JP2000339628A - 磁気ヘッド加工用治具 - Google Patents

磁気ヘッド加工用治具

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JP2000339628A
JP2000339628A JP11147171A JP14717199A JP2000339628A JP 2000339628 A JP2000339628 A JP 2000339628A JP 11147171 A JP11147171 A JP 11147171A JP 14717199 A JP14717199 A JP 14717199A JP 2000339628 A JP2000339628 A JP 2000339628A
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head substrate
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Yutaka Kudo
裕 工藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気ヘッド用基板を接合材にて高精度に貼り付
けることが可能な磁気ヘッド加工用治具を提供する。 【解決手段】治具本体2の表面4に、所定の間隔を隔て
て複数の溝3を刻設するとともに、溝3にて区画される
表面4上に、頂面の面積Sが0.002mm2 〜0.1
6mm2 でかつ高さLが0.001mm〜0.05mm
の範囲にある複数の突起5を、各突起5の頂面が略同一
平面上に位置するように植設し、各突起5の頂面を磁気
ヘッド用基板Wとの当接面6として磁気ヘッド加工用治
具1を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッドの製造
工程の中で、主に磁気ヘッド用基板の切断加工、研削加
工、ラッピング加工、イオンミリング加工において、磁
気ヘッド用基板を接合材を介して固定するために用いら
れる磁気ヘッド加工用治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気ディスク装置の磁気ディスク
基板から情報を読み込んだり、磁気ディスク基板へ情報
を書き込んだりするために磁気ヘッドが用いられてお
り、このような磁気ヘッドとしては、薄膜ヘッドやMR
ヘッドが広く使用されている。薄膜ヘッドは、磁性薄膜
と平面コイルとを組み合わせた磁気ヘッドであり、MR
ヘッドは、磁気抵抗素子を用いた磁気ヘッドである。な
お、MRヘッドは、再生専用であるため、記録用の薄膜
ヘッドと一体化して使用されていた。
【0003】そして、これらの磁気ヘッドを高速回転す
る磁気ディスク基板上に微小隙間を設けて浮上させ、前
記磁気ヘッドにより磁気ディスク基板のトラックにある
情報を読み込んだり、所定のトラックに情報を書き込む
ようになっていた。
【0004】ところで、このような磁気ヘッドを製造す
るには、一般的に円板状をしたウエハを作製する工程、
ウエハ上に磁極、コイル、絶縁層、保護膜等の薄膜を形
成する工程、ウエハを所定の間隔に切断して長尺状の磁
気ヘッド用基板を製作する工程、磁気ヘッド用基板の研
削及びラッピング工程、磁気ヘッド用基板の表面をエッ
チングするイオンミリング工程、磁気ヘッド用基板から
磁気ヘッドの切り出し工程がある。
【0005】そして、磁気ヘッド用基板から磁気ヘッド
を得るまでの工程では、磁気ヘッド用基板を精度良く固
定するために、磁気ヘッド加工用治具が用いられてい
る。
【0006】図8に従来の磁気ヘッド加工用治具の一例
を示すように、この磁気ヘッド加工用治具21(以下、
単に治具と言う)は、ステンレス鋼等の金属、あるいは
ジルコニア(ZrO2 )やアルミナ(Al2 3 )を主
成分とするセラミックスからなる板状の治具本体22に
形成された平坦面に、所定の間隔を隔てて複数の溝23
を刻設したもので、各溝23にて区画された平坦面を磁
気ヘッド用基板との接着面24としたものがあった(特
開平11−42525号公報参照)。なお、溝23は、
磁気ヘッド用基板Wから一つの磁気ヘッドを切り出す際
の回転刃のニゲ溝としての役目をなすもので、溝23に
よって区画された一つの平坦面が一つの磁気ヘッドのサ
イズとなるように構成されており、接着面24の平面度
は1μm以下に形成されていた。また、22aは治具2
1を装置に固定するために治具本体22に設けられた貫
通孔である。
【0007】そして、この治具21に磁気ヘッド用基板
Wを固定するには、接着面24に樹脂系の接着剤又はワ
ックス等の接合材を塗布したあと、磁気ヘッド用基板W
を載せて押圧し、接合材を硬化させることにより固定す
るようになっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】ところが、図8に示
す治具21に磁気ヘッド用基板Wを固定した時の状態を
図9に示すように、治具21の接着面24と磁気ヘッド
用基板Wとの間には接合材層25が介在するのである
が、接合材層25には厚みバラツキがあるため、接着面
24の平面精度が良くても、磁気ヘッド用基板Wを貼り
付けたあとの平面精度を接着面24の平面精度に倣わせ
て固定することができなかった。その結果、磁気ヘッド
用基板の研削加工、ラッピング加工、イオンミリング加
工、さらには磁気ヘッドの切り出し加工における各加工
精度に悪影響を与え、切り出された磁気ヘッド毎に寸法
や性能にバラツキがあり、高品質の磁気ヘッドを安定し
て製造することができなかった。
【0009】
【問題点を解決するための手段】そこで、本発明は上記
問題点に鑑み、治具本体の表面に、所定の間隔を隔てて
刻設された複数の溝を備えるとともに、各溝にて区画さ
れた前記表面上に、頂面の面積が0.002mm2
0.16mm2 でかつ高さが0.001mm〜0.05
mmの範囲にある複数の突起を、各突起の頂面が略同一
平面上に位置するように植設し、各突起の頂面を磁気ヘ
ッド用基板との当接面として磁気ヘッド加工用治具を構
成したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。
【0011】図1は本発明に係る磁気ヘッド加工用治具
の一例を示す斜視図であり、図2は図1のX部を拡大し
た平面図、図3は磁気ヘッド加工用治具に磁気ヘッド用
基板Wを固定した状態を示す部分拡大断面図である。
【0012】本発明の磁気ヘッド加工用治具1(以下、
単に治具と言う)は、板状をした治具本体2の表面4
に、所定の間隔を隔てて複数の溝3を刻設してあり、溝
3は磁気ヘッド用基板Wから一つの磁気ヘッドを切り出
す際の回転刃のニゲ溝としての役目をなすもので、各溝
3にて区画された一つの表面4が一つの磁気ヘッドのサ
イズとなるように構成してある。なお、2aは治具1を
装置に固定するために治具本体2に設けられた貫通孔で
ある。
【0013】また、溝3にて区画された各表面4上に
は、少なくとも頂面の面積Sが0.002mm2 〜0.
16mm2 でかつ高さLが0.001mm〜0.05m
mの範囲にある円柱状をした複数の突起5を、各突起5
の頂面が略同一平面上に位置するように植設し、各突起
5の頂面を磁気ヘッド用基板Wとの当接面6とするとと
もに、突起5を除く表面4を、磁気ヘッド用基板Wを接
合材にて固定するための接着面7としてある。なお、突
起5の接着面7近傍は滑らかな曲面状に形成してあり、
突起5の強度を高めてある。
【0014】そして、この治具1に磁気ヘッド用基板W
を固定するには、突起5間の接着面7に樹脂系の接着剤
やワックス等の接合材を充分に塗布し、磁気ヘッド用基
板Wを載せて押圧したあと、接合材を硬化させることに
より固定するのであるが、本発明によれば、接着面4に
突設させた複数の突起5を磁気ヘッド用基板Wと当接さ
せるようにしたことから、当接面6との間には接合材が
介在し難く、仮に当接面6との間に接合材が介在しても
その厚みを極めて薄くできるため、接合材層8の厚みバ
ラツキによる影響をほとんど受けることがない。そし
て、各突起5の当接面6は略同一平面上に位置するよう
に形成してあることから、磁気ヘッド用基板Wを変形さ
せることなく、各突起5の当接面6の平面精度に倣わせ
て高精度に保持することができ、しかも、磁気ヘッド用
基板Wは突起5間に介在する接合材層8によって強固に
固定することができる。
【0015】かくして、本発明の磁気ヘッド加工用治具
1を用いれば、磁気ヘッド用基板Wの研削加工、ラッピ
ング加工、イオンミリング加工、さらには磁気ヘッドの
切り出し加工における各加工精度を高めることができる
ため、寸法及び性能にバラツキのない高品質の磁気ヘッ
ドを安定して製造することができ、歩留りを大幅に向上
させることができる。
【0016】ところで、突起5の少なくとも頂面の面積
Sを0.002mm2 〜0.16mm2 とするのは、面
積Sが0.002mm2 未満では、後述する方法にて突
起5を形成することが難しく、突起5を形成できたとし
ても破損し易いからであり、逆に面積Sが0.16mm
2 よりも大きくなると、接合材が突起5の当接面6と磁
気ヘッド用基板Wとの間に介在し易くなり、磁気ヘッド
用基板Wを各突起5の当接面6の平面精度に倣わせて精
度良く固定できなくなるからである。なお、好ましくは
突起5の頂面の面積Sを、0.002mm2 〜0.08
mm2 とすることが良い。
【0017】また、突起5の高さLを0.001mm〜
0.05mmとしたのは、高さLが0.001mm未満
では、磁気ヘッド用基板Wを固定するのに必要な接合材
を接着面7に塗布した際に、突起5が接合材層8中に埋
没し、磁気ヘッド用基板Wを突起5の当接面6と当接さ
せることができないため、各突起5の当接面6の平面精
度に倣わせて精度良く固定できないからであり、逆に、
高さLを0.05mmよりも高くすると、接合材層8が
厚くなりすぎて接着力が低下し、切断加工、ラッピング
加工、切り出し加工における回転刃(不図示)等との摺
動抵抗によって磁気ヘッド用基板Wがずれたり、剥がれ
やすなるからである。なお、好ましくは突起5の高さL
を、0.01mm〜0.05mmとすることが良い。
【0018】さらに、接合材による十分な接着強度を得
るためには、突起5の間隔Tを、0.1mm〜2.0m
mとすることが良い。ここで、突起5の間隔Tとは、突
起5の当接面6における重心から他の突起5の当接面6
における重心までの距離のことであり、この間隔Tが
0.1mmより狭い箇所があると、その間に十分な量の
接合材を介在させることが難しく、充分な接着力が得ら
れなくなる恐れがあるからであり、また、間隔Tが2.
0mmよりも広い箇所があると、磁気ヘッド用基板Wに
切削加工や切り出し加工を施す際に、回転刃等の押圧力
によって磁気ヘッド用基板Wにたわみが発生し、所定の
寸法精度に加工できなくなる恐れがあるからである。
【0019】一方、この治具1を構成する治具本体2の
材質としては、従来より用いられているステンレス鋼等
の金属により形成することができるが、切削加工、ラッ
ピング加工、切り出し加工において、酸性やアルカリ性
の溶液に曝されたり、摺動抵抗等に伴う加工熱に曝され
ることになる。また、装置への取り付け時にぶつけたり
して打痕が発生すると、金属は延性材料であるため、各
突起5の当接面6の平面精度が劣化する恐れもある。そ
の為、耐食性や耐熱性を有するとともに、ぶつけたりし
ても各突起5の当接面6における平面精度を劣化させる
ことがない硬質でかつ塑性変形しないセラミックス、例
えば、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、窒化珪素等を
主成分とするセラミックスを用いることができ、好まし
くはヤング率が150GPa以上で、かつビッカース硬
度がHv1.0の条件で1000以上の機械的特性を有
するセラミックスを用いることが良い。
【0020】次に、図1乃至図3に示す治具1の製造方
法について説明する。
【0021】まず、治具本体2を形成するステンレス鋼
等の金属やセラミックスを用意する。なお、セラミック
スがアルミナを主成分とするものにあっては、アルミナ
粉末を主成分とし、焼結助剤としてSiO2 ,MgO,
CaOの少なくとも1種を添加した原料粉末を、ジルコ
ニアを主成分とするものにあっては、ジルコニア粉末を
主成分とし、安定化剤として、Y2 3 ,MgO,Ca
O,CeO2 ,Dy23 の少なくとも1種を添加した
原料粉末を、炭化珪素を主成分とするものにあっては、
炭化珪素粉末を主成分とし、焼結助剤としてBとCを添
加した原料粉末を、窒化珪素を主成分とするものにあっ
ては、窒化珪素粉末を主成分とし、焼結助剤としてBと
C、あるいはAl2 3 とY2 3 を添加した原料粉末
をそれぞれ用い、これらの原料粉末を一軸加圧成形法や
等軸加圧成形法、さらには冷間静水圧プレス成形法(C
IP)等の周知のセラミック成形法にて成形し、しかる
後、必要に応じて所定の形状に形成したあと、アルミナ
を主成分とするものにあっては、1500〜1800℃
の大気雰囲気下や酸素雰囲気下で、ジルコニアを主成分
とするものにあっては、1200〜1700℃の大気雰
囲気下や酸素雰囲気下で、炭化珪素を主成分とするもの
にあっては、1800〜2000℃の真空雰囲気下や不
活性ガス雰囲気下で、窒化珪素を主成分とするものにあ
っては、1800〜2000℃の真空雰囲気下や不活性
ガス雰囲気下でそれぞれ焼成して焼結させたセラミック
スを用いれば良い。
【0022】次に、金属やセラミックスからなる治具本
体2の一側面に研削加工を施したあと、所定の間隔を隔
てて研削加工により複数の溝3を形成し、しかるのち研
磨加工を施して平面度1μm以下、中心線平均粗さ(R
a)0.4μm以下の平坦面を形成する。その後、突起
5の頂面となる部分にマスキングを施したあと、ブラス
ト加工やエッチング加工によってマスキングしていない
部分を除去することにより、頂面の面積Sが0.002
mm2 〜0.16mm2 でかつ高さLが0.001mm
〜0.05mmの範囲にある円柱状をした複数の突起5
を形成し、突起5の底面を接合材との接着面4とする。
【0023】しかるのち、突起5の頂面にあるマスキン
グを除去し、該頂面を磁気ヘッド用基板Wとの当接面6
とすれば良く、この製法にて得られた各突起5の当接面
6は略同一平面上に位置し、その平面度を1μm以下と
することができる。
【0024】ところで、治具1を構成する治具本体2の
形状としては、図1に示した板状をしたものだけに限定
されるものではなく、磁気ヘッド用基板Wの形状や装置
の取り付け構造等に応じて直方体や立方体などどのよう
な形状をしたものであっても構わない。また、突起5の
当接面6の形状としては円形をしたものだけに限らず、
当接面6の面積Sが0.002mm2 〜0.16mm2
の範囲にあれば、図4に示すような正方形をしたものや
図5に示すような三角形をしたものでも良く、さらには
溝3により区画された一つの接着面7上に図2、図4、
図5に示す形状の当接面6を有する突起5を備えたもの
であっても構わない。
【0025】さらに、突起5の形状についても円柱状を
したものだけに限らず、図6に示すような円錐台形状を
したものや図7に示すような階段状のピラミッド形状を
したものでも良く、突起5の強度を高める観点から頂面
よりも根元部の面積が大きい方が良い。
【0026】
【実施例】(実施例1)ここで、治具本体の接着面に複
数の突起を有する磁気ヘッド加工用治具と、治具本体の
接着面に突起を持たない従来の磁気ヘッド加工用治具を
用意するとともに、突起を有する磁気ヘッド加工用治具
にあっては、突起の頂面(当接面)の面積を異ならせた
ものをそれぞれ準備し、これらの治具に磁気ヘッド用基
板をワックスにて固定した時の平面精度を調べる実験を
行った。
【0027】本実験にあたっては、いずれの治具も治具
本体をアルミナ純度が95%のアルミナセラミックスに
より形成し、接着面に形成する溝幅を0.1mm,溝深
さを0.4mm、溝間隔を2mmとした。また、接着面
に突起を形成したものにあっては、その形状を円柱状と
なし、突起の高さを0.02mm、突起の間隔を頂面の
直径に0.3mm加えた値に固定し、頂面(当接面)の
面積を0.002mm2 〜0.196mm2 の範囲で異
ならせたものをそれぞれ10個ずつ用意した。そして、
これらの治具の接着面にワックスを塗布したあと、長さ
50mm、幅2mm、厚み1mmで、平面度を0.00
03mmに仕上げた磁気ヘッド用基板を載せて押圧し、
100℃〜150℃の温度にワックスを加熱硬化させて
固定したあと、キーエンス社製の超高精度レーザー変位
計にて治具に固定した磁気ヘッド用基板の平面精度を測
定した。
【0028】そして、平面精度の判定基準として、固定
前後における磁気ヘッド用基板の平面度の変化量が0.
002mm以下であるものを○、0.002mmを越
え、0.003mm以下の範囲にあるものを△、0.0
03mmを越えたものを×として表し、10個の平均が
いずれも0.003mm以下であったものを良好と判断
した。
【0029】結果は表1に示す通りである。
【0030】
【表1】
【0031】この結果、突起を持たない従来の磁気ヘッ
ド加工用治具では、磁気ヘッド用基板を比較的精度良く
固定できた時には、平面度の変化量を0.003mm〜
0.006mmの範囲に抑えることができたものの、そ
の変化量を常に0.003mm以下に抑えることができ
なかった。
【0032】また、突起を有する磁気ヘッド加工用治具
においても、突起の頂面(当接面)の面積が0.16m
2 を越えたものでは、接合材が突起の頂面(当接面)
と磁気ヘッド用基板との間に介在し、磁気ヘッド用基板
を精度良く貼り付けることができず、平面度の変化量が
0.03mmを越えてしまった。
【0033】これに対し、突起の頂面(当接面)の面積
を0.02mm2 〜0.16mm2の範囲で形成したも
のは、いずれも平面度の変化量を0.003mm以下と
することができ、良好であった。特に突起の頂面(当接
面)の面積を0.002mm2 〜0.08mm2 とした
ものにあっては、平面度の変化量を0.002mm以下
に抑えることができ、優れていた。
【0034】以上の結果より、突起の頂面(当接面)の
面積は0.002mm2 〜0.16mm2 とすること良
く、好ましくは0.002mm2 〜0.08mm2 とす
れば良いことが判る。
【0035】(実施例2)次に、突起を備えた磁気ヘッ
ド加工用治具において、突起5の高さを0.001〜
0.08mmの範囲で異ならせた時の磁気ヘッド用基板
の接着具合について調べる実験を行った。
【0036】本実験にあたっては、突起の高さを異なら
せる以外は、突起の形状を円柱状とし、頂面(当接面)
の面積を0.031mm2 、突起の間隔を1mmとして
アルミナセラミック製の治具を作製した。そして、実施
例1と同様に磁気ヘッド用基板をワックスにて固定した
あと、ラッピング加工を施した時の磁気ヘッド用基板の
剥がれの有無を確認することにより良否を判断した。
【0037】
【表2】
【0038】この結果、突起の高さが0.05mmを越
えると、磁気ヘッド用基板Wが剥がれてしまった。
【0039】ただし、突起の高さが0.001mm未満
では、突起が接合材層中に埋没することがあり、磁気ヘ
ッド用基板を固定したあとの平面精度を劣化させること
があった。
【0040】従って、突起の高さは0.001mm〜
0.05mmとすることが良いことが判る。
【0041】(実施例3)さらに、突起の形状を円柱状
とし、頂面(当接面)の面積を0.002mm2、0.
031mm2 、0.071mm2 、0.159mm2
0.196mm2にそれぞれ固定した状態で、突起の高
さ及び突起の間隔をそれぞれ異ならせたアルミナセラミ
ック製の治具を準備し、これらの治具に実施例1と同様
の条件にて磁気ヘッド用基板を固定した時の平面精度に
ついて確認する実験を行った。
【0042】それぞれの結果は表3乃至表6に示す通り
である。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】これらの結果、突起の頂面(当接面)の面
積が0.002〜0.16mm2 でかつ突起の高さが
0.001〜0.050mmの範囲にあれば、突起の間
隔を0.1mm〜2.0mmとすることにより、固定前
後における磁気ヘッド用基板の平面度の変化量を0.0
03μm以下とすることができ、精度良く固定できるこ
とが確認できた。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明の磁気ヘッド加工
用治具によれば、治具本体の表面に、所定の間隔を隔て
て刻設された複数の溝を備えるとともに、各溝にて区画
された前記表面上に、頂面の面積が0.002mm2
0.16mm2 でかつ高さが0.001mm〜0.05
mmの範囲にある複数の突起を、各突起の頂面が略同一
平面上に位置するように植設して成り、各突起の頂面を
磁気ヘッド用基板との当接面としたことから、磁気ヘッ
ド用基板をワックスや接着剤等の接合材にて固定する際
に、磁気ヘッド用基板を変形させることなく、当接面の
平面精度に倣わせて高精度に貼り付けて固定することが
できるため、高品質の磁気ヘッドを安定して製造するこ
とができる。
【0049】また、磁気ヘッド加工用治具をセラミック
スにより形成することで、取り扱い時にぶつけたりして
も各突起の当接面における平面精度を劣化させることが
なく、耐食性、耐熱性にも優れることから長寿命であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ヘッド加工用治具の一例を示
す斜視図である。
【図2】図1のX部を拡大した平面図である。
【図3】本発明の係る磁気ヘッド加工用治具に磁気ヘッ
ド用基板を貼り付けた状態を示す部分拡大断面図であ
る。
【図4】突起頂面の他の形状を示す平面図である。
【図5】突起頂面のさらに他の形状を示す平面図であ
る。
【図6】突起の他の形状を示す縦断面図である。
【図7】突起のさらに他の形状を示す縦断面図である。
【図8】従来の磁気ヘッド加工用治具の一例を示す斜視
図である。
【図9】従来の磁気ヘッド加工用治具に磁気ヘッド用基
板を貼り付けた状態を示す部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1,21:磁気ヘッド加工用治具 2,22:治具本体
3,23:溝 4:表面 5:突起 6:当接面 7,24:接着面
8,25:接合材層 W:磁気ヘッド用基板 S:突起頂面の面積 L:突起
の高さ T:突起の間隔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】治具本体の表面に、所定の間隔を隔てて刻
    設された複数の溝を備えるとともに、各溝にて区画され
    た前記表面上に、頂面の面積が0.002mm2 〜0.
    16mm2 でかつ高さが0.001mm〜0.05mm
    の範囲にある複数の突起を、各突起の頂面が略同一平面
    上に位置するように植設して成り、各突起の頂面を磁気
    ヘッド用基板との当接面としたことを特徴とする磁気ヘ
    ッド加工用治具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006088234A (ja) * 2004-09-21 2006-04-06 Denso Corp 融解・凝固式ワーク固定装置およびそれを用いた機械加工方法
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