JP2576890B2 - 可撓性膜堰 - Google Patents

可撓性膜堰

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JP2576890B2 JP15356588A JP15356588A JP2576890B2 JP 2576890 B2 JP2576890 B2 JP 2576890B2 JP 15356588 A JP15356588 A JP 15356588A JP 15356588 A JP15356588 A JP 15356588A JP 2576890 B2 JP2576890 B2 JP 2576890B2
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博道 原
克 金子
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、農業用水の取水のためや、河口での海水堰
止めのために、空気,水等の流体の送入,排出により膨
張,収縮する通常ゴム堰と称せられる可撓性膜堰に関す
るものである。
従来技術 ゴム堰では、第1図に示するように、その一部を河川
の巾方向に沿って河床コンクリート01に一体に取付ける
とともに河川の法面コンクリート02にゴム堰03の両端が
一体に取付けており、一方の法面コンクリート02aの流
体給排口04からゴム堰03内の流体を排出させてゴム堰03
を倒伏させる場合、ゴム堰03により堰止めされていた河
川等の水の圧力がゴム堰03に働き、第2図に図示される
ようにゴム堰自体が最も変形し易い河川巾方向中央部分
03aから下方へ倒伏を始め、この中央部分03aの上下両面
が相互に密着して両岸に接近したゴム堰両側端部03b,03
cが相互に分離されてしまう。
このため流体給排口04が開口している側のゴム堰側端
部03b内の流体は排出されるが、他方のゴム堰側端部03c
は密封状態となって、この側端部03c内の流体が残留し
てしまい、ゴム堰03は完全に倒伏しえない。
これを低コストで解決したもにとして、特公昭57-402
90号公報に記載されたゴム堰(第3図ないし第6図参
照)がある。
解決しようとする課題 第3図ないし第6図に図示された従来のゴム堰03で
は、河床コンクリート01に碇着されたゴム堰03の碇着部
03dの近くのゴム堰03の内面03eに河川の巾方向に沿って
スペーサ05が付設され、このスペーサ05はゴム堰03の倒
伏時の圧力でも閉塞しえない程度の剛性を有する中空ホ
ースよりなっており、ゴム堰中央部分03aが密着してい
ても、ゴム堰両側端部03b,03cはこのスペーサ05でもっ
て連通されているため、流体給排口04が開口していない
側のゴム堰側端部03c内の流体ものスペーサー05を介し
て排出可能となっている。
ところが、特にゴム堰03内に空気を送入したゴム堰03
では、ゴム堰03の頂端部03f内の空気と河川水との比重
の差によって、頂端部03fが第5図に図示されるように
浮き上がり、これにより碇着部03dに近い個所に03gにて
ゴム堰内面03eが相互に密接して空気残留部分03hが形成
されてしまい、ゴム堰03はやはり完全に倒伏しない。
課題を解決するための手段および作用効果 本発明はこのような難点を克服した可撓性膜堰の改良
に係り、流体の送入により起立し、排出により倒伏する
可撓性膜堰において、該可撓性膜堰内面にその長手方向
に沿って少なくとも1個の長手方向スペーサーが付設さ
れるとともに、前記可撓性膜堰内面にその周方向に沿っ
て少なくとも1個の可撓性周方向スペーサーが付設され
たことを特徴とするものである。
本発明では、流体の送入により起立し、排出により倒
伏する可撓性膜堰において、該可撓性膜堰内面にその長
手方向に沿って少なくとも1個の長手方向スペーサーを
付設するとともに、前記可撓性膜堰内面にその周方向に
沿って少なくとも1個の可撓性周方向スペーサーを付設
したため、該可撓性膜堰内よりの流体排出時に、前記可
撓性膜堰内面が部分的に密接して、この閉塞部でもって
前記可撓性膜堰内部に流体残留部が形成されていても、
前記スペーサーでもって該流体残留部は流体給排口に連
通される。
このように本発明においては、前記可撓性膜堰内部に
形成された流体残留部は前記スペーサーでもって流体給
排口に連通されているため、前記可撓性膜堰内の流体は
確実に排出され、該可撓性膜堰は完全に倒伏する。
また本発明では、前記可撓性膜堰を敷設している河床
コンクリートや法面コンクリートには、流体排出のため
の複雑な配管を必要としないため、コストが安く、工期
も短い。
実施例 以下第7図ないし第10図に図示された本発明の一実施
例について説明する。
可撓性膜堰の一種たるゴム堰1は河川巾方向に亘り河
床コンクリート5の頂面5aおよび法面コンクリート6の
法面6aとに水密に取付けられている。
前記したゴム堰1は、合成繊維等からなる1枚または
複数枚の帯状織布または繊維コード等よりなる補強層に
生ゴムを含浸し、これを2つ折りに重合せた状態で、加
硫成形した帯状ゴムシート2を主要構成部材としてい
る。
このような帯状ゴムシート2を用いて下記に示される
ような工程でゴム堰1が河床コンクリート5および法面
コンクリート6に敷設される。
まず第7図に一部図示されるように、法面コンクリー
ト6の法面6aに対応する帯状ゴムシート2の長手方向両
端部2aでは、その重合せ側縁部3の両側端部3aは帯状ゴ
ムシート2の折曲部4に向って斜めに切断され、この帯
状ゴムシート2の重合せ側縁部3が川上に位置した状態
で河床コンクリート5の頂面5aおよび法面コンクリート
6の法面6aに亘り押え金7が当てがわれ、河床コンクリ
ート5および法面コンクリート6に植設されたアンカー
ボルト8に前記重合せ側縁部3および押え金7が嵌合さ
れ、アンカーボルト8にナット9が螺合緊締される。
また左岸法面コンクリート6aを貫通した給排気管10の
先端部10aがゴム堰1内に開口され、この給排気管10の
基端(図示されず)は図示されないバルブを介してブロ
ワー(図示されず)に接続されており、このバルブを開
放してブロワーを運転することにより、ゴム堰1内に空
気を送入してゴム堰1を起立させることができるように
なっている。
さらにゴム堰1の重合せ側縁部3およびその下流側に
位置して河床コンクリート5の頂面5aには窪み5bが形成
され、帯状ゴムシート2の下流側部片2bの内面(上面)
には重合せ側縁部3の下流側にてゴム堰1の長手方向
(河川巾方向)に指向した2本の鋼管製スペーサー11が
付設され、また帯状ゴムシート2の上流側部片2cの内面
(下面)にはゴム堰1の周方向に指向した多数のゴムホ
ース製スペーサー12がゴム堰1の長手方向に亘り所定間
隔毎にホース固定バンド13により付設されている。
第7図ないし第10図に図示の実施例は前記したように
構成されているので、ゴム堰1内に空気を送入してゴム
器1を起立させた状態において、給排気管10に介装され
ている図示されないバルブを開放すると、ゴム堰1内の
空気は給排気管10を介して大気中に放出され、ゴム堰1
は収縮を始める。
この時、ゴム堰1の剛性が低く変形し易いゴム堰1の
中央部分1aが、ゴム堰1に加わる河川の水圧によって下
方へ倒伏を始め、ゴム堰1の長手方向中央部分1aにて帯
状ゴムシート2の下流側部片2bに上流側部片2cが密接し
て、ゴム堰1の左岸部分1bと右岸部分1cとが分離されて
いても、スペーサー11によって両者が連通されているの
で、ゴム堰1の右岸部分1c内の空気はスペーサー11を介
して左岸部分1b内に流入し、左岸部分1bに開口した給排
気管10より大気に放出され、ゴム堰1の右岸部分1cはゴ
ム堰1の左岸部分と同じように収縮することができる。
またゴム堰1が収縮をして第5図に図示されるように
ゴム堰1の巾方向中央部分1dにて帯状ゴムシート2の下
流側部片2bに上流側部片2cが密接して、ゴム堰1の基端
部分1eと頂端部分1fとが分離され、頂端部分1fに空気残
留部分が形成されていても、スペーサー12によって両者
が連通されて、頂端空気残留部分1f内の空気はスペーサ
ー12を介して基端部分1eに流れ、スペーサー11で形成さ
れた間隙部を介して左岸部分1b内に流入し、大気中に放
出されるので、ゴム堰1は完全に倒伏しうる。
次に第11図ないし第15図に図示された本発明の他の実
施例について説明する。
第11図ないし第15図に図示の実施例のゴム堰1も第6
図ないし第10図に図示の第1実施例のゴム堰1と同じよ
うに構成されている。
ただ第1実施例におけるゴム堰1の長手方向に指向し
たスペーサー1が鋼管製であったものが本実施例では、
ゴム堰1の長手方向に指向したスペーサー14は、ゴムホ
ース製の周方向スペーサー15と同様にゴムホース製であ
って、スペーサー14,15はホースコネクター16で相互に
連通されるとともに、ホース固定バンド17でもって帯状
ゴムシート2の下流側部片2bの内面に付設され、ゴム堰
1の長手方向に指向した1つ置きのスペーサー14の両端
部14aは斜上方向に指向して法面コンクリート6の法面6
aに一体に付設されるとともにゴム堰1内に開口してい
る。
第11図ないし第15図に図示の第2実施例も前記第1実
施例と同様な作用効果を奏しうる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の倒伏状態のゴム堰の一部欠截斜視図、第
2図はそのゴム堰において起立状態から倒伏状態に移行
する段階の下流側から上流側に向って見た正面図、第3
図ないし第6図は従来のゴム堰を改良した特公昭57-402
90号公報に記載されたゴム堰を示した図面で、第3図は
その倒伏状態における横断側面図、第4図はその起立状
態の正面図、第5図は完全に倒伏しえない状態を図示し
た横断側面図、第6図はその平面図、第7図ないし第10
図は本発明に係る可撓性膜堰の一実施例を図示した図面
で第7図はその起立状態を図示した一部欠截斜視図、第
8図はその横断面図、第9図はその倒伏状態を図示した
横断側面図、第10図は起立状態から倒伏状態に移行する
段階の正面図、第11図ないし第15図は本発明の他の実施
例を図示した図面で、第11図はその起立状態を図示した
一部欠截斜視図、第12図はその横断側面図、第13図は完
全に倒伏した状態を図示した横断側面図、第14図はその
要部斜視図、第15図はその分解斜視図である。 1……ゴム堰、2……帯状ゴムシート、3……重合せ側
縁部、4……折曲部、5……河床コンクリート、6……
法面コンクリート、7……押え金、8……アンカーボル
ト、89……ナット、10……給排気管、11……スペーサ
ー、12……スペーサー、13……ホース固定バンド、14…
…スペーサー、15……スペーサー、16……ホースコネク
ター、17……ホース固定バンド。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体の送入により起立し、排出により倒伏
    する可撓性膜堰において、該可撓性膜堰内面にその長手
    方向に沿って少なくとも1個の長手方向スペーサーが付
    設されるとともに、前記可撓性膜堰内面にその周方向に
    沿って少なくとも1個の可撓性周方向スペーサーが付設
    されたことを特徴とする可撓性膜堰。
JP15356588A 1988-06-23 1988-06-23 可撓性膜堰 Expired - Lifetime JP2576890B2 (ja)

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