JP2575986Y2 - 筒形マンガン乾電池 - Google Patents
筒形マンガン乾電池Info
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- JP2575986Y2 JP2575986Y2 JP6263492U JP6263492U JP2575986Y2 JP 2575986 Y2 JP2575986 Y2 JP 2575986Y2 JP 6263492 U JP6263492 U JP 6263492U JP 6263492 U JP6263492 U JP 6263492U JP 2575986 Y2 JP2575986 Y2 JP 2575986Y2
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- JP
- Japan
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- dry battery
- manganese dry
- carbon rod
- resin layer
- cylindrical manganese
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-
- Y02E60/12—
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、高温貯蔵後の気密性に
優れた筒形マンガン乾電池に関する。
優れた筒形マンガン乾電池に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、筒形マンガン乾電池を製造する際
には、融点70℃程度のワックスが含浸された炭素棒の
外周面に、ポリブテン、ポリエチレン又はイソブチレン
からなるシール剤を塗布した後、封口ガスケットを嵌着
し、そのシール剤によって炭素棒と封口ガスケットとの
気密性を保っていた。
には、融点70℃程度のワックスが含浸された炭素棒の
外周面に、ポリブテン、ポリエチレン又はイソブチレン
からなるシール剤を塗布した後、封口ガスケットを嵌着
し、そのシール剤によって炭素棒と封口ガスケットとの
気密性を保っていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかし、これでは、筒
形マンガン乾電池に対して70℃以上の貯蔵又は温度サ
イクル試験(−20℃⇔70℃)を行なうと、炭素棒に
含浸されているワックスが溶融してシール剤と融合して
しまう。そのため、シール剤の物性が変化してシール剤
としての機能が損なわれ、その結果、筒形マンガン乾電
池の気密性が失われてしまう虞があった。
形マンガン乾電池に対して70℃以上の貯蔵又は温度サ
イクル試験(−20℃⇔70℃)を行なうと、炭素棒に
含浸されているワックスが溶融してシール剤と融合して
しまう。そのため、シール剤の物性が変化してシール剤
としての機能が損なわれ、その結果、筒形マンガン乾電
池の気密性が失われてしまう虞があった。
【0004】本考案は、上記事情に鑑み、高温貯蔵時な
どにおいても気密性を保持することが出来る筒形マンガ
ン乾電池を提供することを目的とする。
どにおいても気密性を保持することが出来る筒形マンガ
ン乾電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本考案による筒形
マンガン乾電池(9)は、合剤(1)が充填された亜鉛
缶(2)内に、ワックスが含浸された炭素棒(3)を挿
入設置し、前記炭素棒の上端部の外周面に合成樹脂塗料
を塗布して樹脂層(5)を形成し、ポリブテン、ポリエ
チレン又はイソブチレンからなるシール剤(6)を前記
樹脂層上に塗布し、更に、前記亜鉛缶に封口ガスケット
(7)を該封口ガスケットの嵌着孔(7a)が前記シー
ル剤及び前記樹脂層を介して前記炭素棒に嵌着される形
で装着して構成される。
マンガン乾電池(9)は、合剤(1)が充填された亜鉛
缶(2)内に、ワックスが含浸された炭素棒(3)を挿
入設置し、前記炭素棒の上端部の外周面に合成樹脂塗料
を塗布して樹脂層(5)を形成し、ポリブテン、ポリエ
チレン又はイソブチレンからなるシール剤(6)を前記
樹脂層上に塗布し、更に、前記亜鉛缶に封口ガスケット
(7)を該封口ガスケットの嵌着孔(7a)が前記シー
ル剤及び前記樹脂層を介して前記炭素棒に嵌着される形
で装着して構成される。
【0006】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を表わす便宜的なものであり、従って、本考
案は図面上の記載に限定拘束されるものではない。この
ことは、「実用新案登録請求の範囲」及び「作用」の欄
についても同様である。
応する要素を表わす便宜的なものであり、従って、本考
案は図面上の記載に限定拘束されるものではない。この
ことは、「実用新案登録請求の範囲」及び「作用」の欄
についても同様である。
【0007】
【作用】上記した構成により、本考案は、筒形マンガン
乾電池(9)の高温貯蔵時や温度サイクル試験時におい
て、炭素棒(3)からのワックスの溶融が樹脂層(5)
によって阻止されるため、シール剤(6)とワックスと
が融合せず、シール剤の変質が防止されるように作用す
る。
乾電池(9)の高温貯蔵時や温度サイクル試験時におい
て、炭素棒(3)からのワックスの溶融が樹脂層(5)
によって阻止されるため、シール剤(6)とワックスと
が融合せず、シール剤の変質が防止されるように作用す
る。
【0008】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0009】図1は本考案による筒形マンガン乾電池の
一実施例の製造工程を示す正断面図である。
一実施例の製造工程を示す正断面図である。
【0010】本考案による筒形マンガン乾電池を製造す
る際には、まず、合剤1が充填された有底円筒状の亜鉛
缶2内に、図1(a)に示すように、ワックスが含浸さ
れた炭素棒3をその上端部が亜鉛缶2から上方に突出す
る形で挿入設置し、炭素棒3の上端部の外周面(上端か
ら最大15mmまで)にアクリル系の合成樹脂塗料(例
えば、東京ペイント製アクロンNo.300F)を塗布
して樹脂層5を形成する。
る際には、まず、合剤1が充填された有底円筒状の亜鉛
缶2内に、図1(a)に示すように、ワックスが含浸さ
れた炭素棒3をその上端部が亜鉛缶2から上方に突出す
る形で挿入設置し、炭素棒3の上端部の外周面(上端か
ら最大15mmまで)にアクリル系の合成樹脂塗料(例
えば、東京ペイント製アクロンNo.300F)を塗布
して樹脂層5を形成する。
【0011】次に、この樹脂層5の上から、図1(b)
に示すように、ポリエチレン(例えば、日石J−40)
5〜10%、ポリブテン(例えば、日石HV−300)
95〜90%からなるシール剤6を塗布する。
に示すように、ポリエチレン(例えば、日石J−40)
5〜10%、ポリブテン(例えば、日石HV−300)
95〜90%からなるシール剤6を塗布する。
【0012】その後、亜鉛缶2に、図1(c)に示すよ
うに、封口ガスケット7を該封口ガスケット7の嵌着孔
7aがシール剤6及び樹脂層5を介して炭素棒3に嵌着
される形で装着して、単4型の筒形マンガン乾電池9を
得た。
うに、封口ガスケット7を該封口ガスケット7の嵌着孔
7aがシール剤6及び樹脂層5を介して炭素棒3に嵌着
される形で装着して、単4型の筒形マンガン乾電池9を
得た。
【0013】こうして得られた20個の筒形マンガン乾
電池9を105℃で4時間貯蔵した後、酸素雰囲気中で
30日間放置し、そのときの開回路電圧の不良発生率を
調べた(第1の試験)。また、別の20個の筒形マンガ
ン乾電池9を70℃で10日間貯蔵した後、酸素雰囲気
中で30日間放置し、そのときの開回路電圧の不良発生
率を調べた(第2の試験)。なお、開回路電圧の不良の
判定は、初度1.6V以上で良品、1.6V未満で不良
品(定格1.5V)とした。同様にして、従来品20個
についても同じ内容の試験をそれぞれ行なった。
電池9を105℃で4時間貯蔵した後、酸素雰囲気中で
30日間放置し、そのときの開回路電圧の不良発生率を
調べた(第1の試験)。また、別の20個の筒形マンガ
ン乾電池9を70℃で10日間貯蔵した後、酸素雰囲気
中で30日間放置し、そのときの開回路電圧の不良発生
率を調べた(第2の試験)。なお、開回路電圧の不良の
判定は、初度1.6V以上で良品、1.6V未満で不良
品(定格1.5V)とした。同様にして、従来品20個
についても同じ内容の試験をそれぞれ行なった。
【0014】その結果、第1の試験においては、従来品
は20個のうち4個が良品で16個が不良品(即ち、不
良発生率80%)であったのに対して、本考案品は20
個全部が良品で不良品はゼロ(即ち、不良発生率0%)
であった。また、第2の試験においては、従来品は20
個全部が不良品(即ち、不良発生率100%)であった
のに対して、本考案品は20個全部が良品で不良品はゼ
ロ(即ち、不良発生率0%)であった。
は20個のうち4個が良品で16個が不良品(即ち、不
良発生率80%)であったのに対して、本考案品は20
個全部が良品で不良品はゼロ(即ち、不良発生率0%)
であった。また、第2の試験においては、従来品は20
個全部が不良品(即ち、不良発生率100%)であった
のに対して、本考案品は20個全部が良品で不良品はゼ
ロ(即ち、不良発生率0%)であった。
【0015】このように、本考案品は従来品と比べて高
温貯蔵後の開回路電圧の不良発生率が大幅に低減した。
これは、炭素棒3の上端部の外周面に樹脂層5が形成さ
れているので、炭素棒3に含浸されているワックスが溶
融してシール剤6と融合する事態の発生を両者間に介在
する樹脂層5によって阻止することが出来ることから、
シール剤6としての機能が失われることはなく、炭素棒
3と封口ガスケット7との気密性が該シール剤6によっ
て確実に保持されるためである。
温貯蔵後の開回路電圧の不良発生率が大幅に低減した。
これは、炭素棒3の上端部の外周面に樹脂層5が形成さ
れているので、炭素棒3に含浸されているワックスが溶
融してシール剤6と融合する事態の発生を両者間に介在
する樹脂層5によって阻止することが出来ることから、
シール剤6としての機能が失われることはなく、炭素棒
3と封口ガスケット7との気密性が該シール剤6によっ
て確実に保持されるためである。
【0016】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
合剤1が充填された亜鉛缶2内に、ワックスが含浸され
た炭素棒3を挿入設置し、前記炭素棒3の上端部の外周
面に合成樹脂塗料を塗布して樹脂層5を形成し、ポリブ
テン、ポリエチレン又はイソブチレンからなるシール剤
6を前記樹脂層5上に塗布し、更に、前記亜鉛缶2に封
口ガスケット7を該封口ガスケット7の嵌着孔7aが前
記シール剤6及び前記樹脂層5を介して前記炭素棒3に
嵌着される形で装着して構成したので、筒形マンガン乾
電池9の高温貯蔵時や温度サイクル試験時において、炭
素棒3からのワックスの溶融を樹脂層5によって阻止す
ることが出来ることから、シール剤6とワックスとの融
合を防いでシール剤6の変質を防止することが可能とな
る。その結果、高温貯蔵時などにおいても気密性を保持
することが出来る筒形マンガン乾電池9を提供すること
が可能となり、筒形マンガン乾電池9の性能向上に寄与
する。
合剤1が充填された亜鉛缶2内に、ワックスが含浸され
た炭素棒3を挿入設置し、前記炭素棒3の上端部の外周
面に合成樹脂塗料を塗布して樹脂層5を形成し、ポリブ
テン、ポリエチレン又はイソブチレンからなるシール剤
6を前記樹脂層5上に塗布し、更に、前記亜鉛缶2に封
口ガスケット7を該封口ガスケット7の嵌着孔7aが前
記シール剤6及び前記樹脂層5を介して前記炭素棒3に
嵌着される形で装着して構成したので、筒形マンガン乾
電池9の高温貯蔵時や温度サイクル試験時において、炭
素棒3からのワックスの溶融を樹脂層5によって阻止す
ることが出来ることから、シール剤6とワックスとの融
合を防いでシール剤6の変質を防止することが可能とな
る。その結果、高温貯蔵時などにおいても気密性を保持
することが出来る筒形マンガン乾電池9を提供すること
が可能となり、筒形マンガン乾電池9の性能向上に寄与
する。
【図1】本考案による筒形マンガン乾電池の一実施例の
製造工程を示す正断面図である。
製造工程を示す正断面図である。
1……合剤 2……亜鉛缶 3……炭素棒 5……樹脂層 6……シール剤 7……封口ガスケット 7a……嵌着孔 9……筒形マンガン乾電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 鈴木 進文 東京都港区新橋5丁目36番11号 富士電 気化学株式会社内 (56)参考文献 特公 昭38−4809(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 6/08 H01M 4/75
Claims (1)
- 【請求項1】 合剤(1)が充填された亜鉛缶(2)内
に、ワックスが含浸された炭素棒(3)を挿入設置し、 前記炭素棒の上端部の外周面に合成樹脂塗料を塗布して
樹脂層(5)を形成し、 ポリブテン、ポリエチレン又はイソブチレンからなるシ
ール剤(6)を前記樹脂層上に塗布し、 更に、前記亜鉛缶に封口ガスケット(7)を該封口ガス
ケットの嵌着孔(7a)が前記シール剤及び前記樹脂層
を介して前記炭素棒に嵌着される形で装着して構成した
筒形マンガン乾電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6263492U JP2575986Y2 (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-07 | 筒形マンガン乾電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6263492U JP2575986Y2 (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-07 | 筒形マンガン乾電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0628997U JPH0628997U (ja) | 1994-04-15 |
JP2575986Y2 true JP2575986Y2 (ja) | 1998-07-02 |
Family
ID=13205956
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6263492U Expired - Fee Related JP2575986Y2 (ja) | 1992-09-07 | 1992-09-07 | 筒形マンガン乾電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2575986Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8247108B2 (en) | 2006-10-11 | 2012-08-21 | Panasonic Corporation | Alkaline primary battery comprising a sealing agent |
-
1992
- 1992-09-07 JP JP6263492U patent/JP2575986Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8247108B2 (en) | 2006-10-11 | 2012-08-21 | Panasonic Corporation | Alkaline primary battery comprising a sealing agent |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0628997U (ja) | 1994-04-15 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |