JP2577217B2 - 歯科用器具の消毒殺菌装置 - Google Patents

歯科用器具の消毒殺菌装置

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は歯科医が使用する歯科用器具、例えば、歯
科用ハンドドリルユニツトのハンドピース、或はその他
の治療器具等の使用後の汚れた部分を、オゾンガスで局
部的に消毒殺菌する装置に関するものである。
従来の技術 前記歯科用ユニツトのハンドピースは、その頭部に、
小さなドリルを着脱自在に取付けるためのチヤツク、及
びこれを高速回転するための空気タービン装置、或はド
リルの先端を冷却するための装置等、厳密な機械部分か
らなつているため、精度上これを高温に加熱して殺菌す
ると、各部に歪が生ずるので、それを行うことが困難で
ある。
そのため、このハンドピースの頭部をオゾンガスで殺
菌することも考えられるが、この場合はオゾンガスの発
生装置がコロナ放電極と誘導電極とを空間を介して別体
で構成されているため大型となり、歯科用治療室の据付
面積の都合上、現在実用されている歯科用ユニツトにそ
れを併設することは実際上無理である。
発明が解決しようとする問題点 治療後における前述のハンドピースの汚れた部分を、
次の患者の治療前に消毒することは前述の理由で、実際
上極めて困難であり、このため前の患者の口内菌や口内
ビールス等が後の患者に、このハンドピースを介して入
り込むおそれがある。
本発明の目的は歯科医がその治療中、歯科用ハンドド
リルユニツトのハンドピース、或はその他の歯科用器具
をオゾンガスで局部的に殺菌消毒する装置を得ることで
ある。
他の目的は歯科医が治療中、簡単にハンドピーの把柄
部を指先でつまんで、その消毒殺菌装置に出し入れがで
きるようにすることである。
又、他の目的は殺菌消毒中にオゾンガスが治療室内に
もれて、歯科医ならびに患者の健康に悪影響を与えない
ようにすることである。
問題点を解決するための手段 この発明は殺菌室にハンドピース等の歯科用器具の出
入口を形成すると共に、オゾナイザの出口を連通せる歯
科用器具の殺菌消毒装置において、該殺菌室にオゾンキ
ラを連通し、又前記出入口に歯科用器具締付孔を有する
シヤツタを開閉自在に設け、該オゾナイザを、フアイン
セラミツク誘電体を介して面状誘導電極と、線状コロナ
放電極とを対設し、該両電極間に高周波高圧電源を接続
し、線状電極間にオゾン発生区域を形成し、更に必要に
応じて面状電極側に冷却装置を設けたものである。
作用 歯科用器具、例えば、歯科用ドリルユニツトのハンド
ピースの把柄部を握つて、その頭部を殺菌室内に挿入し
ておき、その状態でシヤツタを閉じ、シヤツタの締付孔
の部分でハンドピースの中程をその全周から締付けて挟
み込み、これによつて殺菌室を外気に対して密閉し、オ
ゾナイザで発生したオゾンガスを殺菌室内に供給して、
ハンドピースの頭部を消毒殺菌した後、オゾナイザ出口
から供給を停止し、殺菌室内のオゾンガスをそこからオ
ゾン除去部(以下オゾンキラと呼ぶ)に排出し、こゝで
加熱によるオゾンガスの破壊、又は触媒によるオゾンガ
スの分解あるいは吸着剤によるオゾンガスの吸着等によ
つてオゾンガスを完全に除去した上で、これをオゾンモ
ニタで確認し、外気中に放出するものである。
その後シヤツタを開き、ハンドピースの把柄を握つて
それを殺菌室内から外に取り出し、次の治療を開始する
ものである。
又、前述のオゾナイザ出口から供給されるオゾンガス
は、そのオゾナイザの酸素又は空気入口から送り込まれ
たものを、フアインセラミツク誘電体を介して配置され
た面状誘導電極と線状コロナ放電極、及びそれらの各電
極間に結合された高周波数高圧電源によつて、線状コロ
ナ放電極側のオゾン発生区域に生ずる沿面放電に作用さ
せて発生させるものである。
この際、フアインセラミツク誘電体のオゾンガス発生
区域と反対側の面は必要に応じ冷却装置によつて空冷、
水冷、電子冷却等任意の方法で冷却され、前記オゾンガ
ス化されたガス中のオゾンが、前記沿面放電時の発熱に
よつてもとの酸素ガスに戻ることを防止する。この場合
上記冷却効果が助長するため該フアインセラミツク誘電
体の冷却側に冷却フイン等を設けてもよいことは云うま
でもない。
実施例 円筒容器1の出入口2にシヤツタ3を設けて密閉可能
な殺菌室を形成する。シヤツタ3は一対の半円形摺動板
3a、3bを互に突き合せて設け、その突き合せ部に夫々ハ
ンドピース5の外径と適合する形状の締付孔6を形成す
ると共にゴム等の弾性パツキング7a、7bを設け、ハンド
ピース5の把柄5aを気密に締付可能にしてある。
又、各摺動板3a、3bは連杆8a、8bを介して駆動シリン
ダ9a、9b内のピストン10a、10bに結合されている。該駆
動シリンダ9a、9b内に図示されていない管から圧力流体
を送入、或は流出されて、各摺動板3a、3bを第2図の実
線の位置、或は鎖線の位置に摺動し、殺菌室4の出入口
2を開閉する。
この場合上記シヤツタを適当な如何なる構造のものを
用いてもよく、例えば多数の摺動片を円環状に配置して
開閉するカメラの絞り機構よりなるものを用いてもよい
ことは云うまでもない。殺菌室4にはオゾンガス供給口
11及びオゾンガス排出口12を設け、そのオゾンガス供給
口11から殺菌室4に供給されたオゾンガスは殺菌室4内
のハンドピース5の頭部5b及びドリル5cに付着したもの
を消毒殺菌し、その後殺菌室4内から排出される。
又、オゾンガス供給口11はオゾナイザ15の出口15aと
ガスパイプで連通されており、こゝで発生したオゾンガ
スは水中に泡状に放出する加湿瓶等の適当な加湿器16で
加湿された後、殺菌湿4内に供給され、殺菌効果を増大
する。
オゾナイザ15の入口15bを循環ポンプ17を介して殺菌
湿4に連通すると共に、空気供給バルブ14を介して順次
SO2をアンモニア等を吸着除去するための活性炭槽18、
モレキユラーシーブ又はシリカゲル等より成る除湿器1
9、吸引ポンプ20を接続し、吸引ポンプ20に吸引された
空気21を順次除湿及びSO2アンモニア除去ののちオゾナ
イザ15に供給し、オゾナイザ15で高濃度のオゾンを発生
する。この場合空気の代りにボンベ容器に収めた純酸
素、あるいは適当な酸素富化装置で空気中の酸素濃度を
上げたガスを用いてもよいことは云うまでもない。
オゾナイザ15は、第3図に示す如く、円筒型の高純度
アルミナ磁器等より成るフアインセラミツク誘電体22の
肉厚内に面状誘導電極23を埋設し、その内側に線状コロ
ナ放電極24を長手方向に複数本並行に設け、これらの両
電極23、24を高周波高圧電源25に接続し、該誘電体22の
内面に沿面放電を発生し、こゝに前記入口15bから送り
込まれた空気又は酸素21をオゾンガス化するものであ
り、この部分をオゾンガス発生区域とする。
この際、沿面放電によつて生ずる熱を、フアインセラ
ミツク誘電体22の外側に形成された、冷却フイン26及び
冷却フアン287からなる冷却装置によつて冷却し、前記
オゾンガスの発生効率を高めると共に、一旦発生したオ
ゾンガスが熱分解によつて酸素に戻ることを防止してい
る。この場合該円筒型フアインセラミツク誘電体22の外
側に水冷用ジヤケツトを用いて水冷にもよく、またその
誘電体22の外側に電子冷却用エレメントを設けて冷却し
てもよいことは云うまでもない。
一方殺菌室4に設けられた排出口12に順次排出バルブ
13、オゾンキラ28、オゾンモニタ29、及び排出ポンプ30
を接続し、排出バルブ13を開いたとき、殺菌室4内のオ
ゾンガスはオゾンキラ28内で酸素に分解し、オゾン濃度
が所定の価、例えば0.01ppm以下になり安全な状態にな
つたことを、オゾンモニタ29で確認してから外気に排出
する。
第5図に示す実施例は前述のシヤツタ3の摺動板3a、
3bに、他の摺動板3c、3dを重ねて設け、出入口2の密閉
度を増加すると共に、各摺動板3a、3bと他の摺動板3c、
3dの間に密閉空間31を形成し、こゝに通ずる空気管32
a、32bを設け、空気を出入して、殺菌室4の出入口2か
ら密閉空間31内に満一洩れたオゾンガスを治療室内に洩
れないようにする。その余の構造及び機能は夫々前述実
施例と同様である。
この場合該空気管32a、32bの双方から空気を外部に向
けて吸引することによりオゾンガスの治療室への洩れを
防いでもよいことは云うまでもない。
第6図に示す実施例は前述のシヤツタ3を環状の耐オ
ゾン性合成ゴム袋33で形成し、その外周縁34を殺菌室4
の出入口2に配設し、内周縁35でハンドピース5の把柄
5aを示付けるための締付孔36を形成し、上記ゴム袋33内
に流体パイプ37を連通し、こゝから圧力流体(圧縮空
気、圧力液体等)を給排させることによつて、前記出入
口2を開閉して、ハンドピース5を出入させると共に、
その把柄5aの周囲を気密に締付けるものである。
その余の構造及び機能は第1図乃至第4図の実施例と
同様である。
効果 この発明は上述の通りであるから、歯科用ハンドドリ
ルユニツトのハンドピース等の歯科用器具を治療の際、
殺菌室内に単に入れておくことによつて高濃度のオゾン
ガスで短時間に殺菌消毒することができる。従つて、加
熱によつて行う場合と比較して、精密構造のハンドピー
スの頭部でも、それを傷めることがない。
そのため、殺菌消毒を治療中でも確実に行うことがで
き、患者の口内菌ないし口内ビールスを他の患者にうつ
すことがない。
又、ハンドピースの把柄を外に露出したまゝにして、
その汚れた部分のみを局部的に殺菌消毒することができ
るので、極めて容易且つ短時間で殺菌操作を行うことが
でき、治療行為がし易くなる。
更に加湿器によって加湿されたオゾンガスによつて殺
菌消毒を確実にし、且つ使用中のオゾンの治療室への洩
れや、使用済のオゾンキラとオゾンモニタを殺菌室に連
通して使用済のオゾンによる危険防止を確認することが
でき、その安全性が大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の歯科用ハンドドリルユニツトのハンド
ピースの消毒殺菌装置の部分的縦断面図、第2図は第1
図のII−II線部の断面図、第3図は第1図の一部分の拡
大断面図、第4図は第3図のIV−IV線部の断面図、第5
図は第1図の一部分の他の実施例の縦断面図、第6図は
第5図の部分の更に他の実施例の縦断面図である。 2……出入口 3……シヤツタ 4……殺菌室 5……ハンドピース 6……締付孔 11……オゾンガス供給口 12……オゾンガス排出口 15……オゾナイザ 15a……出口 15b……入口 16……加湿器 21……空気 22……フアインセラミツク誘電体 23……面状誘導電極 24……線状コロナ放線極 25……高周波高圧電源 26……冷却フイン 28……オゾンキラ 29……オゾンモニタ 30……排出ポンプ

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オゾナイザの出口と連通せる殺菌室に歯科
    用器具の出入口を形成した歯科用器具の殺菌装置におい
    て、該オゾナイザの出口と、殺菌室のオゾンガス供給口
    の連通部に加湿器を介入し、該殺菌室にオゾンキラとオ
    ゾンモニタを連通し、該出入口に歯科用器具を気密に締
    付けるための締付孔を有するシャッタを設け、又該オゾ
    ナイザを、線状コロナ放電極と互いに対向する面状誘導
    電極との間にこれらと一体的に介在せるファインセラミ
    ック誘電体層と、該両電極間に設けられた高周波高圧電
    源と、該ファインセラミック誘電体層の該線状コロナ放
    電極を有する側の面に設けられた沿面放電発生区域とで
    形成し、該ファインセラミック誘電体層の該面状誘導電
    極の側の面にそれを冷却するための冷却手段を設けたこ
    とを特徴とする歯科用器具の消毒殺菌装置。
  2. 【請求項2】該セラミック誘電体層が、円筒状であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲1に記載の歯科用器具の
    消毒殺菌装置。
  3. 【請求項3】該円筒状のファインセラミック誘電体層の
    内側が該沿面放電発生域であることを特徴とする特許請
    求の範囲2に記載の歯科用器具の消毒殺菌装置。
  4. 【請求項4】オゾンキラが、その下流にオゾンガスのモ
    ニタを接続されていることを特徴とする特許請求の範囲
    第1から3までのいずれか1項に記載の歯科用器具の消
    毒殺菌装置。
  5. 【請求項5】歯科用器具の締付孔が、歯科用ハンドドリ
    ルユニットのハンドピースの把柄に適合する形状である
    ことを特徴とする特許請求の範囲1から3までのいずれ
    か1項に記載の歯科用器具を消毒殺菌装置。
  6. 【請求項6】歯科用器具の締付孔を有するシャッタが密
    閉空間を距てて二重に設けられ、該密閉空間に空気管が
    連通されていることを特徴とする特許請求の範囲1から
    3までのいずれさ1項に記載の歯科用器具の消毒殺菌装
    置。
  7. 【請求項7】歯科用器具のシャッタが環状ゴム袋で形成
    され、これに流体パイプが連通、されていることを特徴
    とする特許請求の範囲1から3までのいずれか1項に記
    載の歯科用器具の消毒殺菌装置。
  8. 【請求項8】オゾナイザの入口が環状ポンプを介して順
    次活性炭、除湿器、及び吸引ポンプと接続されているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲1から3までのいずれか
    1項に記載の歯科用器具の消毒装置。
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