JP2578463Y2 - 板材加工機のワークテーブル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、プレス成形機の如き板
材加工機のワークテーブル装置に関し、特に加工板材を
一つの座標軸方向に移動可能に支持する板材加工機のワ
ークテーブル装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プレス成形機等の板材加工機には、パン
チとダイとによるプレス加工部の如き板材加工部に対し
て加工板材をワークキャレッジ等によりワークパスライ
ンに沿って座標軸方向へ移動させることにより、加工板
材の所定位置に加工を施こすよう構成された被加工物移
動式のものがある。

【０００３】この種の板材加工機に於いては、ワークテ
ーブル装置は加工板材をワークパスライン高さ位置にて
座標軸方向に移動可能に支持するよう構成され、このワ
ークテーブル装置は、多くの場合、テーブル部材と板材
加工部との干渉防止のために、全部、或はタレットティ
スクパンチプレスに於けるセンタテーブルの如く、一部
が固定テーブルとして構成され、固定テーブルに於いて
は、ワークパスラインに沿って延在するワークテーブル
面にて加工板材をフリーベアリング等により滑動可能に
支持するように構成されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上述の如きワークテー
ブル装置に於ける板材支持は、フリーベアリング等によ
るポイントサポートにより行われることになり、この場
合は、打ち抜き製品のミクロジョイントがフリーベアリ
ングに引っかかってこれが外れたり、打ち抜き製品の寸
法が小さいと、打ち抜き製品がフリーベアリング間に落
下するために打ち抜き寸法の下限が生じる欠点がある。
またフリーベアリング上を加工板材が滑動る際に、加工
板材にすり傷が生じる虞れがあり、更に騒音も生じる問
題がある。

【０００５】また従来のワークテーブル装置に於いて
は、何れのものの、ワークテーブル面に沿った加工板材
の移動のために、加工板材の支持面、即ち下底面に突起
がなく、下底面が平面であることを要求するから、バー
リング成形、ランス成形、ルーパ成形等の突出成形を下
向きに行うこと、即ち加工板材より下方に突起が生じる
下向き成形加工を行うことを拒否する。

【０００６】また、固定テーブルの場合は、ワークキャ
レッジにワーククランプ手段、オーバライド検出部材な
どとの干渉回避のために、上下動機構を設ける必要があ
る。

【０００７】本考案は、従来の被加工物移動式板材加工
機のワークテーブル装置に於ける上述の如き問題点に着
目してなされたものであり、ミクロジョイントを破壊し
たり、加工板材にすり傷を与えることなく小寸法の打ち
抜き製品も確実に支持し、しかも下向き成形加工が行わ
れることを許容する板材加工機のワークテーブル装置を
提供するとを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本考
案によれば、加工板材を一つの座標軸方向に移動可能に
支持する板材加工機のワークテーブル装置に於いて、ワ
ークパスラインに沿って延在してワークテーブル面をな
すワーク支持部を含み、前記ワーク支持部が加工板材の
移動方向と同方向へ移動するフロント側ワーク支持ベル
トとリヤ側ワーク支持ベルトを有すると共に、前記両ワ
ーク支持ベルト間において加工板材の移動方向に対して
直交する方向に延在して下部金型部のテーブル面をなす
ベルトを有し、前記ベルトは下部金型キャリヤ部材の移
動と同期して下部金型キャリヤ部材の移動方向と同方向
へ同速度にて移動するよう構成されていることを特徴と
する板材加工機のワークテーブル装置によって達成され
る。

【０００９】

【作用】上述の如き構成によれば、フロント側ワーク支
持ベルトとリヤ側ワーク支持ベルトのワーク支持部が加
工板材を面状に連続的に水平支持し、ワーク支持部が加
工板材の移動方向に同方向へ移動し、加工板材の移動に
際して加工板材とこれを支持するフロント側およびリヤ
側ワーク支持ベルトのワーク支持部との間に相対変位が
生じることがない。

【００１０】また、ワーク支持部が例えばフロント側及
びリヤ側ワーク支持ベルト毎に個々にワークパスライン
に整合する高さ位置より選択的に降下し、この降下によ
り下向き成形加工による加工板材よりの下方突起を受け
入れ、ワーク支持部による加工板材の水平支持を維持す
る。

【００１１】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１２】図１は本考案に係るワークテーブル装置を
プレス式の両面成形加工機に適用した一実施例を示して
いる。

【００１３】両面成形加工機はベッド部材１上にリニア
ガイド部３に案内されてＸ軸座標方向へ往復動可能なワ
ークキャリレッジスライダ５を有している。ワークキャ
レッジスライダ５は、複数のワーククランプ７により加
工板材Ｗを着脱可能にワークパスラインＰＬ（図３参
照）に沿って水平支持するようになっており、図示され
ていないボールねじを介してＸ軸サーボモータ９により
Ｘ軸座標方向へ往復駆動されるようになっている。

【００１４】ベッド部材１には門型フレーム１１がベッ
ド部材１をＹ軸座標方向に跨ぐようにして取付けられて
いる。また、ベッド部材１内には門型フレーム１１と同
位置にてベッド部材１をＹ軸座標方向に横切って延在す
る下部フレーム１３（図３参照）が設けられている。

【００１５】門型フレーム１１にはリニアガイド部１５
（図３参照）により上部金型キャリヤ部材１７が、また
下部フレーム１３にはリニアガイド部１９（図３参照）
により下部金型キャリヤ部材２１がそれぞれＹ軸座標方
向に往復動可能に取付けられりている。

【００１６】上部金型キャリヤ部材１７と下部金型キャ
リヤ部材２１はワークパスラインＰＬを挾んで上下に整
合対向し、上部金型キャリヤ部材１７はパンチの如き上
部金型２３（図３参照）を交換可能に支持し、下部金型
キャリヤ部材２１はダイの如き下部金型２５（図３参
照）を交換可能に支持するようになっている。上部金型
キャリヤ部材１７は、図示されていないが、上部金型２
３を打圧するためのラム等を含む打圧機構を内蔵してお
り、また下部金型キャリヤ部材２１は下部金型２５をワ
ークパスラインＰＬの高さ位置に整合する上昇位置とこ
れより例えば３０ｍｍ程度下方の降下位置との間に上下
動させる金型上下動アクチュエータ２７を内蔵してい
る。

【００１７】門型フレーム１１にはＹ軸サーボモータ２
９が取付けられている。Ｙ軸サーボモータ２９は、ベル
ト式同期駆動装置３１により上部ボールねじ３３（図３
参照）と下部ボールねじ３５（図３参照）とに同期駆動
連結され、上部金型キャリヤ部材１７と下部金型キャリ
ヤ部材２１とをＹ軸座標方向へ互いに同期往復駆動する
ようになっている。

【００１８】また、上部金型キャリヤ部材１７に於ける
上部金型２３と下部金型キャリヤ部材２１に於ける下部
金型２５は、それぞれ垂直な中心軸線周りに回転可能に
なっており、門型フレーム１１に取付けられたインデッ
クスモータ３７によりそれぞれ割出し回転駆動され、回
転姿勢を可変設定されるようになっている。

【００１９】また、ベット部材１の一方の側には金型ス
トッカ３９が設けられており、金型ストッカ３９に貯蔵
されている上部金型２３と下部金型２５は図示されてい
ない金型自動交換装置により上部金型キャリヤ部材１７
と下部金型キャリヤ部材２１とに交換可能に自動装着さ
れている。

【００２０】図２〜図４は本実施例に係るワークテーブ
ル装置の要部を示している。このワークテーブル装置は
ワークキャレッジスライダ５による加工板材Ｗの移動方
向（Ｘ軸座標方向）に直交する方向、即ちＹ軸座標方向
に細分化されてベッド部材１内に配置された多数のフロ
ント側ワーク支持ベルト４１ｆおよびリヤ側ワーク支持
ベルト４１ｒを有している。換言すれば、多数のフロン
ト側ワーク支持ベルト４１ｆおよびリヤ側ワーク支持ベ
ルト４１ｒはそれぞれＹ軸座標方向に所定間隔をおいて
互いに平行に配置されている。

【００２１】フロント側ワーク支持ベルト４１ｆおよび
リヤ側ワーク支持ベルト４１ｒはそれぞれ所定の幅を有
するゴム等の可撓性帯体により構成されて無端状をな
し、フロント側ワーク支持ベルト４１ｆは４個のプーリ
４３，４５，４７，４９間に、またリヤ側ワーク支持ベ
ルト４１ｒは４個のプーリ５１，５３，５５，５７間に
それぞれ巡回走行可能に掛け渡されている。

【００２２】各フロント側ワーク支持ベルト４１ｆのプ
ーリ４３，４９と各リヤ側ワーク支持ベルト４１ｒのプ
ーリ５１，５７は下部フレーム１３の両側に配置された
プーリ支持部材５９，６１により回転可能に支持され、
プーリ４５，５３とプーリ４７，５５はそれぞれベット
部材１のＸ軸座標方向の両端部に上下に配置されてい
る。

【００２３】各フロント側ワーク支持ベルト４１ｆはプ
ーリ４３と４５の間、各リヤ側ワーク支持ベルト４１ｒ
はプーリ５１と５３間にてはワークパスラインＰＬに沿
ってＸ座標方向に水平に延在しており、この領域でＸ軸
方向に可動のワークテーブル面をなすワーク支持部４１
を構成している。

【００２４】プーリ支持部材５９，６１とプーリ４５，
５３はそれぞれ上下動流体圧シリンダ装置６３，６５，
６７，６９と連結され、これら流体圧シリンダ装置によ
り上下駆動されるようになっている。このプーリ支持部
材５９，６１とプーリ４５，５３の上下駆動により、各
フロント側ワーク支持ベルト４１ｆと各リヤ側ワーク支
持ベルト４１ｒはそれぞれ個別に、ワークパスラインＰ
Ｌに整合する上昇位置とこれより例えば３０ｍｍ程度下
方の降下位置との間に水平状態を保って上下動すること
になる。

【００２５】プーリ４７と５５はベルトテンション維持
用流体圧シリンダ装置７１，７３に連結されてＸ軸座標
方向へ変位可能になっており、ベルトテンション維持用
流体圧シリンダ装置７１，７３によるプーリ４７と５５
のＸ軸方向変位により、プーリ４３，４５，４９とプー
リ５１，５３，５７の移動に拘らず各フロント側ワーク
支持ベルト４１ｆと各リヤ側ワーク支持ベルト４１ｒの
テンションが所定の一定値に保たれるようになってい
る。

【００２６】さらに、本実施例に係るワークテーブル装
置は、ワークキャリレッジスライダ５による加工板材Ｗ
の移動方向（Ｘ軸座標方向）に直交する方向、即ちＹ軸
座標方向にベッド部材１内に配置されたＹ軸方向ベルト
７５を有している。

【００２７】Ｙ軸方向ベルト７５はフロント側ワーク支
持ベルト４１ｆのプーリ４３とリヤ側ワーク支持ベルト
４１ｒのプーリ５１との間、即ちフロント側ワーク支持
ベルト４１ｆとリヤ側ワーク支持ベルト４１ｒが存在し
ないギヤップＧに対応する幅を有するゴム等の可撓性帯
体により構成され、下部金型キャリヤ部材１７における
下部金型２５の支持部分を空間にして下部金型キャリヤ
部材１７にボルト等により固定されると共に図４に示さ
れているように、プーリ７７，７９間に走行可能に掛け
渡されその両端部が巻取りドラム８１，８３に連結され
ている。

【００２８】Ｙ軸方向ベルト７５のプーリ７７，７９と
巻取りドラム８１，８３はそれぞれベッド部材１のＹ軸
座標方向の両端部に上下に配置されている。

【００２９】Ｙ軸方向ベルト７５はプーリ７７，７９間
にてワークパスラインＰＬより、例えば３０ｍｍ程度下
方でＹ軸座標方向に水平に延在しており、この領域にて
Ｙ軸座標方向に可動のテーブル面をなすようになってい
る。

【００３０】プーリ７７，７９はそれぞれ上下動流体圧
シリンダ装置８５，８７と連結され、これら流体圧シリ
ンダ装置８５，８７により上下駆動されるようになって
いる。このプーリ７７，７９と下部金型キャリヤ部材２
１に上下駆動により、Ｙ軸方向ベルト７５は水平状態を
保って上下動することになる。

【００３１】Ｙ軸サーボモータ２９の駆動によりＹ軸方
向ベルト７５をＹ軸座標方向へ下部金型キャリヤ部材２
１と同期往復駆動すると共に、プーリ７７，７９の移動
に拘らずＹ軸方向ベルト７５のテンションが所定の一定
値に保たれるようになっている。

【００３２】つぎに、上述の如き構成よりなるワークテ
ーブル装置を備えた両面成形加工機の動作について説明
する。

【００３３】ワーククランプ７により加工板材Ｗをクラ
ンプし、加工板材Ｗをワークキャリレッジスライダ５に
セットする。これにより加工板材Ｗはワークキャレッジ
スライダ５と連結され、上昇位置にある各フロント側ワ
ーク支持ベルト４１ｆと各リヤ側ワーク支持ベルト４１
ｒに面状接触し、フロント側ワーク支持ベルト４１ｆと
リヤ側ワーク支持ベルト４１ｒ上に載置されてワークパ
スラインＰＬに整合する高さ位置に水平に支持される。

【００３４】Ｘ軸サーボモータ９によるワークキャレッ
ジスライダ５のＸ軸座標方向移動により加工板材Ｗはワ
ークパスラインＰＬに沿ってＸ軸座標方向に移動し、Ｙ
軸サーボモータ２９による上部金型キャリヤ部材１７と
下部金型キャリヤ部材２１のＹ軸座標方向移動により、
上部金型キャリヤ部材１７の上部金型２３と下部金型キ
ャリヤ部材２１の下部金型２５がＹ軸座標方向に移動す
る。この上部金型キャリヤ部材１７と下部金型キャリヤ
部材２１のＹ軸座標方向の移動時には、サーボモータ８
９，９１によるＹ軸方向ベルト７５の巻取りにより、Ｙ
軸方向ベルト７５が上部キャリヤ部材１７と下部金型キ
ャリヤ部材２１のＹ軸座標方向の移動と同期して同方向
へ移動する。そして、加工板材Ｗの所定位置に上部金型
２３と下部金型２５によってパンチ加工等の成形加工が
行われる。

【００３５】ワークキャレッジスライダ５による加工板
材ＷのＸ軸座標方向の移動時には、下部金型キャリヤ部
材２１の下部金型２５とＹ軸方向ベルト７５は金型上下
動アクチュエータ２７と上下動流体圧シリンダ装置８
５，８７によりワークパスラインＰＬより下方の位置に
降下され、これにより加工板材Ｗと下部金型２５との接
触により加工板材Ｗに傷が付くことが回避される。

【００３６】各フロント側ワーク支持ベルト４１ｆと各
リヤ側ワーク支持ベルト４１ｒは、加工板材Ｗの成形加
工中も加工板材Ｗの移動時に引き続いてワークパスライ
ンＰＬに整合する上昇位置にあって加工板材Ｗをワーク
パスラインＰＬに整合する高さ位置にて水平に支持す
る。

【００３７】これにより、多数個取りのパンチ加工等に
於いても加工板材Ｗに垂れが生じることが防止され、加
工精度の低下、ミクロジョイントの破壊が回避される。

【００３８】バーリング成形、ランス成形、ルーバ成形
等の下向き成形加工時には、下部金型キャリヤ部材２１
の下部金型２３は金型上下動アクチュエータ２７によ
り、下向き成形高さ分け下降される。この下向き成形加
工完了後には、図５に示されている如く、バーリング成
形、ランス成形、ルーバ成形等の下向き成形部Ｍに対応
する位置にあるフロント側ワーク支持ベルト４１ｆとリ
ヤ側ワーク支持ベルト４１ｒの上下動流体圧シリンダ装
置６３，６５，６７，６９によりプーリ支持部材５９，
６１、プーリ４５，５３が下降し、そのフロント側ワー
ク支持ベルト４１ｆとリヤ側ワーク支持ベルト４１ｒが
下向き成形部Ｍとの干渉を避けるべく水平降下する。こ
の下向き成形部Ｍに対応する位置にあるフロント側ワー
ク支持ベルト４１ｆとリヤ側ワーク支持ベルト４１ｒの
選択はＮＣプログラム等よりの指示により行われればよ
い。

【００３９】ワークキャレッジスライダ５にクランプ装
着された加工板材Ｗはワークキャレッジスライダ５よ取
り外されない限り、フロント側ワーク支持ベルト４１ｆ
とリヤ側ワーク支持ベルト４１ｒに対してＸ軸座標方向
にもＹ軸座標方向にも相対位置を変動することがないか
ら、下向き成形部Ｍに対応する位置にあるフロント側ワ
ーク支持ベルト４１ｆとリヤ側ワーク支持ベルト４１ｒ
が降下されると、この降下部が加工板材Ｗに下方へ突出
した下向き成形部を受入れ、加工板材Ｗに下方へ突出し
た下向き成形部Ｍが成形されても、加工板材Ｗは下向き
成形部Ｍが成形されていない部分を引き続きワークパス
ラインＰＬに整合する高さ位置にあるフロント側ワーク
支持ベルト４１ｆとリヤ側ワーク支持ベルト４１ｒによ
り引き続きワークパスラインＰＬに整合する高さ位置に
て水平に安定支持される。

【００４０】下向き成形部Ｍに対応する位置にあるフロ
ント側ワーク支持ベルト４１ｆとリヤ側ワーク支持ベル
ト４１ｒの降下量は、図６に示されている如く対応する
下向き成形部Ｍの成形高さに応じてそれぞれ個別に設定
されてよく、この場合は下向き成形部Ｍもフロント側ワ
ーク支持ベルト４１ｆとリヤ側ワーク支持ベルト４１ｒ
により支持される。

【００４１】なお、バーリング成形、ランス成形、ルー
バ成形等が上向き成形される場合は、フロント側ワーク
支持ベルト４１ｆとリヤ側ワーク支持ベルト４１ｒを降
下させる必要はない。

【００４２】図７及び図８は本考案に係るワークテーブ
ル装置の他の実施例を示している。なお、図７及び図８
において、図１〜図４に対応する部分は図１〜図４に付
した符号と同一符号により示されている。この実施例に
おいては、Ｙ軸方向ベルト９３が無端状をなし下部金型
２５の支持部分を空間にして、下部金型キャリヤ部材２
１にボルト等により固定されると共に、プーリ７７，７
９，９５，９７間に巡回走行可能に掛け渡されている。

【００４３】プーリ７７，７９とプーリ９５，９７はそ
れぞれヘッド部材１のＹ軸座標方向の両端部に上下に配
置されている。

【００４４】プーリ７７，７９はそれぞれ上下動流体圧
シリンダ装置８５，８７と連結され、これら流体圧シリ
ンダ装置８５，８７により上下駆動されるようになって
いる。また、プーリ９５，９７はベルトテンション維持
用流体圧シリンダ装置９９，１０１に連結されてＹ軸座
標方向へ変位可能になっており、ベルトテンション維持
用流体圧シリンダ装置９９，１０１による各プーリ９
５，９７のＹ軸方向変位により、プーリ７７，７９の移
動に拘らずＹ軸方向ベルト９３のテンションが所定の一
定値に保たれるようになっている。

【００４５】Ｙ軸方向ベルト９３にはプーリ９５，９７
間において所定幅を有するＹ軸座標方向の長孔１０３が
設けられている。これによりパンチ加工等の成形加工時
に発生するスクラップを下方へ落下させベルト９３上へ
の堆積が防止される。

【００４６】尚、この実施例においても、フロント側ワ
ーク支持ベルト４１ｆおよびリヤ側ワーク支持ベルト４
１ｒは、それぞれ個別に降下可能であるから、下向き成
形加工時には上述の実施例と同等の作用効果が得られ
る。

【００４７】上述の実施例においては、フロント側ワー
ク支持ベルト４１ｆ、リヤ側ワーク支持ベルト４１ｒお
よびＹ軸方向ベルト７５（９３）をゴム等の可撓性帯体
により構成されているが、フロント側ワーク支持ベルト
４１ｆとリヤ側ワーク支持ベルト４１ｒをブラシ付ベル
トにより構成してもよく、さらに、Ｙ軸方向ベルト７５
（９３）もブラシ付ベルトにより構成してもよい。この
場合は、例えば１０ｍｍ以内の成形高さの下向き成形加
工時ではフロント側ワーク支持ベルト４１ｆおよびリヤ
側ワーク支持ベルト４１ｒの水平降下を省略することが
できる。

【００４８】以上において、この考案を特定の実施例に
ついて詳細に説明したが、この考案は、これらに限定さ
れるものではなく、この考案の範囲内にて種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。

【００４９】

【考案の効果】以上の説明から理解される如く、本考案
による板材加工機のワークテーブル装置によれば、フロ
ント側ワーク支持ベルトとリヤ側ワーク支持ベルトのワ
ーク支持部が加工板材を面状に連続的に水平支持し、ワ
ーク支持部が加工板材の移動方向に同方向へ移動し、加
工板材の移動に際して加工板材とこれを支持するフロン
ト側およびリヤ側ワーク支持ベルトのワーク支持部との
間に相対的変位が生じることがないから、ミクロジョイ
ントを破壊したり、加工板材にすり傷を与えることなく
小寸法の打ち抜き製品も確実に支持され、しかも加工板
材の移動時に大きい騒音を生じることがない。

【００５０】また、ワーク支持部が細分化されたフロン
ト側ワーク支持ベルトおよびリヤ側ワーク支持ベルト毎
に個々にワークパスラインに整合する高さ位置より選択
的に降下し、この降下により下向き成形加工による加工
板材よりの下方突起を受け入れるから、下向き成形加工
時にもワーク支持部による加工板材の水平支持が維持さ
れ、下向き成形加工が行われることを許容するようにな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るワークテーブル装置をプレス式の
両面成形加工機に適用した一実施例を示す斜視図であ
る。

【図２】本考案に係る板材加工機のワークテーブル装置
の一実施例を示す概略平面図である。

【図３】図２のIII −III 線に沿った断面図である。

【図４】図２のIV−IV線に沿った断面図である。

【図５】本考案に係る板材加工機のワークテーブル装置
の一動作例を示す部分的側面図である。

【図６】本考案に係る板材加工機のワークテーブル装置
の他の動作例を示す部分的側面図である。

【図７】本考案に係る板材加工機のワークテーブル装置
の他の実施例を示す図３に対応する断面図である。

【図８】本考案に係る板材加工機のワークテーブル装置
の他の実施例を示す図４に対応する断面図である。

【符号の説明】

１ ベッド部材 ５ ワークキャレッジスライダ ９ Ｘ軸サーボモータ １１ 門型フレーム １３ 下部フレーム １７ 上部金型キャリヤ部材 １９ リニアガイド部 ２１ 下部金型キャリヤ部材 ２３ 上部金型 ２５ 下部金型 ２７ 金型上下動アクチュエータ ２９ Ｙ軸サーボモータ ３７ インナデックスモータ ３９ 金型ストッカ ４１ ワーク支持部 ４１ｆ フロント側ワーク支持ベルト ４１ｒ リヤ側ワーク支持ベルト ４３，４５，４７，４９，５１，５３，５５，５７ プ
ーリ ５９，６１ プーリ支持部材 ６３，６５，６７，６９ 上下動流体圧シリンダ装置 ７１，７３ ベルトテンション維持用流体圧シリンダ装
置 ７５，９３ Ｙ軸方向ベルト ７７，７９，９５，９７ プーリ ８１，８３ 巻取ドラム ８５，８７ 上下動流体圧シリンダ ８９，９１ サーボモータ ９９，１０１ ベルトテンション維持用流体圧シリンダ
装置 １０３ 長孔

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 加工板材を一つの座標軸方向に移動可能
   に支持する板材加工機のワークテーブル装置において、
   ワークパスラインに沿って延在してワークテーブル面を
   なすワーク支持部を含み、前記ワーク支持部が加工板材
   の移動方向と同方向へ移動するフロント側ワーク支持ベ
   ルトとリヤ側ワーク支持ベルトを有すると共に、前記両
   ワーク支持ベルト間において加工板材の移動方向に対し
   て直交する方向に延在して下部金型部のテーブル面をな
   すベルトを有し、前記ベルトは下部金型キャリヤ部材の
   移動と同期して下部金型キャリヤ部材の移動方向と同方
   向へ同速度にて移動するよう構成されていることを特徴
   とする板材加工機のワークテーブル装置。