JPH1017568A - 新規マクロライド化合物 - Google Patents

新規マクロライド化合物

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Publication number
JPH1017568A
JPH1017568A JP17347196A JP17347196A JPH1017568A JP H1017568 A JPH1017568 A JP H1017568A JP 17347196 A JP17347196 A JP 17347196A JP 17347196 A JP17347196 A JP 17347196A JP H1017568 A JPH1017568 A JP H1017568A
Authority
JP
Japan
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compound
acid
formula
genus
present
Prior art date
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Pending
Application number
JP17347196A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Tsukamoto
芳久 塚本
Kazuo Sato
佐藤  一雄
Keiji Tanaka
啓司 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sankyo Co Ltd filed Critical Sankyo Co Ltd
Priority to JP17347196A priority Critical patent/JPH1017568A/ja
Publication of JPH1017568A publication Critical patent/JPH1017568A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた殺虫、殺ダニもしくは駆虫活性を有する
ミルベマイシン化合物又はアベルメクチン化合物を提供
すること。 【解決手段】一般式 【化1】 [式中、Rはメチル、エチル、イソプロピル又はsec-ブ
チル基示す。]で表わされる優れた殺虫、殺ダニもしく
は駆虫活性を有する5−オキソミルベマイシン類又は5
−オキソアベルメクチン類の新規な5−アジン化合物を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、優れた殺虫、殺
ダニもしくは駆虫活性を有するな新規ミルベマイシン又
はアベルメクチン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】ミルベマイシン類及びアベルメクチン類
は一連のマクロライド化合物であり、例えば、特開昭5
0−29742号、特開昭54−61198号、特開昭
56−32481号公報等に記載されている、公知の下
記式(II)の化合物である。
【0003】
【化2】
【0004】ミルベマイシン類及びアベルメクチン類は
いずれも殺虫、殺ダニ又は駆虫活性を有することが知ら
れており、5位又は13位が変換されたミルベマイシン
類又は5位が変換されたアベルメクチン類が知られてい
る。5位水酸基を変換したミルベマイシン類のうち、特
に本願発明に関係するミルベマイシンの5位において炭
素−窒素二重結合による置換基を有するミルベマイシン
類としては、5−オキソミルベマイシン類の5−オキシ
ム誘導体が、特開昭60−142991号及び特開昭6
3−10791号に開示されている。また、特開昭63
−45281号には5位にヒドラジノ基を有する5−オ
キソミルベマイシン類の5−ヒドラジン誘導体の開示が
ある。しかし、本願発明のミルベマイシン誘導体は、未
だ報告がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】優れた殺ダニ、殺虫も
しくは駆虫活性を有する新規なミルベマイシン又はアベ
ルメクチン化合物を開発することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、ミルベ
マイシン類の5位水酸基を変換した化合物の合成及びそ
れらの活性の検討を鋭意行った結果、5−オキソミルベ
マイシン類の5−アジン化合物及び5−オキソジヒドロ
アベルメクチンB1a アグリコンの5−アジン化合物に
殺ダニ、殺虫もしくは駆虫活性を見出し、本願発明を完
成した。
【0007】
【発明の実施の形態】即ち、本願発明は、一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】[式中、Rはメチル、エチル、イソプロピ
ル又はsec-ブチル基を示す。]で表され、優れた殺ダ
ニ、殺虫もしくは駆虫活性を有する5−オキソミルベマ
イシン類又は5−オキソジヒドロアベルメクチンB1a
アグリコンの新規な5−アジン化合物を提供することで
ある。
【0010】本発明の具体例を以下に示す。
【0011】 ──────────────────────────────────── 1.5−オキソミルベマイシンA3 5−アジン 2.5−オキソミルベマイシンA4 5−アジン 3.5−オキソミルベマイシンD 5−アジン 4.5−オキソジヒドロアベルメクチンB1a アグリコン 5−アジン ────────────────────────────────────
【0012】
【製造方法】本願発明の式(I)に示す化合物は、以下
の工程図に示すA法及びB法により製造することができ
る。
【0013】
【化4】
【0014】[式中、Rは前記したものと同意義を有す
る。] 本製造法の出発物質である式(III )で表される5−オ
キソミルベマイシン誘導体は特開昭60−142991
号、特開昭59−103785号および米国特許第4,42
3,209 号に記載の公知の化合物である。また、本製造法
の他の出発物質である式(IV)で表される5−オキソミ
ルベマイシンの5−ヒドラゾン誘導体は特開昭63−4
5281号公報に記載の公知の化合物である。
【0015】A法:A法は、溶媒の存在下又は不存在
下、2分子の一般式(III )で表される化合物と1分子
のヒドラジンを反応させて一般式(I)で表される化合
物を製造する方法である。
【0016】反応は、溶媒の存在下又は不存在下に行わ
れるが、好適には、溶媒の存在下に行われる。使用され
る溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度
溶解するものであれば特に限定はないが、好適にはメタ
ノール、エタノール、プロパノールのようなアルコール
類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1、4ー
ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;メ
チレンクロリド、1、2ージクロロエタン、クロロホル
ムのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン
のような芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミドのようなアミド類;ジメチルスルホ
キシドのようなスルホキシド類;アセトニトリルのよう
なニトリル類;酢酸のような有機酸類、水及びこれら溶
媒の混合物等を挙げることができる。
【0017】反応に使用するヒドラジンとしては、無水
ヒドラジン、ヒドラジン一水和物、あるいは一塩酸ヒド
ラジン、二塩酸ヒドラジン等のヒドラジンと酸との塩を
挙げることができる。その使用量は、化合物(III )に
対し、通常0.1ないし5モル当量であり、好適には
0.5ないし1モル当量である。
【0018】反応は酸の存在下又は不存在下で行われ得
るが、好適には酸の存在下で行われる。酸は、例えば酢
酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンス
ルホン酸等の有機酸や、塩酸、硫酸等の無機酸を挙げる
ことができる。
【0019】反応温度は−10乃至100℃で行われ、
好適には0℃乃至50℃である。
【0020】反応時間は、反応温度、原料化合物、反応
溶媒等の要因によって異なるが、5分間乃至一週間、好
適には1時間乃至3日間である。
【0021】本反応の終了後、目的物である一般式
(I)で表される化合物は、周知の方法で反応混合物よ
り単離され、必要に応じてカラムクロマトグラフィー等
の公知の手段によって精製される。
【0022】B法:B法は、溶媒の存在下又は不存在
下、一般式(III )で表される化合物と一般式(IV)で
表される化合物を反応させて一般式(I)で表される化
合物を製造する方法である。
【0023】反応は、溶媒の存在下又は不存在下に行わ
れるが、好適には、溶媒の存在下に行われる。使用され
る溶媒としては、反応を阻害せず、出発物質をある程度
溶解するものであれば特に限定はないが、好適にはA法
で用いられるものと同様の溶媒及びそれら溶媒の混合物
等を挙げることができる。
【0024】化合物(III )の使用量は、化合物(IV)
に対し、通常0.1ないし5モル当量、好適には0.5
ないし2モル当量である。
【0025】反応は酸の存在下又は不存在下で行われ、
好適には酸の存在下で行われ、A法で用いられるものと
同様の酸を挙げることができる。
【0026】反応温度は−10乃至100℃で行われ、
好適には0℃乃至50℃である。
【0027】反応時間は、反応温度、原料化合物、反応
溶媒等の要因によって異なるが、5分間乃至一週間、好
適には1時間乃至3日間である。
【0028】本反応の終了後、目的物である一般式
(I)で表される化合物は、A法と同様に周知の方法で
反応混合物より単離され、必要に応じてカラムクロマト
グラフィー等の公知の手段によって精製される。
【0029】
【実施例】
【0030】
【実施例1】5−オキソミルベマイシンA4 5−アジン(A法) 5−オキソミルベマイシンA4 (100mg,0.18
5mmol)の酢酸溶液(2ml)に、ヒドラジン一水
和物(5.0μl,0.10mmol)を加え、室温で
28時間攪拌した。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽
出した。抽出液を、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製し、36.0mg
の目的物を得た。溶出は、n−ヘキサン−酢酸エチル混
合溶液のステップワイズグラジュエント(酢酸エチルを
n−ヘキサン中で10乃至25%まで増加させる)を使
用した。 質量スペクトル(m/z):1076(M+ )、105
8、521、195、167. 核磁気共鳴スペクトル(270MHz)δ(CDCl
3 )ppm:5.96−5.98(m,2H)、5.8
6(td,2H,Jd=11.3Hz,Jt=2.4H
z),5.73(dd,2H,J=14.5,11.3
Hz),5.34−5.48(m,4H),4.79
(s,2H),3.08(td,2H,Jt=9.3H
z,Jd=2.4Hz),1.99−2.00(m,6
H).
【0031】
【実施例2】5−オキソミルベマイシンA3 5−アジン(A法) 5−オキソミルベマイシンA3 (106mg,0.20
1mmol)の酢酸溶液(2ml)に、ヒドラジン一水
和物(5.0μl,0.10mmol)を加え、室温で
28時間攪拌した。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽
出した。抽出液を、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナト
リウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィーにより精製し、35.8mg
の目的物を得た。溶出は、n−ヘキサン−酢酸エチル混
合溶液のステップワイズグラジュエント(酢酸エチルを
n−ヘキサン中で10乃至25%まで増加させる)を使
用した。
【0032】質量スペクトル(m/z):1048(M
+ )、1030、507、181、153. 核磁気共鳴スペクトル(270MHz)δ(CDCl
3 )ppm:5.95−5.96(m,2H)、5.8
5(d,2H,J=11.3Hz),5.73(dd,
2H,J=14.5,11.3Hz),5.32−5.
46(m,4H),4.78(s,2H),3.22−
3.32(m,2H),1.99−2.00(m,6
H).
【0033】
【実施例3】5−オキソミルベマイシンA4 5−アジン(B法) 5−オキソミルベマイシンA4 (29.6mg,0.0
548mmol)及び5−オキソミルベマイシンA4
5ーヒドラゾン(30.4mg,0.0549mmo
l)の酢酸溶液(1ml)を室温で22時間攪拌した。
反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を、
水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。
溶媒を留去し、残留物を薄層シリカゲルクロマトグラフ
ィーにより精製し、17.6mgの目的物を得た。溶出
は、n−ヘキサン−酢酸エチル混合溶液(酢酸エチル:
n−ヘキサン=1:2)を使用した。
【0034】
【製剤】本願発明化合物を動物および人における駆虫剤
として使用する場合は、液体飲料として経口的に投与す
ることができる。飲料は普通ベントナイトのような懸濁
剤および湿潤剤またはその他の賦形剤と共に適当な非毒
性の溶剤または水での溶液、懸濁液または分散液であ
る。一般に飲料はまた消泡剤を含有する。飲料処方は一
般に活性化合物を約0.01〜0.5重量%、好適には
0.01〜0.1重量%を含有する。
【0035】乾燥した固体の単位使用形態で経口投与す
ることが望ましい場合は、普通所望量の活性化合物を含
有するカプセル、丸薬または錠剤を使用する。これらの
使用形態は、活性成分を適当な細かく粉砕された希釈
剤、充填剤、崩壊剤および/または結合剤、例えばデン
プン、乳糖、タルク、ステアリン酸マグネシウム、植物
性ゴムなどと均質に混和することによって製造される。
このような単位使用処方は、治療される宿主動物の種
類、感染の程度および寄生虫の種類および宿主の体重に
よって駆虫剤の重量および含量に関して広く変化させる
ことができる。
【0036】動物飼料によって投与する場合は、それを
飼料に均質に分散させるか、トップドレッシングとして
使用されるかまたはペレットの形態として使用される。
普通望ましい抗寄生虫効果を達成するためには、最終飼
料中に活性化合物を0.0001〜0.02%を含有し
ている。
【0037】また、液体担体賦形剤に溶解または分散さ
せたものは、前胃内、筋肉内、気管内または皮下に注射
によって非経口的に動物に投与することができる。非経
口投与のために、活性化合物は好適には落花生油、棉実
油のような適当な植物油と混合する。このような処方
は、一般に活性化合物を0.05〜50重量%含有す
る。
【0038】また、ジメチルスルホキシドまたは炭化水
素溶剤のような適当な担体と混合することによって局所
的に投与し得る。この製剤はスプレーまたは直接的注加
によって動物の外部表面に直接適用される。
【0039】最善の結果を得るための活性化合物の最適
使用量は、治療される動物の種類および寄生虫感染の型
および程度によってきまるが、一般に動物体重1kg当
り約0.01〜100mg、好適には0.5〜50.0
mgを経口投与することによって得られる。このような
使用量は一度にまたは分割した使用量で1〜5日のよう
な比較的短期間にわたって与えられる。
【0040】本願発明の化合物を農業又は園芸用に使用
する場合には、種々の製剤として使用される。例えば、
粉剤、粗粉剤、水溶剤、微粒剤、超微粒剤、水和剤、乳
液、乳剤、水性若しくは油性懸濁剤、水性若しくは油性
液剤(懸濁剤、液剤は直接噴霧され、希釈もでき
る。)、エアゾール又は高分子物質中のカプセルをあげ
ることができる。使用される担体は有機若しくは無機の
天然物又は合成物でありえ、活性化合物を作用点に到達
させることの補助のため、及び活性化合物の貯蔵、輸
送、取扱いの便をよくするため等に使用される。又、担
体に関する周知の技術に従って、固体、液体及び気体の
担体が選択される。
【0041】上記製剤は常法に従って製造される。例え
ば、活性化合物を担体、希釈剤(溶剤等)又は必要に応
じて界面活性剤とよく混合し、必要なら粉砕することに
よって、製造される。
【0042】好適な溶剤としては以下のものがあげられ
る;芳香属炭化水素類、特にキシレン混合物又は置換ナ
フタレンのようなC8 〜C12の石油蒸留物;フタル酸ジ
ブチル又はジオクチルのようなフタル酸エステル類;シ
クロヘキサン、パラフィン類のような脂肪族若しくは脂
環式炭化水素類;エタノール、エチレングリコール、エ
チレングリコール モノメチルエーテル、エチレングリ
コール モノエチルエーテルのようなアルコール類、グ
リコール類若しくはそれらのエーテル類;シクロヘキサ
ノンのようなケトン類;N−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド
のような極性溶剤;エポキシ化されてもよいココナツ
油、大豆油のような植物油;又は水。
【0043】使用される担体としては、例えば粉剤又は
懸濁剤用粉末にはカルサイト、タルク、カオリン、モン
モリロナイト、アタパルジャイト(attapulgite) のよう
な天然鉱物があげられる。又、組成物の物理的性質を改
善するために、高分散の硅酸又は高分子吸着剤を加える
こともできる。適切な吸収力のある粒状担体としては、
軽石、レンガ、セピオライト(sepiolite) 、ベントナイ
トのような多孔性物質又はカルサイト(calcite) や砂の
ような非多孔性物質をあげることができる。又、広範囲
の有機、無機の前粒状物、例えばドロマイト(dolomit
e)、植物残渣等が使用される。
【0044】界面活性剤は良好な乳化、分散、湿潤性を
有する製剤を得るために用い、通常の農薬製剤に用いる
ノニオン、アニオン、カチオン、両性イオン性の界面活
性剤を用いることができる。
【0045】好適なノニオン活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエ
ーテル、ポリオキシエチレンアリールアリールエーテ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル、
ソルビタンアルキルエステル、砂糖の脂肪酸エステル、
グリセリン及びペンタエリスリットの脂肪酸エステル、
プルロニックタイプの界面活性剤、アセチレンアルコー
ル並びにアセチレンジオール及びこれらにエチレンオキ
サイドを付加した界面活性剤、シリコン系界面活性剤、
アルキルグルコサイド等を挙げることができる。
【0046】好適なアニオン界面活性剤としては、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸
塩、アルキルサルフェートの塩、アルキルメチルタウラ
イドの塩、上記のエチレンオキサイドを付加したノニオ
ン界面活性剤を硫酸またはリン酸でエステル化し、必要
によってはこれを適当なアルカリで中和したアニオン界
面活性剤、リグニンスルホン酸塩、(アルキル)ナフタ
レンスルホン酸及びその縮合物の塩、フェノールスルホ
ン酸及びその縮合物の塩、アクリル酸・マレイン酸・ス
チレンスルホン酸・及びビニル基等の縮合物の塩よりな
る種々のポリカルボン酸型及びポリスルホン酸型ポリソ
ープ、1−(2−オクテノイル)−ソヂウムサクシネー
トを付加したでんぷんまたはデキストリンのようなでん
ぷん系の界面活性剤、カルボキシメチルセルロースの
塩、高級脂肪酸のナトリウム、カリウム塩のような石鹸
類、α−オレフィンスルホン酸塩等を挙げることができ
る。
【0047】好適なカチオン界面活性剤としては、アミ
ン塩型、第4級アンモニウム塩型、高級脂肪族アミン及
び脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物等を挙げる
ことができる。
【0048】好適な両性イオン性界面活性剤としては、
アミノ酸型或いはベタイン型の界面活性剤、レシチン等
を挙げることができる。
【0049】これら各種の界面活性剤の水素原子の1部
または全部をフッ素原子で置換した界面活性剤もまた、
表面張力を低下させる作用が強く、有効に使用し得る。
【0050】これらの界面活性剤は、用途に応じて、単
独で或いは混合して用いられる。
【0051】又、組成物は安定剤、消泡剤、粘度調節
剤、結合剤、粘着剤又はそれらの混合物を含むことがで
き、さらに特別の効果を達成するために、受精促進剤、
その他活性物質を含むこともある。
【0052】殺虫殺ダニ組成物は一般に以下の成分を含
む(但し、%は重量で表わす。):活性化合物0.01
〜99%、好適には0.1〜95%;固体又は液体添加
物1〜99.99%;界面活性剤0〜25%、好適には
0.1〜25%、販売品が濃縮された形である場合に
は、一般に使用する前に、0.001〜0.0001重
量%(1〜10ppm)に希釈される。
【0053】本願発明の化合物は、それらの商業上、有
用な製剤及び、それらの製剤によって調製された使用形
態で、他の活性化合物、例えば、殺虫剤、毒餌、殺菌
剤、殺ダニ剤、殺センチュウ剤、殺カビ剤、生長調整剤
又は除草剤との混合剤として、存在することもできる。
ここで、上記殺虫剤としては、例えば、有機リン剤、カ
ーバメート剤、カーボキシレート系薬剤、クロル化炭化
水素系薬剤、微生物より生産される殺虫性物質などを挙
げることができる。
【0054】更に、本願発明の化合物は、共力剤との混
合剤としても、存在することができ、斯る製剤及び、使
用形態は、商業上有用なものを挙げることができる。該
共力剤は、それ自体、活性である必要はなく、活性化合
物の作用を増幅する化合物である。
【0055】本願発明の化合物を農園芸用薬剤として使
用する場合には、例えば以下に示す製剤例のように調製
して用いる。
【0056】
【製剤例】
【0057】
【製剤例1】本願発明の化合物10%、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム2.5%、リグニンスルホン酸
ナトリウム5%及び珪藻土85%をよく粉砕混合して水
和剤を得る。
【0058】
【製剤例2】本願発明の化合物5%、乳化剤ソルポール
SM100(東邦化学(株)製)10%、キシレン85
%をよく混合して乳剤を得る。
【0059】
【製剤例3】本願発明の化合物3%、ホワイトカーボン
1%、リグニンスルホン酸ナトリウム5%及びクレー9
1%をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合わせて造
粒乾燥して粒剤を得る。
【0060】
【試験例】次に試験例を示し、本願発明の効果を更に具
体的に説明するが、本願発明の効果は以下の試験例に記
載のものに限られない。
【0061】
【試験例1】本願発明化合物の製剤を製剤例1−3に準
じて調製し、有効成分量が所定の濃度になるように水で
希釈した。ササゲ(Vigna sinenis Sa
vi)の初生葉に、有機リン殺虫剤感受性のナミハダニ
Tetranychusurticae)を接種し、
接種1日後にミズホ式回転散布塔にて上記の薬液7ml
を、散布液量が3.5mg/cm2 葉になるように散布
した。散布後ササゲ葉を25℃の恒温室内に保存し、3
日後に実体顕微鏡によって成虫の生死を調べ、死虫率を
算出した。その結果、本願発明化合物は、特に優れた活
性を示した。
【0062】
【発明の効果】前記一般式(I)で表されるミルベマイ
シン化合物は殺ダニ、殺虫又は駆虫活性を有し、ダニ
類、植物害虫もしくは動物寄生虫によって引き起こされ
る種々の病害に対して優れた防除効果を示す。
【0063】即ち、本願発明の化合物は果樹、野菜及び
花卉に寄生するハダニ科(Tetranychidae) 及びフシダニ
科(Eriophyidae) 等のハダニ類の成虫及び卵、動物に寄
生するマダニ科(Ixodidae)、ワクモ科(Dermanyssidae)
及びヒゼンダニ科(Sarcoptidae) 等に対して殺ダニ活性
を有しているばかりではなく、既存の殺ダニ剤が効かな
くなり近年大問題となって来ている抵抗性のダニに対し
ても、すぐれた活性を有している。
【0064】本願発明の化合物は、また強力な殺虫作用
を現わす。従って、それらは、殺虫剤として、使用する
ことができる。そして、本願発明の活性化合物は、栽培
植物に対し、薬害を与えることなく、有害昆虫に対し、
的確な防除効果を発揮する。また本願発明化合物は広範
な種々の害虫、有害な吸汁性昆虫、咀嚼系昆虫およびそ
の他の植物寄生害虫、貯蔵害虫、衛生害虫等の防除のた
めに使用でき、それらの駆除撲滅のために適用できる。
【0065】そのような害虫類の例としては、以下の如
き害虫類を例示することができる。昆虫類として、鞘翅
目害虫、例えば、アズキゾウムシ(Callosobruchus chin
ensis)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、コクヌス
トモドキ(Tribolium castaneum) 、ニジュウヤホシテン
トウ(Epilachna vigitioctomaculata)、トビイロムナボ
ソコメツキ(Agriores fuscicollis)、ヒメコガネ(Anoma
la rufocuprea)、コロラドポテトビートル(Leptinotars
a decemkineata) 、ジアブロテイカ(Diabrotica spp.)
、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus) 、
イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus) 、ヒラ
タキクイムシ(Lyctusbruneus) 、鱗翅目虫、例えば、マ
イマイガ(Lymantria dispar)、ウメケムシ(Malacosoma
neustria)、アオムシ(Pieris rapae)、ハスモンヨトウ
(Spodoptera litura) 、ヨトウガ(Mamestra brassica
e)、ニカメイチュウ(Chilosuppressalis) 、アワノメイ
ガ(Pyrausta nubilalis)、コナマダラメイガ(Ephestia
cautella) 、コカクモンハマキ(Adoxophyes orana)、コ
ドリンガ(Carpocapsa pomonella)、カブラヤガ(Agrotis
fucosa)、ハチミツガ(Galleria mellonella) 、コナガ
(Plutella mylostella)、ミカンハモグリガ(フェニル
yllocnistis citrella); 半翅目虫、例えばツマグロヨ
コバイ(Nephotettix cincticeps)、トビイロウンカ(Nil
aparvata lugens)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcu
scomstocki) 、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensi
s)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、リンゴアブ
ラムシ(Aphis pomi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypi
i)、ニセダイコンアブラムシ(Rhopalosiphum pseudobra
ssicas) 、ナシグンバイ(Stephanitis nashi) 、アオカ
メムシ(Nazara spp.) 、トコジラミ(Cimex lectulariu
s) 、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)
、キジラミ(Psylla spp.) 、直翅目虫、例えば、チャ
バネゴキブリ(Blatella germanica)、ワモンゴキブリ(P
eriplaneta americana) 、ケラ(Gryllotalpa african
a)、バッタ(Locusta migratoria migratoriodes); 等翅
目虫、例えば、ヤマトシロアリ(Deucotermes speratu
s)、イエシロアリ(Coptotermes formosamus); 双翅目
虫、例えば、イエバネ(Musca domestica) 、ネッタイシ
マカ(Aedes aegypti) 、タネバエ(Hylemia platura) 、
アカイエカ(Culex pipiens) 、シナハマダラカ(Anophel
es slnensis)、コガタアカイエエ(Culex tritaeniorhyn
chus) 等を挙げることができる。
【0066】更に本願発明の化合物は、線虫類に対する
殺線虫活性を有し、作物植物や樹木類における線虫を防
除するのに使用し得る。
【0067】より具体的には、植物寄生性の線虫及び土
壌中で自由に生息する線虫の両方に対して使用できる。
植物寄生性の線虫の具体例は、外部寄生線虫、例えばオ
オハリセンチュウ種(Xiphinena spp.)、ハリセンチュ
ウ種(Longidorus spp.)、ユミハリセンチュウ種(Tric
hodorous spp.);半内部寄生線虫、例えばティレンクス
種(Tylenchulus spp.);移動性内部寄生線虫、例えば
ネグサレセンチュウ種(Pratylenchus spp.)、ラドホラ
ス種(Radopholus spp.)及びラセンセンチュウ種(Scut
ellonena spp.);定着性内部寄生線虫、例えばシストセ
ンチュウ種(Heterodera spp.)、ジャガイモシストセン
チュウ種(Globodern spp.)及びネコブセンチュウ種
(Meloidogyne spp.);並びに茎葉内部寄生線虫、例え
ばジティレンクス種(Ditylenchus spp.)、マツノザイ
センチュウ(Bursaphelenchus xylophilus)に代表され
るアフェレンコイデス種(Aphelenchoides spp. )及び
ネモグリセンチュウ種(Hirsheaniella spp.)などが挙
げられる。
【0068】更に、獣医学の医薬分野においては、本願
発明の新規化合物を種々の有害な動物寄生虫(内部およ
び外部寄生虫)、例えば、昆虫類およびぜん虫に対して
使用して有効である。このような動物寄生虫の例として
は、以下の如き害虫を例示することができる。
【0069】昆虫類としては例えば、ウマバエ(Gastrop
hilus spp.) 、サシバエ(Stomoxysspp.) 、ハジラミ(Tr
ichodectes spp.) 、サシガメ(Rhodnius spp.) 、イヌ
ノミ(Ctenocephalides canis) 等を挙げることができ
る。
【0070】本願発明ではこれらすべてを包含する虫類
に対する殺虫作用を有する物質として殺虫剤と呼ぶこと
がある。
【0071】更に、本願発明の化合物は動物および人間
の駆虫剤として優れた殺寄生虫活性を有している。
【0072】特に豚、羊、山羊、牛、馬、犬、猫および
鶏のような家畜、家禽およびペットに感染する次の線虫
に有効である。ヘモンクス属(Haemonchus)、トリコスト
ロンギルス属(Trichostrongylus)、オステルターギヤ属
(Ostertagia)、ネマトディルス属(Nematodirus) 、クー
ペリア属(Cooperia)、アスカリス属(Ascaris) 、ブノス
トムーム属(Bunostomum)、エスファゴストムーム属(Oes
ophagostomum) 、チャベルチア属(Chabertia) 、トリキ
ュリス属(Trichuris) 、ストロンギルス属(Storongylu
s) 、トリコネマ属(Trichonema)、デイクチオカウルス
属(Dictyocaulus)、キャピラリア属(Capillaria)、ヘテ
ラキス属(Heterakis) 、トキソカラ属(Toxocara)、アス
カリディア属(Ascaridia) 、オキシウリス属(Oxyuris)
、アンキロストーマ属(Ancylostoma) 、ウンシナリア
属(Uncinaria) 、トキサスカリス属(Toxascaris)及びパ
ラスカリス属(Parascaris)。
【0073】ネマトディルス属、クーペリア属及びエソ
ファゴストムーム属のある種のものは腸管を攻撃し、一
方ヘモンクス属及びオステルターギア属のものは胃に寄
生し、ディクチオカウルス属の寄生虫は肺に見出される
が、これらにも活性を示す。また、フィラリア科(Filar
iidae)やセタリヤ科(Setariidae)の寄生虫は心臓及び血
管、皮下及びリンパ管組織のような他の組織及び器官に
見出され、これらにも活性を示す。
【0074】また、人間に感染する寄生虫に対しても有
用であり、人間の消化管の最も普通の寄生虫は、アンキ
ロストーマ属(Ancylostoma) 、ネカトール属(Necator)
、アスカリス属(Ascaris) 、ストロンギィロイデス属
(Strongyloides) 、トリヒネラ属(Trichinella) 、キャ
ピラリア属(Capillaria)、トリキュリス属(Trichuris)
及びエンテロビウス属(Enterobius)である。
【0075】消化管の外の、血液または他の組織及び器
官に見出される他の医学的に重要な寄生虫であるフィラ
リア科のブツヘレリア属(Wuchereria)、ブルージア属(B
rugia)、オンコセルカ属(Onchoceca) 及びロア糸状虫属
(Loa) 並びに蛇状線虫科(Dracunculidae) のドラクンク
ルス属(Dracunculus) の寄生虫、腸管内寄生虫の特別な
腸管外寄生状態におけるストロンギロイデス属及びトリ
ヒネラ属にも活性を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記、一般式(I) 【化1】 [式中、Rはメチル、エチル、イソプロピル又はsec-ブ
    チル基を示す。]で表される新規マクロライド化合物。
JP17347196A 1996-07-03 1996-07-03 新規マクロライド化合物 Pending JPH1017568A (ja)

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