JP2575027B2 - S541−抗生物質の13β−アルキル誘導体、その製法及び該化合物を含有する有害生物防除用組成物 - Google Patents

S541−抗生物質の13β−アルキル誘導体、その製法及び該化合物を含有する有害生物防除用組成物

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JP2575027B2 JP62179874A JP17987487A JP2575027B2 JP 2575027 B2 JP2575027 B2 JP 2575027B2 JP 62179874 A JP62179874 A JP 62179874A JP 17987487 A JP17987487 A JP 17987487A JP 2575027 B2 JP2575027 B2 JP 2575027B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、下記式Iで示される、新規な改良された抗
生物質S541の13β−アルキル誘導体及びその製造方法に
関する。
本発明による化合物は、一般式I: (式中、 Rは炭素原子数1ないし10のアルキル基を表わし、 R1は水素原子、メチル基、アシル基またはシリル基を
表わし、 R2はメチル基、エチル基またはイソプロピル基を表わ
し、そして R3は水素原子またはOH基を表わし、 ただしR3が水素原子を表わす場合、22位と23位との間
には二重結合または単結合があり、R3がOH基を表わす場
合、22位と23位との間には単結合がある)で表わされる
抗生物質S541の13β−アルキル誘導体である。
従って、式Iは13β−アルキル基と、5位に遊離ヒド
ロキシル基、メトキシ基またはシリルオキシ基とを含む
抗生物質S541の誘導体、並びにそれらの23−デオキシ及
び23−デオキシ−22,23−デヒドロ同族体に関する。
示された炭素原子の数に依存して、アルキル基それ自
体及び他の置換基の一部としてのアルキルは、例えば下
記の直鎖もしくは枝分かれ鎖の基:メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等、並び
にそれらの異性体、例えばイソプロピル基、イソブチル
基、第三ブチル基、イソペンチル基等を意味するものと
理解されたい。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及
びヨウ素原子を表わすが、好ましくはフッ素原子、塩素
原子または臭素原子である。接頭語の“ハロ”は、対応
する置換基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ
素原子から選ばれる1個もしくはそれ以上のハロゲン原
子で置換されていることを意味する。
置換基R1のためのアシル基として好ましいのは、例え
ば次式: (式中、 Xは酸素原子または硫黄原子を表わし、 R10は水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基
またはハロゲン原子を表わし、そして R11は水素原子;炭素原子数1ないし10のアルキル
基;ハロゲン原子、水酸基、炭素原子数1ないし6のア
ルコキシ基もしくは炭素原子数1ないし6のハロアルコ
キシ基で置換された炭素原子数1ないし10のアルキル
基;フェニル基;またはハロゲン原子、シアノ基、炭素
原子数1ないし3のアルキル基、炭素原子数1ないし3
のアルコキシ基、炭素原子数1ないし3のハロアルコキ
シ基及び/またはニトロ基により置換されたフェニル基
を表わす)で表わされる基である。
特に好ましいアシル基a)、b)及びc)は、式中、 Xが酸素原子を表わし、 R10が水素原子、メチル基、フッ素原子、塩素原子ま
たは臭素原子を表わし、そして R11が水素原子;炭素原子数1ないし4のアルキル
基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、炭素原
子数1ないし4のアルコキシ基もしくは炭素原子数1な
いし4のハロアルコキシ基により置換された炭素原子数
1ないし4のアルキル基;フェニル基;またはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基もしく
はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表わ
す基である。
シリル基R1として適するのは、次式:−Si(R4
(R5)(R6)(式中、R4、R5及びR6は好ましくは各々独
立に炭素原子数1ないし4のアルキル基、ベンジル基ま
たはフェニル基を表わす)で表わされる基であり、例え
ばトリメチルシリル基、トリス(第三ブチル)シリル
基、ジメチル−(2,3−ジメチル−2−ブチル)−シリ
ル基、ジフェニル−第三ブチルシリル基、ビス(イソプ
ロピル)メチルシリル基、トリフェニルシリル基等から
選ばれる基であり、特に第三ブチルジメチルシリル基で
ある。5−OH基はメチルエーテル、ベンジルエーテルま
たはメトキシエトキシメチルエーテルのようなエーテル
の形態であってもよい。
R1がシリル基を表わす式Iの化合物は、該基を単純な
方法、例えば加水分解により除去して、活性の高い遊離
5−ヒドロキシ誘導体(R1=H)に転化することがで
き、従って、これらはむしろ中間体としての性格を有す
る。しかしながら、これらの化合物の生物学的な価値
は、一般的に言って保護基によって減少することはな
い。
13位の置換基Rは、自然に存在する抗生物質S541にお
いては必ず水素原子である(R1=HまたはCH3;R2=C
H3、C2H5またはイソC3H7;R3=OH)。
式Iの範囲内の重要なグループは、上記式I中、 Rが炭素原子数1ないし10のアルキル基を表わし、 R1が水素原子、メチル基またはシリル基を表わし、 R2がメチル基、エチル基またはイソプロピル基を表わ
し、そして R3が水素原子またはOH基を表わし、 ただしR3が水素原子を表わす場合、22位と23位との間
には二重結合または単結合があり、R3がOH基を表わす場
合、22位と23位との間には単結合がある化合物を含む。
天然の抗生物質S541は、ドイツ特許第3532794号及び
ドイツ特許第3519834号により公知である。それらの構
造は次式で表わされる。
以下、名称を簡単にするために、抗生物質S541の誘導
体を、上記のファクターA、B、C、D、EまたはFに
従って、誘導体S541A、S541B、S541C、S541D、S541E及
びS541Fと分類する。
下記の副群の式Iの化合物は、著しく優れた寄生体防
除作用及び殺虫性を有するため、好ましい。式中、Rが
炭素原子数1ないし3のアルキル基を表わし、R1が水素
原子を表わす化合物が特に好ましい。
副群I a:上記式I中、Rが炭素原子数1ないし10のアル
キル基を表わし、R1がH、CH3または次式:−Si(R4
(R5)(R6)(式中、R4、R5及びR6は各々独立に炭素原
子数1ないし4のアルキル基、ベンジル基またはフェニ
ル基を表わす)で表わされる基を表わし、R2がメチル
基、エチル基またはイソプロピル基を表わし、そしてR3
が水素原子またはOH基を表わし、ただしR3が水素原子を
表わす場合、22位と23位との間には二重結合または単結
合があり、R3がOH基を表わす場合、22位と23位との間に
は単結合がある化合物。
副群I b:上記式I中、Rが炭素原子数1ないし4のアル
キル基を表わし、R1が水素原子、メチル基、トリメチル
シリル基、トリス(第三ブチル)シリル基、ジメチル−
(2,3−ジメチル−2−ブチル)−シリル基、ジフェニ
ル−第三ブチルシリル基、ビス(イソプロピル)メチル
シリル基、トリフェニルシリル基または第三ブチル−ジ
メチルシリル基を表わし、R2がメチル基、エチル基また
はイソプロピル基を表わし、そしてR3がOH基を表わす化
合物。
副群I c:上記式I中、Rが炭素原子数1ないし10のアル
キル基を表わし、R1が水素原子を表わし、R2がメチル
基、エチル基またはイソプロピル基を表わし、そしてR3
がOH基を表わす化合物。
副群I d:上記式I中、Rが炭素原子数1ないし10のアル
キル基を表わし、R1が水素原子を表わし、そしてR2がメ
チル基、エチル基またはイソプロピル基を表わし、そし
てR3が水素原子を表わし、22位と23位の間に二重結合ま
たは単結合がある化合物。
副群I e:上記式I中、Rが炭素原子数1ないし6のアル
キル基を表わし、R1が水素原子を表わし、R2がメチル
基、エチル基またはイソプロピル基を表わし、そしてR3
が水素原子を表わし、22位と23位の間に二重結合または
単結合がある化合物。
副群I f:上記式I中、Rが炭素原子数1ないし6のアル
キル基を表わし、R1が水素原子を表わし、R2がメチル
基、エチル基またはイソプロピル基を表わし、そしてR3
が水素原子を表わし、22位と23位の間に二重結合がある
化合物。
副群I g:上記式I中、Rがメチル基、エチル基またはn
−プロピル基を表わし、R1が水素原子またはメチル基を
表わし、R2がメチル基、エチル基またはイソプロピル基
を表わし、そしてR3が水素原子を表わし、22位と23位と
の間に二重結合がある化合物。
副群I h:副群I gと同じ式で表わされるが、R3が水素原
子であって、22位と23位との間に単結合がある化合物。
特に好ましい式Iの個々の物質は、例えば下記のもの
である。
13β−メチル−抗生物質S541A、 13β−メチル−抗生物質S541B、 13β−n−プロピル−抗生物質S541A、 13β−エチル−抗生物質S541A、 13β−エチル−抗生物質S541B、 13β−n−プロピル−抗生物質S541B、 13β−エチル−抗生物質S541C、 13β−メチル−抗生物質S541C、 13β−エチル−抗生物質S541D、 13β−メチル−抗生物質S541D、 13β−エチル−抗生物質S541E、 13β−メチル−抗生物質S541E、 13β−エチル−抗生物質S541F、 13β−メチル−抗生物質S541F、 13β−メチル−23−デオキシ−抗生物質S541A、 13β−エチル−23−デオキシ−抗生物質S541A、 13β−メチル−23−デオキシ−抗生物質S541F、 13β−エチル−23−デオキシ−抗生物質S541F、 13β−メチル−22,23−デヒドロ−23−デオキシ−抗
生物質S541A、及び 13β−エチル−22,23−デヒドロ−23−デオキシ−抗
生物質S541A とりわけ、下記の化合物が好ましい。
13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物質S541A、 13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物質S541B、 13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物質S541C、 13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物質S541D、 13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物質S541E及び 13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物質S541F。
本発明は、式Iの化合物だけでなく、該化合物の新規
な製造方法にも関する。本発明において、下記に示す式
IIのアリルエステルのうち、アリル基OR7が分子の15位
にあるものが、次式:Al(R)のトリアルキルアルミ
ニウム化合物との反応により式Iの化合物に転化しうる
こと、そして該反応において導入される置換基Rが分子
の13β位に立体特異的に配位され、15位で置換された副
生成物がほんの少量しか生じず、これはクロマトグラフ
ィーの方法により、所望の最終生成物から除去しうるこ
とが見出された。R7はアシル基、例えばホルミル基、ア
セチル基、ベンゾイル基、エトキシカルボニル基または
P(=O)(OEt)のようなP(=O)(アルコキ
シ)基、アルキルアルホニル基、好ましくは低級アル
キルスルホニル基、特にメシル基、及びある場合にはテ
トラヒドロピラニル基であるが、それらのより高次の同
族体であってもよい。
13β−OR7基を含む式IIの化合物は、13β−配位を保
持したまま式Iの化合物に転化することもできる。従っ
て、本発明による方法は、アルキル基Rを抗生物質S541
の誘導体の13β位に選択的に導入すること、並びに高い
有効性を有し、他の誘導体との配合剤としても使用で
き、且つもとの物質に優る顕著な利点を有する新規な式
Iの寄生体防除剤及び殺虫剤を得ることを可能にする。
従って、本発明は、 (式中、Aは次式aまたはb: を表わし、 R7はアシル基を表わし、 R1及びR2は後記式Iで定義する意味を表わす)で表わ
されるアリルエステルを、次式III: Al(R) (III) (式中、Rは後記式Iで定義する意味を表わす)で表わ
されるトリアルキルアルミニウム化合物で処理し、遊離
の5−ヒドロキシ化合物が望まれる場合には、続いてシ
リル基R1を加水分解により除去し、そして所望により23
−ヒドロキシ基を還元するか、または除去することを特
徴とする式Iの化合物の製造方法に関する。
一般的には、該方法は不活性溶媒中で行なわれる。適
する溶媒は、例えばエーテル及びエーテル性化合物、例
えばジアルキルエーテル(ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテル、第三ブチルメチルエーテル、ジメトキ
シエタン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソー
ル等);ハロゲン化炭化水素、例えばクロロベンゼン、
メチレンクロライド、エチレンクロライド等;またはジ
メチルスルホキシドのようなスルホシドである。芳香族
もしくは脂肪族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、
キシレン、石油エーテル、リグロイン、シクロヘキサン
等も使用しうる。反応またはその部分工程は、保護ガス
(例えばアルゴン、ヘリウム、窒素等)の雰囲気下、及
び/または無水溶媒中で行なうのが有利である。所望に
よっては、中間体を反応媒体から単離してもよく、さら
に所望により、次の反応の前に、慣用方法、例えば水
洗、温浸、抽出、再結晶、クロマトグラフィー等により
精製してもよい。しかしながら、精製工程は省くことが
でき、相当する最終生成物のみについて行なえばよい。
13β−アルキル基の導入に適するトリアルキルアルミ
ニウム化合物は(炭素原子数1ないし10のアルキル)
アルミニウム化合物、例えばトリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリヘキシルアルミニウム等である。反応は、通常
−100℃ないし+100℃の範囲の温度、好ましくは−20℃
ないし+60℃の範囲の温度で実施される。式IIIのトリ
アルキルアルミニウム化合物は、当モル量で、そのま
ま、または不活性溶媒に入れて、式IIの化合物の溶液中
に添加される。
反応が完結したら、シリル保護基は、式Iの化合物を
希酸、例えばメタノール中のp−トルエンスルホン酸の
1%溶液、またはアセトニトリル中のHFの水性溶液で、
−20℃ないし+50℃、好ましくは0℃ないし+30℃の範
囲の温度で処理するか、またはピリジン中のピリジンフ
ルオライドで処理することにより除去される。
式IIIのトリアルキルアルミニウム化合物は公知であ
り、公知の代表的化合物と同様の製造方法により製造し
うる。
式IIの出発エステルは対応する次式IV (式中、Aは次式aまたはb: で表わされる基を表わし、 R2は式Iで定義した意味を表わし、 R1は式Iで示した水素原子、メチル基、アシル基また
はシリル基を表わす)で表わされるアリルアルコールか
ら、文献により公知の慣用のアシル化方法、例えば酸ク
ロライド(R7COCl)または酸無水物〔(R7CO)2O〕(上
記式中、R7は式IIで定義した意味を表わす)と、塩基
(トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノ
ピリジン等)の存在下、上記の不活性溶媒、例えばジク
ロロメタン、クロロホルム等中、そして−20℃ないし10
0℃、好ましくは0℃ないし30℃の範囲の温度で反応さ
せることにより製造しうる。
式IV bの化合物〔=Δ13,14−15−ヒドロキシ〕は、
次式V: (式中、R1及びR2は式Iで定義した意味を表わす)で表
わされる14,15−エポキシ化合物から、次式:〔HN3〕x/
Al(エチル)〕y(式中、x及びyは各々独立に1も
しくは2、または1と2の間の価を表わす)で表わされ
る錯体試薬を用いて、不活性乾燥溶媒中、−20℃ないし
+150℃、好ましくは+20℃ないし+80℃の温度範囲で
製造しうる。
好ましい不活性溶媒は、脂肪族及び芳香族炭化水素、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン及び石油エーテ
ル;エーテル、例えばジエチルエーテル、第三ブチルメ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン及びア
ニソールである。
反応は有利には保護ガス、例えば窒素またはアルコン
中で行なわれる。アジ化水素酸(HN3)もまた、初期の
段階で、アジ化ナトリウムを記載した乾燥溶媒または溶
媒の混合物中に懸濁させ、その後、強酸、例えばH2SO4
(好ましくは絶対的に乾燥条件を保つために発煙硫酸)
を用いて、該溶液中にHN3を発生させることにより〔H
N3〕x/〔Al(Et)〕yで表わされる錯体に変えること
ができる。Al(Et)は既に該溶液中に存在するか、ま
たはすぐ後にそこに添加される。反応させるべきエポキ
シ化合物は該溶液中に既に存在するか、または適当な時
期にそこに添加される。
式IV bの化合物の製造に使用される式Vの出発化合物
は、DE−3532794により公知の化合物のエポキシ化によ
り容易に製造することができ、次式VI: で表わされる“抗生物質S541(ファクターAないし
F)”として示されている。
エポキシ化は溶媒層中、−10℃ないし+20℃、好まし
くは−5℃ないし+5℃の温度範囲で行なわれる。
エポキシ化は、過酸、例えば過酢酸、トリフルオロ過
酢酸、過安息香酸、クロロ過安息香酸により行なわれ
る。ジ−及びトリエポキシド(副生成物)はクロマトグ
ラフィーにより除去しうる。
式IV aの13β−ヒドロキシ−Δ14,15化合物は、式II
b(式中、R1が保護基を表わす)で表わされる化合物
を、ピリジニウムジクロメート〔=(Pyr)2Cr2O7〕と
反応させることにより製造されうる。この反応はジメチ
ルホルムアミド中、約−10℃ないし+60℃の範囲の温度
で行なわれる。続いて、所望により保護基R1を加水分解
により除去する。
5−OH基の選択的なアシル化またはシリル化により、
R1が水素原子とメチル基以外の基を表わす式IないしVI
の全ての誘導体(R1はOH−保護基を表わす)が製造され
る。シリル化のためには、次式:Y−Si(R4)(R5
(R6)(式中、R4,R5及びR6は上記の基のうちの一つを
表わし、そしてYはシリル脱離基を表わす)で表わされ
るシランを使用するのが有利である。シリル脱離基Yの
例としては、ブロマイド、クロライド、シアニド、アジ
ド、アセトアミド、トリフルオロアセテートまたはトリ
フルオロメタンスルホネートが挙げられる。これらの例
は限定的なものではなく、他の典型的なシリル脱離基は
熟練技術者に知られている。
5−0−シリル化は、無水媒体、好ましくは不活性溶
媒、そして最も好ましくは非プロトン性溶媒中で行なわ
れる。反応は有利には+80℃、好ましくは+10℃ないし
+40℃の温度範囲で行なわれる。有機塩基を添加するの
が好ましい。適する有機塩基の例としては、第三アミ
ン、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、
トリアゾール及び好ましくはピリジン、イミダゾールま
たは1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデセ−クーエン
(CBU)が挙げられる。
これらの5位のシリル基R1の除去は、選択的な穏やか
な加水分解(→R1=H)により、例えばアルコール溶液
中でアリールスルホン酸を用いることにより、または熟
練技術者に知られている他の方法に従って行なわれる。
アシル化(R1=アシル)は有利には式IないしVIの化
合物(式中、R1は水素原子を表わす)の一つを、対応す
る酸ハライド、特に酸クロライドと反応させることによ
り有利に行なわれ、例えばシリル化と同様の条件下で行
なわれる。
式I中、R,R1及びR2が上記の意味を表わし、R3がOH基
を表わす抗生物質S541の13β−アルキル誘導体は、US−
PS4,328,335号に記載された方法と同様の方法により、
対応する式Iの23−デオキシまたは22,23−デヒドロ−2
3−デオキシ誘導体に転化することができる。ここにお
いて、特に遊離の5−OH基を有する式Iの化合物(R1
H)は、上記のシリル化剤Y−Si(R4)(R5)(R6)ま
たは第三ブチルジメチルシリルオキシアセチルクロライ
ドの一つとの反応により、選択的に保護されなければな
らない。これらの式Iの保護された化合物(式中、R1
Si(R4)(R5)(R6)またはC(=O)CH2OSi(CH32
t−C4H9を表わし、そしてR3がOHを表わす)をp−メチ
ルフェニルクロロチオノホルメートと反応させることに
より、式I中、R3がO−C(=S)−OC6H4−CH3−pを
表わす誘導体が得られる。これらの抗生物質S541の23−
O−(4−メチルフェノキシ)−チオカルボニル誘導体
は、その後、出発物質として用いて、トルエン中、アゾ
ビスイソブチロニトリルの存在下、80−120℃の温度で
水素化トリブチルスズで還元することにより式Iの23−
デオキシ誘導体(R1=H)を製造するか、または熱分解
(150−250℃)して、式Iの22,23−デヒドロ−23−デ
オキシ誘導体(R1=H,22,23−二重結合)を製造する。
式I中、R3がOH基を表わす化合物の製造も、本発明に
より、下記の反応式に従って行なうことができる。
従って、式I中、R3がOHを表わす化合物の製造も、本
発明により、次式X (式中、R20は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表
わす)で表わされる抗生物質S541A誘導体を次式XI: (R)3Al (XI) (式中、Rは前記式Iで定義した意味を表わす)で表わ
される化合物と反応させることにより行なわれる。
式Xの化合物と式XIの化合物との反応は、通常不活性
ガス、例えば窒素またはアルゴンの雰囲気下で、少なく
とも一種の無水溶媒の存在下で行なわれる。そのような
溶媒には、例えばメチレンクロライド、クロロホルム及
びジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素、ベンゼ
ン及びトルエンのような芳香族炭化水素、n−ヘキサン
及びn−ヘプタンのような脂肪族炭化水素、及びテトラ
ヒドロフラン及びジメトキシエタンのようなエーテルが
挙げられる。
通常は、反応はトリアルキルアルミニウム(XI)を低
温で、ゆっくり滴下することにより行なわれ、その後温
度を徐々に上げて−78℃ないし50℃、好ましくは−50℃
ないし25℃の範囲の温度まで、0.5ないし24時間、通常
2ないし4時間かけて徐々に温度を上げることにより行
なわれる。
式Xの出発物質は、次式XII: で表わされる13−ヒドロキシ−5−ケト−抗生物質S541
A誘導体を次式XIII: R20OCOOH (XIII) (式中、R20は上記の意味を表わす)で表わされるカー
ボネートと、またはそれらの反応性誘導体と反応させる
ことにより、次式XIV: (式中、R20は前記の意味を表わす)で表わされる13−
アルコキシカルボニルオキシ−5−ケト−抗生物質S541
A誘導体を製造し、続いて式XIVの化合物を還元して式X
の化合物を製造することにより製造される。
式XIIの化合物と式XIIIのカーボネートとの反応は、
公知方法自体により行なうことができる通常のエステル
化反応である。式XIIIの化合物の反応性誘導体は、例え
ば対応する酸クロライド、酸無水物、混合された酸無水
物及び活性エステルであり、エチルクロロホルメートが
好ましい。
反応は通常、不活性溶媒中、酸結合剤の存在下で行な
われる。好ましい溶媒としては、例えば四塩化炭素、ク
ロロホルム、メチレンクロライド及びジクロロエタンの
ようなハロゲン化炭化水素、ベンゼン及びトルエンのよ
うな芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン及びジメトキシエタンのようなエーテルが含まれ
る。
好ましい酸結合剤には、例えばピリジン、4−ジメチ
ルアミノピリジン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチ
ルアミン及び第三オクチルアミンのような有機アミンが
含まれる。
通常、反応は−20℃ないし80℃、好ましくは0℃ない
し20℃の温度範囲で、10分ないし24時間、通常は30分な
いし3時間かけて行なわれる。
式XIVの化合物の式Xの化合物への還元は、大抵の場
合は公知の還元方法それ自体により行なわれる。しかし
ながら、還元を行なう5位以外の分子の部分には影響を
与えないことが必要であり、従って、アニオン性水素に
よる還元が好ましい。アニオン性水素を遊離する還元剤
には、例えば水素化ホウ素ナトリウム及びジボランが含
まれる。
還元は、通常、不活性溶媒、例えばメタノール、エタ
ノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたは
ベンゼン中、0ないし20℃の範囲の温度で、10分ないし
3時間かけて行なわれる。
アルキル基R20には、例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基及びブチル基が含まれ、エチル基が好ましい。
式XIIIの13−OH−5−ケト−抗生物質S541Aは、式XV
の5−ケト−抗生物質S541Aから製造することもでき、
該化合物は、式XVの化合物を次式XVI: R21−COOH (XVI) (式中、R21は水素原子または炭素原子数1ないし4の
アルキル基を表わす)で表わされる酸の存在下、セレン
ジオキサイドと反応させることにより誘導される。
該反応は、抗生物質S541Aの13位の回りのアリル型立
体配位の酸化であり、式XVの化合物を酸XVIの存在下で
セレンジオキサイドと反応させることにより行なわれ
る。式XVI中のR21が炭素原子数1ないし4のアルキル基
を表わす場合、それらは直鎖もしくは枝分かれ鎖の炭素
原子数1ないし4のアルキル鎖のうちのいずれであって
もよい。式XVIの酸は好ましくはギ酸または酢酸、とり
わけギ酸である。式XVの5−ケト化合物1モルに対して
少なくとも1モルの式XVIの酸を使用するのが好まし
く、5−ケト化合物1モルに対して1モル以上の酸を用
いるのが特に好ましい。酸は、著しく過剰に使用して、
同時に反応媒体として作用させることもでき実際、この
方法は好ましい。
酸以外の溶媒を使用する場合、その様な溶媒の性質は
臨界的なものではないが、反応に対して不利な性質を持
たないものであることを条件とする。そのような溶媒の
例としては、例えば炭化水素、好ましくは脂肪族又は芳
香族炭化水素、例えばヘキサンまたはベンゼン;ハロゲ
ン化炭化水素、好ましくは脂肪族のハロゲン化炭化水
素、例えばメチレンクロライドまたはクロロホルム;エ
ーテル、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
またはジオキサン;アルコール、例えばメタノールまた
はエタノール;エステル、例えば酢酸エチルエステルま
たは酢酸フェニルエステル;アミド、例えばジメチルホ
ルムアミドまたはジメチルアセトアミド;ジメチルスル
ホキシド;水;及び上記の溶媒の2種以上の混合物が挙
げられる。
使用するセレンジオキサイドの量は、式XVの5−ケト
化合物1モルに対して好ましくは1ないし10モル、特に
1ないし3モルである。) 反応温度については、反応は広範囲の温度で起こるの
で特に限定しない。有利には、0ないし80℃の温度、好
ましくは室温で、または穏やかに加熱しながら反応を行
なう。そのような温度では、反応に要する時間は通常30
分ないし1日である。
式XVの5−ケト化合物は、抗生物質S541Aから、単純
な酸化により、例えば慣用の酸化方法により、二酸化マ
ンガンまたは他の慣用の酸化剤で酸化することにより製
造しうる。
式XI、XIII及びXVIの出発材料は公知であるか、また
は公知の代表例と同様に製造しうる。
式X、XII、XIV及びXVの中間体は、その特別の構造か
らみて活性の高い式Iの化合物の製造に使用するために
予定されたものである。これらは、寄生体防除作用をも
有し、本発明の一部を構成する。
上記の式Iの化合物の製造方法は、全ての部分工程に
おいて、本発明の一部を構成する。
本発明はまた外部−および内部寄生体並びに有害昆虫
の防除用の防除用組成物に関し、該組成物は有効成分と
して式Iの化合物の少なくとも一種を慣用の担体および
/たは分散剤と共に含有する。
式Iで表わされる化合物は動物の外部寄生生物を含む
植物及び動物の有害生物を防除する為に最も適してい
る。外部寄生有害生物とは、ダニ目の生物、特にマダニ
科(Ixodidae)、ワクモ科(Dermanyssidae)、ヒゼン
ダニ科(Sarcoptidae)、プソロプチド科(Psoroptida
e)に属する有害生物;マロフアガ(Mallophaga)、シ
フオナプテラ(Siphonaptera)、アノプルラ(Anoplur
a)目(例えばヘマトピニド科(Haematopinidae)のも
の)及び双翅目(Diptera)、特にイエバエ科(Muscida
e)、クロバエ科(Calliphoridae)、ヒツジバエ科(Oe
sterridae)、アブ科(Tabanidae)、シラミバエ科(Hi
ppoboscidae)及びウマバエ科(Gastrophilidae)に属
する有害生物を包含する。
式Iで表わされる化合物は衛生害虫、特に双翅目(ニ
クバエ科(Sarcophagidae)、イノフイリダエ科(Anoph
ilidae)及びクリシダエ科(Culicidae)に属するも
の)の害虫、直翅目(Orthoptera)、網翅目(Dictyopt
era)(例えばゴキブリ科(Blattidae)のもの)及び膜
翅目(Hymenoptera)(例えばアリ科(Formicidae)の
もの)の害虫に対しても使用することができる。
式Iの化合物はまた植物に寄生するダニ及び昆虫に対
し永続する効力をもっている。ダニ目のハダニ類を防除
する為に使用すると、ハダニ科〔テトラニクス(Tetran
ichus spp)類及びパノニクス(Panonychus spp.)類の
卵、さなぎ及び成虫に対して有効である。
これらの化合物は同翅目(Homoptera)の吸液昆虫、
特にアブラムシ科(Aphididae)、ウンカ科(Delphacid
ae)、ヒメヨコバイ科(Cicadellidae)、キジラミ科
(Psyllidae)、ロシダエ(Loccidae)、マルカイガラ
ムシ科(Diaspididae)及びエリオフイダニ(Eriophyid
ae)(例えばレモン果実上のサビマイト)の有害生物に
対し、また半翅目(Hemiptera)、異翅亜目(Heteropte
ra)及びアザミウマ目(Thysanoptera)の有害生物に対
しても良好な効果を示し鱗翅目(Lepidptera)、鞘翅目
(Coleoptera)、双翅目(Diptera)及び直翅目(Ortho
ptera)の植物食害昆虫に対しても良好な効果を有す
る。
式Iで表わされる化合物はまた土中の有害生物に対し
て使用する為にも適している。
従って式Iの化合物は、穀物、棉、稲、とうもろこ
し、大豆、じゃがいも、野菜、果実、タバコ、ホツプ、
ミカン類、アボカド及びその他のような作物中の吸液害
虫及び食害昆虫のすべての発達段階に対して有効であ
る。
式Iの化合物はまた植物線虫類、メロイドギネ科(Me
loidogyne)、ヘテロデラ科(Heterodera)、プラチレ
ンクス科(Pratylenchus)、ジチレンクス科(Ditylenc
hus)、ラドルファス科(Radolphus)、リゾグリフアス
科(Phizoglyphus)及びその他の科に属する種の線虫に
対しても有効である。
更にまた式Iの化合物は、寄生虫、特に哺乳動物及び
鳥、例えばヒツジ、豚、山羊、ウシ、ウマ、ロバ、犬、
猫、モルモツト、飼育小鳥などの病気を起す原因となり
うる内部寄生線虫に対して作用を有する。このような線
虫の代表的なものを上げると、ヘモンクス(Haemonchu
s)、トリコストロンギルス(Trichostrongylus)、オ
ステルタギア(Ostertagia)、ネマトデイルス(Nemato
dirus)、コーペリア(Cooperia)、アスカリス(Ascar
is)、ブノストマム(Bunostomum)、エスフアゴストマ
ム(Oesphagostomum)、チヤベルテイア(Chaberti
a)、トリクリス(Trichuris)、ストロンギリス(Stro
ngylus)、トリコネア(Trichonema)、ジクチオカウル
ス(Dictyocaulus)、カピラリア(Cappillaria)、ヘ
テラキス(Heterakis)、トクソカラ(Toxocara)、ア
スカリデイア(Ascaridia)、オキシウリス(Oxyuri
s)、アンシロストマ(Ancylnstoma)、ウンシナリア
(Uncinaria)、トキサスカリス(Toxascaris)及びパ
ラスカリス(Parascaris)である。
式Iの化合物の特に有利な点は、ベンズイミダゾール
系殺寄生虫剤に対して耐性である寄生虫に対しても有効
であることである。
ネマトジラス(Nematodirus)、コオペリア(Cooperi
a)およびオエソフアゴストムム(Oesophagostomum)属
のある種は宿主動物の腸管を攻撃し、一方ハエモンクス
(Haemonchus)およびオステルタギア(Ostertagia)種
のある種は胃にそしてジクチオカウルス(Dictyocaulu
s)種のある種は肺組織に寄生する。フイラリイダエ(F
ilariidal)およびセタリイダエ(Setariidae)族の寄
生体は内部細胞組織および内部器官、例えば心臓、血
管、リンパ管内および皮下組織内、に見られる。これに
関連して、犬の心臓寄生虫(heartworm)、ジロフイラ
リアイミチス(Dirofilaria immitis)を特に述べる。
式Iの化合物はこれらの寄生体に対して非常に有効であ
る。
式Iの化合物はまた人間の病因性寄生体の防除にも適
しており、それらの寄生体の中で消化管に発生する典型
的例として、アンシロストマ(Ancylostama)、ネカト
ール(Necaton)、アスカリス(Ascaris)、ストロンギ
イロイデス(Strongyloides)、トリチネラ(Trichinel
la)、カピラリア(Capillaria)、トリクリス(Trichu
ris)およびエンテロビウス(Enterobius)種の寄生体
を述べることができる。本発明の化合物は血液、組織お
よび種々の器官に存在するフイラリイダエ(Filariida
e)族のウチエレリア(Wuchereria)、ブルギア(Brugi
a)、オンコセルカ(Onchocerca)およびロア(Loa)種
の寄生体に対しても有効であり、そして更に、ドラクン
クルス(Dracunculus)、および特に胃腸管にはびこる
ストロンギロイデス(Strongyloides)およびトリチネ
ラ(Trichinella)種の寄生体に対して有効である。
式Iの化合物はそのままの形態、或いは好ましくは製
剤技術で慣用の補助剤と共に組成物として使用され、公
知の方法により乳剤原液、直接噴霧可能なまたは希釈可
能な溶液、希釈乳剤、水和剤、水溶剤、粉剤、粒剤、お
よび例えばポリマー物質によるカプセル化剤に製剤化さ
れる。組成物の性質と同様、噴霧、散布、散水または注
入のような適用法は、目的とする対象および使用環境に
依存して選ばれる。
式Iの化合物は温血動物に対し体重1Kg当り0.01ない
し10mgの割合で投与し、閉鎖された作付地域、囲い、家
畜小屋または他の建物に対し1ヘクタール当り10gない
し1000gの割合で施用する。
製剤、即ち式Iの化合物(有効成分)を含む組成物、
配合物または混合物は、公知の方法により、例えば有効
成分を溶媒、固体担体および適当な場合には表面活性化
合物(界面活性剤)のような増量剤と均一に混合および
/または摩砕することにより、製造される。
適当な溶媒は次のものである:芳香族炭化水素、好ま
しくは炭素原子数8ないし12の部分、例えばキシレン混
合物または置換ナフタレン;ジブチルフタレートまたは
ジオクチルフタレートのようなフタレート;シクロヘキ
サンまたはパラフインのような脂肪族炭化水素;エタノ
ール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメ
チルまたはモノエチルエーテルのようなアルコールおよ
びグリコール並びにそれらのエーテルおよびエステル;
シクロヘキサノンのようなケトン;;N−メチル−2−ピ
ロリドン、ジメチルスルホキシドまたはジメチルホルム
アミドのような強極性溶媒;並びにエポキシ化ココナツ
ツ油または大豆油のようなエポキシ化植物油;または
水。
例えば粉剤および分散性粉末に使用できる固体担体は
通常、方解石、タルク、カオリン、モンモリロナイトま
たはアタパルジヤイトのような天然鉱物充填剤である。
物性は改良するために、高分散ケイ酸または高分散吸収
性ポリマーを加えることも可能である。適当な粒状化吸
収性担体は多孔性型のもので、例えば軽石、破砕レン
ガ、セピオライトまたはベントナイトであり;そして適
当な非吸収性担体は方解石または砂のような物質であ
る。更に非常に多くの予備粒状化した無機質および有機
質の物質、特にドロマイトまたは粉状化植物残骸、が使
用し得る。
製剤化すべき有効成分の性質によるが、適当な表面活
性化合物は良好な乳化性、分散性および湿潤性を有する
非イオン性、カチオン性および/またはアニオン性界面
活性剤である。
“界面活性剤”の用語は界面活性剤の混合物をも含む
ものと理解されたい。
適当なアニオン性界面活性剤は、水溶性石ケンおよび
水溶性合成表面活性化合物の両者であり得る。
適当な石鹸は高級脂肪酸(C10〜C22)のアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩、または非置換または置換のア
ンモニウム塩、例えばオレイン酸またはステアリン酸、
或いは例えばココナツツ油または獣脂から得られる天然
脂肪酸混合物のナトリウムまたはカリウム塩である。脂
肪酸メチルタウリン塩もまた用い得る。
しかしながら、いわゆる合成界面活性剤、特に脂肪族
スルホネート、脂肪族サルフエート、スルホン化ベンズ
イミダゾール誘導体またはアルキルアリールスルホネー
ト、が更に頻繁に使用される。
脂肪族スルホネートまたはサルフエートは通常アルカ
リ金属塩、アルカリ土類金属塩或いは非置換または置換
のアンモニウム塩の形態にあり、そしてアシル基のアル
キル部分をも含む炭素原子数8ないし22のアルキル基を
含み、例えばリグノスルホン酸、ドデシルサルフエート
または天然脂肪酸から得られる脂肪族アルコールサルフ
エートの混合物のナトリウムまたはカルシウム塩であ
る。これらの化合物には硫酸エステルの塩および脂肪族
アルコール/エチレンオキシド付加物のスルホン酸の塩
も含まれる。スルホン化ベンズイミダゾール誘導体は、
好ましくは二つのスルホン酸基と8ないし22個の炭素原
子を含む一つの脂肪酸基とを含む。アルキルアリールス
ルホネートの例は、ナフタレンスルホン酸/ホルムアル
デヒド縮合生成物のナトリウム、カルシウムまたはトリ
エタノールアミン塩である。対応するホスフエート、例
えば4ないし14モルのエチレン オキシドを含むp−ノ
ニルフエノール付加物のリン酸エステルの塩、またはリ
ン脂質もまた適当である。
製剤業界で慣用の界面活性剤は例えば下記の刊行物に
記載されている:“マクカツチヤンズデタージエンツ
アンド エマルジフアイアーズ アニユアル(Mc Cutch
eon's Detergents and Emulsifiers Annual)",マツク
出版社、リングウツド、ニユージヤージー州、1982年。
殺虫剤組成物は通常、式Iの化合物0.01ないし95%、
好ましくは0.1ないし80%、固体または液体補助剤5な
いし99.9%、および界面活性剤0ないし25%、好ましく
は0.1ないし25%を含む。
商業製品は濃厚物として製剤化されるのが好ましい
が、最終使用者は通常1ないし10,000ppmの濃度の希釈
剤として使用する。
従って本発明は、有効成分として式Iの化合物の少な
くとも一つを通常の担体および/又は分散剤と共に含む
有害生物防除用組成物にも関する。
該組成物は、特別の効果を得るために安定剤、消泡
剤、粘度調整剤、結合剤、粘着付与剤並びに肥料又は他
の活性成分のような別の成分をも含み得る。
〔製剤実施例〕
出発物質及び中間体の製造 特記しない限り、下記の製造方法においては、反応剤
は当モル量で使用するものとする。通常、大環状化合物
を最初に取り、他の反応剤を当モル量、またはわずかに
適量で、いくつかに分けて添加する。
実施例A1:14,15−エポキシ−抗生物質S541Aの製造: ジクロロエタン中のm−クロロ過安息香酸の溶液を、
氷冷しながら、ジクロロメタン中の抗生物質S541A(フ
ァクターA)の溶液に添加する。室温で1時間撹拌した
後、ジクロロメタンと5%のNaHCO3水溶液とを用いて抽
出する。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフ
ィーにかけると、14,15−エポキシ−抗生物質S541Aが得
られる。
実施例A2:5−O−第三ブチルジメチルシリル−14,15−
エポキシ−抗生物質S541Aの製造: ジメチルホルムアミド(DMF)中の14,15−エポキシ−
抗生物質 S541A、第三ブチルジメチルクロロシラン及
びイミダゾールの溶液を、室温で2時間撹拌する。続い
て、ジエチルエーテルを添加し、得られた混合物をシリ
カゲルで濾過する。濃縮後、5−O−第三ブチルジメチ
ルシリル−14,15−エポキシ−抗生物質 S541Aが得ら
れ、これらはカラムクロマトグラフィにより精製しう
る。
実施例A3:5−O−第三ブチルジメチルシリル−15−ヒド
ロキシ−Δ13,14−抗生物質S541Aの製造: HN3/Et3Al錯体反応剤の溶液(テトラヒドロフラン中
のEt3Al及びHN3から得られる)を、アルゴン雰囲気下、
テトラヒドロフラン中の5−O−第三ブチルジメチルシ
リル−14,15−エポキシ−抗生物質S541Aの溶液に添加
し、混合物を還流下で12時間加熱する。その後、ジエチ
ルエーテル、メタノール及びNa2SO4・10H2Oを室温で添
加する。
混合物を濾過し、濃縮し、粗生成物をシリカゲルのカ
ラムクロマトグラフィーにかけると、5−O−第三ブチ
ルジメチルシリル−15−ヒドロキシ−Δ13,14−抗生物
質S541Aが得られる。
実施例A4:5−O−第三ブチルジメチルシリル−15−アセ
トキシ−Δ13,14−抗生物質S541Aの製造: 無水酢酸及びピリジン中の5−O−第三ブチルジメチ
ルシリル−15−ヒドロキシ−Δ13,14−抗生物質S541Aの
溶液を、室温で0.5時間撹拌する。ジエチルエーテル中
で5%のNaHCO3水溶液と、1モル濃度のHClで処理し、
シリカゲルで濾過すると、5−O−第三ブチルジメチル
シリル−15−アセトキシ−Δ13,14−抗生物質S541Aが得
られる。
最終生成物の製造 実施例H1:5−O−第三ブチルジメチルシリル−13−メチ
ル−抗生物質S541Aの製造: トルエン中のトリメチルアルミニウムの17%溶液を、
0℃で、アルゴン雰囲気下、撹拌しながら、ジクロロメ
タン中の5−O−第三ブチルジメチルシリル−15−アセ
トキシ−Δ13,14−抗生物質S541Aの溶液に添加する。溶
液を室温で2時間撹拌し、その後、ジエチルエーテルで
希釈し、セライトで撹拌する。シリカゲルで濾過する
と、5−O−第三ブチルジメチルシリル−13β−メチル
−抗生物質S541Aが得られる。
実施例H2:a)13β−メチル−抗生物質S541Aの製造: ジクロロメタン中の5−O−第三ブチルジメチルシリ
ル−13β−メチル−抗生物質S541Aの溶液を、アセトニ
トリル中のHFの40%水溶液(HF:アセトニトリル=5:9
5)と共に、室温で1時間撹拌する。混合物をジエチル
エーテルで処理し、希NaHCO3水溶液及び水で洗浄し、Mg
SO4で乾燥し、シリカゲルで濾過する。シリカゲルのカ
ラムクロマトグラフィにかけると、13β−メチル−抗生
物質S541Aが得られる。1 H−NMR(270MHz;CDCl3;TMS): 3.75(d,1H,25位のH;J=10.9Hz), 3.95(d,1H,6−位のH;J=6.4Hz), 4.28(broad s,1H,5位のH), 5.05(dd,1H,15位のH;J=10.0Hz,5Hz) 質量スペクトル(m/e):626(M+),608,590,480,151 b)13β−エチル−抗生物質S541Aの製造: 実施例H2aの13β−メチル抗生物質S541Aの製造方法と
同様の方法により、13β−エチル化合物を得る。1 H−NMR(270MHz;CDCl3;TMS): 3.59(d,1H,23位のOH;J=10.1Hz), 3.75(d,1H,25位のH;J=10.9Hz), 3.95(d,1H,6位のH;J=6.4Hz), 4.29(t,1H,5位のH;J=6.4Hz), 5.03(dd,1H,15位のH;J=11.3Hz,4.4Hz) 質量スペクトル(m/e):640(M+),622,604,586,494,38
2,342,151。
実施例H3:5−O−第三ブチルジメチルシリル−13β−メ
チル−23−O−(4−メチルフェノキシ)チオカルボニ
ル−抗生物質S541Aの製造 p−メチルフェニルクロロチオノホルメートをピリジ
ン中の5−O−第三ブチルジメチルシリル−13β−メチ
ル−抗生物質S541Aの溶液中に、0℃で、アルゴン雰囲
気下で添加する。室温で5時間撹拌した後、混合物をジ
エチルエーテルで処理し、水洗し、その後MgSO4で乾燥
する。シリカゲルのカラムクロマトグラフィにかける
と、5−O−第三ブチルジメチルシリル−13β−メチル
−23−O−(4−メチルフェノキシ)チオカルボニル−
抗生物質S541Aが得られる。
実施例H4:5−O−第三ブチルジメチルシリル−13β−メ
チル−23−デオキシ−抗生物質S541Aの製造 トルエン中のトリブチルスズハイドライドの溶液を、
トルエン中の5−O−第三ブチルジメチルシリル−13β
−メチル−23−O−(4′−メチルフェノキシ)チオカ
ルボニル−抗生物質S541A及びアゾビスイソブチロニト
リルの溶液に、120℃で、アルゴン雰囲気下で添加す
る。60分後、溶媒を留去し、粗生成物をシリカゲルのカ
ラムクロマトグラフィにかける。5−O−第三ブチルジ
メチルシリル−13β−メチル−23−デオキシ−抗生物質
S541Aが得られる。
実施例H5:13β−メチル−23−デオキシ−抗生物質S541A
の製造: ジクロロメタン中の5−O−第三ブチルジメチルシリ
ル−13β−メチル−23−デオキシ抗生物質S541Aの溶液
を、アセトニトリル中のHFの40%水溶液(HF:アセトニ
トリル=5:95)と共に、室温で1時間撹拌する。混合物
を実施例H2に記載したようにジエチルエーテルで処理
し、シリカゲルで濾過する。シリカゲルのカラムクロマ
トグラフィにかけると、13β−メチル−抗生物質S541A
が得られる。
実施例H6:5−O−第三ブチルジメチルシリル−13β−メ
チル−22,23−デヒドロ−23−デオキシ−抗生物質S541A
の製造: 1,2,4−トリクロロベンゼン中の5−O−第三ブチル
ジメチルシリル−13β−メチル−23−O−(4′−メチ
ルフェノキシ)チオカルボニル−抗生物質S541Aを200℃
で、アルゴン雰囲気下で、2時間加熱する。粗生成物は
シリカゲルのクロマトグラフィにかけると、5−O−第
三ブチルジメチルシリル−13β−メチル−22,23−デヒ
ドロ−23−デオキシ−抗生物質S541Aが得られる。
実施例H7:13β−メチル−22,23−デヒドロデオキシ−抗
生物質S541Aの製造: ジクロロメタン中の5−O−第三ブチルジメチルシリ
ル−13β−メチル−Δ22,23−23−デオキシ抗生物質S54
1Aの溶液を、アセトニトリル中のHFの40%水溶液(HF:
アセトニトリル=5:95)と共に、室温で1時間撹拌す
る。混合物を実施例H2に記載したようにジエチルエーテ
ルで処理し、シリカゲルで濾過する。シリカゲルのカラ
ムクロマトグラフィにかけると、13β−メチル−22,23
−デヒドロ−23−デオキシ−抗生物質S541Aが得られ
る。
実施例H8:13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物質S54
1Aの製造: ピリジン/メチレンクロライド(1:1)中の13β−メ
チル−抗生物質S541Aの溶液を、0度に冷却し、その
後、酢酸クロライドを2時間かけてそこに滴下する。さ
らに2時間0℃で撹拌した後、溶媒及び過剰の酢酸クロ
ライドを減圧下で除去し、油状の残渣をシリカゲルのカ
ラムクロマトグラフィで精製する。13β−メチル−5−
アセトキシ−抗生物質S541Aが得られる。1 H−NMR(270MHz;CDCl3:TMS): 3.59(d,1H,23位のOH;J=10.1Hz), 3.74(d,1H,25位のH;J=10.9Hz), 4.05(d,1H,6位のH;J=5.6Hz), 5.05(dd,1H,15位のH;J=11.3Hz,4.0Hz) 質量スペクトル(m/e):682(M+),664,590,572,480,15
1,95 実施例H9:5−ケト−抗生物質S541Aの製造: アセトン5ml中の抗生物質S541A 61.2mgの溶液に、活
性マンガン0.64gを添加する。その後、混合物を30分
間、室温で、激しく撹拌する。続いて混合物をセライト
で濾過し、濾液を蒸発により濃縮すると、粗製成物とし
ての標記化合物59.3mgが得られる。1 H−NMR(270MHz;CDCl3;TMS): 3.78(s,1H,7位のOH), 3.84(s,1H,6位のH) 質量スペクトル(m/e):610,592,574 実施例H10:13−ヒドロキシ−5−ケト−抗生物質S541A
の製造: ギ酸3ml中の実施例H9で得られた粗生成物の全ての溶
液に、セレンジオキサイド13mgを添加する。その後、混
合物を室温で1.5時間撹拌し、セライトで濾過し、セレ
ンジオキサイドを除去する。濾液を水中に注ぎ、酢酸エ
チルで抽出する。乾燥した抽出物を蒸発により濃縮し、
残渣をメタノール2ml、ジオキサン3ml及び2Nの塩酸1ml
と混合し、その後、混合物を室温で一晩撹拌する。この
反応混合物を再び水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。
抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発により濃縮す
る。残渣をプレパラートの薄層クロマトグラフィ〔メル
ク アート(Merck Art)5715,20cm×20cm,厚さ2mm〕
で、ヘキサンと酢酸エチル(1:1)の混合物で溶離する
ことにより精製すると、標記物質が13.2mg得られる。
(収率21.7%)1 H−NMR(270MHz;CDCl3;D2O;TMS): 3.73(d,1H,13位のH;J=9.7Hz), 3.75(d,1H,25位のH;J=10.5Hz), 3.84(s,1H,6位のH) 質量スペクトル(m/e):626(M+−36),608,590,349,33
1,259,242,179 実施例H11:13−エトキシカルボニルオキシ−5−ケト−
抗生物質S541Aの製造: ピリジン58μ及びエチルクロロホルメート35μ
を、氷冷しながら、メチレンクロライドとテトラヒドロ
フラン(2ml+1ml)の混合物中の13−ヒドロキシ−5−
ケト−抗生物質S541A 76mgの溶液中に添加する。その
後、混合物を室温で4時間撹拌し、氷水中に注ぎ、酢酸
エチルで抽出する。抽出物を水と、塩化ナトリウムの飽
和水溶液とで交互に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥す
る。その後、溶媒を蒸発させると、標記物質が粗生成物
として93mg得られる。
実施例H12:13−エトキシカルボニルオキシ−抗生物質S5
41Aの製造: 実施例H11で得られた粗生成物の全てをメタノール2ml
中に溶解した。水素化硼素ナトリウム2.5mgを、氷冷し
ながら上記溶液中に添加し、混合物を同温で15分間撹拌
する。反応混合物を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出す
る。抽出物を水と、塩化ナトリウムの飽和水溶液とで順
に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。その後、溶媒を
蒸発させ、残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲ
ル)で精製すると、標記物質が55mg得られる。(収率65
%)1 H−NMR(270MHz;CDCl3;TMS); 3.48(d,1H,23位のOH;J=10.1Hz), 3.72(d,1H,25位のH;J=10.9Hz), 3.96(d,1H,6位のH;J=6.0Hz), 4.19(m,2H,Me−CH −OCOO−), 4.32(m,1H,5位のH), 4.73(d,1H,13位のH;J=10.5Hz) 実施例H13;13−メチル−抗生物質S541Aの製造: ヘキサン中のトリメチルアルミニウムの19%溶液5.7m
lを、氷冷しながら、メチレンクロライド0.5ml中の13−
エトキシカルボニルオキシ−抗生物質S541A 30mgの溶液
中に添加し、混合物を室温で4時間撹拌する。その後、
混合物を氷水中に注ぎ、酢酸エチル10mlを添加した後、
セライトで濾過する。セライトを酢酸エチル50mlで洗浄
した後、層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出する。濾
液と酢酸エチル洗浄液を合わせて、水と塩化ナトリウム
の飽和水溶液とで交互に洗浄し、硫化ナトリウムで乾燥
する。その後、溶媒を除去して、残渣をシリカゲルのカ
ラムクロマトグラフィで精製すると、標記物質が17mg得
られる。(収率63%)1 H−NMR(270MHz;CDCl3;TMS): 3.75(d,1H,25位のH;J=10.9Hz), 3.95(d,1H,6位のH;J=6.4Hz), 4.28(broad s,1H,5位のH), 5.05(dd,1H,15位のH;J=10.0Hz,5Hz) 質量スペクトル(m/e):626(M+),608,590,480,151 実施例H14:13−エチル−抗生物質S541Aの製造: ヘキサン中のトリメチルアルミニウムの15%溶液0.8m
lを、氷冷しながら、メチレンクロライド0.5ml中の13−
エトキシカルボニルオキシ−抗生物質S541A 20mgの溶液
中に添加し、混合物を室温で4.5時間撹拌する。その
後、反応混合物を実施例H13と同様の方法により処理す
ると、標記物質が4.6mg得られ(収率25%)、副生成物
として、15−エチル−Δ13,14−抗生物質S541Aが1.4mg
(収率7.7%)得られる。
13−エチル化合物1 H−NMR(270MHz;CDCl3;TMS): 3.59(d,1H,23位のOH;J=10.1Hz), 3.75(d,1H,25位のH;J=10.9Hz), 3.95(d,1H,6位のH;J=6.4Hz), 4.29(t,1H,5位のH;J=6.4Hz), 5.03(dd,1H,15位のH,J=11.3Hz,4.4Hz) 質量スペクトル(m/e):640(M+),622,604,586,494,38
2,342,151 15−エチル化合物1 H−NMR(270MHz;CDCl3;TMS): 3.58(d,1H,23位のOH,J=9.7Hz), 4.02(d,1H,6位のH,J=6.5Hz), 4.92(d,1H,13位のH,J=9.7Hz)。
質量スペクトル(m/e):640(M+),622,604,494,476,37
8 下記の式Iの化合物もまた、上記方法と同様にして製
造される。しかしながら、下記の表は本発明を限定する
ものではない。
式Iの有効成分の配合例(%=重量%) 有効成分を助剤とともに十分に混合した後、該混合物
を適当なミルで良く磨砕すると、水で希釈して所望の濃
度の懸濁液を得ることのできる水和剤が得られる。
乳剤原液 表の有効成分 10% オクチルフェノールポリエチレングリコールエーテル
(エチレンオキシド4〜5モル) 3% ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム 3% ヒマシ油ポリグリコールエーテル(エチレンオキシド36
モル) 4% シクロヘキサノン 30% キシレン混合物 50% この乳剤原液を水で希釈することにより、所望の濃度
のエマルジョンを得ることができる。
粉 剤 a) b) 表の有効成分 5% 8% タルク 95% − カオリン − 92% 有効成分を担体とともに混合し、適当なミル中でこの
混合物を磨砕することにより、そのまま使用することの
できる粉末を得る。
押出し粒剤 表の有効成分 10% リグノスルホン酸ナトリウム 2% カルボキシメチルセルロース 1% カオリン 87% 有効成分を助剤とともに混合・磨砕し、続いてこの混
合物を水で湿めらす。混合物を押出し、空気流中で乾燥
させる。
錠剤または丸薬 I 各表の有効成分 33.00% メチルセルロース 0.80% 高分散ケイ酸 0.80% トウモロコシ澱粉 8.40% メチルセルロースを水中で撹拌しそして膨潤させる。
その後ケイ酸を入れて均質懸濁液を与えるように撹拌す
る。有効成分およびトウモロコシ澱粉を混合しそして水
性懸濁液を混合物に添加し、ペースト状になるように混
練する。このペーストを12Mシーブに通して造粒しそし
て該粒状物を乾燥させる。
II 結晶質ラクトース 22.50% トウモロコシ澱粉 17.00% 微結晶質セルロース 16.50% ステアリン酸マグネシウム 1.00% 4補助薬全てを完全に混合する。相I及びIIを混合し
そして圧縮して錠剤または丸薬とする。
式Iの化合物は、またはそれを含有する組成物を飼育
動物及び生産性家畜、例えば蓄牛、ヒツジ、山羊、猫及
び犬などの内部寄生線虫、条中類及び吸虫類を防除する
為に使用するならば、これらは動物に対して一回または
くりかえし投与することができる。動物の種類によって
各回の投与量は体重1kgに対し0.1ないし10mgの範囲内の
量が好ましい。長期間の投与によってより良好な効果が
得られることが多いが、より少い総投与量でも充分であ
る。この化合物またはそれを含有する組成物は飼料また
は飲物に添加することもできる。調製された飼料に0.00
5ないし0.1重量%の濃度で有効成分を含有するのが好ま
しい。組成物は溶液、乳剤、懸濁液、粉剤、錠剤、丸
薬、またはカプセル剤の形で動物に経口投与することが
できる。
もし溶液または乳剤の物理的及び薬理学的性質が注射
を許容するならば、式Iの化合物またはそれを含有する
組成物を動物に、例えば皮下注射することもできるし、
反趨胃内に投薬することもできるしまたは動物の体内に
注入方法によって施用することもできる。なめる塩また
は糖密ブロックの方法で投与することも可能である。
生物学的実施例 実施例B1. スポドプテラ リトラリス(Spodoptera li
ttoralis)に対する胃毒殺虫作用 鉢植えの綿植物が第5葉期の時に試験化合物を3,125
または50ppm含有するアセトン/水溶液を噴霧する。塗
膜が乾燥した後、スポドプテラリトラリスの幼虫(L1
階)約30匹をこの植物に移す。各試験化合物及び試験種
について2本の植物を使用する。試験は約24℃、相対湿
度60%で実施する。死にかけの昆虫、幼虫の成長及び食
事阻害などの評価及び中間評価は24時間、48時間及び72
時間後に行う。
各表の式Iの化合物、特に第1ないし4表の化合物で
3ppmの濃度によって24時間後に完全に殺虫された。
実施例B2. 植物損傷ダニ:OP−感受性ナミハダニ(Tetr
anychus urticae)に対する作用 試験開始16時間前にマメ植物(Phaseolus vulgaris)
の第1葉にナミハダニを大量に発生させた葉片によって
感染させる。この葉片をとり除き、あらゆる成長段階の
ナミハダニが蔓延している植物に試験化合物を0.4ppmま
たは1.6ppm含有する溶液を滴が落ちる点まで噴霧する。
温室内の温度は約25℃である。
移動状態(成虫及び蛹)及び卵のパーセンテージを7
日後に立体顕微鏡下で評価する。式I中、R1が水素原子
を表わし、Rが低級アルキル基を表わす化合物は0.4ppm
の濃度で完全に死亡に到らしめた。
実施例B3. ルシリア セリカータ(Lucilia sericat
a)のL1段階幼虫に対する作用 試験化合物の水性懸濁液1mlを特別の幼虫培養液3mlと
約50℃で混合して有効成分250ppmまたは125ppm含有する
均一な組成物を得る。約30匹のルシリア セリカータ幼
虫(L1)を各有効成分含有試験管に入れる。4日後に死
虫率をしらべる。第1ないし第3表及び第4表の式Iで
表わされる化合物は100ppmの濃度で完全に殺虫した。
実施例B4. ボーフィルス ミクロプルス(Boophilus m
icroplus;Biarra strain)に対する殺ダニ作用 PVC板に接着剤テープを垂直に張り付け充分に飽食し
たメスのボーフィルス ミクロプルスダニ(Biarra種)
10匹をその背位で板上に一列に次々と固定する。試験化
合物をダニ1匹当り1,0.1または0.01μgの量で溶解し
たポリエチレングリコールとアセトンの1:1混合物を含
有する液体1μを注射針から各々のダニに注射する。
対照ダニには試験化合物を含有しない液体を注射する。
この処置の後、ダニを支持台から放し正常な条件下約28
℃で相対湿度80%の昆虫飼育箱の中で産卵するまで、そ
して対照ダニの卵から幼虫が孵化するまで保持する。試
験化合物の活性はIR90,即ち10匹のメスダニの中9匹(9
0%)が30日後でも幼虫が孵化し得ない卵を産むのに有
効な投与量について測定する。
第1ないし3及び4表の式Iで表わされる化合物、特
に、Rが低級アルキル基を表わす化合物は、0.1μgでI
R90を示した。
実施例B5. 線虫に感染した羊についての試験〔ヘモン
クス コンコルトウス(Haemonchus concortus)及びト
コストロンギルス コルブリホルミス(Trichostrogylu
s colubriformis)〕 人工的にヘモンクス コンコルトウス及びトリコスト
ロンギルスに感染させた羊に懸濁液の形で胃ゾンデまた
は第1胃内注射によって試験化合物を投与する。各投与
について1ないし3匹の羊を使用する。各羊は体重1kg
当り0.5mgまたは0.2mgの単独投与量で1回だけ処置す
る。排泄物中に排泄された線虫の卵の数を処置前と処置
後について比較することによって評価する。
対照として、同時に、同じ方向で感染させた未処置の
羊を使用する。未処置で感染させた羊の群と比較して、
第1ないし3及び4表の式Iで表わされる化合物、好ま
しくはRが低級アルキル基を表わす式Iの化合物の1種
によって処置した羊には線虫の蔓延は起らない(即ち排
泄物中の線虫卵は完全に減少した)。
実施例B6. マメアブラムシ(Aphis craccivora)に対
する接触作用 全ての成長段階の当該アブラムシがはびこった若いえ
んどう植物に、供試化合物の乳化性濃縮物より製造され
そして50ppm、25ppmまたは12.5ppmの有効成分を含有す
る溶液を噴霧する。3日後に、少くとも80%のアブラム
シが死亡または植物より落下したことに達したかで、評
価を行なう。組成物はこの活性水準で有効な程にのみ位
置する。
式Iで表わされる化合物、例えば第1ないし3及び4
表の代表例は12.5ppmの濃度で完全な殺虫(=100%)を
示した。
実施例B7. エジプトヤブ蚊(Ades aegypti)に対す
る殺幼虫作用 試験化合物の0.1重量%アセトン溶液をピペットでビ
ーカー中の水150mlの表面に、10ppm、3.3ppm及び1.6ppm
の濃度を与えるのに十分な量添加する。アセトンが蒸発
した後、3日齢のエジプトヤブ蚊30ないし40匹を各ビー
カー中に入れる。1,2及び5日後の死虫数を数える。
この試験において式Iで表わされる化合物、特に第1
ないし3及び4表の化合物は1.6ppmの濃度で1日後に全
ての幼虫の完全な死亡に到らしめた。
実施例B8. デルマニッシュス ガリネー(Dermanyssus
gallinae)に対する殺ダニ作用 試験溶液2ないし3ml(試験化合物100,10,1及び0.1pp
m)を上部のあいたガラス容器中に入れ、異なった発育
段階にある約200匹のダニをこの容器中に入れる。その
後、該容器を綿ウールでふたをして、ダニが完全にしめ
るまで10分間一様に振盪する。次いで過剰の試験溶液が
綿ウールによって吸収されるまで容器を逆にする。再度
容器を逆にして、処理したダニを試験化合物の効果を評
価するため実験室条件下で3日間観察しつづける。死虫
率は効果に対する基準である。製造実施例で得られた化
合物は100ppmの濃度で100%の殺虫効果を示した。
生物学的実施例B1−B8において、式I中、Rがメチル
基またはエチル基を表わし、R3が水酸基を表わし、R2
メチル基、エチル基またはイソプロピル基を表わし、R1
が水素原子を表わす化合物は優れた有効性を示し、R3
水素原子を表わす対応する代表例に比べて、より有効で
ある傾向にある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 7/08 C07F 7/08 A (72)発明者 矢内 利明 滋賀県野洲郡野洲町大篠原1120‐2

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式I: (式中、 Rは炭素原子数1ないし10のアルキル基を表わし、 R1は水素原子、メチル基、アシル基またはシリル基を表
    わし、 R2はメチル基、エチル基またはイソプロピル基を表わ
    し、そして R3は水素原子またはOH基を表わし、 ただしR3が水素原子を表わす場合、22位と23位との間に
    は二重結合または単結合があり、R3がOH基を表わす場
    合、22位と23位との間には単結合がある)で表わされる
    化合物。
  2. 【請求項2】上記式I中、 Rが炭素原子数1ないし10のアルキル基を表わし、 R1が水素原子、メチル基またはシリル基を表わし、 R2がメチル基、エチル基またはイソプロピル基を表わ
    し、そして R3が水素原子またはOH基を表わし、 ただしR3が水素原子を表わす場合、22位と23位との間に
    は二重結合または単結合があり、R3がOH基を表わす場
    合、22位と23位との間には単結合があることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の化合物。
  3. 【請求項3】上記式I中、Rが炭素原子数1ないし10の
    アルキル基を表わし、R1がH、CH3または次式: −Si(R4)(R5)(R6)(式中、R4、R5及びR6は各々独
    立に炭素原子数1ないし4のアルキル基、ベンジル基ま
    たはフェニル基を表わす)で表わされる基を表わし、R2
    がメチル基、エチル基またはイソプロピル基を表わし、
    そしてR3が水素原子またはOH基を表わし、ただしR3が水
    素原子を表わす場合、22位と23位との間には二重結合ま
    たは単結合があり、R3がOH基を表わす場合、22位と23位
    との間には単結合があることを特徴とする特許請求の範
    囲第2項記載の化合物。
  4. 【請求項4】上記式I中、 Rが炭素原子数1ないし4のアルキル基を表わし、R1
    水素原子、メチル基、トリメチルシリル基、トリス(第
    三ブチル)シリル基、ジメチル−(2,3−ジメチル−2
    −ブチル)−シリル基、ジフェニル−第三ブチルシリル
    基、ビス(イソプロピル)メチルシリル基、トリフェニ
    ルシリル基または第三ブチル−ジメチルシリル基を表わ
    し、R2がメチル基、エチル基またはイソプロピル基を表
    わし、そしてR3がOH基を表わすことを特徴とする特許請
    求の範囲第2項記載の化合物。
  5. 【請求項5】上記式I中、Rが炭素原子数1ないし10の
    アルキル基を表わし、R1が水素原子を表わし、R2がメチ
    ル基、エチル基またはイソプロピル基を表わし、そして
    R3がOH基を表わすことを特徴とする特許請求の範囲第2
    項記載の化合物。
  6. 【請求項6】上記式I中、Rが炭素原子数1ないし10の
    アルキル基を表わし、R1が水素原子を表わし、そしてR2
    がメチル基、エチル基またはイソプロピル基を表わし、
    そしてR3が水素原子を表わし、22位と23位の間に二重結
    合または単結合があることを特徴とする特許請求の範囲
    第2項記載の化合物。
  7. 【請求項7】上記式I中、Rが炭素原子数1ないし6の
    アルキル基を表わし、R1が水素原子を表わし、R2がメチ
    ル基、エチル基またはイソプロピル基を表わし、そして
    R3が水素原子を表わし、22位と23位の間に二重結合また
    は単結合があることを特徴とする特許請求の範囲第2項
    記載の化合物。
  8. 【請求項8】上記式I中、Rが炭素原子数1ないし6の
    アルキル基を表わし、R1が水素原子を表わし、R2がメチ
    ル基、エチル基またはイソプロピル基を表わし、そして
    R3が水素原子を表わし、22位と23位の間に二重結合があ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第7項記載の化合
    物。
  9. 【請求項9】上記式I中、Rがメチル基、エチル基また
    はn−プロピル基を表わし、R1が水素原子またはメチル
    基を表わし、R2がメチル基、エチル基またはイソプロピ
    ル基を表わし、そしてR3が水素原子を表わし、22位と23
    位との間に二重結合があることを特徴とする特許請求の
    範囲第2項記載の化合物。
  10. 【請求項10】上記式I中、Rがメチル基、エチル基ま
    たはn−プロピル基を表わし、R1が水素原子またはメチ
    ル基を表わし、R2がメチル基、エチル基またはイソプロ
    ピル基を表わし、そしてR3が水素原子を表わし、22位と
    23位との間に単結合があることを特徴とする特許請求の
    範囲第2項記載の化合物。
  11. 【請求項11】13β−メチル−抗生物質S541A、 13β−メチル−抗生物質S541B、 13β−n−プロピル−抗生物質S541A、 13β−エチル−抗生物質S541A、 13β−エチル−抗生物質S541B、 13β−n−プロピル−抗生物質S541B、 13β−エチル−抗生物質S541C、 13β−メチル−抗生物質S541C、 13β−エチル−抗生物質S541D、 13β−メチル−抗生物質S541D、 13β−エチル−抗生物質S541E、 13β−メチル−抗生物質S541E、 13β−エチル−抗生物質S541F、 13β−メチル−抗生物質S541F、 13β−メチル−23−デオキシ−抗生物質S541A、 13β−エチル−23−デオキシ−抗生物質S541A、 13β−メチル−23−デオキシ−抗生物質S541F、 13β−エチル−23−デオキシ−抗生物質S541F、 13β−メチル−22,23−デヒドロ−23−デオキシ−抗生
    物質S541A、及び 13β−エチル−22,23−デヒドロ−23−デオキシ−抗生
    物質S541Fから選ばれる特許請求の範囲第2項記載の化
    合物。
  12. 【請求項12】13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物
    質S541A、 13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物質S541B、 13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物質S541C、 13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物質S541D、 13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物質S541E及び 13β−メチル−5−アセトキシ−抗生物質S541Fから選
    ばれる特許請求の範囲第1項記載の化合物。
  13. 【請求項13】次式II (式中、Aは次式aまたはb: を表わし、 R7はアシル基を表わし、 R1及びR2は後記式Iで定義する意味を表わす)で表わさ
    れるアリルエステルを、次式III: Al(R) (III) (式中、Rは後記式Iで定義する意味を表わす)で表わ
    されるトリアルキルアルミニウム化合物で処理し、遊離
    の5−ヒドロキシ化合物が望まれる場合には、続いてシ
    リル基R1を加水分解により除去し、そして所望により23
    −ヒドロキシ基を還元するか、または除去することを特
    徴とする次式I: (式中、 Rは炭素原子数1ないし10のアルキル基を表わし、 R1は水素原子、メチル基、アシル基またはシリル基を表
    わし、 R2はメチル基、エチル基またはイソプロピル基を表わ
    し、そして R3は水素原子またはOH基を表わし、 ただしR3が水素原子を表わす場合、22位と23位との間に
    は二重結合または単結合があり、R3がOH基を表わす場
    合、22位と23位との間には単結合がある)で表わされる
    化合物の製造方法。
  14. 【請求項14】式IIの化合物と式IIIの化合物との反応
    を不活性溶媒中、−100℃ないし+100℃の温度で行なう
    ことを特徴とする特許請求の範囲第13項記載の方法。
  15. 【請求項15】次式X: (式中、R20は炭素原子数1ないし4のアルキル基を表
    わす)で表わされる抗生物質S541A誘導体を次式XI: (R)3Al (XI) (式中、Rは後記式I′で定義する意味を表わす)で表
    わされる化合物と反応させ、所望により5位のOH基をア
    シル化またはシリル化することを特徴とする次式I′: (式中、 Rは炭素原子数1ないし10のアルキル基を表わし、 R1は水素原子、メチル基、アシル基またはシリル基を表
    わし、そして R2はメチル基、エチル基またはイソプロピル基を表わ
    す) で表わされる化合物の製造方法。
JP62179874A 1986-07-18 1987-07-18 S541−抗生物質の13β−アルキル誘導体、その製法及び該化合物を含有する有害生物防除用組成物 Expired - Lifetime JP2575027B2 (ja)

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