JP2580103Y2 - パティキュレートトラップの熱反射板 - Google Patents

パティキュレートトラップの熱反射板

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JP2580103Y2
JP2580103Y2 JP1992078296U JP7829692U JP2580103Y2 JP 2580103 Y2 JP2580103 Y2 JP 2580103Y2 JP 1992078296 U JP1992078296 U JP 1992078296U JP 7829692 U JP7829692 U JP 7829692U JP 2580103 Y2 JP2580103 Y2 JP 2580103Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ディーゼルエンジンの
排気ガス中よりパティキュレートを除去するパティキュ
レートトラップに対設されるパティキュレートトラップ
の熱反射板に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの排気ガス中にはカ
ーボン微粒子等を核としたパティキュレートが混入して
おり、このパティキュレートを大気中に放出すること無
く捕集するためにディーゼルエンジンの排気ガス流路上
にパティキュレートトラップを装着することが有効とさ
れ、各種の提案が成されている。ところで、排気ガス流
路に装着されるパティキュレートトラップは車両の走行
に伴い、パティキュレート捕集量を増加させていく。こ
のため車両の排気ガス流路のパティキュレートトラップ
における流路抵抗は走行距離の増加と共に増加し、これ
がエンジン出力を押さえることと成る。そこで、通常の
パティキュレートトラップにはパティキュレートトラッ
プ再生装置が付設されることが多い。この再生装置は適
時に再生駆動されて、パティキュレートトラップ上に捕
獲されたパティキュレートを焼却し、パティキュレート
トラップ上のパティキュレートによる目詰まりを無く
し、パティキュレートトラップを再使用状態に回復させ
ている。
【0003】ところで、再生装置にはガスバーナによる
ものや電気ヒータによるものが有り、特に電気ヒータに
よるものはヒータ取付スペースの確保が容易で、小型化
を図りやすい利点が有る。しかし、この電気ヒータによ
る場合、その発生熱量は電源容量による規制を受けやす
く、ここではヒータの発生した熱を無駄なくパティキュ
レートトラップ上のパティキュレートの加熱に効率良く
利用することが必要とされている。そこで、従来、パテ
ィキュレートトラップの上流側にヒータを設けると、更
にその上流側に熱反射板を対設することが行なわれてい
る。この熱反射板はヒータからの輻射熱をパティキュレ
ートトラップ側に反射させると共にヒータよりの輻射熱
が更に上流側に拡散することを防ぐよう働く。しかも、
この熱反射板はパティキュレートトラップに向けて流入
する排ガス等を通過させる通路を形成される必要が有
り、更に、熱反射板自身の熱容量を小さく設定され、こ
こで受けて得た熱を焼却用エアーに伝えるようにして、
ヒータの発生する熱を無駄なく役立てるように構成され
ている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の熱反射板Aは図に示すように、セラミック製の
細線a1をループ状にして無秩序に重ね合わせて積層円
板状にして形成されているものが多い。処が、この種の
糸状旋回集積型熱反射板Aはその細線a1の隙間が比較
的大きく形成されたとすると、拡散する輻射熱を通過さ
せる量が増してしまって熱遮断を適確に行なえず、逆に
狭めるとパティキュレートの付着による目詰まりが頻繁
に発生し易くなり、この熱反射板が排気路の大きな流動
抵抗体と成り、エンジン出力向上を図る上で問題と成っ
ている。
【0005】本考案の目的は、目詰まりすること無く輻
射熱を確実に反射及び遮断できるパティキュレートトラ
ップの熱反射板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本考案は、排気ガス流路上に設けられるパティキュ
レートトラップの流入端側に、同流入端側を加熱するヒ
ータを介して対設されるもので、特に、上記排気ガス流
路の軸線に対して傾斜を有する多数の細路を備えた第1
のハニカム構造体と、上記排気ガス流路の軸線に対して
上記第lのハニカム構造体の細路とは逆の傾斜を有する
多数の細路を備えた第2のハニカム構造体により形成さ
れたことを特徴とする。
【0007】
【作用】排気ガス流路の軸線に対して傾斜を有する多数
の細路を備えた第1のハニカム構造体と、排気ガス流路
の軸線に対して第lのハニカム構造体の細路とは逆の傾
斜を有する多数の細路を備えた第2のハニカム構造体に
より形成されたので、これら多数の細路の傾斜を有する
側壁が拡散する輻射熱の通過を阻止して反射及び遮断で
き、しかも、多数の細路から成る流路段面積を比較的大
きく出来るので、各細路がパティキュレートにより目詰
まりするのを比較的引き延ばせる。
【0008】
【実施例】図1のパティキュレートトラップの熱反射板
20は図示しないディーゼルエンジンの排気ガス流路R
(図4参照)の途中に設けられる。この排気ガス流路R
は図4に示すように、パティキュレートトラップ1を収
容したキャニスタ容器2を途中に備えた主排気管3と、
キャニスタ容器2を迂回するバイパス管4とを備える。
バイパス管4はその上流端を主排気管3の分岐部5に連
結し、下流端を主排気管3の合流部6に連結する。な
お、符号7は主排気管3の合流部6の下流位置に配備さ
れるマフラーを示す。分岐部5には切り換え弁8が装着
され、同弁8はリンク9を介して電磁アクチュエータ1
0に連結される。この電磁アクチュエータ10はコント
ローラ11に接続され、同コントローラの切り換え出力
がオフでは切り換え弁8を実線で示す基準位置P1に、
オンでは切り換え弁8を再生時位置P2(図4中に2点
鎖線で示した)にそれぞれ切り換え保持する。
【0009】主排気管3はその分岐部5の下流でキャニ
スタ容器2の上流となる位置に再生装置12のエアーノ
ズル13を配設する。このエアーノズル13はエアー源
であるエアーポンプ14に連結され、同ポンプのポンプ
モータはコントローラ11に接続され、同コントローラ
の駆動出力に応じてエアーノズル13よりエアーをパテ
ィキュレートトラップ1に供給出来る。エアーノズル1
3の下流にキャニスタ容器2の流入口15が配備され
る。図1に示すように、キャニスタ容器2はステンレス
製であり、その中央の膨出部16内に網状を成す金属製
のクッション26を介してパティキュレートトラップ1
を支持する。膨出部の前後には前後コーン部17,18
が一体的に延出形成され、両者の各連結端部が主排気管
3に接続されている。膨出部16はパティキュレートト
ラップ1を収容すると共に、その上流位置にヒータ19
及び更に上流側に熱反射板20を順次収容し、支持す
る。
【0010】ここで、パティキュレートトラップ1は多
数の細路21を同一方向に向けて積層させたハニカム構
造を採り、各細路21の側壁を透過する排ガス中よりパ
ティキュレートを濾過するように構成されたもので、全
体はセラミック製である。ヒータ19は開閉器22を介
してバッテリー23に接続され、同開閉器22はコント
ローラ11に制御される。なお、ここでのヒータ19は
リボン状を成し、排気ガス流路断面方向に概略均等に分
布するように形成され、パティキュレートトラップ1の
流入端側に捕獲されたパティキュレートを確実に加熱で
きる。本考案の適用された熱反射板20は図2、図3に
示すように、排気ガス流路Rの方向に沿って2重に配設
される前後の各熱反射板201,202で構成されてい
る。前後の各熱反射板201,202はパティキュレー
トトラップ1と同様に排気ガス流路R方向に長い多数の
各細路24,25を同一方向に向けて積層させたハニカ
ム構造を採る。なお、ここでの各細路24,25は排気
ガスを上流入り口より下流出口側に単に通過させるもの
で、細路21の側壁がガスを透過させるパティキュレー
トトラップ1とは異なる構造を成す。
【0011】ここでは特に、前熱反射板201の細路2
4の長手方向の向きはパティキュレートトラップ1の中
心線L1に対し傾き角αだけ傾くように形成され(図2
参照)、逆に、後熱反射板202の細路25の長手方向
の向きはパティキュレートトラップ1の中心線L1に対
し傾き角βだけ傾くように形成される。即ち、ここで前
熱反射板201の細路24はその流入口側を排気ガス流
路R上流に対して上向きにし、ヒータ19に対しては下
向きにして対向する。他方、後熱反射板202の細路2
5はその流入口側を排気ガス流路R上流に対して下向き
にし、ヒータ19に対しては上向きにして対向する。
【0012】このような前後の各反射板201,202
はその厚さt1,t2が比較的小さく設定され、これに
よって各反射板の熱容量を小さくし、加熱時に早期に高
温化して表面のパティキュレートを焼却し易いようにし
ている。特に、前熱反射板201の細路24と後熱反射
板202の細路25の各傾き角α、βが逆向きに設定さ
れているため、ヒータ19からの輻射熱を流路断面全域
にわたって確実に遮断することが出来る。しかも、前熱
反射板201の細路24と後熱反射板202の細路25
の連結部では前後の傾き角α、βが急変し、結果とし
て、前方からの焼却用エアーは後方の後熱反射板202
の細路25に達した時点で乱流を生成して細路25の表
面上の境界層を剥離し易く、この点でも後熱反射板20
2の保持する熱を焼却用エアーに効率良く伝えることが
でき、ヒータの発生する熱を無駄なく役立てることがで
きる。更に、各細路24,25の断面積は、各細路の側
壁等にパティキュレートが付着しても、各細路が目詰ま
りすることが無い様に各断面積が比較的大きく設定され
ている。
【0013】このようなパティキュレートトラップの熱
反射板20の働きを、パティキュレートトラップ1を装
備した排気系の働きに沿って説明する。まず、コントロ
ーラ11はパティキュレートの捕集量を図示しないパテ
ィキュレートトラップ上流の排圧情報に基づき検出し、
排圧が設定値を下回っている間はパティキュレートトラ
ップ1が正常に作動しているとして再生装置の働きを停
止に保持する。この際、ヒータ19及びエアポンプ14
は非作動に保持され、切り換え弁8は基準位置P1に保
持され、排気ガスは全て熱反射板20、ヒータ19を通
過してパティキュレートトラップ1に導かれ、これによ
ってパティキュレートの捕集処理が行なわれる。
【0014】やがて、走行距離が増えて、パティキュレ
ートトラップ1のパティキュレートの捕獲量が増える
と、パティキュレートトラップ1の上流の排圧が設定値
を上回ることよりコントローラ11は再生指令を発す
る。これによって再生モードに入り、コントローラ11
は切り換え弁8を再生時位置P2に切り換え、ヒータ1
9をオンさせ、エアーポンプ14をオンさせるべく各出
力を発する。これによって排ガスはバイパス管5に流
れ、排ガスの止まったパティキュレートトラップ1は、
ヒータ19の発する輻射熱により加熱され、エアーノズ
ル13よりのエアーがパティキュレートトラップ1の全
域のパティキュレートの燃焼を促進させる。
【0015】この時ヒータ19の発する輻射熱の内排気
ガス流路の上流側に向かうものは熱反射板2によって反
射及び遮断され、前コーン部17側に向かう輻射熱が無
駄に放熱されることを防止できる。
【0016】特にここではヒータ19からの輻射熱は後
熱反射板の細路25の側壁や前熱反射板の細路24の側
壁によって完全に遮断され、一部がパティキュレートト
ラップ1側に反射され、他は前熱反射板201や後熱反
射板202の加熱に供される。このうち前後熱反射板2
01,202はその熱容量が比較的小さいので早期に高
温化し、これら熱反射板自体に付着するパティキュレー
トを焼却出来、熱反射板20の目詰まりや流路抵抗増を
確実に防止出来、更に、熱反射板20を通過する焼却用
エアーが熱反射板20通過時に加熱され、パティキュレ
ートの焼却時温度を上昇させるのに役立つ。
【0017】このようなパティキュレートトラップ1の
再生処理はコントローラ1によって所定時間継続され、
その後にパティキュレートトラップ1の再生が完了した
時点でヒータ19、エアポンプ14が切られ、切り換え
弁8は基準位置P1に戻され、パティキュレートトラッ
プ再生後の通常運転に入る。上述のところにおいて、熱
反射板20は前熱反射板201と後熱反射板202を一
対重ねた構成を採っていたが、これに代えて、前熱反射
板201と後熱反射板202を一体的に成形し、単体構
造の熱反射板としても良く、この場合も、熱反射板20
の目詰まり無く、ヒータ19からの輻射熱の通過を阻止
してパティキュレートトラップ1側に反射出来、輻射熱
が上流側に拡散することを確実に防止出来る。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【考案の効果】以上のように、本考案による熱反射板
は、排気ガス流路の軸線に対して傾斜を有する多数の細
路を備えた第1のハニカム構造体と、同第lのハニカム
構造体の細路とは逆の傾斜を有する多数の細路を備えた
第2のハニカム構造体とにより形成されたので、パティ
キュレートトラップの再生時において、傾斜を有する
数の細路の各側壁がヒータから拡散する輻射熱の通過を
阻止して輻射熱を反射及び遮断できる。このため、傾斜
を有する多数の細路の各側壁で反射及び遮断された輻射
熱でパティキュレートトラップの加熱を促進でき、即
ち、排気ガス流路の排気抵抗の上昇を最小限にとどめな
がら熱反射性能を向上させることが可能となる
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例としてのパティキュレートト
ラップの熱反射板を装着したパティキュレートトラップ
の断面図である。
【図2】図1の熱反射板の拡大概略断面図である。
【図3】図2の熱反射板の正面図である。
【図4】図1のパティキュレートトラップを備えたディ
ーゼルエンジンの排気系の全体構成図である。
【図5】従来の熱反射板の概略構造説明図である。
【符号の説明】
1 パティキュレートトラップ 20 熱反射板 24 細路 25 細路 27 熱反射板 28 細路 α 傾き角 β 傾き角 L1 パティキュレートトラップの中心線 R 排気ガス流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平3−17223(JP,U) 実開 昭64−15714(JP,U) 実開 平4−71724(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/02 301 - 341 F01N 3/24

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】排気ガス流路上に設けられるパティキュレ
    ートトラップの流入端側に、同流入端側を加熱するヒー
    タを介して対設されるパティキュレートトラップの熱反
    射板において、上記排気ガス流路の軸線に対して傾斜を
    有する多数の細路を備えた第1のハニカム構造体と、上
    記排気ガス流路の軸線に対して上記第lのハニカム構造
    体の細路とは逆の傾斜を有する多数の細路を備えた第2
    のハニカム構造体により形成されたことを特徴とするパ
    ティキュレートトラップの熱反射板。
JP1992078296U 1992-08-07 1992-11-13 パティキュレートトラップの熱反射板 Expired - Fee Related JP2580103Y2 (ja)

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