JP2575446B2 - トリアザスピロ化合物 - Google Patents

トリアザスピロ化合物

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JP2575446B2 JP3153588A JP3153588A JP2575446B2 JP 2575446 B2 JP2575446 B2 JP 2575446B2 JP 3153588 A JP3153588 A JP 3153588A JP 3153588 A JP3153588 A JP 3153588A JP 2575446 B2 JP2575446 B2 JP 2575446B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、医薬、特に老年性痴呆、アルツハイマー病
等における脳機能改善薬として有用な新規トリアザスピ
ロ化合物に関する。
従来の技術 社会の高令化が進む中で、種々の脳機能改善作用を有
する化合物が提案されている。その中にあって、いくつ
かのスピロ化合物に関する技術が公表されている(英国
特許第1,301,254号、米国特許第3,784,551号、特公昭47
−25355号)。
発明が解消しようとする課題 この社会問題を背景に、中枢神経系に作用する薬剤、
特に老年性痴呆、アルツハイマー病に対する脳機能改善
薬というべき薬剤の出現が強く求められているが、未だ
満足すべき化合物は見い出されていない。
課題を解消するための手段 本発明者らは、中枢神経系、とりわけアセチルコリン
受容体に作用する脳機能改善薬として有用な化合物の探
索に鋭意努力を重ねた結果、式(I) [式中、R1,R3およびR4は、それぞれ水素または炭化水
素残基、R2は水素、炭化水素残基または、置換基を有し
ていてもよいアシル基を示す。]で表わされるトリアザ
スピロ化合物およびその塩が優れた脳機能改善作用を示
すことを知見し、本発明を完成するに至った。
前記式(I)において、R1、R2、R3、R4で示される
「炭化水素残基」としては、炭素数1〜4のアルキル基
(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル)があげ
られる。R2の「置換基を有していてもよいアシル基」の
「アシル基」としては、カルボン酸アシル(例えば、ア
セチル、プロピオニル、ブチリルなどの炭素数2〜5の
アルキルカルボニル)、置換オキシカルボニルアシル
(例えば、メチルオキシカルボニル、エチルオキシカル
ボニル、第三ブチルオキシカルボニルなどの炭素数2〜
5のアルキルオキシカルボニル)があげられる。R2
「置換基を有していてもよいアシル基」の「置換基」と
しては、ハロゲン(例えば、クロル、ブロム、フッ素)
または、フェニル基があげられる。
前記(I)式で示される化合物において、R1は好まし
くは、炭素数1〜4のアルキル、さらに好ましくは炭素
数1〜2のアルキルである。R2は好ましくは、水素、炭
素数1〜4のアルキル、ハロゲンで置換されていてもよ
い炭素数2〜5のアルコキシカルボニルまたは炭素数8
〜11のフェニルアルキルオキシカルボニル、さらに好ま
しくは、水素または炭素数1〜2のアルキルである。R3
は好ましくは、水素または炭素数1〜4のアルキル、さ
らに好ましくは水素または炭素数1〜2のアルキルであ
る。R4は好ましくは、水素または炭素数1〜4のアルキ
ル、さらに好ましくは炭素数1〜2のアルキルである。
本発明の化合物(I)は、酸付加塩、とりわけ生理学
的に許容される酸付加塩を形成していてもよく、それら
の塩としては、たとえば無機塩(例えば、塩酸、硝酸、
リン酸、臭化水素酸)、あるいは有機酸(例えば、酢
酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ク
エン酸、リンゴ酸、修酸、安息香酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸)との塩が挙げられる。
化合物(I)は、例えば、式(II) [式中、R4は前記と同意義。]で表わされる化合物を、
例えば、式(III) [式中、R1、R3は前記と同意義、R2′は前記R2のうち置
換基を有していてもよいアシル基を示す。]と縮合還化
させ、必要ならば、R2′それ自体を脱離することにより
製造することができる。
この縮合還化を行なう自体公知の方法の例としては、
必要に応じて酸触媒(例えば、塩化水素、臭化水素、メ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸)の存在下、通常、炭化水素系溶媒(例えば、ベン
ゼン、トルエン、ヘキサン、ペンタン)、ハロゲン系炭
化水素系溶媒(例えば、ジクロロメタン、クロロホル
ム、ジクロロエタン、四塩化炭素)、エーテル系溶媒
(例えば、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、ジメトキシエタン)、アミド系溶媒(例えば、
ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホノトリアミ
ド)、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒を用いるの
がよい。反応は25℃から200℃で行なうことができる。
化合物(I)は、例えば式(I a) [式中、R1、R3、R4は前記と同意義。]で表わされる化
合物を、例えば式(III) R2−X (III) [式中、R2は前記と同意義であり、Xは脱離基を示
す。]で表わされる化合物と反応させることによっても
製造することができる。
化合物(III)において、Xで示される脱離基として
は、ハロゲン(例えば、塩素、臭素、ヨウ素)、スルホ
ン酸エステル(例えば、メタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸)、
N−ヒドロキシジアシルイミドエステル類(例えば、N
−ヒドロキシコハク酸イミドエステル、N−ヒドロキシ
フタル酸イミドエステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボ
ルネン−2,3−ジカルボキシイミドエステル)、N−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾールエステルなどが挙げられ
る。
これらの反応における溶媒は、化学反応において、一
般に使用される溶媒ならばいずれでもよく、例えば、
水、メタノール、エタノール、プロパノール、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、アセトニ
トリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホ
ルムアミドなどの溶媒中、たとえば−10゜〜120℃で行
なうことができる。さらに本反応は必要に応じて、たと
えば、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエ
チルアミン、トリエチレンアミン、テトラメチルエチレ
ンジアミンなどの有機塩基や、たとえば炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、水素化ナトリウム、水酸化カリウムなどの有機塩
基、水素化ナトリウム、水素化カリウム、n−ブチルリ
チウムなどの存在下に行なうことができる。
本発明の化合物(I)は、哺乳動物の中枢神経系に作
用し、ムスカリン様アセチルコリン受容体に強い特異的
結合能を有し、マウスにおける各種健忘誘発作用に対
し、抗健忘作用が認められた。
本発明の化合物(I)は、前記した公知のスピロ誘導
体や現在アセチルコリンアゴニストとして市販されてい
る薬剤と比較して、中枢神経に対する作用と末梢神経に
対する作用との分離が極めてよく、マススの抗健忘作用
を示す用量(0.03mg〜10mg/body)では、痙攣作用、流
涎作用、下痢などの末梢神経作用は無いか、もしくは極
めて軽微で、また経口投与により著効を奏するので、人
を含む哺乳動物の脳機能改善薬として有用である。
本発明の化合物の有用な対象疾病名としては、たとえ
ば老年性痴呆、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏
病、運動過多病、躁病などが挙げられ、これらの疾病の
予防または治療に用いることができる。
本発明の化合物はたとえば、錠剤、顆粒剤、カプセル
剤、注射剤、坐剤など種々の剤型で、ヒトを含む哺乳動
物に経口的、もしくは非経口的に投与しうる。投与量は
対象疾患の種類、症状などにより差異はあるが、一般的
に成人においては、経口投与の場合、一日につき0.1mg
〜500mg、好ましくは1mg〜50mgである。
以下において実施例、製剤例により本発明をより具体
的に説明する。
実施例1 4−ベンジルオキシカルボニル−3,8−ジメチル−1,4,8
−トリアザスピロ[4,5]デカン−2−オン 1−メチル−4−ピペリドン11.3gとベンジルオキシ
カルボニルアラニンアミド11.1gとトルエンスルホン酸
・一水和物20gをベンゼン500mlに懸濁させ、生成する水
を除きながら4時間加熱還流させた。溶媒を減圧で除
き、残渣に酢酸エチルエステル200mlと水100mlを加えた
後、炭酸水素ナトリウムを水層がアルカリ性になるまで
加えた。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒
を留去し、残ったオイル状化合物を、シリカゲルカラム
(展開溶媒;メタノール:アセトン:ジクロロメタン=
2:3:10(V/V))で分離し、目的物の入った溶液の溶液
を留去後、エチルエーテルより再結晶し融点194〜196℃
の無色結晶2.0gを得た。
元素分析値 C17H23N3O3として 計算値 C 64.33 H 7.30 N 13.24 実験値 C 64.63 H 7.56 N 13.26 実施例2 3,8−ジメチル−1,4,8−トリアザスピロ[4,5]デカン
−2−オン・2塩酸塩 実施例1で得られた4−ベンジルオキシカルボニル−
3,8−ジメチル−1,4,8−トリアザスピロ[4,5]デカン
−2−オン 0.96gをメタノール10mlと3.5規定塩化水素
のジオキサン溶液1mlの混合溶媒に溶かし、10%パラジ
ウム/炭素を触媒として1時間常温・常圧の接触水素還
元に付した。触媒を除き、溶媒を留去し、残渣をエタノ
ールより再結晶し、融点208〜210℃の無色結晶0.76gを
得た。
元素分析値 C9H19Cl2N3O1として 計算値 C 42.20 H 7.48 N 16.40 実験値 C 42.09 H 7.21 N 16.22 実施例3 4−ベンジルオキシカルボニル−1,3,8−トリメチル−
1,4,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2−オン 1−メチル−4−ピペリドン3.4gとベンジルオキシカ
ルボニルアラニンメチルアミド3.5gとトルエンスルホン
酸、一水和物6gをベンゼン100mlに懸濁させ、生成する
水を除きながら20時間加熱還流させた。以下実施例1と
同じ操作により、融点149〜151℃の無色結晶0.2gを得
た。
元素分析値 C18H25N3O3として 計算値 C 65.23 H 7.60 N 12.68 実験値 C 65.41 H 7.35 N 12.56 実施例4 1,3,8−トリメチル−1,4,8−トリアザスピロ[4,5]デ
カン−2−オン・2塩酸塩 実施例3で得た4−ベンジルオキシカルボニル−1,3,
8−トリメチル−1,48−トリアザスピロ[4,5]デカン−
2−オン0.14gをエタノール5ml、1規定塩酸5mlの混合
溶媒に溶かし、実施例2と同様にし、接触水素還元に付
し、融点184〜196℃の無色結晶0.1gを得た。
元素分析値 C10H21Cl2N3O1として 計算値 C 44.44 H 7.83 N 15.55 実験値 C 44.42 H 7.89 N 15.52 実施例5 3,8−ジメチル−4−メチルオキシカルボニル−1,4,8−
トリアザスピロ[4,5]デカン−2−オン・塩酸塩 実施例2で得た3,8−ジメチル−1,4,8−トリアザスピ
ロ[4,5]デカン−2−オン・2塩酸塩1.0gの水5mlとエ
タノール5mlの混合溶媒に、炭酸水素ナトリウム3.0gを
加えた。そこへクロロ炭酸メチル1.36mlを室温で滴下
し、更に1時間撹拌した後、溶媒を減圧で留去後、残渣
にエタノール20mlを加え不溶物を除き、溶媒を留去し
た。さらに、残渣にジクロロメタン20mlを加え、不溶物
を除き、そこへ、3規定塩化水素のエタノール溶液1ml
を加えた後溶媒を留去後、残った固体を酢酸エチルエス
テル−エチルエーテルより再結晶し、融点210〜211℃
(分解)の無色結晶065gを得た。
元素分析値 C11H20Cl1N3O3として 計算値 C 47.57 H 7.26 N 15.13 実験値 C 47.68 H 7.21 N 15.23 実施例6 4−(2−ブロモ)エチルオキシカルボニル−3,8−ジ
メチル−1,4,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2−オ
ン・臭化水素酸塩 実施例2で得た3,8−ジメチル−1,4,8−トリアザスピ
ロ[4,5]デカン−2−オン・2塩酸塩0.76gのジメチル
ホルムアミド10ml溶液に、トリエチルアミン0.84ml、2
−ブロモエチルクロロフオルメート0.4ml、を加え室温
で1時間撹拌した後、溶媒を減圧で留去した。残ったオ
イル状化合物をジクロロメタン20mlに溶かし飽和炭酸水
素ナトリウム20mlと水20mlで洗い、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、25%臭化水素の酢酸溶液1mlを加え溶媒を
減圧で留去した。残渣をシリカゲルカラム(展開溶媒,
水:酢酸エチルエステル:ジクロロメタン=1:6:14(V/
V))で分離した。目的物の入った溶液の溶媒を留去
し、残渣をエタノール−酢酸エチルエステル−エチルエ
ーテルより再結晶し、融点259〜262℃(分解)の無色結
晶0.6gを得た。
元素分析値 C12H21Br2N3O3として 計算値 C 34.71 H 5.10 N 10.12 実験値 C 34.42 H 5.32 N 10.07 実施例7 3,8−ジメチル−4−プロピオニル−1,4,8−トリアザス
ピロ[4,5]デカン−2−オン 実施例2で得た3,8−ジメチル−1,4,8−トリアザスピ
ロ[4,5]デカン−2−オン・2塩酸塩0.76gのジメチル
ホルムアミド10ml溶液にトリエチルアミン1.9mlと塩化
プロピオニル0.52mlを加え、室温で2時間撹拌した。溶
媒を減圧で留去後、残渣をn−ブタノール50mlに溶か
し、少量の水で洗った後、有機層を減圧で留去し、残っ
た固型物を酢酸エチルエステル−エチルエーテルより再
結晶し、融点132〜136℃の無色結晶0.42gを得た。
元素分析値 C12H21N3O2として 計算値 C 60.22 H 8.84 N 17.56 実験値 C 60.31 H 8.65 N 17.38 実施例8 4−エチル−3,8−ジメチル−1,4,8−トリアザスピロ
[4,5]デカン−2−オン・2塩酸塩 実施例2で得た3,8−ジメチル−1,4,8−トリアザスピ
ロ[4,5]デカン−2−オン・2塩酸塩0.51gのジメチル
ホルムアミド5ml溶液に、60%油性水素化ナトリウム0.2
5gを加え、80℃で30分間加熱後、よう化エチル0.16mlを
加え室温で一夜撹拌した。溶媒を減圧で留去し、残渣に
ジクロロメタン50mlを加え、不溶物を除いた母液に2.5
規定の塩化水素のエタノール溶液を2ml加えた後、溶媒
を減圧で留去した。残留物をシリカゲルカラム(展開溶
媒;n−ブタノール:酢酸:酢酸エチルエステル:水=1:
1:1:1(V/V))で分離すると、目的物である4−エチル
3,8−ジメチル−1,4,8−トリアザスピロ[4,5]デカン
−2−オン・2塩酸塩と原料である3,8−ジメチル−1,
4,8−トリアザスピロ[4,5]デカン−2−オン・2塩酸
塩のほぼ1対1の混合物が取れた。これらをエタノール
からの分別再結晶により、目的物の融点189〜192℃の無
色結晶0.15gを得た。
元素分析値 C11H23Cl2N3O1として 計算値 C 46.48 H 8.16 N 14.78 実験値 C 46.38 H 8.25 N 14.72 実施例9 3,8−ジメチル−4−プロピル−1,4,8−トリアザスピロ
[4,5]デカン−2−オン・2塩酸塩 実施例2で得た3,8−ジメチル−1,4,8−トリアザスピ
ロ[4,5]デカン−2−オン・2塩酸塩0.51gのジメチル
ホルムアミド5ml溶液に、60%油性水素化ナトリウム0.2
5gを加え、80℃で30分間加熱後、1−ブロモプロパン0.
18mlを加え室温で一夜撹拌した。溶媒を減圧で留去し、
残渣にジクロロメタン50mlを加え、不溶物を除いた母液
に2.5規定の塩化水素のエタノール溶液を2ml加えた後、
溶媒を減圧で留去した。残渣をエタノールからの分別再
結晶により、融点185〜187℃の無色結晶0.11gを得た。
元素分析 C12H25Cl2N3O1として 計算値 C 48.32 H 8.45 N 14.09 実験値 C 48.38 H 8.59 N 14.02 生物試験法 a) 炭酸ガス誘発健忘に対する効果 本発明の化合物(I)の向知能作用を受動的回避試験
によって検討した。すなわち、5週齢の雄性マウスを明
暗2つの部屋から成る受動的回避学習装置の明室に先ず
入れる。マウスは習性により暗い部屋へすぐに移動す
る。移動した時、暗室の床から0.5ミリアンペアーの電
流を3秒間、逃避不能の条件下に、マウスに与える。マ
ウスはこの電気ショックを受けたことを数週間は記憶し
ている。この記憶の形成を次の種類の操作により障害
し、この記憶障害に対する本発明化合物(I)の作用を
検討した。すなわち、電気ショックを受けた直後、炭酸
ガスを充填させた4のガラス容器にマウスを入れ、呼
吸が停止した時点でマウスを取り出し、人工呼吸により
自然呼吸を回復させた。この操作によりマウスは電気シ
ョックで受けたことを忘れてしまう。
そこで、翌日この記憶の回復試験を行った。すなわ
ち、マウスを受動的回避学習装置の明室に再び入れ、暗
室へ移動するまでの時間を測定した。電気ショックを受
けたことを忘れたマウスは、10秒ないし20秒で再び暗室
へ移動した。一方、本発明化合物(I)を投与したマウ
スは記憶を回復し、暗室へ移動しようとしないか、ある
いは移動しても移動するまでに長時間を要した。そこ
で、被検化合物の作用はこのテスト時にマウスが明室に
とどまっている時間の平均値(一群8匹)を対照群(被
検化合物を含まない5%アラビアゴム懸濁液のみを投与
した群)と比較することにより調べた。その成績は対照
群における平均値を100とした時のパーセント変化率で
表現した(第1表)。なお、被検化合物は5%アラビア
ゴム懸濁液として、テスト30分前に経口(P.O.)投与し
た。
b) スコポラミン誘発健忘に対する効果 スコポラミン誘発健忘に対する作用はC57BL/6マウス
を用いた一試行受動的回避実験により検討した。学習の
手続は基本的にはBurbachら「サイエンス(Science),
221,1310−1312(1983年)]の方法に準じて行った。実
験に用いた装置はグリッド床のある暗室とそれに連結さ
れた明室とから成っており、マウスを明室におくと、自
由に暗室に移動することができるようにされている。こ
の装置を用い、マウスが暗室に入ると1回の電気ショッ
ク(0.4mA,3秒間)を掛ける。健忘を誘発するために用
いるスコポラミン(1mg/kg)は電気ショックを掛ける15
分前に腹腔内(i.p.)投与する。ついで24時間後に、電
気ショックの記憶保持テストを行った。受動的回避行動
の保持は、明室におかれたマウスが暗室に入室するまで
の時間−潜時−によって測定した。被検化合物は生理食
塩水に溶解、またはアラビアゴム懸濁液としてテスト30
分前に経口(P.O.)投与した。生理食塩水のみを投与し
た対照群のマウスは一般に20秒以下の回避時間を示し、
健忘が発現した。
本発明化合物投与群における潜時の中央値は、対照群
のそれに対応するパーセントで表示し、有意差検定には
マン・ウイットニー(Mann−Whitney)のUテストを用
いた、各群のテストに使用したマウスの数は9ないし12
匹である。
結果を第1表に示す。
製剤例1 (1)3,8−ジメチル−1,4,8−トリアザス ピロ[4,5]デカン−2−オン・二塩酸塩 10g (2)乳糖 198g (3)トウモロコシ澱粉 50g (4)ステアリン酸マグネシウム 2g (1)(2)および20gのトウモロコシ澱粉を混和
し、15gのトウモロコシ澱粉と25mlの水から作ったペー
ストとともに顆粒化し、これに15gのトウモロコシ澱粉
と(4)を加え、混合物を圧縮して、錠剤1錠当たり
(1)を5mg含有する直径3mmの錠剤2000個を製造した。
製剤例2 (1)1,3,8−トリメチル−1,4,8−トリア ザスピロ[4,5]デカン−2−オン・二塩酸塩 20g (2)乳糖 198g (3)トウモロコシ澱粉 40g (4)ステアリン酸マグネシウム 2g (1),(2)および15gのトウモロコシ澱粉を混和
し、15gのトウモロコシ澱粉と25mlの水から作ったペー
ストとともに顆粒化し、これに10gのトウモロコシ澱粉
と(4)を加え、混合物を圧縮錠剤機で圧縮して、錠剤
1錠当り(1)を10mgを含有する直径5mmの錠剤2000個
を製造した。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 [式中、R1,R3およびR4は、それぞれ水素または炭化水
    素残基、R2は水素、炭化水素残基または置換基を有して
    いてもよいアシル基を示す。]で表わされるトリアザス
    ピロ化合物またはその塩。
  2. 【請求項2】式 [式中、R4は後記と同意義。]で表わされる化合物を式 [式中、R1およびR3は後記と同意義、R2′は置換基を有
    していてもよいアシル基を示す。]で表わされる化合物
    と縮合還化させ、要すれば、R2′を脱離することを特徴
    とする式 [式中、R1,R3およびR4は、それぞれ水素または炭化水
    素残基、R2″は水素または置換基を有していてもよいア
    シル基を示す。]で表わされるトリアザスピロ化合物ま
    たはその塩の製法。
  3. 【請求項3】式 [式中、R1,R3およびR4は、それぞれ水素または炭化水
    素残基、R2は水素、炭化水素残基または置換基を有して
    いてもよいアシル基を示す。]で表わされるトリアザス
    ピロ化合物またはその医薬上許容される塩を含有する脳
    機能改善剤。
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