rFOMBLIN ZDIAC2000J  (商
品名)を使用して、前述の条件で実験を行なフた所、ス
テンレス鋼板25の中央部上面に滴下した磁性流体10
の形状は、5分間経過後に於いても第5図に示す様に変
化せず、撥油性はr優良Jである事が確認された。
第2実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロポリエーテ
ルジカルボン酸として、r日本モンテジソン社」製ノr
FovaLrNZDIAC4000J  (商品名)を
使用して、前述の条件で実験を行なった所、ステンレス
鋼板25の中央部上面に滴下した磁性流体10の形状は
、5分間経過後に於いても第5図に示す様に変化せず、
撥油性は「優良Jである事が確だされた。
第3実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロポリエーテ
ルカルボン酸として、「日本モンテジソン社1製ノrG
ALDEN MONOACIDJ  (商品名)を使用
して、前述の条件で実験を行なった所、ステンレス鋼板
25の中央部上面に滴下した磁性流体10の形状は、5
分間経過後に於いても第5図に示す様に変化せず、撥油
性は「優良」である事が確認された。
第4実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロポリエーテ
ルカルボン酸として、rデュポン社」製のr Kryt
ox 157 F/MJ  (商品名)を使用して、前
述の条件で実験を行なった所、ステンレス鋼板25の中
央部上面に滴下した磁性流体10の形状は、5分間経過
後に於いても第5図に示す様に変化せず、撥油性は「優
良−である事が確証された。
尚、上述した第1〜4実験例に使用したパーフルオロポ
リエーテルカルボン酸は、エーテル結合を弗化炭素鎖中
に含む疎水基中を有し、分子量が500〜20000の
弗素化合物であるが、この様な弗素化合物は、比較的分
子量が大きく、金属製部品の表面に、比較的長いパーフ
ルオロポリエーテル鎖の分子層を形成する為、良好な撥
油性を発揮すると考えられる。
但し、この様な分子量の大きいパーフルオロポリエーテ
ル鎖の場合、エーテル結合を弗化炭素鎖中に含む疎水基
がないと、溶剤への溶解性が悪くなり、金属製部品の表
面に撥油性を発揮するのに十分な単分子吸着層を形成す
る事が出来なくなる為、エーテル結合が必須となる。
第5実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロアルキル両
性界面活性剤として、「ネオス社1製のrフタ−ジェッ
ト400SJ  (商品名。ベタイン系)を使用して、
前述の条件で実験を行なった所、ステンレス鋼板25の
中央部上面に滴下した磁性流体10の形状は、5分間経
過後に於いても第5図に示す様に変化せず、撥油性はr
優良1である事が確認された。
第6実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロアルキル両
性界面活性剤として、r旭硝子社J製の「サーフロンS
−131J  (商品名。ヘタイン系)を使用して、前
述の条件で実験を行なった所、ステンレス鋼板25の中
央部上面に滴下した磁性流体10の形状は、5分間経過
後に於いても第5図に示す様に変化せず、撥油性はr優
良1である事が確認された。
尚、上述した第5〜6実験例に使用したパーフルオロア
ルキル両性界面活性剤は、極性基部分に正電荷部と負電
荷部とを両方具えた両性で、分子量が100〜2000
の弗素化合物であるが、この様な弗素化合物は、比較的
分子量が小さい代わりに、両性の極性基の働きにより、
ステンレス鋼板25の表面に吸着する際、弗素銀を反対
に配向させて吸着し、金属製部品の表面に、比較的密度
の高い弗素銀の単分子層を形成する為、良好な撥油性を
発揮すると考えられる。
この様な分子量の小さいパーフルオロアルキル鎖の場合
、そのままでも溶剤への溶解性が悪くなる事はない為、
エーテル結合は不要である。
尚、以上に述べた第1〜第6実験例は何れも、r優良」
の状態を得られるものであるが、以下に述べる第7〜1
4実験例は、本発明の効果を確認する為に行なフた比較
例(第7実験例)、及び、本発明の範囲に属し、極薄で
高強度の皮膜を容易に形成出来るものであるが、撥油性
の点で若干前記第1〜6実験例のものに比べて劣るもの
である。
第7実験例 ステンレス鋼板25の表面を脱脂したのみで、表面処理
を施す事なく、前述の条件で実験を行なった所、ステン
レス鋼板25の中央部上面に滴下した磁性流体10の形
状は、5分間経過後には第7図に示す様に、ステンレス
鋼板25の下縁に迄達し、撥油性はr不良1である事が
確認された。
第8実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロアルキルア
ニオン性界面活性剤として、「ネオス社1製のrフター
ジエント 150J  (商品名。カルホン酸塩系)を
使用して、前述の条件で実験を行なった所、ステンレス
鋼板25の中央部上面に滴下した磁性流体10の形状は
、5分間経過後に於いては、第6図に示す様に、ステン
レス鋼板25の中間部に迄流下し、撥油性がr良」であ
る事が確認された。
第9実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロアルキルア
ニオン性界面活性剤として、rネオス社J製のrフター
ジエント 100J  (商品名。スルホン酸塩系)を
使用して、前述の条件で実験を行なった所、ステンレス
鋼板25の中央部上面に滴下した磁性流体10の形状は
、5分間経過後に於いては、第6図に示す様に、ステン
レス鋼板25の中間部に迄流下し、撥油性がr良」であ
る事が確認された。
第10実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロアルキルア
ニオン性界面活性剤として、r旭硝子社J製のrサーフ
ロンS−112J  (商品名。リン酸エステル系)を
使用して、前述の条件で実験を行なフた所、ステンレス
鋼板25の中央部上面に滴下した磁性流体10の形状は
、5分間経過後に於いては、第6図に示す様に、ステン
レス鋼板25の中間部に迄流下し、撥油性がr良1であ
る事が確認された。
第11実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロアルキルノ
ニオン性界面活性剤として、rネオス社1製のrフター
ジェント 250J  (商品名。エチレンオキサイド
付加物)を使用して、前述の条件で実験を行なった所、
ステンレス鋼板25の中央部上面に滴下した磁性流体1
0の形状は、5分間経過後に於いては、第6図に示す様
に、ステンレス鋼板25の中間部に迄流下し、撥油性が
r良」である事か確認された。
第12実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロアルキルノ
ニオン性界面活性剤として、r旭硝子社」製のrサーフ
ロンS−141J  (商品名。アミンオキサイド系)
を使用して、前述の条件で実験を行なった所、ステンレ
ス鋼板25の中央部上面に滴下した磁性流体10の形状
は、5分間経過後に於いては、第6図に示す様に、ステ
ンレス鋼板25の中間部に迄流下し、撥油性がr良1で
ある事が確認された。
第13実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロアルキルカ
チオン性界面活性剤として、rネオス社J製の「フター
ジェント 300J  (商品名。第4級アンモニウム
塩系)を使用して、前述の条件で実験を行なった所、ス
テンレス鋼板25の中央部上面に滴下した磁性流体10
の形状は、5分間経!後に於いては、第6図に示す様に
、ステンレス鋼板25の中間部に迄流下し、撥油性がr
良Jである事が確認された。
第14実験例 弗素系界面活性剤の1種であるパーフルオロアルキルカ
チオン性界面活性剤として、「旭硝子社1製の「サーフ
ロンS−121J  (商品名。第4級アンモニウム塩
系)を使用して、前述の条件で実験を行なった所、ステ
ンレス鋼板25の中央部上面に滴下した磁性流体10の
形状は、5分間経過後に於いては、第6図に示す様に、
ステンレス鋼板25の中間部に迄流下し、撥油性がr良
1である事が確認された。
次に、上述の様な実験により選択された弗素系界面活性
剤により、実際に磁性流体シール装置を構成する部材の
表面に撥油層を形成する場合に好適な処理工程の1例と
、この工程により表面に撥油層を形成されたポールピー
ス及び軸を組み込んだ、磁性流体シール装置の性能を確
認する為に行なった実験に就いて説明する。
ステンレス製のポールピース及び軸の表面に撥油層を形
成する為の前処理として、このポールピース及び軸をト
リクロロトリフロロエタン(商品名;フレオン。この他
、トリクロロエタン等、他の有機溶剤も使用可能である
。)中に浸漬し、超音波振動を加える事で、このポール
ピース及び軸表面の脱脂を行ない、この前処理完了後、
次の第一〜第三工程により、ポールピース及び軸の表面
に撥油層を形成した。
(a)第〜工程 表面を脱脂したポールピース及び軸を、溶剤であるフレ
オンに、パーフルオロアルキル両性界面活性剤である、
rネオス社」製のrフタージェント400SJを0,0
5〜5wt/v%加えた溶液中に、5秒間〜1分間浸漬
し、超音波振動を加える事で、上記溶液を、ポールピー
ス及び軸の表面の隅々に迄を行き渡らせる。
(b)第二工程 溶液から取り出したポールピース及び軸を、直ちに、純
粋なフレオンを満たした超音波槽中に5秒間〜1分間浸
漬し、ポールピース及び軸の表面に付着した余分な界面
活性剤を取り除いた後、取り出す。
(d)第三工程 フレオン中から取り出したポールピース及び軸を乾燥さ
せる。
この様にして、表面全体に撥油層を形成したポールピー
ス及び軸を、第1図に示す様に組み合わせる事で、磁性
流体シール装置を構成し、軸2の外周面とポールピース
8.9の内周縁との間に保持した磁性流体10が、各ポ
ールピース8.9の内周縁から外周方向に変位する量(
長さ)を測定した。
尚、実験に使用した軸2の外径は7 mm、ハウジング
1の内径は19mm、軸2の外周面と各ポールピース8
.9の内周縁との間の隙間の寸法は0.2mm、この隙
間に保持した磁性流体の量は15μ℃とした。又、実験
は、温度が60℃で、相対湿度が90%の条件の下で、
軸2を3600r、p、m、の速度で回転させつつ、2
00時間継続して行ない、200時間経過後、上記磁性
流体10が外周方向に変位した量を測定した。
この磁性流体10の変位量は、ポールピース8.9の表
面に形成された撥油層の性能が良好な程(撥油性が優れ
ている程)短くなり、上述の条件で試験した場合、変位
量が0.5mm以下の場合は優良と、0.5〜1.5m
mの場合は良と、1゜5mmを越えた場合は不良と考え
られるが、実験の結果は優良であフた。
尚、本発明の磁性流体シール装置に於いて、撥油層を形
成する部分は、前述の様に、ポールピース8の端縁とこ
の端縁が対向する部材の表面との間で、磁性流体10が
付着した部分と、ハードディスク等が収納された清浄空
間に対向する部分との中間部分とするが、実際の磁性流
体シール装置に組み込む場合に於いては、例えば第8〜
14図に破線で示す様な部分に撥油層31.31を形成
する事が出来る。
この内の第8図は、軸2の外周面5全体とポールピース
8.9の表面全体とに撥油層31.31を形成した例を
、第9図は、軸2の外周面5で、磁性流体10を保持し
た隙間11よりも清浄空間側部分に撥油層31を形成し
た例を、それぞれ示している。
又、第10図は、軸2の中間部で、1対のポールピース
8.9の内周縁に対向する部分に外嵌固定した磁性材製
の筒体27の表面に撥油層31を形成した例を、第11
図は、軸2の端部に外嵌固定した、ハードディスク用の
取付フランジ28の側面に撥油層31を形成した例を、
第12図は、軸2の外周面5と取付フランジ28の基端
部との間に形成された溝部29の内面に撥油層31を形
成した例を、それぞれ示している。
更に、第13図は、転がり軸受に組み込まれた磁性流体
シール装置を構成するポールピース8.9の側面と、上
記転がり軸受の内輪30の外周面とに撥油層を形成した
例を、第14図は、ハウジング1の内周面4全体とポー
ルピース8.9の表面全体とに撥油層31.31を形成
した例を、それぞれ示している。
尚、弗素系界面活性剤を溶かしたり、或は余分の界面活
性剤を取り除く為の溶剤としては、前述したフレオン、
或はトリクロロエタンの他、パーフルオロアルキル型界
面活性剤用の溶剤としてはメタノール、エタノール、イ
ンプロパツール、ノルマルプロパツール、5弗化プロパ
ツール(例えば、ダイキン社製のベフォールTMシリー
ズ)等のアルコール類を、パーフルオロポリエーテル型
界面活性剤用の溶剤としてはパーフルオロアルキル系揮
発性溶剤、フルオロアルキル系溶剤等の弗素系溶剤(有
機化合物の分子構造中の水素原子の少なくとも1個が、
弗素原子に置換された溶剤)を、それぞれ使用する事が
出来る。又、アセトン、MIBK等のケトン系溶剤、酢
酸エチル等のエステル系溶剤、エチルセロソルブ、セロ
ソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤、DM
F等のアルデヒド系溶剤、1.1.1トリクロロエタン
とアルコール類、ケトン系溶剤、セロソルブ系溶剤、ア
ルデヒド系溶剤の内の1種又は2種以上との混合物が、
それぞれ使用可能である。
特に、弗素系界面活性剤の内、パーフルオロアルキルベ
タイン等、極性基が両性で、分子量が100〜2000
の弗素化合物である弗素系界面活性剤を溶かしたり、或
は余分の界面活性剤を取り除く為の溶剤としては、ジク
ロル系有機化合物やトリクロル系有機化合物等の塩素系
有機溶剤と、メタノール、エタノール、イソプロピルア
ルコール等、沸点が150℃以下のアルコールとの混合
物が、好ましく利用出来る。
弗素系界面活性剤を溶かしたり、或は余分の界面活性剤
を取り除く為の溶剤として、上述の様な混合物を使用す
るのは、次の様な理由による。
即ち、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル等、沸点が150℃以下のアルコールは、上記パーフ
ルオロアルキルベタイン等の弗素系界面活性剤を60重
量%迄迄溶し、しかも揮発性が高く乾き易い為、隼に溶
剤として考えた場合、好ましく用いる事が出来る反面、
引火し易い為、使用する際には、火災予防の為に厳重な
注意が必要になる。
一方、ジクロル系有機化合物やトリクロル系有機化合物
等の塩素系有機溶剤は、発火しにくい反面、上記パーフ
ルオロアルキルヘタイン等の弗素系界面活性剤を溶かし
にくい(0,01重量%未満しか溶けない)為、そのま
までは溶剤として不適である。ところが、塩素系有機溶
剤には上記アルコールが20重量%迄溶け、その結果得
られた混合物は燃えにくい性質を有する。そして、この
混合物には、前記弗素系界面活性剤が、最大20重量%
迄溶ける。
そこで、上記混合物を溶剤として使用する事により、パ
ーフルオロアルキルベタイン等、極性基が両性で、分子
量が100〜2000の弗素化合物である弗素系界面活
性剤を溶かしたり、或は余分の界面活性剤を取り除く作
業を行なう様にすれば、火災発生の恐れが少なく、吸着
作業を安全に行なう事が出来る。尚、ジクロル系有機溶
剤は通常の塩素系有機溶剤に比べて燃えにくく乾き易い
為、好ましく使用出来、トリクロル系有機溶剤は、より
燃えにくく、より乾き易い為、より好ましく使用出来る
これらの各種溶剤を使用して弗素系界面活性剤を吸着さ
せた場合に於いても、良好な撥油層を得る事が出来る。
即ち、これら各種溶剤を使用して弗素系界面活性剤を吸
着させた場合に於いても、得られる表面性状は、弗素系
界面活性剤が同じである限り同じになり、その結果、前
述の実験例の場合と同じ結果を得られる。
(発明の効果) 本発明の磁性流体シール装置とその製造方法は、以上に
述べた通り構成され作用するが、ハードディスク等、塵
が付着する事を嫌う物品が存在する清浄空間に、磁性流
体が飛散する可能性を低く抑える為の撥油層を、掻く薄
く、しかも極めて剥離し難く形成する事を、簡単な作業
でしかも短時間の間に行なえる為、性能が良好で、耐久
性、信頼性の高い磁性流体シール装置を安価に提供出来
る。
又、形成される撥油層が掻く薄い為、撥油層の存在によ
り清浄空間のクリーン度が損なわれる事がなく、且つ磁
性流体を保持する隙間の寸法が変化する事もない。
【図面の簡単な説明】
第1図は請求項1に記載された発明の基本構造を示す断
面図、第2図は請求項3に記載された発明の基本構造を
示す断面図、第3〜4図は本発明の効果を確認する為に
行なった実験用の架台を示しており、第3図は側面図、
第4図は第3図のA矢視図、第5〜7図は実験による磁
性流体の状態の3例を示す、第4図同様の図、第8〜1
4図は、撥油層を形成する部分の7例を示す、それぞれ
断面図、s15図は従来の磁性流体シール装置の基本構
造を示す断面図、第16図は従来の磁性流体シール装置
の第2例を示す部分断面図である。 1:ハウジング、2:軸、3:磁性流体シール装置本体
、4:内周面、5・外周面、6:空間、7:永久磁石、
8.9・ポールピース、10:磁性流体、11:隙間、
12:撥油層、13:第一の付着面、14:第一の清浄
面、15:第二の付着面、16:第二の清浄面、17:
第三の付着面、18:第三の清浄面、19:第四の付着
面、20:第四の清浄面、21:第一の中間部分、22
:第二の中間部分、23.第三の中間部分、24:第四
の中間部分、25ニステンレス鋼板、26:架台、27
:筒体、28:取付フランジ、29:溝部、30:内輪
、31:撥油層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)円筒状の外周面を有する磁性材製の軸と、この軸
    の外周面と同心で円筒状の内周面を有し、上記軸に対し
    て相対的に回転するハウジングと、このハウジングの内
    周面と上記軸の外周面との間の円筒状の空間内に挿入自
    在な大きさを有する円輪状に形成され、軸方向に亙って
    着磁された永久磁石と、上記軸の外径よりも大きな内径
    を有する円輪状に形成され、上記永久磁石の一側面に固
    着されると共に、ハウジングの内周面に内嵌固定された
    少なくとも1個のポールピースと、このポールピースの
    内周縁と上記軸の外周面との間に、上記永久磁石の磁力
    により保持された磁性流体とから成り、上記軸の外周面
    の一部で磁性流体が付着した部分を第一の付着面とし、
    上記軸の外周面でこの第一の付着面よりも清浄空間内に
    入り込んだ部分を第一の清浄面とし、上記ポールピース
    の内周縁部分表面を第二の付着面とし、上記ポールピー
    スの一側面で上記清浄空間と対向する面の一部を第二の
    清浄面とした磁性流体シール装置に於いて、少なくとも
    、上記軸の外周面で、上記第一の付着面と第一の清浄面
    との間に存在する第一の中間部分と、上記ポールピース
    の側面で、上記第二の付着面と第二の清浄面との間に存
    在する第二の中間部分との一方の中間部分に、弗素系界
    面活性剤を吸着させる事で、撥油層を形成した事を特徴
    とする磁性流体シール装置。 (2)軸の外周面に別の部材が固定されており、この部
    材の表面に第一の清浄面と第一の中間部分とが存在する
    、請求項1に記載の磁性流体シール装置。 (3)外周形状を円形とした、少なくとも1個のポール
    ピースと、このポールピースの外周と同心で、この外周
    よりも大きな円筒状の内周面を有し、上記ポールピース
    に対して相対的に回転する磁性材製のハウジングと、こ
    のハウジングの内側に挿入自在な大きさを有する形状と
    されると共に、軸方向に亙って着磁され、上記ポールピ
    ースの側面に固着された永久磁石と、上記ポールピース
    の外周縁と上記ハウジングの内周面との間に、上記永久
    磁石の磁力により保持された磁性流体とから成り、上記
    ハウジングの内周面の一部で磁性流体が付着した部分を
    第三の付着面とし、上記ハウジングの内周面でこの第三
    の付着面よりも清浄空間内に入り込んだ部分を第三の清
    浄面とし、上記ポールピースの外周縁部分表面を第四の
    付着面とし、上記ポールピースの一側面で上記清浄空間
    と対向する面の一部を第四の清浄面とした磁性流体シー
    ル装置に於いて、少なくとも、上記ハウジングの内周面
    で、上記第三の付着面と第三の清浄面との間に存在する
    第三の中間部分と、上記ポールピースの側面で、上記第
    四の付着面と第四の清浄面との間に存在する第四の中間
    部分との一方の中間部分に、弗素系界面活性剤を吸着さ
    せる事で、撥油層を形成した事を特徴とする磁性流体シ
    ール装置。 (4)ハウジングの内周面に別の部材が固定されており
    、この部材の表面に、第三の清浄面と第三の清浄面とが
    存在する、請求項3に記載の磁性流体シール装置。 (5)弗素系界面活性剤が、エーテル結合を弗化炭素鎖
    中に含む疎水基を有し、分子量が500〜20000の
    弗素化合物である、請求項1〜4の何れかに記載の磁性
    流体シール装置。 (6)弗素系界面活性剤が、パーフルオロポリエーテル
    カルボン酸である、請求項5に記載の磁性流体シール装
    置。 (7)弗素系界面活性剤が、パーフルオロポリエーテル
    ジカルボン酸である、請求項5に記載の磁性流体シール
    装置。 (8)弗素系界面活性剤が、極性基が両性で、分子量が
    100〜2000の弗素化合物である、請求項1〜4の
    何れかに記載の磁性流体シール装置。 (9)弗素系界面活性剤が、パーフルオロアルキルベタ
    インである、請求項8に記載の磁性流体シール装置。 (10)弗素系界面活性剤が、パーフルオロアルキルア
    ミノ酸である、請求項8に記載の磁性流体シール装置。 (11)弗素系界面活性剤が、エステル結合を弗化炭素
    鎖中に含む疎水基を有し、分子量が500〜20000
    の弗素化合物である、請求項1〜4に記載の磁性流体シ
    ール装置。(12)請求項8、9、10の何れかに記載
    の磁性流体シール装置を造る為、弗素系界面活性剤の溶
    剤として、アルコールを使用する事により、上記弗素系
    界面活性剤を所望部分に所望量だけ吸着させる磁性流体
    シール装置の製造方法。 (13)請求項5、6、7、8、9、10、11の何れ
    かに記載の磁性流体シール装置を造る為、弗素系界面活
    性剤の溶剤として、弗素系溶剤を使用する事により、上
    記弗素系界面活性剤を所望部分に所望量だけ吸着させる
    磁性流体シール装置の製造方法。 (14)請求項8、9、10の何れかに記載の磁性流体
    シール装置を造る為、弗素系界面活性剤の溶剤として、
    セロソルブ系溶剤を使用する事により、上記弗素系界面
    活性剤を所望部分に所望量だけ吸着させる磁性流体シー
    ル装置の製造方法。 (15)請求項8、9、10の何れかに記載の磁性流体
    シール装置を造る為、弗素系界面活性剤の溶剤として、
    ケトン系溶剤を使用する事により、上記弗素系界面活性
    剤を所望部分に所望量だけ吸着させる磁性流体シール装
    置の製造方法。 (16)請求項8、9、10の何れかに記載の磁性流体
    シール装置を造る為、弗素系界面活性剤の溶剤として、
    アルデヒド系溶剤を使用する事により、上記弗素系界面
    活性剤を所望部分に所望量だけ吸着させる磁性流体シー
    ル装置の製造方法。 (17)請求項8、9、10の何れかに記載の磁性流体
    シール装置を造る為、弗素系界面活性剤の溶剤として、
    エステル系溶剤を使用する事により、上記弗素系界面活
    性剤を所望部分に所望量だけ吸着させる磁性流体シール
    装置の製造方法。 (18)請求項8、9、10の何れかに記載の磁性流体
    シール装置を造る為、弗素系界面活性剤の溶剤として、
    塩素系有機溶剤と沸点が150℃以下のアルコールとの
    混合物を使用し、この混合物に0.01〜20重量%の
    上記弗素系界面活性剤を溶かし込む事により、この弗素
    系界面活性剤を所望部分に所望量だけ吸着させる磁性流
    体シール装置の製造方法。 (19)塩素系有機化合物がトリクロル系有機化合物で
    ある、請求項18に記載の磁性流体シール装置の製造方
    法。 (20)塩素系有機化合物が1.1.1トリクロロエタ
    ンである、請求項19に記載の磁性流体シール装置の製
    造方法。 (21)溶剤中に弗素系界面活性剤が、0.1〜5重量
    %溶かし込まれる、請求項18、19、20の何れかに
    記載の磁性流体シール装置の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10453693B2 (en) 2013-02-13 2019-10-22 Showa Denko K.K. Surface machining method for single crystal SiC substrate, manufacturing method thereof, and grinding plate for surface machining single crystal SiC substrate

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