JP2579807Y2 - アルミニウムディスク焼鈍用スペーサ - Google Patents
アルミニウムディスク焼鈍用スペーサInfo
- Publication number
- JP2579807Y2 JP2579807Y2 JP1991061465U JP6146591U JP2579807Y2 JP 2579807 Y2 JP2579807 Y2 JP 2579807Y2 JP 1991061465 U JP1991061465 U JP 1991061465U JP 6146591 U JP6146591 U JP 6146591U JP 2579807 Y2 JP2579807 Y2 JP 2579807Y2
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- Japan
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- aluminum
- aluminum disk
- stainless steel
- disk
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- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
- Furnace Charging Or Discharging (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はアルミニウムディスク焼
鈍用スペーサに関するものである。
鈍用スペーサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピューターの機能の高精度化、複雑
化、処理量の増大に伴い外部装置においても記憶容量の
増大および高速化の要求が年々強くなっている。そのた
め、多くのユーザーがハードディスクドライブ(HDD) に
目を向けるようになり、ハードディスクドライブの需要
は急速に増大している。ハードディスクドライブの性能
向上のためには、磁気ディスクの性能の向上が必要不可
欠であるが、磁気ディスクの性能はその母材基板である
アルマイト処理されたアルミニウム基板の精度に大きく
左右される。ハードディスクドライブの記憶密度を上げ
るためには、ヘッド−磁気ディスク間のギャップを小さ
くする必要がある。
化、処理量の増大に伴い外部装置においても記憶容量の
増大および高速化の要求が年々強くなっている。そのた
め、多くのユーザーがハードディスクドライブ(HDD) に
目を向けるようになり、ハードディスクドライブの需要
は急速に増大している。ハードディスクドライブの性能
向上のためには、磁気ディスクの性能の向上が必要不可
欠であるが、磁気ディスクの性能はその母材基板である
アルマイト処理されたアルミニウム基板の精度に大きく
左右される。ハードディスクドライブの記憶密度を上げ
るためには、ヘッド−磁気ディスク間のギャップを小さ
くする必要がある。
【0003】そのため、磁気ディスクの平面平滑度、平
面度の向上が不可欠である。また、アルミニウムディス
クは、その製造工程中に400〜450℃で数百kg/cm2の圧力
をかけ急冷する、焼鈍処理工程がある。そのアルミニム
ディスクの焼鈍処理は、図3に示すように、アルミニウ
ムディスク101を10〜15枚重ね、そのに上下にステンレ
ススペーサ102を介在させて加圧焼処理している。
面度の向上が不可欠である。また、アルミニウムディス
クは、その製造工程中に400〜450℃で数百kg/cm2の圧力
をかけ急冷する、焼鈍処理工程がある。そのアルミニム
ディスクの焼鈍処理は、図3に示すように、アルミニウ
ムディスク101を10〜15枚重ね、そのに上下にステンレ
ススペーサ102を介在させて加圧焼処理している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】従来使用しているステ
ンレススペーサ102の問題点としては、まず温度変化に
伴いステンレススペーサ102は熱変形する。次に、アル
ミニウム材はステンレス材になじみやすく、アルミニウ
ムのカスがステンレススペーサ102に付着し、アルミニ
ウムディスク101に傷を付ける。また、数百kg/cm2の圧
力をかけるため、ステンレススペーサ102が変形する。
さらに、ステンレススペーサ102に隣接するアルミニウ
ムディスク101は傷つきやすく、製品として使えずダミ
ーとしてしか使用できない。さらにその上に、温度・圧
力の変化でステンレススペーサ102の面仕上げ精度が維
持できないことである。
ンレススペーサ102の問題点としては、まず温度変化に
伴いステンレススペーサ102は熱変形する。次に、アル
ミニウム材はステンレス材になじみやすく、アルミニウ
ムのカスがステンレススペーサ102に付着し、アルミニ
ウムディスク101に傷を付ける。また、数百kg/cm2の圧
力をかけるため、ステンレススペーサ102が変形する。
さらに、ステンレススペーサ102に隣接するアルミニウ
ムディスク101は傷つきやすく、製品として使えずダミ
ーとしてしか使用できない。さらにその上に、温度・圧
力の変化でステンレススペーサ102の面仕上げ精度が維
持できないことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本考案は、上記
の事情に鑑み、アルミニウムディスクの焼鈍処理工程で
使用していたステンレススペーサに替えてもっとよいス
ペーサはないか種々実験を行った。その結果、ステンレ
ススペーサに替えて炭化ケイ素、窒化ケイ素、ムライト
など耐熱衝撃性ΔTが300℃以上でかつ線膨張係数が
4.2×10-6/℃以下であるセラミックス材を使用す
るとともに、その上下面の平坦度を0.5μm以下とす
ることが最良であることを知見した。
の事情に鑑み、アルミニウムディスクの焼鈍処理工程で
使用していたステンレススペーサに替えてもっとよいス
ペーサはないか種々実験を行った。その結果、ステンレ
ススペーサに替えて炭化ケイ素、窒化ケイ素、ムライト
など耐熱衝撃性ΔTが300℃以上でかつ線膨張係数が
4.2×10-6/℃以下であるセラミックス材を使用す
るとともに、その上下面の平坦度を0.5μm以下とす
ることが最良であることを知見した。
【0006】セラミックス材はステンレス材料に比べヤ
ング率が高く熱膨張係数は小さいため、温度や圧力によ
る変形の度合が少なく、仕上げ面の変化も少ない。ま
た、セラミックス材はアルミニウムとのヌレ性がきわめ
て悪いため、アルミニウムのカスの付着が少なく、アル
ミニウムディスクに傷がつきにくい。さらに、セラミッ
クス材はステンレス材に比べ高精度の機械加工ができ、
変形がすくないためアルミニウムディスクの高精度化が
可能となる。ただ、セラミックスの中でも通常のアルミ
ナは、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ムライトと異なり、耐
熱衝撃性ΔTが300℃より低いため、アルミニウムディ
スクの焼鈍作業に使用することはできない。
ング率が高く熱膨張係数は小さいため、温度や圧力によ
る変形の度合が少なく、仕上げ面の変化も少ない。ま
た、セラミックス材はアルミニウムとのヌレ性がきわめ
て悪いため、アルミニウムのカスの付着が少なく、アル
ミニウムディスクに傷がつきにくい。さらに、セラミッ
クス材はステンレス材に比べ高精度の機械加工ができ、
変形がすくないためアルミニウムディスクの高精度化が
可能となる。ただ、セラミックスの中でも通常のアルミ
ナは、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ムライトと異なり、耐
熱衝撃性ΔTが300℃より低いため、アルミニウムディ
スクの焼鈍作業に使用することはできない。
【0007】
【実施例】以下、本考案を詳細に説明する。本考案者ら
は、積み重ねたアルミニウムディスクの焼鈍作業で、積
み重ねたアルミニウムディスク間に介在させるステンレ
ススペーサが有する熱変形などの問題点を解決するため
に種々の実験を行った。
は、積み重ねたアルミニウムディスクの焼鈍作業で、積
み重ねたアルミニウムディスク間に介在させるステンレ
ススペーサが有する熱変形などの問題点を解決するため
に種々の実験を行った。
【0008】実験は図1に示すように、10〜15枚アルミ
ニウムディスク1を積み重ねておき、セラミックススペ
ーサ2を介在させて数百kg/cm2で加圧Pし、400〜450℃
の温度から空冷させて行う。その実験の結果、炭化ケイ
素、窒化ケイ素 (サイアロンを含む) 、ムライトのセラ
ミックス材を使用することが最良であることを知見し
た。
ニウムディスク1を積み重ねておき、セラミックススペ
ーサ2を介在させて数百kg/cm2で加圧Pし、400〜450℃
の温度から空冷させて行う。その実験の結果、炭化ケイ
素、窒化ケイ素 (サイアロンを含む) 、ムライトのセラ
ミックス材を使用することが最良であることを知見し
た。
【0009】次に、実験結果をその材料特性と共に示
す。
す。
【0010】
【表1】
【0011】ここで、耐熱衝撃性ΔTとは測定しようと
する物体を高温にしておいて水冷したときにクラックを
生じるまでの温度差をいい、高いほど耐熱衝撃性が優れ
ている。また、ここで用いるセラミックススペーサ2
は、表面荒さ(Rmax)0.8S以下であり、平坦度は、従来
は1〜3μmの平坦度であったが、0.5μm以下とする
ことによって、アルミニウムディスク1の平坦度を優れ
たものとできる。さらに、セラミックススペーサ2のコ
ーナー部はすべて1R以上の面取りを行うことによって
耐チッピング性を高めている。
する物体を高温にしておいて水冷したときにクラックを
生じるまでの温度差をいい、高いほど耐熱衝撃性が優れ
ている。また、ここで用いるセラミックススペーサ2
は、表面荒さ(Rmax)0.8S以下であり、平坦度は、従来
は1〜3μmの平坦度であったが、0.5μm以下とする
ことによって、アルミニウムディスク1の平坦度を優れ
たものとできる。さらに、セラミックススペーサ2のコ
ーナー部はすべて1R以上の面取りを行うことによって
耐チッピング性を高めている。
【0012】また、セラミックススペーサ2の最大たわ
み量を、図2に示すように、下面を支持して上面中央に
荷重をかけて測定したら次の結果を得た。
み量を、図2に示すように、下面を支持して上面中央に
荷重をかけて測定したら次の結果を得た。
【0013】
【表2】
【0014】この測定はスペーサの厚み10mm、外径150m
m、荷重500kg/cm2であった。なお、相対たわみ量はステ
ンレスを1.00としたときの値である。この結果から、本
考案のセラミックススペーサ2は、従来のステンレスス
ペーサに比して何れもたわみ量が小さく特に450℃では
相対たわみ量が0.5以下ときわめて変形が少ないことが
分かる。
m、荷重500kg/cm2であった。なお、相対たわみ量はステ
ンレスを1.00としたときの値である。この結果から、本
考案のセラミックススペーサ2は、従来のステンレスス
ペーサに比して何れもたわみ量が小さく特に450℃では
相対たわみ量が0.5以下ときわめて変形が少ないことが
分かる。
【0015】なお、上記実施例では、セラミックススペ
ーサ2として、炭化珪素、窒化珪素、ムライトを示した
が、この他に耐熱衝撃性ΔTが300℃以上のさまざまな
セラミックスを用いることができる。
ーサ2として、炭化珪素、窒化珪素、ムライトを示した
が、この他に耐熱衝撃性ΔTが300℃以上のさまざまな
セラミックスを用いることができる。
【0016】
【考案の効果】本考案は、上述のように、複数枚積み重
ねたアルミニウムディスクの焼鈍作業で、積み重ねたア
ルミニウムディスク間に介在させるスペーサを、耐熱衝
撃性ΔTが300℃以上のセラミックスにより形成した
ことから、ステンレススペーサに比べてヤング率が高
く、熱膨張係数が小さいために温度や圧力による変形の
度合いが少なく、かつ仕上げ面の変化も少ない。また、
アルミニウムとのヌレ性が良くないためにアルミニウム
のカスの付着が少なく、アルミニウムディスクを傷付け
難い。さらにステンレススペーサに比べ高精度の機械加
工ができ、変形が少ないため、アルミニウムディスクの
高精度化が可能である。
ねたアルミニウムディスクの焼鈍作業で、積み重ねたア
ルミニウムディスク間に介在させるスペーサを、耐熱衝
撃性ΔTが300℃以上のセラミックスにより形成した
ことから、ステンレススペーサに比べてヤング率が高
く、熱膨張係数が小さいために温度や圧力による変形の
度合いが少なく、かつ仕上げ面の変化も少ない。また、
アルミニウムとのヌレ性が良くないためにアルミニウム
のカスの付着が少なく、アルミニウムディスクを傷付け
難い。さらにステンレススペーサに比べ高精度の機械加
工ができ、変形が少ないため、アルミニウムディスクの
高精度化が可能である。
【図1】本考案の具体的実施例の縦断面図である。
【図2】本考案のセラミックススペーサのたわみ試験を
実施する状態の図である。
実施する状態の図である。
【図3】従来の複数枚積み重ねたアルミニウムディスク
の焼鈍作業を示す縦断面図である。
の焼鈍作業を示す縦断面図である。
1…アルミニウムディスク 2…セラミックススペーサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−111849(JP,A) 特公 平1−18144(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 1/00 C22F 1/04
Claims (1)
- 【請求項1】 アルミニウムディスクの焼鈍工程で、複
数枚積み重ねたアルミニウムディスク間に介在させるス
ペーサを、耐熱衝撃性ΔTが300℃以上でかつ線膨張
係数が4.2×10-6/℃以下であるセラミックスによ
り形成し、その上下面の平坦度を0.5μm以下とした
ことを特徴とするアルミニウムディスク焼鈍用スペー
サ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991061465U JP2579807Y2 (ja) | 1991-08-05 | 1991-08-05 | アルミニウムディスク焼鈍用スペーサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991061465U JP2579807Y2 (ja) | 1991-08-05 | 1991-08-05 | アルミニウムディスク焼鈍用スペーサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0514147U JPH0514147U (ja) | 1993-02-23 |
JP2579807Y2 true JP2579807Y2 (ja) | 1998-09-03 |
Family
ID=13171821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991061465U Expired - Fee Related JP2579807Y2 (ja) | 1991-08-05 | 1991-08-05 | アルミニウムディスク焼鈍用スペーサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2579807Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54131795U (ja) * | 1978-03-06 | 1979-09-12 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6418144A (en) * | 1987-07-13 | 1989-01-20 | Oji Paper Co | Supporting body for photographic printing paper |
JPH02111849A (ja) * | 1988-10-20 | 1990-04-24 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | アルミニウム系板材の焼鈍方法 |
-
1991
- 1991-08-05 JP JP1991061465U patent/JP2579807Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0514147U (ja) | 1993-02-23 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |