JP2579738B2 - ビンゴ遊戯機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、表示部に表示されたビ
ンゴカード上の符号と無作為に選出される複数の固有符
号との一致を照合し、それらの一致状況に基づいてゲー
ムの勝敗を決するビンゴ遊戯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、複数個のボールを撹拌する球状の
回転カゴと、撹拌されたボールを受けるボール受けと、
ボール受けからボールを１個ずつ受取り、落下させるボ
ール受取り部と、ボールを一時的に貯溜してボールの数
字を検出する検出部と、検知され案内パイプ内を落下し
たボールを順次所定個数溜めるボール溜め部とから構成
されるとともに、各遊戯者のためのゲームディスプレイ
には所定の数字がランダム的に配列されたビンゴカード
が表示されており、順次検出されたボールの数字がビン
ゴカード上で一致し、更にこの一致した数字が一列に並
ぶと、「上がり」としてメダルの払出が行われるビンゴ
遊戯機が提案されている（特開平６−７１０１０号公
報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記遊戯機は、ボール
自体に識別性を与えたものであって、そのために球状の
大きな回転カゴを用いて複数のボールを撹拌するように
して複数のボールから１個を無作為に選択させる点にゲ
ームとしての意義があり、かつ選択後は、選択されたボ
ールを順次検出部に導いて、その固有情報を検出するよ
うにしたものであり、遊戯者に対しては、無作為性を確
保する撹拌部分にゲームとしての強い印象を与えるもの
に過ぎない。しかも、ボール個々に識別性を与えるとと
も、これを識別可能に検出する構成が必要となる。

【０００４】本発明は、落下体自体が個別化されておら
ず、かつ無作為性を確保する構成部分を回転かつ立設し
て、落下体の落下状態とその捕獲位置とで識別性を与え
るようにして無作為性をより向上させるビンゴ遊戯機を
提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、表示部に表示
されたビンゴカード上の符号と無作為に選出される複数
の固有符号との一致を照合し、それらの一致状況に基づ
いてゲームの勝敗を決するビンゴ遊戯機において、円盤
面が垂直面上で回転し、それぞれ固有符号が付された落
下体収納部が環状に複数配設されたルーレット部と、上
記ルーレット部に向けて落下体を供給する供給手段と、
上記供給手段から供給され、上記円盤面に沿って落下さ
れた落下体を捕獲した上記落下体収納部の持つ固有符号
を出力する固有符号出力手段とを備えてなるものである
（請求項１）。

【０００６】また、本発明は、上記ルーレット部を、中
央部分の固定円盤部と、この固定円盤部の外周側に、回
転自在に支持され、かつ上記落下体収納部を有する環状
の回転円盤部とから構成した（請求項２）。

【０００７】また、本発明は、上記固定円盤部を、表裏
２枚の円板を並設し、その並設間寸法を上記落下体収納
部の上記表裏方向における収納口寸法に一致させたもの
である（請求項３）。

【０００８】また、本発明は、上記固定円盤部に、上記
２枚の円板の間に、上記落下体の落下方向を変更する複
数の方向変更部材を介設したものとした（請求項４）。

【０００９】また、本発明は、上記供給手段に、上記ル
ーレット部の上端から円盤面上に落下させる落下部を備
えた（請求項５）。

【００１０】また、本発明は、上記供給手段に、上記落
下体を上記ルーレット部の下方から打ち上げて上記落下
部に導く投球手段を備えた（請求項６）。

【００１１】また、本発明は、上記投球手段を、所定個
数の落下体を左右方向から交互に上記落下部に導くよう
に構成した（請求項７）。

【００１２】また、本発明は、請求項７記載のビンゴ遊
戯機において、上記投球手段による上記落下体の左右方
向の打ち上げに対応して上記ルーレット部の回転方向を
切り換える方向制御手段を備えたものとした（請求項
８）。

【００１３】また、本発明は、請求項６乃至８のいずれ
かに記載のビンゴ遊戯機において、上記落下体収納部の
外側には回収開口が形成され、一方、上記ルーレット部
の円盤面の下端位置であって、上記回収開口に臨む位置
には回収通路が設けられており、上記回収開口には、上
記勝敗の決定後に上記回収開口を閉塞状態から開成状態
に切り換える回収手段が設けられ、上記供給手段は、上
記回収開口から上記回収通路を介して回収された落下体
の全てを保管するとともに、１個ずつ上記投球手段に導
く配給手段を備えたものとした（請求項９）。

【００１４】また、本発明は、上記固有符号出力手段と
して、上記落下体収納部と固有符号とを対応させて記憶
する記憶手段と、上記供給手段より落下された落下体を
捕獲した落下体収納部を検出する捕獲収納部検出手段
と、上記落下体が捕獲された落下体収納部の固有符号を
上記記憶手段から出力させる符号出力手段とを備えたも
のとした（請求項１０）。

【００１５】また、本発明は、上記捕獲収納部検出手段
として、上記ルーレット部の回転位置に近接して設けら
れ、捕獲された落下体の有無を検出するセンサを用いた
ものである（請求項１１）。

【００１６】また、本発明は、上記センサを上記ルーレ
ット部の周囲に複数個設けて構成した（請求項１２）。

【００１７】

【作用】請求項１記載の発明によれば、表示部にはビン
ゴカードが表示され、その各マスの符号と、無作為に選
出される複数の固有符号との一致が照合され、それらの
一致状況に基づいてゲームの勝敗を決せられる。例えば
一致した符号がビンゴカード上でライン状に並ぶと、勝
ちが決まる。上記において、固有符号の無作為の選出
は、以下のようにして行われる。すなわち、ルーレット
部は垂直面上で回転しており、ここに落下体が供給され
ると、この落下体は上記ルーレット部に環状に複数配設
されたいずれかの落下体収納部に捕獲される。そして、
この落下体を捕獲した上記落下体収納部の持つ固有符号
が固有符号出力手段から出力される。出力された固有符
号と一致するビンゴカード上の符号が表示されたマスの
位置関係に応じて上記のようにゲームの勝敗が決せられ
る。

【００１８】請求項２記載の発明によれば、落下体は、
まず固定円盤部に落下され、この固定円盤部を落下しな
がら、その周囲を回転している落下体収納部のいずれか
で捕獲される。

【００１９】請求項３記載の発明によれば、落下体は、
表裏２枚の円板の間を落下するので、確実に落下体収納
部に導かれ、捕獲される。

【００２０】請求項４記載の発明によれば、落下体は固
定円盤部を落下中に不規則な落下動作を行うので、無作
為さが確保される。

【００２１】請求項５記載の発明によれば、落下体は、
ルーレット部の上端から円盤面上に落下されるので、落
下距離、時間が長くなって無作為さがより向上する。

【００２２】請求項６記載の発明によれば、投球手段を
ルーレット部の下方に設けたので、無作為性を醸し出
せ、また落下体の保管場所の確保が容易となる。更に、
一旦収納された落下体の回収も容易となる。

【００２３】請求項７記載の発明によれば、落下体の供
給経路を左右に振り分けて設けることで無作為性が高く
なる。

【００２４】請求項８記載の発明によれば、落下体の供
給経路を左右に振り分けることに応じてルーレット部の
回転方向も切り換えることで無作為性が高くなる。

【００２５】請求項９記載の発明によれば、勝敗の決定
後に回収開口を閉塞状態から開成状態に切り換え、回収
開口から回収通路を介して回収された落下体の全てを保
管し、更に１個ずつ投球手段に導けば、落下体の自動的
な循環供給が行える。

【００２６】請求項１０記載の発明によれば、落下体が
捕獲された落下体収納部の固有符号が、予め落下体収納
部と対応して記憶している記憶手段から出力される。

【００２７】請求項１１記載の発明によれば、落下体の
捕獲の有無はセンサで検出される。

【００２８】請求項１２記載の発明によれば、落下体の
捕獲の有無を検出するセンサをルーレット部の周囲に複
数個設けることで、その落下体収納部の検出が回転方向
の直ぐ下流側に設けられたセンサで可能となるので、そ
の分、検出時間が短縮されることとなる。

【００２９】

【実施例】図１は、本発明に係るビンゴ遊戯機の外観斜
視図を示す。ビンゴ遊戯機は、中央のゲーム機構部１
と、その周囲に配置されたゲーム操作・表示部１０とか
らなり、前面と後面とで同一の構成を備えている。

【００３０】ゲーム操作・表示部１０には複数台のゲー
ム端末機１０１，１０２，…が前面及び後面に対称的に
配列されており、各ゲーム端末機は同一構成を備えてい
る。ゲーム端末機１０１についてその構成を説明する
と、その上面にはゲーム内容や操作メニュー等を表示す
るＣＲＴやＬＣＤ等からなる表示部１０１ａが設けられ
ている、表示部１０１ａの隣にはメダルの投入口、メダ
ル残数、リセットボタン等が備えられたパネル１０１ｂ
が配設されている。また、ゲーム端末機１０１のパネル
１０１ｂの上部にはメダル払い出し口１０１ｃが設けら
れており、ゲームに勝った場合、その結果に応じて所要
枚数のメダルが払い出されるようになっている。機器内
部には、不図示のメダル払い出し部１５（図２０参照）
が設けられており、ゲーム結果に応じた払出メダル枚数
は内部のメダル収納庫からメダルカウンタ等によって計
数して払い出されるようにしてある。

【００３１】また、本遊戯機では表示部１０１ａにビン
ゴカード等を電子的に表示する他、ゲーム参加者にゲー
ム実行に必要な各種の入力や指示持をメニュー方式で表
示するようにしており、この表示メニューに対して直接
アクセスし得るように、表示部１０１ａの表示面に透明
なタッチパネル１０１ｄが重ねて設けられている。

【００３２】タッチパネル１０１ｄは、Ｘ−Ｙ面を持つ
２次元形状を有し、超音波伝搬可能材質で構成される板
状体であって、各軸の端に軸方向に沿って超音波発生源
が配設されており、対向するそれぞれの端に向けて高速
周期で超音波を繰り返し送波する構成を備える。そし
て、板状体の適当な位置を指等で押圧すると、その押圧
位置で伝搬中の超音波が反射されて発生源側に帰来する
ことを利用して、音波発生から帰来波の到達時間までを
計測することで押圧位置（Ｘ，Ｙ）を逆算して求めるも
のである。そして、タッチパネル１０１ｄの押圧位置の
座標と表示面に表示されたメニュー位置の座標とを予め
関連付けておいて、表示面上のいずれの位置を指示した
かを把握するようにしている。

【００３３】図２は、ゲーム機構部１の概略構成を示す
正面図である。

【００３４】ゲーム機構部１は、ルーレット部１Ａとボ
ール供給部１Ｂとからなり、これらは支持部９により立
設支持されている。ルーレット部１Ａは、ボールＢを周
方向の任意位置で捕獲するための複数のボール収納部２
０が環状に配置された回転ホイール部２、その内側の固
定円盤部３及び回転ホイール部２を回転させる回転機構
部４からなる。ボール供給部１Ｂは、ゲーム終了に応じ
てボールＢを回転ホイール部２から回収する回収機構部
５、回収されたボールＢをゲーム中に１個ずつ供給する
配給手段６、配給手段６から供給されたボールＢを下方
から上方に放り上げる投球手段７、投球されたボールＢ
をルーレット部１Ａの上部から固定円盤部３に払い出す
払出部８とからなる。

【００３５】ここで、ゲーム機構部１の構成を理解し易
くするために、その全体動作の概要を説明しておく。ゲ
ームが開始されると、投球手段７から１個ずつボールＢ
が放り出され、上部の払出部８へ導かれる。ボールＢは
払出部８からルーレット部１Ａに払い出され、固定円盤
部３を不規則に移動しながら回転ホイール部２に導かれ
る。そして、回転ホイール部２のいずれかのボール収納
部２０に捕獲される。かかる動作が所定個数、例えば１
０個のボールについて順次行われる。ボールＢがそれぞ
れのボール収納部２０に捕獲される毎に、そのボール収
納部２０に付された固有符号が出力され、このようにし
て得られる固有符号に応じてゲーム進行が行われる。そ
して、１０個のボールに対して同様な処理が行われて、
１回のゲームが終了する。ゲームが終了すると、捕獲さ
れているボール１０個は回収機構部５によって配給手段
６に次々に回収、保管され、次のゲーム待ちの状態に入
る。次のゲームが開始されると、ボールＢは配給手段６
から１個ずつ投球手段７へ供給され、前述したように、
投球手段７により順次ボールの放り出しが行われること
となる。

【００３６】先ず、図２、図３を用いて支持部９の構造
を説明する。図３は、図２から支持部９の構造を抽出し
た正面図である。

【００３７】支持部９は基台９１、基台９１によって左
右側に架け渡された支持腕９２及び支持腕９２の両側に
上方に向けて一体的に連結された断面四角形のパイプ材
からなる所定径（例えば１ｍ程度）の支持輪９３から構
成されている。支持輪９３には、その内周側にルーレッ
ト部１Ａが取り付けられ、その外周側にボール供給部１
Ｂが取り付けられている。なお、支持輪９３は、支持腕
９２の間には形成されておらず、この位置には後述する
回収機構部５、配給手段６及び投球手段７が配設されて
いる。

【００３８】次に、図１、図２を用いて固定円盤部３の
構造について説明する。

【００３９】固定円盤部３は、円形を有する２枚の透明
乃至は半透明のアクリル板３１が所定間隔をおいて平行
に配設されたもので、両板間寸法はボールＢの直径より
多少大きめに設定されていて、ボールＢが両板面間をス
ムースに落下し得るようにしている。この２枚のアクリ
ル板３１は、その板面上で、適宜な複数個所に両板を平
行に保持して結合する連結ピン３２が取付けられてい
る。この連結ピン３２の内、適当なものには、例えば図
１に示すように、風車３２ａの形をしたものが回転自在
に取り付けられており、これら連結ピン３２や風車３２
ａに、上方から両板面間を落下してくるボールＢがラン
ダムに衝突することで不規則な方向変換を与えるように
して無作為性の確保と演出とを施している。

【００４０】アクリル板３１は支持輪９３の適所から伸
びた左右一対の固定アーム９４によって立直支持されて
いる。各固定アーム９４は前後２枚の平板状のアームを
有してなり、それぞれが上記２枚のアクリル板３１の各
外側面に沿って伸び、かつ、それらの先端に設けられて
いる取付け部材９４１と対応する側のアクリル板３１と
がそれぞれネジ止めや接着等によって結合されている。
また、アクリル板３１は後述する払出部８の枠体との間
でもビス等によって固定され、十分な支持強度が確保さ
れている。すなわち、図１６に示す垂直基板８００の下
部に一対の穴が穿設されており、この穴とアクリル板３
１の上部の対応する位置に設けた穴とをシャフトで固定
保持している。

【００４１】次に、図２、図４〜６を用いて回転ホイー
ル部の構造について説明する。図４は回転ホイール部の
概略斜視図、図５は回転ホイール部のボール収納部の分
解斜視図、図６はその背面図である。

【００４２】回転ホイール部２は、図２に示すように支
持輪９３と固定円盤部３との間に配設されるもので、図
４に示すように、ステー２３によって連結された２枚の
平行環状板２Ａ，２Ｂ及びこの環状板２Ａ，２Ｂの内周
側に配設される内板２Ｃからなる筐体部分と、その内部
に環状に配設されるボール収納部２０とからなり、後述
の回転機構部４によって垂直面上で回転可能にされてい
る。ボール収納部２０は、本実施例では２５個（ビンゴ
の５(行)×５(列)に対応）連結されて構成され、各ボー
ル収納部２０の配置位置の周方向両側にステー２３が２
本ずつ径方向に設けられるとともに、各ボール収納部２
０の配置位置に対応して内板２ＣにはボールＢより多少
大径を有する円形のボールＢの捕獲口２Ｃｏが穿設され
ている。また、環状板２Ａ，２Ｂの表面には、図２に示
すように、各ボール収納部２０の周方向両側位置に、径
方向に並んで３個のＬＥＤ２７ａが設けられている。

【００４３】ボール収納部２０は、図５に示すように、
断面コ字状の前板２１と、この前板２１と結合される平
板状の後板２２とを有し、環状板２Ａに設けられた取付
け穴を介して固定されている。ボール収納空間２００
は、この両板２１，２２で囲まれた内部に形成されてい
る。

【００４４】前板２１は側板部２１１，２１２を有して
おり、側板部２１１の上部ほぼ中央には長方形状の切欠
き２１１ａが形成されるとともに、切欠き２１１ａの中
央真下に引掛かり孔２１１ｂが形成されている。また、
側板部２１１の下辺部には多少の深さを有して切欠き２
１１ｃが形成されている。一方、側板部２１２には、上
記側板部２１１と等しい位置に切欠き２１２ａ及び引掛
かり孔２１２ｂが形成されており、又、切欠き２１２ａ
の直ぐ下部にはスイッチ取付け孔２１２ｃが形成されて
いる。

【００４５】２４、２５は、ボール収納空間２００に入
ったボールＢの入口側からの抜け出しを阻止する入口ロ
ック部材である。これは、回転ホイール部２が鉛直面上
で回転するためボール収納部２０の入口側が下向きとな
る状態があるためである。入口ロック部材２４は、コ字
状の両腕部材２４１、その両腕内に回動自在に支持され
る爪部材２４２、両腕部材２４１に対して爪部材２４２
を回動自在に支承する軸２４３及び爪部材２４２を閉塞
位置に付勢するスプリング２４４から構成されている。
両腕部材２４１は切欠き２１１ａを囲むように取り付け
られ、この切欠き２１１ａが爪部材２４２の回動逃げ空
間とされている。そして、この両腕部材２４１の両腕内
に、爪２４２ａをボール収納空間２００に向けた状態で
爪部材２４２が軸２４３で回動自在に支承される。

【００４６】このとき、爪部材２４２の天井部２４２ｂ
は両腕部材２４１の中間腕部２４１ａに当接するように
なっており、これにより回動が規制されるため、爪部材
２４２は爪２４２ａの部分が、図６の実線で示す位置ま
でしか回転しない。その上、爪部材２４２の後面中央の
引掛かり孔２４２ｃと引掛かり孔２１１ｂ間のスプリン
グ２４４によって、爪部材２４２はボール収納空間２０
０を閉塞する位置（爪部材２４２の天井部２４２ｂが両
腕部材２４１の中間腕部２４１ａに当接した位置）に付
勢される。一方、固定円盤部３からのボールＢに対して
は、そのボールＢの勢いによって爪部材２４２がボール
収納空間２００側へ回動するようにスプリング２４４の
付勢力を設定しておけば、ボールＢがボール収納部２０
に好適に案内され、ロックされるようになっている。同
様に、側板２１２には入口ロック部材２５が入口ロック
部材２４と同様にして設けられている。

【００４７】このように構成することで、固定円盤部３
からのボールＢをボール収納空間２００へ案内して、ロ
ックするので、ボール収納部２０が回転して垂直上方位
置にきて入口が真下を向いても、捕獲したボールＢが自
重で入口から抜け落ちることがなくなる。

【００４８】スイッチ取付け孔２１２ｃには電飾スイッ
チ２７が取り付けられており、その可動片２７１がボー
ル収納空間２００に臨むようにしてあり、外側には配線
用端子２７３が設けられている。そして、ボール収納空
間２００にボールＢが収納されて、ボール表面が可動片
２７１を押圧して、図６に示すように位置変位（仮想線
位置から実線位置）すると、このボール収納部２０にボ
ールＢが取り込まれたとして、このボール収納部２０の
周方向両側に配置された番号表示を点灯するＥＬ板２７
ｂ（図２参照）が発光され、その旨が報知される。な
お、ＬＥＤ２７ａは電飾として電源オンとともに点灯し
ているものである。

【００４９】また、環状板２Ａ，２Ｂの表面であって、
各ボール収納部２０に対応して、それぞれ数字等の符号
が表記された、エレクトロルミネッセンス材料からなる
パネル板（ＥＬ板）２７ｂが貼着等されており、ボール
Ｂが捕獲されたボール収納部２０のＥＬ板２７ｂを所要
の色で発光させることでボール捕獲位置を確実に知らせ
るとともに優雅さを醸し出している。なお、各ボー収納
部２０のＥＬ板２７ｂに表記される符号が数字の場合、
１〜２５の数字は規則的に、あるいはランダムに、更に
は所定のルーレットの配列に従って表記されている。

【００５０】出口ロック部材２６はコ字状の両腕部材２
６１、その両腕内に回動自在に支持される爪部材２６
２、両腕部材２６１に対して爪部材２６２を回動自在に
支承する軸２６３及び爪部材２６２を閉塞位置に付勢す
るコイルバネ２６４から構成されている。両腕部材２６
１は側板部２１１の内壁に、切欠き２１１ｃをまたぐよ
うにしてビス止めして取り付けられる。両腕部材２６１
は、両腕の下端に対向して設けられた支持孔２６１ａの
間に爪部材２６２、コイルバネ２６４及び位置規制用円
筒２６５を貫通した軸２６３が通されている。爪部材２
６２は軸２６３が貫通される揺動片２６２ａとこの揺動
片２６２ａの途中から直角方向に伸びる当接片２６２ｂ
から構成されている。また、コイルバネ２６４の一方端
は側板部２１１の切欠き２１１ｃに係合されており、こ
れにより、当接片２６２ｂをボール収納空間２００側に
臨む側に付勢している。そして、ボールＢが収納される
と、当接片２６２ｂが、図６に示すように、ボールＢの
表面に当接して、ボールＢの出口側からの抜け出しを規
制している。このように、一旦、ボール収納空間２００
に収納されたボールＢは入口ロック部材２４，２５及び
出口ロック部材２６によって、収納状態が保持される。

【００５１】被検出部材２８は２５個のボール収納部２
０の全てに設けられ、回転ホイール部２の回転位置を検
出するために使用されるもので、取付け部２８１とこれ
に固定された検出片２８２とからなる。取付け部２８１
は側板部２１１の内壁適所（後述するボールセンサ９５
と干渉しない位置）、好ましくは前後方向にずれた位置
に取り付けられ、検出片２８２が出口側、すなわち回転
軌跡から外周側に突出するようにしてある。また、２５
個のボール収納部２０の内の基準となる１個のボール収
納部２０には、破線で示す構成を有した被検出部材が取
付けられる。すなわち、上記検出片２８２に加えて、そ
の回転方向に所定の微小距離だけ離間して基準検出片２
８３が設けられている。

【００５２】ボールＢの捕獲の有無を検出するための構
成は支持部９に設けられている。すなわち、図２に示す
ように、支持部９の支持輪９３の内周面の適所には１〜
複数個のボールセンサ９５が内周側に向けて配置されて
いる。本実施例では、ボールＢの捕獲位置は、ほとんど
の場合、ルーレット部１Ａの下半部になると考えられる
ことから、ボールセンサ９５は、支持輪９３の上部分を
除く比較的広い範囲で、周方向に適当に分散し、かつ、
後述の基準位置センサ９６に対してボール収納部２０の
周方向寸法の予め設定した整数倍位置に８個それぞれが
配設されている。このボールセンサ９５は反射型フォト
センサで、ボールＢが捕獲されていると、その表面から
の反射光を受光することで、捕獲の有無を検出するもの
である。ボールセンサ９５はボールＢの表面が平行に近
いほど高レベルの反射光を確保でき、検出精度が向上す
るので、ボール収納空間２００の中心に近い位置に指向
方向が設定されている。

【００５３】一方、回転ホイール部２の真下位置となる
支持部９には、２個のフォトセンサからなる基準位置セ
ンサ９６が周方向に上記検出片２８２と基準検出片２８
３との離間距離に相当した微小距離だけ離して配置され
ており、上記検出片２８２と基準検出片２８３とがそれ
ぞれ２個のフォトセンサの発光部と受光部との隙間を通
過することによって同時に得られる２個の検出信号がを
受けて、回転ホイール部２の回転基準位置が真下を通過
したタイミングを検出（基準位置検出）し得るようにし
ている。この基準位置センサの一方のセンサは基準のボ
ール収納部２０以外のボール収納部２０に対して、その
検出片２８２の検出（相対位置検出）を行うようにして
いる。なお、この基準位置センサ９６は、回転ホイール
部２の周方向の特定された位置であれば、真下である必
要はなく、また、フォトセンサ等の近接スイッチに代え
て検出片２８２に接触可能な機械式スイッチでもよい。

【００５４】各ボール収納部２０に対するボール捕獲の
有無の検出は、以下のようにして行われる。すなわち、
回転ホイール部２の回転基準位置は基準位置センサ９６
により把握され、かつ、回転に応じて各ボール収納部２
０の検出片２８２を基準位置センサ９６の一方のセンサ
が検出しているので、回転ホイール部２の回転位相（す
なわち、いずれのボール収納部２０が基準位置センサ９
６に対向しているか）を知ることができる。しかも、そ
れぞれの回転位相位置において、各ボールセンサ９５が
対向するボール収納部２０は把握されているから、かか
るそれぞれの回転位相位置で、各ボールセンサ９５のオ
ン、オフ状態を検出すれば、把握されているボール収納
部２０にボールＢが捕獲されているかどうかを知ること
ができる。この場合、８個のボールセンサ９５はそれぞ
れ、回転ホイール部２の回転方向上流側にある他のボー
ルセンサより下流側のボール収納部２０に対してのみ検
出結果が用いられ、その範囲以外のボール収納部２０に
対する検出結果は、他のボールセンサによる検出との重
複を避けるべく無視されるようにしている。

【００５５】なお、ボールセンサ９５は少なくとも１個
あれば、ボールＢが捕獲されたボール収納部２０を検出
することが可能であるが、その数を、本実施例のように
複数個分散的に設けておき、それぞれが回転方向の上流
側にあるボールセンサ９６より下流側のボール収納部２
０の検出を受け持つようにして、ボール捕獲の有無の検
出をいち早くようにすることで、それに伴う符号判定乃
至は判定結果に基づくゲーム進行をよりスムースに行う
ことができる。

【００５６】次に、図２、図３、図７、図８を用いて回
転機構部４を説明する。図７は回転機構部の主要部を示
す分解斜視図、図８は回転ホイール部の外周部周辺を示
す断面図で、（ａ）は主ローラ部による回転ホイール部
の支持状態を、（ｂ）は補助ローラ部による回転ホイー
ル部の支持状態を、（ｃ）はスリップリング部との接触
状態を示す各断面図である。回転機構部４は、図３に示
すように、基台９１、支持板９２上であって、左右ほぼ
対称位置に設けられており、左側はモータ４０を備えた
駆動ローラ部４１であり、右側は従動ローラ部４２であ
る。また、支持輪９３の上方の左右対称位置には、従動
の補助ローラ部４４，４５が配設されている。そして、
回転ホイール部２はこれら主ローラ部４１、４２及び補
助ローラ部４４，４５によって回動可能に支持されると
ともに、モータ４０によって、最初の５個のボールＢに
対しては左回りに回転し、後半の５個のボールＢに対し
ては右回りに回転されるようになっている。なお、ボー
ルＢ１０個の全てに対して同一方向に回転させてもよ
い。また、後述するように、ゲーム終了に伴うボール回
収時には、一律に左回りに旋回するようにしている。

【００５７】駆動ローラ部４１は、モータ支持部４０１
に固設されたモータ４０と取付け板４１１ａに取り付け
られる支持ブロック４１１とを有し、モータ４０にはそ
の回転駆動軸に同期プーリ４０２が設けられ、一方、支
持ブロック４１１には回転軸４１２に一体回転可能に嵌
着される同期プーリ４１３が設けられ、かつ、両同期プ
ーリ４０２，４１３間に同期ベルト４３が張設されてい
る。回転軸４１２には支持ブロック４１１の貫通孔４１
１ｂを挾んで対応するように、円板４１４ａとローラ４
１５ａ、及び円板４１４ｂとローラ４１５ｂが嵌着さ
れ、それぞれ一体回転するとともに、軸方向への移動も
回転軸４１２の鍔４１２ａ、係止リング部材４１６及び
軸受部材４１７ａ，ｂ等によって規制されている。ま
た、円板４１４ａ，ｂの径はローラ４１５ａ，ｂの径に
比して多少大きく、かつ両者は軸方向に一体化されてい
る。このように両者を一体化するとともに径寸法差を与
えることで、ローラ４１５ａ，ｂと環状板２Ａ，２Ｂと
の当接位置がずれることのないようにしている。

【００５８】なお、従動側４２も基本的に同一構成を有
しており、唯、回転軸４２２は、同期プーリ４１３を必
要としない分、そのための取付け部のない短寸のものが
採用されている。

【００５９】図８（ａ）は、主ローラ部４１，４２によ
る回転ホイール部２の支持状態を示しており、環状板２
Ａ，２Ｂの周端面とローラ４１５ａ，ｂが当接し、かつ
円板４１４ａ，ｂが振れ方向に対して両側から規制して
いる。なお、ローラ４１５ａ，ｂの表面乃至はローラ自
体は樹脂材からなり、所要の表面摩擦で確実な動力伝達
と異音の発生を防止している。

【００６０】４４（４５）は支持輪９３の左右上方位置
（図２参照）に回転自在に取り付けられる一対の補助ロ
ーラ部で、図７に示すように、支持輪９３の取り付けら
れる支持部材４４１に回転可能に取り付けられている。
支持部材４４１の支持孔４４１ａには軸４４２が固定さ
れ、この軸４４２に、一体化された円板４４３とローラ
４４４が遊嵌され、規制部材４４５によって軸方向位置
が規制されている。

【００６１】図８（ｂ）は、補助ローラ部４４（４５）
による回転ホイール部２の支持状態を示しており、環状
板２Ａ，２Ｂの周端面とローラ４４４（４５４）が当接
し、かつ円板４４３（４５３）が振れ方向に対して両側
から規制している。なお、ローラ４４４（４５４）は上
記ローラ４１５ａ，ｂと同様、その表面乃至は全体が樹
脂材で構成されている。

【００６２】このように、回転ホイール部２を上部左
右、下部左右の計４点で回転支持することで、モータ４
０を定速回転させると回転ホイール部２はローラ４１４
ａ，ｂからの回転力が効率良く伝達されて、可及的に定
速回転を確保するようにしている。

【００６３】なお、取付け板４１１ａ，４２１ａに縦横
方向の長穴を設けて支持部９に調整可能に取付けられる
ようにしているので、ローラ４１５ａ，ｂの位置調整が
確実となる。同様に支持部材４４１も長穴によって位置
調整の容易、確実さが図られている。

【００６４】図８（ｃ）は、スリップリング部との接触
状態を示しており、スリップリング部４６は静止側から
回転ホイール部２に電源供給するためのもので、支持輪
９３の左右対称位置（図２参照）に取り付けられてい
る。スリップリング部４６は支持輪９３の前後側（図８
（ｃ）の左右側）に伸びた支持腕４６１を有し、この支
持腕４６１にカーボン支持筒体４６２ａ，ｂが回転ホイ
ール部２側に向けて取り付けられており、この支持筒体
４６２ａ，ｂの内部にスプリング等で突出方向に付勢さ
れてカーボンロッド４６３ａ，ｂが出没可能に支持され
ている。このカーボンロッド４６３ａ，ｂの一方は正電
極とされ、他方が負電極にとされて、両者間に、図略の
電源が接続されている。一方、回転ホイール部２を構成
する環状板２Ａ，２Ｂの最外周位置には環状の導電性ス
リップリング４７ａ，４７ｂがその一部面を面から外方
に露出して取り付けられている。そして、カーボンロッ
ド４６３ａとスリップリング４７ａが摺接し、カーボン
ロッド４６３ｂとスリップリング４７ｂが摺接すること
で、回転ホイール部２に好適に電源供給ができるように
なっている。特に１個所以上設けることで、一方に瞬間
的な非接触状態が生じても電源遮断が可及的に阻止され
る。また、２個所のスリップリング部４６のそれぞれに
正電極側と負電極側を接続するようにしてもよい。この
ようにすれば、それぞれのスリップリング部の構成が簡
素化される。

【００６５】続いて、ボール供給部１Ｂの各構成につい
て説明する。先ず、図９、図１０を用いて回収機構部の
構造について説明する。図９は分解斜視図、図１０
（ａ）は回収機構部の正面図、図１０（ｂ）はその左側
面図である。

【００６６】回収機構部５はゲーム終了後、ボール収納
部２０に捕獲されている１０個のボールＢを順次配給手
段６に回収するためのものである。

【００６７】回収機構部５は、当接コロ５１を先端に持
つ揺動腕５２を有し、この当接コロ５１は、図２に示す
ように、各ボール収納部２０に設けられている出口ロッ
ク部材２６の爪部材２６２の揺動片２６２ａ（図６に示
す）の回転軌跡上に配置されるようになっている。５０
は複数の板状体から構成されてなる基台で、表面側には
支持ブロック４１１との取り付け用であって、かつ当接
コロ５１の上下方向位置の調整を可能にする長穴５０１
が形成されている。

【００６８】基台５０の右側面には、その上部に支持ブ
ロック５３が、下部にロックソレノイド５４がそれぞれ
取り付けられる。揺動腕５２は長尺の板材を有し、その
先端には当接コロ５１を上方に一部露出するようにして
回動自在に支持する支持孔５２１が形成され、長さ方向
ほぼ中間位置には当接コロ５１の軸と平行な方向に延設
された揺動軸５２２が立設され、下部にはロック孔５２
３が形成されている。また、少なくとも揺動軸５２２の
下方には、引掛かり孔５２４が形成されている。そし
て、この揺動腕５２の下端には下方に伸びた検出片５２
５が設けられている。

【００６９】揺動腕５２は揺動軸５２２が軸受５３ａを
介して支持ブロック５３の支持孔５３１に嵌挿されて回
動自在に支持されている。また、ロック孔５２３にはロ
ックソレノイド５４のプランジャ５４１が対向してお
り、ロックソレノイド５４のオン時にはプランジャ５４
１がロック孔５２３に係合して揺動腕５２の揺動を規制
している。回収タイミングセンサ５５はセンサ支持板５
５１に設けられ、上記検出片５２５の揺動、すなわちボ
ール回収時にボール収納部２０の出口が、後述の回収通
路５７と対向位置に一致したタイミングを検出するため
のフォトセンサである。なお、このセンサは機械的なス
イッチであってもよい。

【００７０】センサ支持板５５１は揺動腕５２の下方位
置にくるように支持腕９２に取り付けられており、その
適所には引掛かり孔５５２が形成されている。そして、
引掛かり孔５２４，５５２間にはスプリング５６が介設
され、このスプリング５６によって揺動腕５２を鉛直方
向（プランジャ５４１とロック孔５２３とが係合可能と
なる位置）に姿勢保持するように付勢している。なお、
スプリング５６の付勢力は前記コイルバネ２６４の付勢
力に比して小さく設定されており、ゲーム中に当接コロ
５１との当接によって爪部材２６２が揺動しないように
して、捕獲しているボールＢを誤って回収することのな
いようにしている。

【００７１】この回収機構部５の動作について説明する
と、ゲーム中はロックソレノイド５４はオフ状態にされ
ており、この状態では、回転ホイール部２が回転して爪
部材２６２の揺動片２６２ａが当接コロ５１に当接する
と、コイルバネ２６４の方がスプリング５６に比して付
勢力が大きいため、揺動腕５２の方が揺動し、ボールＢ
はボール回収部２０にそのまま保持される。

【００７２】一方、ゲームが終了してボール回収時に
は、回転ホイール部２が右回転して爪部材２６２の揺動
片２６２ａが当接コロ５１に当接すると、揺動腕５２が
揺動してボール収納部２０の出口と回収通路５７とが対
向した位置に一致したことを検出し、ホイールモータ４
０の回転が停止される。そして、ロックソレノイド５４
がオン状態にされて揺動腕５２の揺動が規制され、この
状態でホイールモータ４０の左回転が開始されると、爪
部材２６２の揺動片２６２ａが当接コロ５１に当接し
て、逆に爪部材２６２の方が回動し、これによってボー
ル収納部２０に収納されているボールＢが出口側から自
重乃至は遠心力によって排出されるとともに、ホイール
モータ４０の回転が停止される。このようにしてボール
の回収が行われる。

【００７３】図２に示すように、当接コロ５１に対して
回転ホイール部２の回転方向側には、ボール収納部２０
の出口に臨むようにして筒状の回収通路５７が設けられ
ており、ボール収納部２０から排出されたボールＢはこ
の回収通路５７を経て、下方の配給手段６に案内される
ようになっている。この回収通路５７の側面適所には磁
気センサであるゴールドボールセンサ５８が設けられて
いる。１０個のボールＢの内の１個は金属入りのゴール
ドボールであり、ゴールドボールセンサ５８は、内部に
インダクタンス素子を有し、これに通電してそのインダ
クタンス変化を出力電圧のレベル変化として検出するこ
とによって、検出可能にしている。なお、このゴールド
ボールＢはビンゴゲームにおいて、いわばボーナス的な
働きをするために用いられている。

【００７４】図１１、図１２を用いて配給手段の構造に
ついて説明する。図１１は配給手段の分解斜視図、図１
２は配給手段の正面一部断面図である。配給手段６は１
０個のボールＢを保管するとともに、１個ずつ順次、投
球手段７に供給するためのものである。

【００７５】配給手段６は、ボールＢを収納する箱状の
ボックス６０を有し、内部には底板６００に立直する円
周の側板６０１が配設されて円筒状のボール保管空間が
形成され、この空間内に後述のボール保管部材６１が回
転可能に装着されるようになっている。ボックス６０の
底板６００は中央に軸孔６０２が設けられており、更
に、この軸孔６０２の両側対称位置にはボールＢが通過
可能な大きさのボール排出口６０３が形成されている。
また、ボール排出口６０３に対応する側板６０１の位置
であって、底板６００からの高さがボールＢの半径に等
しい位置には検出孔６０４がそれぞれ形成されており、
これら検出孔６０４に臨んでボール供給センサ６２がセ
ンサ取付け板６２１を介してそれぞれボックス６０に取
り付けられている。

【００７６】ボール保管部材６１はボールＢを収納保管
するとともボール排出口６０３に案内するためのもの
で、連結軸６３１に一体回転可能に支持されている。こ
のボール保管部材６１は上板６１１と円筒側板６１２を
有し、更に、この円筒側板６１２の外周面には周方向に
１０等分した位置に分割アーム６１３がそれぞれ放射状
に設けられている。そして、隣接する分割アーム６１３
間に、回収されたボールＢが１個ずつ、合計で１０個だ
け保管されるようになっている。なお、上記回収通路５
７の出口を、２個のボール排出口６０３の内の一方の真
上に一致するように配置していることが好ましいが、特
に、一致させなくてもよい。

【００７７】分割アーム６１３は回転軸方向に、例えば
２本配設され、このように分割アーム６１３を中間高さ
位置を除いた上下に設けることで、図１２に示すよう
に、ボール供給センサ６２と同一高さ位置でボールＢの
みを確実に検出可能となり、分割アーム６１３によって
ボールＢの存否について誤検出することが防止できる。

【００７８】配給モータ６３は中央に貫通孔６３２ａを
有するモータ取付け部材６３２によって底板６００の下
面側に固設され、配給モータ６３の駆動軸６３ａが底板
６００の軸孔６０２から上方に突出している。そして、
この駆動軸６３ａの上端にはギア６３３が一体回転可能
に取り付けられている。

【００７９】一方、ボックス６０の底板６００の上面側
には軸孔６０２を囲むようにして両側が下方に屈曲され
た側板を有するブラケット６４が取り付けられており、
このブラケット６４の中央には貫通孔６４１が形成され
ている。ボール保管部材６１の上板６１１の中央には連
結軸６３１がビス止めによって垂設されている。連結軸
６３１は、図１２に示すように、内側軸部６３１ａと外
周部６３１ｃ間にベアリング構造が採用されており、外
周部６３１ｃに対して、内側軸部６３１ａとその下方に
一体で延長された回転軸部６３１ｂとが回転自在に構成
されている。そして、内側軸部６３１ａはその頂部でボ
ール保管部材６１の上板６１１に固定されるとともに、
外周部６３１ｂは挾持部材６４ａを介してブラケット６
４に固定されている。

【００８０】また、回転軸部６３１ｂの下端にはギア６
３４が一体回転可能に取り付けられている。これらギア
６３３，６３４は高さ位置が一致するとともに、互いに
噛合するように予め水平方向位置も設計されており、配
給モータ６３の回転駆動力がギア６３３，６３４を介し
て内側軸部６３１ａに伝達されてボール保管部材６１を
回転するようにしている。

【００８１】ブラケット６４の両側の側板には、それぞ
れ上下方向にずらした高さ位置にそれぞれ検出孔６４２
が形成されており、各検出孔６４２にはフォトセンサか
らなる回転センサ６５と基準位置センサ６６とが、それ
ぞれの発光部と受光部とを上下方向に並ぶように、かつ
内側に向けて配設されている。また、回転軸部６３１ｂ
の軸上であって、上記回転センサ６５の発光部と受光部
間の隙間に介在するように回転板６５１が、また、上記
基準位置センサ６６の発光部と受光部間の隙間に介在す
るように回転板６６１がそれぞれ一体回転するように設
けられている。

【００８２】回転板６５１は周方向等角度位置に１０個
のスリット６５１ａが形成されており、回転センサ６５
はこれらのスリット６５１ａを検出することで隣合う分
割アーム６１３間、すなわち保管されているボールＢが
ボール排出口６０３に対向し、供給可能位置にあること
を検出するようになっている。また、回転板６６１は周
方向に１個のスリット６６１ａが形成されており、基準
位置センサ６６はこのスリット６６１ａを検出すること
で、ボール保管部材６１が回転基準位置にあることを検
出するようになっている。

【００８３】６７はボール排出口６０３を開閉する開閉
板部で、開閉ソレノイド６８は開閉板部６７の開閉動作
を行わせるものである。この開閉板部６７及び開閉ソレ
ノイド６８は底板６００の両側の供給孔６０３にそれぞ
れ対応して設けられている。開閉板部６７は、回動軸６
７０、支持腕６７１及び支持腕６７１によって両側を回
動自在に支持される蓋板６７２とからなる。蓋板６７２
は両側部が下方に屈曲されており、この屈曲面６７３と
上記支持腕６７１とに穿設されている孔に回動軸６７０
が貫通されて相対回転可能に支持されている。支持腕６
７１は、図１２に示すように、底板６００の下面であっ
て、供給口６０３に対して中心寄り位置に固定され、こ
れにより蓋板６７２が回動軸６７０回りに回動すること
で、ボール排出口６０３の開成及び閉塞が実現し得るよ
うになっている。また、この蓋板６７２は開成時には、
投球手段７へのボールＢの案内路にもなっている（図２
は左右両側の蓋板６７２が開成した状態を示してい
る）。開閉ソレノイド６８は底板６００の底面適所に固
定され、プランジャ６８１を備えている。蓋板６７２の
一方側の屈曲面６７３は更に下方に多少の長さだけ延長
されており、その端部に長穴６７３ａが形成され、一
方、プランジャ６８１の先端には、その出没方向に直交
する向きに突出した係合ピン６８２が設けられており、
この係合ピン６８２が長穴６７３ａに嵌着されている。
スプリング６９は、開閉ソレノイド６８がオフになって
プランジャ６８１が開放された際（図１２の右側の状
態）に、プランジャ６８１を強制的に突出させるように
付勢して、蓋板６７２によるボール排出口６０３の閉塞
を確保させるためのものである。なお、スプリング６９
は上記係合ピン６８２と底板６００の適所に固定された
係合部材６９１間に介設されている。

【００８４】そして、図１２では、図の右側のボール排
出口６０３は、開閉ソレノイド６８がオフ状態で蓋板６
７２によって閉塞されている。一方、図の左側のボール
排出口６０３は、開閉ソレノイド６８がオン状態で蓋板
６７２によって開成されている。

【００８５】以上の構成において、配給手段６の動作を
説明すると、ゲームが終了すると、開閉ソレノイド６８
がオフにされ、更に、回転センサ６５と基準位置センサ
６６とからボール保管部材６１を基準位置にセットし、
この状態で、回収機構部５から１個ずつ排出されてくる
ボールＢを順次収納する。１個の収納が確認される毎
に、配給モータ６３を駆動させてボール保管部６１を１
／１０だけ回転させて停止する。そして、１０個のボー
ルＢの全ての回収保管が終了すると、投球手段７への供
給待ちとなる。投球手段７への１個ずつの供給は、連続
する５個が一方側の供給口６０３のみを開成することで
行われ、残りの５個が他方の供給口６０３のみを開成す
ることで、いわば交互に行われる。このようにボールＢ
の供給は、ボール保管部材６１の１／１０ずつの回転と
ボール５個ずつの供給に同期した開閉ソレノイド６８の
オン、オフ動作によって行われる。

【００８６】次に、図１３〜１５を用いて投球手段の構
造を説明する。図１３は投球手段の分解斜視図、図１４
はボールのガイド構成を説明する正面図、図１５は投球
手段の右側面図である。投球手段７は、図２に示すよう
に左右一対からなり、左右対称位置に互いに逆向けに、
すなわち互いに外側上方に投球するように向けて配設さ
れている。

【００８７】この投球手段７は、基台板７０とその両側
に平行に立設された一対の側板７１，７２とを有し、こ
の両側板７１，７２間に回転軸７３を介して投球アーム
７４が回転自在に支持されている。すなわち、側板７
１，７２はそれぞれほぼ中央やや下部に支持孔７１１，
７２１が対向して形成されており、回転軸７３は軸受部
材７３１，７３１を介してこの支持孔７１１，７２１に
支承され、これにより側板７１，７２に対して回転自在
に支持されている。

【００８８】回転軸７３の軸中央には周面一部に平坦部
７３ａが形成されている。一方、投球アーム７４は長尺
の平板からなり、その基端部が回転軸７３の上記平坦部
７３ａに嵌め込まれた状態で軸方向に直交する一方向に
向けて取り付けられている。

【００８９】また、両側板７１，７２の内側前部の対応
する位置には、配給手段６から供給されるボールＢを案
内する一対のガイドレール７５１が投球アーム７４側に
向けて所要の傾斜角度を有して取り付けられている。こ
のガイドレール７５１により供給されたボールＢがガイ
ドレール７５２で当止する位置まで自重で案内されるよ
うにしてある。一方、投球アーム７４に対してガイドレ
ール７５１の反対側には、打ち出したボールＢを、後述
のガイドレール７５４に案内する一対のガイドレール７
５２が上部の掛け渡し部７５３を介して両側板７１，７
２に取り付けられている。この所定長分のガイドレール
７５２は投球アーム７４側から所要の上昇角度に向けら
れている。

【００９０】ガイドレール７５１とガイドレール７５２
の取付け位置は、図１４に示すように、ガイドレール７
５１で案内されガイドレール７５２に当止したボールＢ
が、ヒッテイングを行うべく投球アーム７４が反時計回
り方向に回転を開始した時、ガイドレール７５２上に載
置された状態となるように、各端部で連接されている。
これにより、１回転してきた投球アーム７４によりヒッ
トされたボールＢはスムースにガイドレール７５２に沿
って上昇し、ガイドレール７５４に受け継がれるように
している。

【００９１】また、両側板７１，７２の上部一方隅部に
は、対向して孔７１２，７２２が形成されており、その
間に補強用としての連結ピン７００が取り付けられてい
るとともに、この連結ピン７００を支持する一方の孔７
１２を利用して、後述するスプリング７１６の引掛かり
孔７１３ａを有する係合片７１３が、側板７１の外面側
で、支持孔７１１とは４５°上方向位置に取付けられて
いる。一方、この側板７１の外面側であって、支持孔７
１１を貫通した支持軸７３の先端には回転円板７１４が
一体回転可能に取付られている。この回転円板７１４の
一偏心位置であって、回転軸７３に対し投球アーム７４
の先端方向に対し、投球アーム７４の回転方向とは逆方
向にほぼ４５°の角度位置には、係合ピン７１４ａが設
けられており、この係合ピン７１４ａに引掛かり孔７１
５ａを有する部材７１５が取り付けられている。そし
て、引掛かり孔７１３ａ，７１５ａ間にスプリング７１
６が介設されている。このスプリング７１６は投球アー
ム７４が回転して鉛直上方向を向いた位置の通過時点で
ボールＢをヒットするに際して、この投球アーム７４の
初期位置への復帰速度を、バネの圧縮力を利用して加速
するようにして好適なボール飛び出し速度を得るための
ものである。

【００９２】一方、側板７２の外面側であって、支持孔
７２１を貫通した支持軸７３の先端には回転円板７２３
が一体回転可能に取り付けられている。この回転円板７
２３の一偏心位置であって、回転軸７３に対し投球アー
ム７４の先端方向に対し、投球アーム７４の回転方向に
４５°進んだ角度位置には、係合用突起７２３ａが取り
付けられている。更に、この側板７２の外面側には上記
回転円板７２３を覆うようにして、投球モータ７６を支
持する平面視でコ字状のブラケット７６１が取り付けら
れている。投球モータ７６はブラケット７６１の外側に
取り付けられ、その駆動軸７６ａはブラケット７６１の
孔７６１ａを経て側板７２側に臨んでおり、その駆動軸
７６ａの先端には駆動力伝達部材７７が一体回転可能に
取付けられている。この駆動力伝達部材７７は周方向の
一部に径方向に伸びる当接片７７１が形成されており、
この当接片７７１が上記回転円板７２３の係合用突起７
２３ａに当接することで投球モータ７６の回転駆動力を
支持軸７３を介して投球アーム７４に伝達するようにし
ている。

【００９３】なお、７８はヒット位置にボールＢが存在
することを確認するフォトセンサからなる投球ボールセ
ンサで、側板７２の内面側に設けられている。また、７
９はモータの基準位置を上記当接片７７１を検出するこ
とで確認するフォトセンサからなる基準位置センサで、
当接片７７１が真上に位置したとき、この当接片７７１
が発光部と受光部との隙間を通過するような位置関係と
なるようにブラケット７６１の上部適所に支持部材７９
１を介して設けられている。

【００９４】また、７５４は左右両側に設けられた一対
のガイドレールで、左右それぞれの投球手段７のガイド
レール７５２から連続するように配設されるとともに、
支持輪９３のさらに外周側にボールＢが通過し得るに十
分で、かつ横方向に脱落しない程度の隙間を有して下部
から上部に亘つて半円状に形成されているものである。
各ガイドレール７５４は２本のパイプや棒状体から構成
され、それらはボールＢの直径に比して多少狭い寸法〜
半径程度の所定寸法だけ離間して平行にされている。そ
して、ボールＢはこれら２本のパイプの間に挾まれた
（ガイドされる）状態で回転しながら、投球手段７から
上部の払出部８へ案内されるようになっている。

【００９５】以上の構成において、投球手段７の動作に
ついて説明すると、先ず、スプリング７１６の圧縮力で
投球アーム７４が水平に向けられた状態にあり、この状
態で、配給手段６からボールＢが一対のガイドレール７
５１に沿ってヒット位置まで案内されてくると、このボ
ールＢが投球ボールセンサ７８で検出される。ボールＢ
の存在が確認されると、投球モータ７６が回転を開始
し、当接片７７１が係合用突起７２３ａに回転力を伝達
することで、投球アーム７４が、図１４において半時計
回り方向に回転させられる。そして、投球アーム７４が
半回転、すなわち反対方向に水平になると、投球アーム
７４の回転は投球モータ７６の駆動力からスプリング７
１６の圧縮力によって受け継がれ、投球アーム７４の回
転速度は上昇して元の位置まで復帰し、このときボール
Ｂを力強くヒットする。投球モータ７６は当接片７７１
が上方向位置まで回転して基準位置センサ７９で検出さ
れると停止される。ヒットされたボールＢはガイドレー
ル７５２及びそれに連続するガイドレール７５４に沿っ
て上方に案内され、払出部８に到達する。

【００９６】次に、図１６〜１８を用いて払出部の構造
を説明する。図１６は払出部の落下路構造を示す分解斜
視図、図１７はボール振り分け部の分解斜視図、図１８
はボール振り分け機構部を示す図で、（ａ）は底面図、
（ｂ）は正面図である。

【００９７】払出部８は、図２に示すように、本ゲーム
機１の最上部に配設され、ガイドレール７５４からボー
ルＢを受け取るとともに、この受け取ったボールＢを固
定円盤部３のアクリル板３１間まで導くためのものであ
る。

【００９８】図１６において、払出部８の落下案内路８
０はガイドレール７５４の２本のパイプ上端を挾み込む
ようにして配置される一対の平行な垂直基板８００を有
する。なお、説明の便宜上、図１６には一方側しか示し
ていないが、図１６と同様な構成が２本のパイプを挾ん
で互いに対向するように支持輪９３に取付けられてい
る。

【００９９】垂直基板８００は、図１６に示すように、
その中央上部には、四角形状の切欠き８０１ａが形成さ
れ、中央下部には下端から四角形状の切欠き８０１ｂが
形成されている。切欠き８０１ａは、図１７、図１８に
示すボール振り分け機構部８１から振り分けられたボー
ルを、この落下案内部８０に導くものである。

【０１００】垂直基板８００の前面であって、切欠き８
０１ａの直ぐ下方には、垂直基板８００の面を利用して
筒状に囲まれたボール落下通路を形成するための断面コ
字状の通路部８０２が取り付けられている。この通路部
８０２は、後述するボール振り分け機構部８１によって
前面側に振り分けられたボールをＢを確実に通路内に導
く当たり板８０２ａを有するとともに、下端は切欠き８
０１ｂの直ぐ上辺まで延長されているものである。そし
て、この通路部８０２の下端の出口にほぼ連続するよう
に、かつ切欠き８０１ｂを囲むようにして断面コ字状の
合流路部８０３が取り付けられている。この合流路部８
０３は上面が開口しており、前板部は途中から下方にか
けて垂直基板８００側に傾斜されている。そして、この
切欠き８０１ｂによって、前後それぞれの側に振り分け
られて落下してきたボールＢを合流させて垂直基板８０
０の真下、すなわち固定円盤部３のアクリル板３１間に
案内するようにしている。

【０１０１】また、合流路部８０３乃至は垂直基板８０
０の適所には、合流路部８０３の下端の合流路から落下
するボールＢを検出するフォトセンサからなるボール落
下センサ８０４が取り付けられている。

【０１０２】合流路部８０３の左右位置となる垂直基板
８００にはイルミネーショントとしてのライト８０５が
支持部材８０５ａを介して取り付けられている。また、
８０６は払出部８を覆うパネルで、垂直基板８００の前
後両側に配設されるものである。このパネル８０６は上
下位置にそれぞれ開口８０６ａ，８０６ｂが形成されて
おり、上開口８０６ａにはゲームの愛称その他必要に応
じて種々の文字図形が表記された装飾板８０７が取り付
けられている。また、下開口８０６ｂには２文字分の表
示を行うための、ＬＥＤセグメントからなる表示部８０
８が支持枠８０８ａを介して取り付けられている。な
お、表示部８０８は、ビンゴゲームが１〜２５の数字を
用いて行われるものである場合には、２桁の数字を表示
可能にする、いわゆる８文字を表現可能なセグメントか
ら構成されているものである。この表示部８０８にはボ
ールＢが捕獲されたボール収納部２０の持つ固有符号が
表示されるようになっている。

【０１０３】続いて、図１７、図１８によりボール振り
分け部８１の構造について説明する。なお、図１８
（ｂ）では支持板８１２は省略されている。

【０１０４】８１０は方向変更部で、天井板８１０とボ
ール当接板８１１とを有している。天井板８１０は中央
に軸孔８１０ａ及びその両側に対向して２個の取付け孔
８１０ｂが形成されているとともに、前端側が左方向に
延設され、後端側が右方向に延設された腕板部８１０ｃ
を備えている。ボール当接板８１１は、上端が天井板８
１０の左右端に取り付けられ、そこから垂設されてい
る。このボール当接板８１１は、左右側から案内されて
くるボールＢの方向を下方に向けるためのもので、上端
から垂直下方向に伸び、その途中でそれぞれ外側に屈曲
されて、ほぼ３０°〜４５°までの範囲内の適宜な傾斜
を有して上方の天井板８１０の高さ位置まで延設されて
いる。上記傾斜角度は、左右方向から案内されてくるボ
ールＢの速度や下方に配置される後述の振り分け板８１
７及び通路部８０２の位置等によって設定される。

【０１０５】天井部８１０の中央前後部にはガイドレー
ル７５４との支持を行うための支持板８１２が垂設さ
れ、左右の延設部８１０ｃにはセンサ取付け板８１３が
垂設され、このセンサ取付け板８１３にはボール当接板
８１１の斜辺部の下方を検出可能にするフォトセンサか
らなる払出ボールセンサ８１４がそれぞれ取り付けられ
ている。この払出ボールセンサ８１４はボール当接板８
１１に当接したボールＢが進行方向を大きく下方に方向
変換されたことを検出するものである。

【０１０６】８１５は公知のロータリソレノイドで、電
気的なオン信号を入力すると、基部８１５ａに対してロ
ータリプランジャ８１５ｂが所定角度、例えば９０°だ
け回転し、オフにすると元の角度位置まで回転して復帰
するものである。このロータリソレノイド８１５はその
上部のネジ１８１５ａを天井板８１０の固定孔８１０ｂ
に通してボルトで締結されることにより、天井板８１０
から垂直下方に取り付けられている。

【０１０７】筒体８１６はロータリプランジャ８１５ｂ
に一体回転可能に嵌着されているもので、その下部には
所定長さ分だけ平坦部８１６ａが形成されている。８１
７は長尺の板状体からなる振り分け板で、長さ方向中央
で上記筒体８１６の平坦部８１６ａにロータリプランジ
ャ８１５ａの軸回りに水平回転するように取り付けられ
ている。この振り分け板８１７は筒体８１６に取り付け
られる中央平板部８１７ａを備えるとともに、その両端
部がほぼ９０°乃至は鈍角に周方向同じ側にそれぞれ屈
曲された屈曲板部８１７ｂを必要に応じて有する。

【０１０８】この振り分け板８１７は、基準位置とし
て、図１８（ａ）に示すように、左右方向に対してほぼ
４５°だけ振らした角度位置にセットされている。そし
て、ボール当接板８１１で進行方向を大きく下方に向け
られたボールＢをこの中央平板部８１７ａに当接させる
ことで、前後面側に進行方向を更に振らせるようにして
いる。例えば、図１８（ｂ）において、左側から案内さ
れてきたボールＢに対しては、先ず、ボール当接板８１
１でその進行方向を右下に変更させ、さらに、振り分け
板８１７で前側（図１８（ａ）の底面図では上方）に振
らせる。これによって、左側から案内されてきたボール
Ｂは図１６の左側の通路部８０２を通って合流路部８０
３に案内されることとなり、一方、図１８において、右
側から案内されてきたボールＢは後側（図１８（ａ）の
底面図では下方）に振られ、これによって、図１６の右
側にある図略の通路部８０２を通って合流路部８０３に
案内される。このように、左右から投球されるボールＢ
に対して前後異なる通路を経由して固定円盤部３に導く
ことで無作為性を一層向上させている。

【０１０９】なお、投球手段７が動作してボールＢを打
ち出した後、払出ボールセンサ８１４がそのボールＢの
検出したにも拘らず、ボール落下センサ８０４がそのボ
ールＢを検出しないときは、この払出部８内でボールＢ
が不用意な振舞いをし、詰まった可能性もあることか
ら、この場合には、ロータリソレノイド８１５をオンさ
せて、振り分け板８１７を９０°回転させて（図１８
（ａ）の仮想線で示す）、可及的にボール詰まりを解消
するようにしている。

【０１１０】図１９は、ゲーム機構部１のメカ処理部の
ブロック構成図である。このメカ処理部は、ゲーム機構
部１の支持部９の内部適所に配設されており、ゲーム機
構部１のシーケンス動作を統括的に制御するメカＣＰＵ
１ａを備えるとともに、時間管理のためのタイマ１ｂ及
びゲーム機構部１のゲームシーケンスプログラムが記憶
されたゲームＲＯＭ１ｃを備える。このゲームＲＯＭ１
ｃには、また、２５個のボール収納部２０のそれぞれと
対応させた固有符号が、両者を対応させて記憶されてい
る。また、メカＣＰＵ１ａには、ゲーム機構部１の全て
のセンサとスイッチが接続されており、これらから種々
の情報を取り込むとともに、これらの情報に基づいてシ
ーケンスプログラムが実行されて、駆動部である夫々の
モータやソレノイドに駆動信号を出力し、更に、表示系
に表示信号を送出するようになっている。また、メカＣ
ＰＵ１ａは、ボールセンサ９５と基準位置センサ９６と
からの検出信号からボールＢを捕獲しているボール収納
部２０を割り出し、このボール収納部２０に付された固
有符号を上記ゲームＲＯＭ１ｃから出力するようにして
いる。なお、ゲーム機構部１のゲーム遂行のための各部
の動作については、後述のフローチャートを用いて説明
する。

【０１１１】図２０は、操作・表示部１０の処理部のブ
ロック構成図である。この処理部は各ゲーム端末機１０
１，１０２，…に設けられているものである。

【０１１２】１１はゲーム端末機の表示部１０１ａへの
ゲーム処理内容の表示や操作指示に応じた表示内容の変
更を統括的に制御する操作・表示ＣＰＵで、選出された
符号と一致する符号を有するマスの照合、有効な符号の
マスの表示、勝敗の判別及び払出メダル数の計算などゲ
ーム遂行に要求される基本的なゲームルールにしたがっ
た処理及びその内容を表示し、またプレーヤによって、
後述するような操作指示に対する処理を実行するための
ゲームＲＯＭ１２及び処理途中の内容を一時的に格納す
るＲＡＭ１３を有している。ゲームＲＯＭ１２は、また
各画面を構成する画像データを保管しており、ゲーム進
行乃至はプレーヤからの操作に応じた画面表示を行うと
ともに、後述するようにビンゴカードに関する種々のデ
ータが格納されている。操作・表示ＣＰＵ１１は、タッ
チパネル１０１ｄからの反射波の計測時間情報を取り込
んで表示部１０１ａ表示内容との位置の照合を行うとと
もに、メダル投入口の内部に設けられたメダル投入セン
サ１４及びメダル払い出し部１５に接続されてメダルの
投入（ゲーム開始）の判定と払い出し枚数の管理を行
う。更に、操作・表示ＣＰＵ１１は、メカＣＰＵ１ａと
交信を行い、必要な情報を得るようにしている。

【０１１３】本ビンゴ遊戯機のゲーム操作について、図
２１〜図２４を用いて説明する。

【０１１４】先ず、ビンゴゲームは最低１人から、最大
ゲーム端末機の台数分の人数まで同時にゲーム可能であ
る。そして、メダルが投入されると、図２１に示すよう
なゲームセレクト画面が表示される。セレクト可能なゲ
ームは「ラインビンゴ」、「エリアビンゴ」及び「キ
ノ」の３種類であり、それぞれのゲーム内容及び賭け
（ベット）可能な乃至は必要なメダル数が枠で囲まれて
表示されている。プレーヤがいずれかの枠内の適当な位
置を押下すると、操作・表示ＣＰＵ１１によってその位
置が確認されて、その枠で囲まれたゲーム内容のゲーム
画面に移行する（図２２〜図２４）。

【０１１５】図２２は「ラインビンゴ」がセレクトされ
た場合、図２３は「エリアビンゴ」がセレクトされた場
合、図２４は「キノ」がセレクトされた場合の画面であ
る。このセレクト画面では、所定時間内にセレクト処理
が実行されなければ、今回のゲームには参加できず、そ
の次のゲームまで待つようになる。

【０１１６】図２２に示す「ラインビンゴ」では、画面
中央に５×５マスのビンゴカードが表示される。ビンゴ
カードとは、行、列方向に同一数のマスを有し、そのマ
スにそれぞれ異なる符号が付されたものである。このゲ
ームは、ビンゴカードの数字が、前記ゲーム機構部１に
よって選出された１０球のボールの数字（本発明では、
ボールＢを捕獲したボール収納部２０の持つ固有符号の
意味であり、以下の説明においても同様である。）と一
致し、かつその数字がビンゴカード上でいずれか（縦、
横、斜めの合計１２ライン存在する）のラインで並びが
完成したら勝ちとなって、メダルの払い戻しが行われ、
１０球のボールによってもいずれのラインも並びが完成
できなければ負けとなるものである。ベットはメダル１
枚で１ライン有効となり、９枚で９ライン有効となり、
最大１０枚では１２ラインが有効となるようにして、現
在の所有メダル数に応じたゲームができるようにしてあ
る。

【０１１７】更に、このビンゴカードの各行の左右側に
は移動指示手段としての「矢印マーク」が表示されてお
り、これを押圧する毎に、操作・表示ＣＰＵ１１は、そ
の行が１マスずつ矢印で示す方向に移動するように表示
を変更させ、これにより自己に有利と考える数字の配列
を得ることも可能となる。新たに表示される数字は、移
動によって消えた数字をそのままの配列のものである。
なお、新たに表示される数字として、移動によって消え
た数字をランダムに並び換えたものでもよい。すなわ
ち、操作・表示ＣＰＵ１１は、消去された数字をその列
方向にランダムにあるいは所定の関係を用いて振り分け
て再配列する変更処理を実行し、処理後の配列で数字表
示を行う。

【０１１８】ビンゴカードの表示位置の直ぐ下にはゲー
ムの進行状況を示すボールの投球数が示されており、過
去の履歴は、上方に「１８」，「９」，「２８」，……
の如く順番に表示されている。ボールの投球回数はゲー
ム機構部１で計数されており、その計数値を受信するよ
うにしてもよく、あるいは選出符号が伝送されてくる毎
にその伝送回数を計数して得ることもできる。更に、自
己のビンゴカード上でも、既に一致した数字のマスは他
の不一致のマスに対して識別可能な態様、例えば色、明
度を変えて、あるいは点滅や特異なマーク表示等で表示
され、プレーヤの把握容易を助けている。

【０１１９】表示面の最下位置には、ボール何球まで
「矢印マーク」に対する操作が可能かが示されており、
対応する位置が他の位置の表示と区別可能な態様、例え
ば色、明度を変えて、あるいは点滅等で表示される。操
作・表示ＣＰＵ１１は、操作可能な時点を経過する（そ
の分のボールの投球が終了する）と、「矢印マーク」を
画面から消去させ、その旨を明確に示すようにしてい
る。何球まで「矢印マーク」の操作の受付を可能とする
かによって、獲得できるメダル数は異なっており、球数
が小さい場合ほど高い。

【０１２０】表示面の最上位置には、スコア、すなわち
獲得メダル数が表示されており、ボールの球数が少なく
てライン並びが完成されるほど払い戻しメダル数が多く
なっている。また、並びが完成したライン内にゴールド
カードが含まれていると、通常倍率に２〜５倍の倍率が
更に加算される。

【０１２１】図２３に示す「エリアビンゴ」では、５×
５の数字が並んだマスの専用カードで、３マス〜６マス
の単位で分割ラインによって数エリアに区切られてお
り、それぞれのエリアは識別容易乃至はゲーム性を高め
る意味で異なる色で表示するようにし、これにより色の
境界線で分割ラインを作成している。本実施例では６エ
リアに区切られている。この専用カードは、エリアデー
タとともにゲームＲＯＭ１２内に複数保管されており、
ゲームの都度、異なる専用カードが表示されるようにな
っている。また、ビンゴカードとエリアとの少なくとも
一方を複数種類ゲームＲＯＭ１２に記憶しておき、１回
のゲーム毎に、操作・表示ＣＰＵ１１によって、ビンゴ
カードと分割ラインの少なくとも一方を変更させること
で細かい変更が可能となる。

【０１２２】専用カードの表示領域の左右には賭け操作
を行うための賭け入力エリアが設けられており、それぞ
れは、専用カードの各エリアの表示色と同一の色で表示
され、いずれのエリアに対応するかの識別が容易にされ
ている。賭け操作は、所望する倍率の表示エリアを押
し、次いで、「ＢＥＴ」表示枠内を所要回数（１〜２０
回）押すことで、押圧数に応じたメダル枚数を賭けたこ
ととなる。表示面の下部には賭け枚数のトータル数が表
示されるようになっている。

【０１２３】ゲームが進行して、順次、ボールの数字が
選出されると、選出された数字と一致する専用カード内
の数字のマスは他の不一致のマスに対して識別可能な態
様で表示されるとともに、その数字が含まれる賭け入力
エリアにも、その数字が履歴として表示される。なお、
最新に選出された数字は各賭け入力エリアの右端から現
われて左側へ詰めるように移動表示され、これにより
今、選出された数字がどこのエリアかが直ちに識別でき
るようにしている。

【０１２４】ゲームの勝敗は、ボール１０球分が終了し
た時点で、エリア内の数字が全て選出されたエリアが対
象となり、かつ、それらのエリア内の数字の合計が最大
であるエリアに対して、プレーヤが賭けていたかどうか
で決定され、このエリアを賭けていたプレーヤが勝ちと
なり、その他は全て負けとなる。なお、勝った場合に、
そのエリア内にゴールドボールが含まれていると、倍率
が更に２倍となるようにしている。

【０１２５】エリア内の数字の合計が大きいほど、倍率
は基本的に低く設定されている。例えば、「４」，「１
７」，「６」の数字を持つエリア（合計で２７）の倍率
は「×２０」であり、一方、「１６」，「２１」，「１
０」，「２３」，「２２」，「３」の数字を持つエリア
（合計で９５）の倍率は「×２」である。

【０１２６】図２４に示す「キノ」では、５×５の数字
が並んだマスの専用カードで、プレーヤはベット時間中
に１〜２５の内から所望する数字のマスを、１〜最大で
１０個所まで押してセレクトすることでゲームに参加で
きるようになっている。表示面の下部の「ＡＵＴＯ Ｓ
ＥＬＥＣＴ」表示枠を押したときは自動的に５個の数字
がセレクトされるようになっており、この表示枠を押す
毎に異なる５個の数字がセレクトされるようになってい
る。セレクトされた数字のマスは他のマスとは異なる態
様で表示され、識別可能にされている。

【０１２７】なお、ゲーム開始時に「ＢＯＮＵＳ ＯＤ
ＤＳ」が点灯すると、倍率が２倍になるようになってい
る。そして、選出されたボールの数字１０個の内、何個
が一致したかで、勝敗が決せらるようになっている。ま
た、倍率はベット枚数に応じて大きくなるようにされて
おり、かつ、本実施例では、ベット枚数が１〜３では一
致した数が４個以上で勝ちとなり、ベット枚数が４〜６
では一致した数が３個以上で勝ちとなり、ベット枚数が
７〜１０では一致した数が２個以上で勝ちとなり、しか
も、一致数によって倍率が順次高くなるように設定され
ている。

【０１２８】表示面の上部には、順次選出されるボール
の数字が履歴として表示され、最新の数字は右端から左
に詰めるように移動させて、１０個の数字が一列に表示
し得るようにしている。なお、セレクトした数字にゴー
ルドボールが含まれた場合には、上記「エリアビンゴ」
の場合と同様に倍率が加算されるようになっている。

【０１２９】それぞれのゲームにおいては、「ただいま
何球目」というゲーム中であることを指示するメッセ
ージの一例が表示されており、かつゲームが終了する
と、ゲーム終了画面が表示され、この画面に払い出しの
メダル枚数が表示される。

【０１３０】続いて、図２５〜図３０のフローチャート
を用いてゲーム動作を説明する。図２５は、メインフロ
ーチャートで、メカ側と操作・表示側の双方の手順を示
している。

【０１３１】先ず、新しいゲーム開始指示が行われる
（ステップＳ２）。すなわち、ゲーム機構部１（メカ
側）は、ゲーム端末機側でのベットの有無に関わりなく
所定の周期で一連の動作を繰返し実行しており、その周
期の開始時点でこの開始指示情報をゲーム端末機側に通
信する。そして、ゲーム開始指示の後、所定のベット時
間の計時を開始し（ステップＳ４）、ベット時間が経過
すると（ステップＳ６でＹＥＳ）、ベット時間終了指示
をゲーム端末機側に通信する（ステップＳ８）。

【０１３２】ゲーム端末機側では、新しいゲーム開始指
示情報を受けると、新しいゲームが開始されたとして
（ステップ＃２）、メダル投入の確認を条件に、ゲーム
画面の表示が行われる（ステップ＃４）。このゲーム画
面は、先ずゲームセレクト画面であり、プレーヤによる
タッチパネル１０１ｄへのセレクト操作によって３種類
のゲームから１つのゲームが選択され、続いて、ベット
受付開始状態に移行する（ステップ＃６）。この状態
で、ベット時間内に（ステップ＃８でＮＯ）、選択され
たゲームに対して所要のベット操作が施されると、ゲー
ムに参加できる。そして、ベット時間が終了すると（ス
テップ＃８でＹＥＳ）、ベットの有無が判別され、ベッ
ト有りであれば（ステップ＃１０でＹＥＳ）、表示画面
がゲーム中を示すメッセージ表示に移行し（ステップ＃
１２）、一方、その間に、ベット無しであれば、今回の
ゲームでは不参加となり、＃２に戻って、次回のゲーム
待ちとなる。

【０１３３】一方、ゲーム機構部１では、ベット時間が
終了すると、続いて、回転ホイール部２の左回転が開始
され、ボールＢを１球ずつ投球手段７にセットする「ボ
ールセット」処理（ステップＳ１２）が実行され、その
ボールＢを投球する「投球」処理（ステップＳ１４）が
実行される。そして、投球されたボールＢがいずれかの
ボール収納部２０で捕獲されると、ボール収納部２０の
ボール捕獲を確認する「ボール確認」処理（ステップＳ
１６）が実行され、更に、この処理に基づいて当該ボー
ル収納部２０の持つ固有符号が、ボール番号として検出
されて、ボール番号指示が行われる（ステップＳ１
８）。すなわち、この固有符号が、選出されたボール番
号情報としてゲーム端末機側に通信される。

【０１３４】ゲーム端末機側では、受信したボール番号
を確認すると（ステップ＃１４でＹＥＳ）、前述した図
２２〜図２４のようにボール番号表示等の表示処理が実
行される（ステップ＃１６）。

【０１３５】続いて、ゲーム機構部１では、最初の５球
分の投球が終了したかどうかが判別され（ステップＳ２
０）、終了していなければ、ステップＳ２０に戻って、
同様の処理が実行される。一方、最初の５球分の投球が
終了しておれば、更に、左右両方からの投球が終了した
かどうかが判別され（ステップＳ２２）、両方、すなわ
ち１０球分の投球が終了していれば、ステップＳ２６に
移行する。他方、一方側のみの終了であれば、続いて、
残り５球の投球処理が実行される。すなわち、回転ホイ
ール部２の回転方向、配給手段６及び投球手段７の動作
の切り換えが行われ（ステップＳ２４）、次いで、回転
ホイール部２の右回転が開始されて（ステップＳ１
０）、ステップＳ１２〜ステップＳ２０が繰返し行われ
る。そして、１０球分の投球が終了すると（ステップＳ
２２でＹＥＳ）、ステップＳ２６に移行して、ゲーム終
了処理が指示され、このゲーム終了情報をゲーム端末機
側に通信した後、「ボール回収」処理（ステップＳ２
８）が実行されて本フローチャートを終了する。

【０１３６】ゲーム端末機側では、ゲーム終了を示す情
報を受けるとゲーム終了として（ステップ＃１８でＹＥ
Ｓ）、ゲーム結果に応じた払い出し画面の表示が行われ
（ステップ＃２０）、賭けに負けた場合には、その旨の
表示が行われるのみであり、一方、賭けに勝った場合に
は、メダル払い出し部１５を介して所定枚数のメダルの
払い戻しが行われる（ステップ＃２２）。そして、払い
出しの終了を確認して本フローチャートを終了する。

【０１３７】図２６は「イニシャライズ」のサブルーチ
ンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、
メイン電源のオンを条件にスタートするもので、特に、
回転ホイール部２の位置確認と、ゴールドボールの保管
アドレスの確認のために実行される。

【０１３８】先ず、配給手段のボール保管部材６１の回
転っ基準位置の検出が行われた後（ステップＳ４２）、
回転ホイール部２の回転基準位置の検出が行われる（ス
テップＳ４４）。これにより、被検出部材２８を有する
基準となるボール収納部２０の回転位置が追跡可能とな
る。次いで、配給手段６から１個ずつボールＢが投球手
段７に供給されて、全てのボールＢの投球が行われる
（ステップＳ４６）。この投球動作が終了すると、回転
ホイール部２の右回転が開始され（ステップＳ４８）、
回収タイミングセンサ５５がオンすると（ステップＳ５
０でＹＥＳ）、ボール収納部２０と回収通路５７とが対
面したとして、回転ホイール部２の回転が停止される
（ステップＳ５２）。そして、ロックソレノイド５４が
オンされて（ステップＳ５４）、揺動腕５２がロックさ
れた後、回転ホイール部２の左回転が開始される（ステ
ップＳ５６）。このため、ボール収納部２０からボール
が回収機構部５に回収され、回収通路５７を通過する際
に、ゴールドボールセンサ５８によって、回収中のボー
ルＢがゴールドボールかどうかが判別される（ステップ
Ｓ５８）。ゴールドボールであれば、このボールを収納
保管する、配給手段６のボール保管部材６１の保管アド
レスをセット（格納）する（ステップＳ６０）。この保
管アドレスは、基準位置センサ６５と回転センサ６５と
から特定される。ゴールドボールでなければ、ステップ
Ｓ６０をスキップしてステップＳ６２に進む。ステップ
Ｓ６２では、ボールセンサ６２により保管場所に確実に
ボールＢが収容保管されたことが検出される。

【０１３９】ボールＢの保管が確認されると、回転ホイ
ール部２の左回転が停止され（ステップＳ６４）、一
方、配給モータ６３の回転が開始され（ステップＳ６
６）、回転センサ６５が周方向への１／１０回転を検
出、すなわちボール保管部材６１の保管場所１個分だけ
回転され（ステップＳ６８でＹＥＳ）、この位置で、ボ
ールＢが既に保管されていることがボールセンサ６２に
より検出されれば（ステップＳ７０でＹＥＳ）、次の保
管場所まで回転され、保管場所が空であれば（ステップ
Ｓ７０でＮＯ）、そこにボールＢを収納、保管するべく
配給モータ６３の回転が停止され（ステップＳ７２）、
ボールＢが回収、保管される。そして、全てのボールＢ
の回収が終了したかどうかが判別され（ステップＳ７
４）、そうでなければ、ステップＳ５６に戻って同様の
処理が実行され、１０個のボール全ての回収、保管が確
認されると、本フローチャートを終了する。なお、全ボ
ールの回収の有無は、一例として、ステップＳ６２での
検出回数が１０回に達したかどうかで判別するようにす
ればよい。

【０１４０】図２７は、図２５における「ボールセッ
ト」のサブルーチンを示すフローチャートである。先
ず、配給モータ６３の回転が開始され（ステップＳ９
０）、これに伴って、回転センサ６５が周方向１／１０
回転分だけ回転したかどうかが判別され（ステップＳ９
２）、すなわち次のボール保管場所がボール排出口６０
３に対向すれば、ボール供給センサ６２により、そのボ
ール保管場所にボールＢが存在するかどうかの判別が行
われる（ステップＳ９４）。

【０１４１】これらの検出によって、順次ボールＢの保
管された場所がボール排出口６０３に対向される。そし
て、この対向位置で、配給モータ６３の回転が停止され
る（ステップＳ９６）。次いで、開閉ソレノイド６８の
オンによって蓋板６７２が開成され（ステップＳ９
８）、これにより、ボールＢが１個だけ排出される。続
いて、投球ボールセンサ７８によるボールＢの投球部へ
のセット状態が検出される（ステップＳ１００）。ボー
ルＢのセットが確認されると、開閉ソレノイド６８のオ
フによって蓋板６７２が閉塞されて（ステップＳ１０
２）、本フローチャートを終了する。

【０１４２】図２８は、図２５における「投球」のサブ
ルーチンを示すフローチャートである。先ず、投球アー
ム７４が回転開始され（ステップＳ１１０）、基準位置
センサ７９がオンしたかどうかが判別される（ステップ
Ｓ１１２）。すなわち、投球モータ７６が駆動されて投
球アーム７４が基準位置から回転を開始し、ほぼ１回転
して駆動力伝達部材７７の当接片７７１が基準位置セン
サ７９で検出されると、投球動作は終了し、かつ初期位
置に復帰したとして、投球モータ７６の回転が停止され
る（ステップＳ１１４）。

【０１４３】図２９は、図２５における「ボール確認」
のサブルーチンを示すフローチャートである。先ず、払
出ボールセンサ８１４がオンしたかどうかが判別される
（ステップＳ１２０）。オンしなければオンするまで待
機し、オンすると、続いて、ボール落下センサ８０４が
オンしたかどうかが判別される（ステップＳ１２２）。
払出ボールセンサ８１４がオンしたにも拘らず、ボール
落下センサ８０４がオンしなければ、払出部８のどこか
途中でボールＢが詰まったものと見做して、ロータリソ
レノイド８１５をオンして振り分け板８１７を回転操作
させる（ステップＳ１２４）。

【０１４４】ボール落下センサ８０４がオンすれば、振
り分け板８１７を通過したので、ロータリソレノイド８
１５がオフにされて（ステップＳ１２６）、元の位置に
復帰される。次いで、基準位置センサ９６がオンしたか
どうかが判別され（ステップＳ１２８）、オンしている
と、続いて、ボールセンサ９５によってボールＢがいず
れかのボール収納部２０へ捕獲されたことが検出される
（ステップＳ１３０）。すなわち、払出部８から落下さ
れたボールＢはいずれかのボール収納部２０で捕獲され
ることとなるが、そのボール収納部２０の特定は、回転
ホイール部２の基準となるボール収納部２０との相対位
置関係によって決定される。そして、ボール収納部２０
が特定されると、そのボール収納部２０の持つ固有符号
が得られ、この固有符号が、ボール番号としてゲーム端
末機側に送信される。なお、イニシャライズ処理によっ
て、回転ホイール部２の基準ボール収納部２０の位置は
追跡可能状態にあるので、この追跡情報を利用すれば、
ステップＳ１２８は除いてもよい。

【０１４５】図３０は、図２５における「ボール確認」
のサブルーチンを示すフローチャートである。先ず、回
転ホイール部２の右回転が開始され（ステップＳ１４
０）、回収タイミングセンサ５５がオンすると（ステッ
プＳ１４２でＹＥＳ）、ボール収納部２０と回収通路５
７とが対面したとして、回転ホイール部２の回転が停止
される（ステップＳ１４４）。そして、ロックソレノイ
ド５４がオンされて（ステップＳ１４６）、揺動腕５２
がロックされた後、回転ホイール部２の左回転が再開さ
れる（ステップＳ１４８）。このため、ボール収納部２
０からボールが回収機構部５に回収され、ボールセンサ
６２により保管場所に確実にボールＢが収容保管された
ことが検出される（ステップＳ１５０）。

【０１４６】ボールＢの保管が確認されると、続いて、
回転ホイール部２の回転が停止され（ステップＳ１５
２）、配給モータ６３の回転が開始され（ステップＳ１
５４）、回転センサ６５が周方向への１／１０回転を検
出、すなわちボール保管部材６１の保管場所１個分だけ
回転され（ステップＳ１５６でＹＥＳ）、この位置で、
ボールＢが既に保管されていることがボール供給センサ
６２により検出されれば（ステップＳ１５８でＹＥ
Ｓ）、次の保管場所まで回転され、保管場所が空であれ
ば（ステップＳ１５８でＮＯ）、配給モータ６３の回転
が停止され（ステップＳ１６０）、ボールＢが回収、保
管される。そして、全てのボールの回収が終了したかど
うかが判別され（ステップＳ１６２）、そうでなけれ
ば、ステップＳ１４８に戻って同様の処理が実行され、
１０個のボール全ての回収、保管が確認されると、本フ
ローチャートを終了する。

【０１４７】なお、本発明は、以下の態様を採用するこ
ともできる。

【０１４８】（１）ゴールドボールは特に採用しなくて
もよいものであり、これにより磁気センサを不要とする
こともできる。また、ゴールドボールの検出は、磁気的
手段に限定されず、ボールの色や重量を他のボールと変
えたものでもよく、これらの場合、色センサや負荷セン
サ等で識別すればよい。

【０１４９】（２）本実施例では、落下体として球状の
ボールを採用したが、ボールに限定されず、同一形状を
有しておれば、円盤状のものや多角形状のもの、乃至は
扁平状のものを採用してもよい。形状も同一であること
が好ましいが、所要の無作為性が得られれば、特に、こ
れに限定されるものでもない。

【０１５０】（３）固定円盤部３は回転ホイール部２と
一体で回転するようにされものでもよく、このようにす
れば、支持部９と固定円盤部３との連結機構を省略して
簡素化が図れる。

【０１５１】（４）本実施例では、１０球のボールを使
用しているが、球数はこれに限定されるものではなく、
ゲーム及びマスの数（一般に、自然数の自乗の数）に応
じて適宜のボール個数を採用することができる。また、
ボールが前半と後半において、前後面に振り分けている
が、中間から一律に払い出しするようにして構成を簡易
にしてもよい。

【０１５２】（５）本実施例では、前半と後半で投球手
段７を使い分けているが、１台の投球手段で行うように
して構成の簡素化を図ってもよい。また、１台の投球手
段で左右側に投げ分けるようにしてもよい。この場合、
ボールの投球手段への配給を真上から行い、左右側にボ
ールガイドを対称に設け、かつ投球アームを左右両方向
に回転可能にすればよい。

【０１５３】（６）投球動作は回転式の投球アームによ
らず、ソレノイドのプランジャ等の往復運動を利用し、
その先端で押し出すようにして、その分構成が簡素化を
図ってもよい。

【０１５４】（７）ボールの回収、保管は周方向環状に
１０個並べる方式に代えて、円筒状の収納筒に一列にあ
るいは二列に並べ、下（上）から、あるいは一方の列か
ら１個ずつ押出し棒等で順次押し出して供給するように
してもよい。

【０１５５】（８）本実施例では、３種類のゲームがセ
レクト可能に行えるようにしたものであるが、専用のビ
ンゴカードを用いるものであれば、種々の形態のビンゴ
ゲームに適用可能である。

【０１５６】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、表示部に
表示されたビンゴカード上の符号と無作為に選出される
複数の固有符号との一致を照合し、それらの一致状況に
基づいてゲームの勝敗を決するビンゴ遊戯機において、
円盤面が垂直面上で回転し、それぞれ固有符号が付され
た落下体収納部が環状に複数配設されたルーレット部
と、上記ルーレット部に向けて落下体を供給する供給手
段と、上記供給手段から供給され、上記円盤面に沿って
落下された落下体を捕獲した上記落下体収納部の持つ固
有符号を出力する固有符号出力手段とを備え、落下体を
円盤面に沿って落下させ、かつ、落下体収納部を回転さ
せているので、落下体がいずれの落下体収納部に捕獲さ
れるかの無作為性を確保することができる。また、落下
体収納部に固有符号を持たせた構成としたので、従来の
ように落下体個々に対する符号識別手段を別途設ける必
要がなく、構成の簡素化が図れる。

【０１５７】請求項２記載の発明によれば、落下体を、
固定円盤部を経由した後、その周囲を回転している落下
体収納部に導くように構成したので、より無作為性を高
めることができる。

【０１５８】請求項３記載の発明によれば、落下体を表
裏２枚の円板の間を落下させる構成としたので、落下体
の落下体収納部への捕獲が確実となる。

【０１５９】請求項４記載の発明によれば、固定円盤部
を落下中に落下体に不規則な落下動作を与えることで、
無作為さがより確保される。

【０１６０】請求項５記載の発明によれば、落下体をル
ーレット部の上端から円盤面上に落下させるので、その
間の落下距離、時間が長くでき、無作為さがより向上す
る。

【０１６１】請求項６記載の発明によれば、投球手段を
ルーレット部の下方に設けたので、無作為性を醸し出
せ、また、上部に設ける場合に比して落下体の保管場所
の確保が容易となり、更に、特に装置が大型の場合等、
一旦収納された落下体の回収を容易にすることができ
る。

【０１６２】請求項７記載の発明によれば、落下体の供
給経路を左右に振り分けて設けることで無作為性を高め
ることができる。

【０１６３】請求項８記載の発明によれば、落下体の供
給経路を左右に振り分けることに応じてルーレット部の
回転方向も切り換えることで無作為性をより一層高かめ
ることが可能となる。

【０１６４】請求項９記載の発明によれば、勝敗の決定
後に回収開口を閉塞状態から開成状態に切り換え、回収
開口から回収通路を介して回収された落下体の全てを保
管し、更に１個ずつ投球手段に導く構成としたので、落
下体の自動的な循環供給が可能となり、実用性の高い遊
戯機を提供することができる。

【０１６５】請求項１０記載の発明によれば、落下体を
捕獲した落下体収納部の固有符号を、予め落下体収納部
と対応して記憶している記憶手段から出力させる構成と
したので、固有符号の検出及びその出力処理が容易とな
る。

【０１６６】請求項１１記載の発明によれば、落下体の
捕獲の有無を、単にセンサで検出することで、構成の簡
素化が図れる。

【０１６７】請求項１２記載の発明によれば、落下体の
捕獲の有無を検出するセンサをルーレット部の周囲に複
数個設けた構成としたので、その落下体収納部の検出が
回転方向の直ぐ下流側に設けられたセンサで可能とな
り、その分、検出時間の短縮が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るビンゴ遊戯機の外観斜視図を示
す。

【図２】ゲーム機構部の概略構成を示す正面図である。

【図３】図２から支持部の構造を抽出した正面図であ
る。

【図４】回転円盤部の概略斜視図である。

【図５】回転円盤部のボール収納部の分解斜視図であ
る。

【図６】回転円盤部のボール収納部の背面図である。

【図７】回転機構部の主要部を示す分解斜視図である。

【図８】回転ホイール部の外周部周辺を示す断面図で、
（ａ）は主ローラ部による回転ホイール部の支持状態
を、（ｂ）は補助ローラ部による回転ホイール部の支持
状態を、（ｃ）はスリップリング部との接触状態を示す
各断面図である。

【図９】回収機構部の分解斜視図である。

【図１０】（ａ）は回収機構部の正面図、（ｂ）はその
左側面図である。

【図１１】配給手段の分解斜視図である。

【図１２】配給手段の正面一部断面図である。

【図１３】投球手段の分解斜視図である。

【図１４】ボールのガイド構成を説明する正面図であ
る。

【図１５】投球手段の右側面図である。

【図１６】払出部の落下路構造を示す分解斜視図であ
る。

【図１７】ボール振り分け部の分解斜視図である。

【図１８】ボール振り分け機構部を示す図で、（ａ）は
底面図、（ｂ）は正面図である。

【図１９】ゲーム機構部のメカ処理部のブロック構成図
である。

【図２０】操作・表示部の処理部のブロック構成図であ
る。

【図２１】表示部に表示されるゲームセレクト画面を示
す図である。

【図２２】「ラインビンゴ」がセレクトされた場合の画
面を示す図である。

【図２３】「エリアビンゴ」がセレクトされた場合の画
面を示す図である。

【図２４】「キノ」がセレクトされた場合の画面を示す
図である。

【図２５】メカ側と操作・表示側の双方の手順を示すメ
インフローチャートである。

【図２６】「イニシャライズ」のサブルーチンを示すフ
ローチャートである。

【図２７】「ボールセット」のサブルーチンを示すフロ
ーチャートである。

【図２８】「投球」のサブルーチンを示すフローチャー
トである。

【図２９】「ボール確認」のサブルーチンを示すフロー
チャートである。

【図３０】「ボール回収」のサブルーチンを示すフロー
チャートである。

【符号の説明】

１ ゲーム機構部 １Ａ ルーレット部 １Ｂ ボール供給部 １ａ メカＣＰＵ １ｂ タイマ １ｃ ゲームＲＯＭ ２ 回転ホイール部 ２Ａ，２Ｂ 環状板 ２Ｃ 内板 ２Ｃｏ 捕獲口 ２０ ボール収納部 ２４，２５ 入口ロック部材 ２４２，２５２ 爪部材 ２４４，２５４ スプリング ２６ 出口ロック部材 ２６２ 爪部材 ２６４ コイルバネ ２７ａ ＬＥＤ ２７ｂ ＥＬ板 ２８ 被検出部材 ２８２ 検出片 ３ 固定円盤部 ３１ アクリル板 ３２ 連結ピン ３２ａ 風車 ４ 回転機構部 ４０ ホイールモータ ４１ 駆動ローラ部 ４２ 従動ローラ部 ４４，４５ 補助ローラ部 ４１４ａ，４１４ｂ，４２４ａ，４２４ｂ，４４３ 円
板 ４１５ａ，４１５ｂ，４２５ａ，４２５ｂ，４４４ ロ
ーラ ４６３ａ，４６３ｂ カーボンロッド ４７ａ，４７ｂ スリップリング ５ 回収機構部 ５１ 当接コロ ５２ 揺動腕 ５２２ 揺動軸 ５２３ ロック孔 ５４ ロックソレノイド ５５ 回収タイミングセンサ ５６ スプリング ５７ 回収通路 ６ 配給手段 ６０ ボックス ６０３ ボール排出口 ６１ ボール保管部材 ６１３ 分割アーム ６２ ボール供給センサ ６３ 配給モータ ６５ 回転センサ ６６ 基準位置センサ ６５１，６６１ 回転板 ６７２ 蓋板 ６８ 開閉ソレノイド ７ 投球手段 ７２３ 回転円板 ７２３ａ 係合用突起 ７３ 回転軸 ７４ 投球アーム ７５１，７５２，７５４ ガイドレール ７６ 投球モータ ７７ 駆動力伝達部材 ７７１ 当接片 ７８ 投球ボールセンサ ７９ 基準位置センサ ８ 払出部 ８０ 落下案内部 ８００ 垂直基板 ８０１ａ，８０１ｂ 切欠き ８０２ 通路部 ８０３ 合流路部 ８０４ ボール落下センサ ８０８ 表示部 ８１ ボール振り分け部 ８１０ 方向変換部 ８１１ ボール当接板 ８１４ 払出ボールセンサ ８１５ ロータリソレノイド ８１７振り分け板 ９ 支持部 ９１ 基台 ９２ 支持板 ９３ 支持輪 ９５ ボールセンサ ９６ 基準位置センサ １０ ゲーム操作・表示部 １０１ａ 表示部 １０１ｂ パネル部 １０１ｃ メダル払い出し口 １０１ｄ タッチパネル １１ 操作・表示ＣＰＵ １２ ゲームＲＯＭ １４ メダル投入センサ １５ メダル払い出し部 Ｂ ボール

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−307078（ＪＰ，Ａ) 特開 昭49−73248（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−24179（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭52−11487（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭26−4874（ＪＰ，Ｂ１)

Claims (12)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表示部に表示されたビンゴカード上の符
   号と無作為に選出される複数の固有符号との一致を照合
   し、それらの一致状況に基づいてゲームの勝敗を決する
   ビンゴ遊戯機において、円盤面が垂直面上で回転し、そ
   れぞれ固有符号が付された落下体収納部が環状に複数配
   設されたルーレット部と、上記ルーレット部に向けて落
   下体を供給する供給手段と、上記供給手段から供給さ
   れ、上記円盤面に沿って落下された落下体を捕獲した上
   記落下体収納部の持つ固有符号を出力する固有符号出力
   手段とを備えてなることを特徴とするビンゴ遊戯機。
2. 【請求項２】 上記ルーレット部は、中央部分の固定円
   盤部と、この固定円盤部の外周側に、回転自在に支持さ
   れ、かつ上記落下体収納部を有する環状の回転円盤部と
   からなることを特徴とする請求項１記載のビンゴ遊戯
   機。
3. 【請求項３】 上記固定円盤部は、表裏２枚の円板が並
   設されてなり、その並設間寸法が上記落下体収納部の上
   記表裏方向における収納口寸法に一致していることを特
   徴とする請求項２記載のビンゴ遊戯機。
4. 【請求項４】 上記固定円盤部は、上記２枚の円板の間
   に、上記落下体の落下方向を変更する複数の方向変更部
   材が介設されていることを特徴とする請求項３記載のビ
   ンゴ遊戯機。
5. 【請求項５】 上記供給手段は、上記ルーレット部の上
   端から円盤面上に落下させる落下部を備えていることを
   特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載のビンゴ遊戯
   機。
6. 【請求項６】 上記供給手段は、上記落下体を上記ルー
   レット部の下方から打ち上げて上記落下部に導く投球手
   段を備えていることを特徴とする請求項５記載のビンゴ
   遊戯機。
7. 【請求項７】 上記投球手段は、所定個数の落下体を左
   右方向から交互に上記落下部に導くようになされている
   ことを特徴とする請求項６記載のビンゴ遊戯機。
8. 【請求項８】 請求項７記載のビンゴ遊戯機において、
   上記投球手段による上記落下体の左右方向の打ち上げに
   対応して上記ルーレット部の回転方向を切り換える方向
   制御手段を備えていることを特徴とするビンゴ遊戯機。
9. 【請求項９】 請求項６乃至８のいずれかに記載のビン
   ゴ遊戯機において、上記落下体収納部の外側には回収開
   口が形成され、一方、上記ルーレット部の円盤面の下端
   位置であって、上記回収開口に臨む位置には回収通路が
   設けられており、上記回収開口には、上記勝敗の決定後
   に上記回収開口を閉塞状態から開成状態に切り換える回
   収手段が設けられ、上記供給手段は、上記回収開口から
   上記回収通路を介して回収された落下体の全てを保管す
   るとともに、１個ずつ上記投球手段に導く配給手段を備
   えていることを特徴とするビンゴ遊戯機。
10. 【請求項１０】 上記固有符号出力手段は、上記落下体
    収納部と固有符号とを対応させて記憶する記憶手段と、
    上記供給手段より落下された落下体を捕獲した落下体収
    納部を検出する捕獲収納部検出手段と、上記落下体が捕
    獲された落下体収納部の固有符号を上記記憶手段から出
    力させる符号出力手段とを備えていることを特徴とする
    請求項１〜９のいずれかに記載のビンゴ遊戯機。
11. 【請求項１１】 上記捕獲収納部検出手段は、上記ルー
    レット部の回転位置に近接して設けられ、捕獲された落
    下体の有無を検出するセンサであることを特徴とする請
    求項１０記載のビンゴ遊戯機。
12. 【請求項１２】 上記センサは上記ルーレット部の周囲
    に複数個設けられていることを特徴とする請求項１１記
    載のビンゴ遊戯機。