JP2575493B2 - 帯域可変バンドパスフィルタ - Google Patents

帯域可変バンドパスフィルタ

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、衛星テレビ放送および地上テレビ放送の
両方を受信する受信機の中間周波回路に用いて好適な帯
域可変バンドパスフィルタに関する。
「従来の技術」 TV(テレビ受信機)、VTR(ビデオテープレコーダ)
のチューナにおいて、衛星テレビ放送および地上テレビ
放送を受信するには、妨害排除能力、局発漏洩防止およ
び中間周波回路の共用化の観点からダブルスーパー方式
チューナが好適である。このダブルスーパー方式チュー
ナの第1中間周波回路には、受信放送以外の妨害信号等
を取り除くために、バンドパスフィルタが用いられてい
る。
第7図は上述した従来のダブルスーパー方式チューナ
の構成を示すブロック図である。この図において、地上
放送受信アンテナ1によって受信される電波は、日本国
内においては約90〜800MHzであり、ケーブルを通して合
波器3へ供給される。一方、衛星放送受信アンテナ2に
よって受信される電波は、1000〜1350MHzのBS−IF(衛
星放送の中間周波信号)に変換され、ケーブルを通して
合波器3へ供給される。したがって、合波器3から出力
される信号は、90〜800MHzの地上放送信号と1000〜1350
MHzのBS−IF信号であり、これらがダブルスーパー方式
チューナの入力端子4へ入力される。入力端子4に入力
された放送信号は、入力フィルタ5および増幅器6を介
して、混合器7へ供給される。また、この混合器7に
は、選局操作部12によって制御された局部発振器8から
の局部発振信号が供給されている。この混合器7では、
上記放送信号と局部発振信号とが混合され、放送信号が
1例として1800MHz位の第1中間周波信号に変換され
る。この第1中間周波信号は、バンドパスフィルタ9お
よび増幅器10を介して、後段回路11へ供給され、ここで
第2中間周波信号に変換される。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、上述したダブルスーパー方式チューナにお
いて、バンドパスフィルタの帯域幅は固定されており、
かつ、地上放送と衛星放送とでは1チャンネル分の帯域
幅が異なっているため、両放送の画質を満足して受信す
ることは難しく、ビートや混変調が発生して視聴に耐え
ない画面になるという問題を生じる。また、上述したバ
ンドパスフィルタの帯域幅を可変するにしても、地上放
送の帯域幅6MHzと衛星放送の帯域幅27MHzでは帯域幅に
5倍程度の開きがあり容易ではない。さらに、バンドパ
スフィルタに6MHz帯域幅と27MHz帯域幅の2つの別個の
フィルタブロックを備え、受信放送に応じて、上記フィ
ルタブロックを切り換える方法も考えられるが、回路構
成が複雑になるとともに大型化し、かつ、コストも上昇
するという問題を生じる。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、
当該バンドパスフィルタをダブルスーパー方式チューナ
に適用することによって、地上放送と衛星放送との両方
が受信でき、かつ、ビートや混変調による画質劣化のな
い画像が得られ、さらに、安価で小型化が実現できる帯
域可変バンドパスフィルタを提供することを目的として
いる。
「課題を解決するための手段」 このような問題点を解決するために、この発明では、
分布定数回路によって構成されるとともに、前段から後
段に向かって順次結合される入力結合線路、第1の共振
回路、第2の共振回路、第3の共振回路および出力結合
線路を有するバンドパスフィルタであって、前記第2の
共振回路は直列接続された容量、共振線路および可変容
量手段によって構成され、制御電圧によって前記可変容
量手段の容量を変化させて、前記第2の共振回路を、共
振手段と、前記第1と第3の共振回路の結合度を制御す
る結合度制御手段に切り換えることを特徴とする。
「作用」 制御電圧によって、可変容量手段の容量を変え、第2
の共振回路のインピーダンスを変化させる。この第2の
共振回路のインピーダンスを変化させることによって、
入力結合線路、第1の共振回路、第2の共振回路、第3
の共振回路および出力結合線路から構成されるバンドパ
スフィルタの帯域幅が所定の値に設定される。
このようにして帯域幅が設定されたバンドパスフィル
タにおいて、入力結合線路側から供給される信号が第1
の共振回路、第2の共振回路、第3の共振回路を通して
ろ波され、出力結合線路から出力される。
「実施例」 次に図面を参照してこの発明の実施例について説明す
る。
第2図は、この発明の帯域可変バンドパスフィルタを
適用したダブルスーパー放送チューナの一実施例の構成
を示すブロック図である。なお、この図において、第7
図に示す従来例の各部に対応する部分については同一の
符号を付けて説明を省略する。
この図において、13はバンドパスフィルタであり、選
局操作部12からの制御電圧S1によって帯域幅が6MHzと27
MHzとに変化するようになっている。
第1図は上述した帯域可変バンドパスフィルタ13の一
実施例の構成である。この図において、14は入力端子で
あり、入力結合線路15の一端に接続されている。この入
力結合線路15の他端はグランドラインに接続されてい
る。上記入力端子14には、第2図に示す混合器7からの
第1中間周波信号が入力される。16は共振線路であり、
一端がグランドラインに接続され、他端がコンデンサ17
に接続されており、この共振線路16とコンデンサ17とに
よって共振回路Aが構成されている。また、上記共振回
路Aと同様に共振線路18とコンデンサ19とから共振回路
Bが構成されている。これら共振回路A,Bは、第1中間
周波数に共振するように定数が設定されている。22は接
地用のコンデンサであり、第1中間周波数において、イ
ンピーダンスが十分小さくなるように容量が設定されて
おり、一端がグランドラインに接続され、他端が共振線
路23の一端に接続されている。共振線路23の他端は、逆
バイアス電圧によって容量が可変する可変容量ダイオー
ド24のカソードに接続されており、この可変容量ダイオ
ード24のアノードはグランドラインに接続されている。
また、コンデンサ22と共振線路23との接続点には、直列
接続された抵抗25およびチョークコイル26かなる直列回
路の一端が接続されている。また、この直列回路の他端
は切換端子27に接続され、切換端子27には、第2図に示
す選局操作部12からの制御電圧S1が逆バイアス電圧とし
て供給される。20は出力結合線路であり、一端がグラン
ドラインに接続されており、他端が出力端子21に接続さ
れている。
次に、上記構成によるこの実施例の動作について説明
する。
まず、混合器7から出力された第1中間周波信号はこ
のバンドパスフィルタ13の入力端子14に供給される。こ
のバンドパスフィルタ13は、選局操作部12から受信放送
に応じて供給される制御電圧S1によって、帯域幅が6MHz
と27MHzとに切り換えられるようになっている。すなわ
ち、地上放送が受信されている場合には、比較的小さい
値の制御電圧S1が切換端子27へ供給される。この制御電
圧S1は、チョークコイル26,抵抗25および共振線路23を
通って可変容量ダイオード24に供給される。この場合、
制御電圧S1の値が比較的小さいため、可変容量ダイオー
ド24の容量値が大きく、第1中間周波数におけるインピ
ーダンスが十分小さくなる。したがって、可変容量ダイ
オード24は、コンデンサ22と同様に高周波的に短絡状態
になり、共振線路23は両端がグランドラインに接続され
た状態になる。この結果、バンドパスフィルタ13は、第
3図に示すように共振回路A,Bからなる複同調型のバン
ドパスフィルタになる。また、この場合のバンドパスフ
ィルタ13では、共振線路23がグランドラインとなること
によって共振回路Aと共振回路Bとの結合度が低減さ
れ、第4図に示す狭帯域(約5MHz)で、かつ平坦な周波
数特性が得られる。したがって、バンドパスフィルタ13
からは帯域幅約5MHzの第1中間周波信号が出力される。
一方、衛星放送が受信されている場合には、比較的大
きな値の制御電圧S1が切換端子27へ供給される。したが
って、可変容量ダイオード24の容量は、地上放送が受信
されている場合にくらべて小さく、共振線路23とで、第
1中間周波数に共振する値となる。この結果、バンドパ
スフィルタ13は第5図に示すように共振回路A,Bならび
に共振線路23,可変容量ダイオード24からなるトリプル
同調型のバンドパスフィルタ13になる。この結果、この
場合のバンドパスフィルタ13では、第6図に示す帯域幅
27MHzの周波数特性が得られる。したがって、バンドパ
スフィルタ13からは帯域幅約27MHzの第1中間周波信号
が出力される。なお、この場合、バンドパスフィルタの
周波数特性は平坦ではないが、衛星放送信号はFM波であ
るため周波数特性上のリップルは支障がない。
そして、バンドパスフィルタ13から出力される所定帯
域幅の第1中間周波信号は、増幅器10を介して後段回路
11へ供給され、第2中間周波信号に変換される。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、極めて広い
範囲で帯域を可変することができ、これにより当該バン
ドパスフィルタを地上放送と衛星放送との両方が受信が
できる受信機の中間周波回路に適用すれば、ビートや混
変調による画質劣化のない画像が得られ、さらに、コス
トの削減および小型化が実現できる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の構成を示す回路図、第2
図はこの発明の帯域可変バンドパスフィルタを適用した
一実施例の構成を示すブロック図、第3図は地上放送受
信時の同発明の構成を示す等価回路図、第4図は地上放
送受信時の同発明の周波数特性図、第5図は衛星放送受
信時の同発明の構成を示す等価回路図、第6図は衛星放
送受信時の同発明の周波数特性図、第7図は従来のチュ
ーナの構成を示すブロック図である。 15……入力結合線路、16,18,23……共振線路、17,19,22
……コンデンサ、20……出力結合線路、24……可変容量
ダイオード、27……切換端子、S1……制御電圧。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分布定数回路によって構成されるととも
    に、前段から後段に向かって順次結合される入力結合線
    路、第1の共振回路、第2の共振回路、第3の共振回路
    および出力結合線路を有するバンドパスフィルタであっ
    て、前記第2の共振回路は直列接続された容量、共振線
    路および可変容量手段によって構成され、制御電圧によ
    って前記可変容量手段の容量を変化させて、前記第2の
    共振回路を、共振手段と、前記第1と第3の共振回路の
    結合度を制御する結合度制御手段とに切り換えることを
    特徴とする帯域可変バンドパスフィルタ。
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