JP2574470Y2 - 放電加工機などの加工液の濾過装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はワイヤーカット放電加工機または型彫放電加
工機などの加工液の濾過装置に関する。

〔従来技術とその問題点〕

従来のこの種の放電加工機の加工液は、第2,3図に示
すように加工機本体101のドレーン102から排出された加
工汚液を一旦汚液タンク103に集める。

そして汚液タンク103からフィルターポンプPfによっ
て、フィルター104に加工汚液を通して、清浄水とし、
清水タンク105に入れ、送液ポンプPaで加工機本体に還
流していた。しかしこの加工液タンクに付属するフィル
ター104は加工汚液中に含まれる金属の微粉末や、不純
物（以後、スラッジと呼称する）のため、すぐに目詰ま
りし、次に２〜３回の交換を必要とした。

また、このフィルターの交換のために加工機本体の稼
働を中止しなければならなかった。

〔問題点を解決するための手段とその作用〕

本考案は従来の標準機におけるフィルターの目詰まり
を減少するため次のように従来の標準機に代えて逆洗可
能の本考案濾過装置を考案したものである。

すなわち、本考案濾過装置に汚液槽11、清水槽12,フ
ィルター３、逆洗タンク10を供え、本考案濾過装置の汚
液槽11に加工汚液を導入し、通常時はこの導入した汚液
をフィルター３で濾過して清水槽12に貯溜する。第１図
では標準機のドレーン102から加工汚液を導入する。

そして一定時間経路後フィルター３を逆洗し、この逆
洗によりフィルター３より分離したスラッジを含む逆洗
浄液を逆洗タンク10に貯溜する。この貯溜されたフィル
ター逆洗浄液中のスラッジは逆洗タンク10底部に沈殿さ
れ上澄水は本考案濾過装置の汚液槽11に還流され、再び
フィルター３で濾過されるものである。これら一連の動
作は自動制御により繰返される。

本考案濾過装置はこのようにしてフィルター３のスラ
ッジによる目詰まりを間欠的に除去することにより、フ
ィルター３の寿命を著るしく延ばすことに成功したもの
である。なお必要に応じて逆洗時、逆洗兼濾過ポンプＰ
の吸引する加工汚液中に清水槽12からの清水、または補
給清水を混入する回路を設けてもよい。

又、本考案濾過装置は必要に応じて標準機との接続は
できる。そして接続する接続ホースと加工機から加工汚
液を導くドレーンホース各体のみでよく特別な工事なく
して簡単に取付けられる。

さらに、フィルター３の濾材として砂（珪砂を主とす
る）を用いて反復使用することにより、低価格、無公害
な濾過装置を実現できた。

〔実施例の説明〕

以下、本考案濾過装置の実施例について説明する。

第１図において、本考案濾過装置は本考案汚液槽11、
本考案清水槽12とからなるタンク本体１と、フィルター
３と逆洗タンク10と、逆洗兼濾過ポンプＰとこれらをつ
なぐ配管とから成っている。

本考案濾過装置は、必要に応じて第２図に示す従来の
標準機に接続される。すなわち、第１図のように標準仕
様機のドレーン102からドレーンパイプ９を経て、加工
汚液は本考案汚液槽11に導かれる。

以下本考案濾過装置の作動順序について説明する。

第１図は、従来の標準機のドレーン102から、ドレー
ンパイプ９により本考案汚液槽11に加工機101の加工汚
液が導かれる場合を示している。

本考案汚液槽11に貯溜された加工汚液は逆洗兼濾過ポ
ンプＰにより第１フィルター弁４、フィルター３、第２
フィルター弁６を通り本考案清水槽12に導かれる。本考
案清水槽12の清水は必要に応じて相互接続ホース13によ
り、標準仕様機の汚液槽103に通水される。

このとき、第1,第２逆洗弁5,7、逆洗タンク上澄水ド
レーン弁８、沈殿物ドレーン弁２は閉とし、第1,第２フ
ィルター弁4,6は開となっている。

なお本考案濾過装置の稼働中は標準機の濾過装置の稼
働は停止しても差し支えはない。

つぎに、フィルター作用がある時間継続されるとフィ
ルター３内の濾材は目詰まりを起こす。したがって、一
定時間経路後、弁を切換えて、フィルター３の逆洗浄を
行なう。

逆洗浄された逆洗浄液は逆洗用弁７を通り、逆洗タン
ク10に導かれ貯溜される。

逆洗タンク10内に貯溜された逆洗汚液に含まれるスラ
ッジは次第に沈殿され、その上澄水が逆洗タンク上澄ド
レーン弁８から、本考案汚液槽11に還流される。

この逆洗時においては第1,第２フィルター弁4,6は閉
となり、第1,第２逆洗用弁5,7が開となる。

又この逆洗浄が行なわれる以前に逆洗タンク上澄ドレー
ン弁８を開とし、逆洗タンク10の上澄を排出しておく。

これら各種の弁4,5,6,7、８は電磁弁または電動弁等
を用いタイマー等により自動制御される。

〔本考案の効果〕 逆洗兼濾過ポンプＰを用いて、逆洗、濾過の双方を行
なうようにしたので装置が小型になる。このように装置
を小型にするため、逆洗は汚液槽11の汚液を用いて行な
われるが、この際フィルター３から逆洗されるスラッジ
は逆洗タンク10のドレーン弁２に排出される。

そして、逆洗タンク10の上澄水のみが、汚液槽11に還
流されるので、汚液槽11からの逆洗水にはスラッジは含
まれていない。このようにして、フィルタ３の逆洗が汚
液槽11の加工汚液によって可能となる。もし、逆洗タン
ク10でスラッジを除去しないと、フィルター３はスラッ
ジで詰ってしまい、加工汚液による逆洗は不可能とな
る。

逆洗浄して生じた汚液は逆洗タンク10でスラッジが除
去されるので、スラッジ以外は外部に排出されず、公害
を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図：本考案濾過装置の稼働時の経路図、 第２図：従来用いられている標準仕様のワイヤカット放
電加工機等の経路図、 1:タンク本体、11:汚液槽、2:逆洗タンク沈殿物ドレー
ン弁、12:清水槽、3:フィルター、13:相互接続ホース、
4:第１フィルター弁、101:加工機本体、5:第１逆洗弁、
102:加工機ドレーンパイプ、6:第２フィルター弁、103:
標準機汚液槽、7:第２逆洗用弁、104:標準機フィルタ
ー、8:上澄水ドレーン弁、105:標準機清水槽、9:ドレー
ンパイプ、Pa:標準機ポンプ、10:逆洗タンク、P:逆洗兼
濾過ポンプ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】逆洗兼用濾過ポンプＰ、汚液槽11、清水槽
   12からなる本体タンク１と、フィルター３と逆洗タンク
   10とからなり、 濾過時、汚液槽11に導入された汚液は第１フィルター弁
   ４、フィルター３、第２フィルター弁６を通って清水槽
   12に至る回路と、 逆洗時、汚液槽11から第１逆洗弁５、フィルター３、第
   ２逆洗弁７を通って、逆洗タンク10に至り、該逆洗タン
   ク10において、逆洗浄された汚液の上澄水が汚液槽11に
   至る経路と、沈殿物ドレーン２に至る経路に分れる回
   路、とを有することを特徴とする放電加工機などの加工
   液濾過装置。