JP2574394Y2 - 車両用シート装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、シートバック部分に格
納・取出自在にチャイルドシートを設けてなる車両用シ
ート装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、車両用シート装置においては、固
定式のリヤシートのシートバック部分に、不使用時には
該シートバック側に格納し、使用時には該シートバック
からシートクッション側に取り出すようにしてチャイル
ドシートを設けるとともに、該シートバックに固定した
状態でチャイルドシート用シートベルトを設けることが
試みられている(例えば、実公昭５４ー１７９２４号公
報、実公昭５４ー１７９２５号公報参照)。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、この公知例
の如くシートバックが固定式である場合には、シートベ
ルトにかかる荷重はシートバックを介して常時車体側で
直接支持されるため、チャイルドシートの使用がシート
バックの状態によって制限されるということがなく、該
チャイルドシートは必要に応じていつでも使用可能であ
る。

【０００４】ところが、チャイルドシートが組み込まれ
るシートバックが可倒式である場合には、該シートバッ
クがシートロック装置によって車体側に固定されている
かどうかによりチャイルドシートの使用が制限される。
即ち、可倒式シートバックの場合には、該シートバック
をシートロック装置により車体側に固定あるいは固定解
除する構成とするとともに、チャイルドシート用シート
ベルトはこれをこの可倒式のシートバック側に固定する
ことが必要である。このため、上記シートベルトにかか
る荷重はシートバックから上記シートロック装置を介し
て車体側に支持されることとなる。従って、上記シート
ロック装置がロックオフの状態でのチャイルドシートの
使用を阻止するとともに、該チャイルドシートが使用時
状態にある場合にはシートロック装置のロックオフ操作
を阻止することが必要となる。

【０００５】しかしながら、本願考案者の知る限りにお
いては、可倒式シートバックにチャイルドシートを組み
込んだものはなく、従って当然のことながらかかる可倒
式シートバックを備えた車両用シート装置においてチャ
イルドシートの使用上の安全性を確保するための手段に
ついてはなんら有用な提案はされていない。

【０００６】そこで本考案は、チャイルドシートを組み
込んだ可倒式シートバックを備えた車両用シート装置に
おいて、該チャイルドシートの使用上における安全性を
確保することを目的としてなされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案ではかかる課題を
解決するための具体的手段として、略起立状態とされる
使用時位置と該使用時位置よりも車体前方側へ傾倒する
倒伏位置の間で起倒可能とされるシートバックの前面
に、該シートバック側に埋没格納される格納位置と該シ
ートバックから取り出されてシートクッション上に載置
される使用時位置との間で姿勢変更可能なる如くチャイ
ルドシートを取り付けるとともに、該シートバックに
は、車体側に固定したストライカーに係合して該シート
バックを使用時位置において車体側に固定するロックオ
ン状態と該ストライカーとの係合を離脱して該シートバ
ックの傾倒操作を許容するロックオフ状態との間で作動
するストライカーフックを備えたシートロック装置を設
け、さらに上記シートバック側にチャイルドシート用シ
ートベルトを固定してなる車両用シート装置において、
上記シートロック装置側に揺動可能に設けられ、ロック
オン状態にある上記ストライカーフックと係合して該ス
トライカーフックのロックオフ側への作動を規制する第
１位置と、該ストライカーフックとの係合が離脱され該
ストライカーフックのロックオフ側への作動を許容する
第２位置との間で姿勢変更可能とされたストッパー爪
と、上記チャイルドシート側に上記ストッパー爪と係合
可能に配置され、該チャイルドシートが格納位置にある
場合には上記ストッパー爪を第２位置に設定する一方、
該チャイルドシートが格納位置から使用時位置に操作さ
れる場合には上記ストッパー爪を第１位置に設定する如
く上記ストッパー爪をチャイルドシートの作動状態に応
じて制御する制御部材と、上記ストライカーフック側に
設けられて該ストライカーフックがロックオフ状態にあ
る場合に格納位置にある上記チャイルドシートと係合し
てその使用時位置側への作動を規制する規制部材とを設
けたことを特徴としている。

【０００８】

【作用】本考案ではかかる構成とすることにより、シー
トロック装置がロックオン状態にあってシートバックが
車体側に固定されている場合には、ストッパー爪が第２
位置に設定されストライカーフックのロックオフ操作が
規制されるとともに、規制部材による規制作用が解除さ
れるため、チャイルドシートを格納位置から使用時位置
に取り出して使用することができ、しかもこの場合にお
けるシートベルトの荷重支持は車体側において確実に行
なわれる。

【０００９】これに対して、シートロック装置がロック
オフ状態にあってシートバックが車体側に確実に固定さ
れていない状態においては、規制部材が格納状態にある
チャイルドシートと係合し、これによりシートバックか
らチャイルドシートを取り出してこれを使用時位置に設
定する操作が阻止され、シートベルト荷重の支持が不確
実な状態でのチャイルドシートの使用が未然に且つ確実
に防止されるものである。

【００１０】一方、上記チャイルドシートが使用時位置
に設定され、且つ上記シートロック装置がロックオン状
態にある場合においては、ストッパー爪が第１位置に設
定されシートロック装置のロックオフ操作が阻止される
ことから、シートベルト荷重の車体側での支持状態が確
保される。

【００１１】

【考案の効果】従って、本考案の車両用シート装置によ
れば、シートバックがシートロック装置によって車体側
に確実に固定されている場合においてのみチャイルドシ
ートを使用することが可能とされ、また該チャイルドシ
ートの使用状態時においては上記シートバックの車体側
からの離脱が確実に防止されることから、チャイルドシ
ート使用時におけるシートベルト荷重の支持が確実なら
しめられ、該チャイルドシートが可倒式シートバックに
設けられる構成であるにもかかわらずチャイルドシート
使用時における高い安全性が確保されるものである。

【００１２】

【実施例】以下、本考案の車両用シート装置を実施例に
基づいて具体的に説明すると、図１及び図２には本考案
の実施例にかかる車両用のリヤシート１の要部が示され
ている。このリヤシート１は、シートクッション２とシ
ートバック３で構成されるが、さらにこのシートバック
３は車幅方向の両端部に位置して車体側に固定される左
右一対のシートバックサイド３３,３３と、該シートバ
ックサイド３３,３３の車幅方向内側にあってそれぞれ
その下端部を支点として車体前後方向(矢印ＡーＢ方向)
に傾動可能とされた第１可倒シートバック３１と第２可
倒シートバック３２とで構成されている。そして、この
第１可倒シートバック３１と第２可倒シートバック３２
は、それぞれその肩部に配置した操作ボタン５７により
操作される後述のシートロック装置５０(図４〜図６参
照)によって車体側に固定され(以下、ロックオン状態と
いう)、あるいは固定解除(以下、ロックオフ状態とい
う)され、ロックオン状態においては図１及び図２に実
線図示するように略起立状態の使用時位置に設定され、
ロックオフ状態においては図１に鎖線図示(符号３１′
参照)するように車体前方へ傾動した倒伏位置に設定さ
れるようになっている。

【００１３】さらに、この実施例においては、この第１
可倒シートバック３１と第２可倒シートバック３２のう
ち、第１可倒シートバック３１側にチャイルドシート４
を格納・取出自在に設けている。即ち、第１可倒シート
バック３１の前面３１aの中央部には上端部が傾斜した
略矩形凹部状のシート収納部３４が形成されるととも
に、このシート収納部３４に対して、略矩形状の第１シ
ート部４１と該第１シート部４１の上端に連続して折曲
可能に設けられた第２シート部４２とからなるチャイル
ドシート４を、該第１シート部４１の下端部を支点とし
て車体前後方向(矢印ＡーＢ方向)に傾動可能に取り付け
ている。

【００１４】そして、このチャイルドシート４は、その
格納位置においては図１に示すように第１シート部４１
と第２シート部４２を直線状に延ばした状態で上記シー
ト収納部３４内に格納され、且つこの状態においては該
チャイルドシート４の背面４aで第１可倒シートバック
３１の前面３１aを構成する。これに対して、その使用
時位置においては、図２に示すように上記第２シート部
４２を第１シート部４１の下側に折り込んだ状態で上記
シートクッション２上に載置され、この状態においては
該第１シート部４１の背面４１aが子供の着座面とされ
る。尚、チャイルドシート４は、その格納位置において
は上記シート収納部３４側に設けたマジックテープ２３
と上記第２シート部４２側に設けたマジックテープ(図
示省略)とを相互に接着させることで格納状態が保持さ
れるようになっている。

【００１５】さらに、図２に示すように、上記第１可倒
シートバック３１とチャイルドシート４との間には、上
記シート収納部３４内を上下方向に延びるようにして後
述する左右一対のシートベルト５,５が配置されてい
る。そして、このシートベルト５,５は、その中間部に
設けたタング７,７を第１シート部４１側から延びるバ
ックル６に着脱自在に連結することで上記シート収納部
３４の前方側に張設されて該シート収納部３４の底面と
の間に所定の抱持空間を形成する。

【００１６】一方、このチャイルドシート４は、上記シ
ートベルト５の荷重支持作用を確実ならしめて乗員であ
る子供の安全を確保する観点から上述のように上記シー
トロック装置５０がロックオン状態の場合においてのみ
これを格納位置から使用時位置に取り出すことができ、
また該チャイルドシート４が使用時位置にある場合には
シートロック装置５０のロックオフ操作を規制し得るよ
うになっており、この実施例においては後述のように、
上記シートロック装置５０と上記第１シート部４１に設
けた後述のチャイルドシート側ロックブラケット５３と
によってこれを達成するようにしている。

【００１７】以下、先ず図３を参照して上記第１可倒シ
ートバック３１及びチャイルドシート４の構成等を説明
し、然る後、図４〜図６を参照して上記シートロック装
置５０及びチャイルドシート側ロックブラケット５３等
の構成及び作用について説明することとする。

【００１８】第１可倒シートバック３１等 図３には、上記第１可倒シートバック３１とチャイルド
シート４及びシートベルト５の全体構成が示されてい
る。上記第１可倒シートバック３１は、パイプ体で矩形
枠状に形成されるとともにその背面側に同じく矩形枠状
の枠状プレート１１が取り付けられたシートバックフレ
ーム１０に、略矩形のプレート体で構成される背当プレ
ート１６を取り付けてなるフレームに、パッド１３とこ
れを被包するトリム１４及びパッティング１５を順次取
り付けて構成されている。そして、この第１可倒シート
バック３１は、上記シートバックフレーム１０の下端両
側にそれぞれ車体側に枢支せしめることで車体前後方向
に傾動可能とされている。

【００１９】上記チャイルドシート４は、上記背当プレ
ート１６の下端両側に設けたブラケット２０,２０に矩
形のブースタープレート１７の基端部をボルト２１,２
１により連結することで該背当プレート１６に対して接
離方向に傾動可能とされている。そして、このブースタ
ープレート１７に、相互に折曲可能とされた第１パッド
１８aと第２パッド１８bとからなるパッド１８とこれを
被包するトリム１９とを取り付けてチャイルドシート４
が構成されている。

【００２０】上記シートベルト５,５は、その一端がベ
ルトアンカー９を介して上記背当プレート１６のブラケ
ット２０,２０に共締め固定されるとともに、その他端
は、上記トリム１４及びパッド１３を貫通して上記シー
トバックフレーム１０の上端側に引き出された後、該シ
ートバックフレーム１０の下端に固定したベルトリトラ
クター８に巻き取られるようになっている。また、この
シートベルト５,５に取り付けたタング７,７は、ブース
タープレート１７側から延びたバックル６に着脱自在に
連結されるようになっている。

【００２１】シートロック装置５０等 上述の如き構成の第１可倒シートバック３１は、上記シ
ートバックフレーム１０の肩部に固定したロック取付ベ
ースプレート１２に取り付けられるシートロック装置５
０を介して車体側部材に着脱自在に固定される。即ち、
このシートロック装置５０は、図４〜図６に示すよう
に、受溝５５をシート背面側に向けて開口させた状態で
上記ロック取付ベースプレート１２に固定されるキャッ
チブラケット６０に後述のキャッチ機構５１を組み込ん
で構成される。

【００２２】このキャッチ機構５１は、上記キャッチブ
ラケット６０に対して、ストライカー受溝６１aを形成
したストライカーフック６１をピン７１により矢印aーb
方向へ回動可能に枢支せしめるとともに、該ストライカ
ーフック６１と適宜に係脱することで上記ストライカー
フック６１の姿勢保持を行う第１ストッパー爪６２をピ
ン７２により矢印cーd方向に回動可能に枢支して構成さ
れている。尚、上記ストライカーフック６１は図示しな
いスプリングにより常時矢印a方向(ロックオフ方向)に
付勢され、また上記第１ストッパー爪６２はスプリング
６４により常時矢印d方向(係合方向)へ、それぞれ付勢
されている。また、上記第１ストッパー爪６２は、第１
可倒シートバック３１内を上下方向に配設された操作ロ
ッド５２に連結されており、該操作ロッド５２をその上
端に設けた操作ボタン５７の押圧操作により押し下げる
ことで強制的に矢印c方向(係合解除方向)に回動される
ようになっている。

【００２３】そして、図４に示すように、ストライカー
フック６１の矢印a方向への回動が上記第１ストッパー
爪６２によって規制された状態においては、該ストライ
カーフック６１のストライカー受溝６１aは上記キャッ
チブラケット６０のストッパー面５６とで囲まれる空間
内に、車体側に固定されたストライカー５４を収容せし
めた状態で姿勢保持される(即ち、シートロック装置５
０のロックオン状態である)。これに対して、上記操作
ボタン５７を押圧操作して上記第１ストッパー爪６２を
矢印c方向へ回動させてストライカーフック６１との係
合を解除すると、図６に示すように、ストライカーフッ
ク６１は矢印a方向に回動してそのストライカー受溝６
１aをシート背面側に開放し、上記ストライカー５４の
挿脱を許容し得る状態となる(即ち、シートロック装置
５０のロックオフ状態である)。

【００２４】一方、上記シートロック装置５０のストラ
イカーフック６１には、突片状の第１ストッパー部６１
bと第２ストッパー部６１cとが形成されている。また、
上記キャッチブラケット６０にはピン７３を介して第２
ストッパー爪６３が回動可能に取り付けられている。こ
の第２ストッパー爪６３は、実用新案登録請求の範囲中
のストッパー爪に該当するもので、図示しないスプリン
グによりその思案点を中心に矢印e方向と矢印f方向の両
方向へ付勢され、図５に示すように上記シートロック装
置５０がロックオン状態にある場合においては上記第２
ストッパー爪６３が矢印e方向に回動せしめられること
で該第２ストッパー爪６３のストッパー面６３aが第２
ストッパー部６１cに係合して上記ストライカーフック
６１の矢印a方向への回動(即ち、ロックオフ操作)を規
制し得るようになっている。尚、以下においては、この
時の第２ストッパー爪６３の位置を第１位置という。

【００２５】また、図４に実線図示するように、第２ス
トッパー爪６３が矢印f方向に回動して上記ストライカ
ーフック６１の第２ストッパー部６１cとの係合が解除
された状態においては、該ストライカーフック６１のロ
ックオフ操作が可能ならしめられる。尚、以下において
は、この時の第２ストッパー爪６３の位置を第２位置と
いう。

【００２６】さらに、上記チャイルドシート４のブース
タープレート１７には、上記第２ストッパー爪６３に設
けた係合ピン６３bと解放キック爪６３c、及び上記スト
ライカーフック６１の第１ストッパー部６１bに対して
選択的に係脱するチャイルドシート側ロックブラケット
５３が取り付けられている。このチャイルドシート側ロ
ックブラケット５３は、図４〜図６に示すように、上記
係合ピン６３bが係入可能な第１係合溝５３aと、上記解
放キック爪６３cが係入可能な第２係合溝５３cと、上記
ストライカーフック６１の第１ストッパー部６１bと係
合する係合面５３eとを備えている。

【００２７】かかる構成とすることにより、先ず図５に
示すように、シートロック装置５０がロックオン状態に
あり且つ第１ストッパー爪６２によってロックオフ操作
が規制された状態で、しかもチャイルドシート４が使用
時位置にある場合においては、いかに操作ボタン５７を
押圧操作して第１ストッパー爪６２を解除方向(矢印c方
向)へ回動させても、ストライカーフック６１は第１位
置に設定された第２ストッパー爪６３によって矢印a方
向への回動が規制されているため、シートロック装置５
０がロックオフされることはない。即ち、チャイルドシ
ート４が使用時位置に設定された状態下での第１可倒シ
ートバック３１の傾倒操作は阻止されるものである。

【００２８】一方、チャイルドシート４がその使用時位
置から図４に示すように格納位置側に操作されると、同
図において鎖線図示するように、第１位置にある上記第
２ストッパー爪６３の解放キック爪６３cが上記チャイ
ルドシート側ロックブラケット５３の第２係合溝５３c
に連続する第２ガイド面５３d(後述する第１ガイド面５
３bとともに実用新案登録請求の範囲中の制御部材を構
成する)に対して摺動係合し、該第２ストッパー爪６３
はチャイルドシート４の格納方向作動に伴って次第に矢
印f方向へ回動され、これが第２位置に設定された状態
においては上記シートロック装置５０のロックオフ操作
の規制作用が解除されるとともに、その係合ピン６３b
が第１係合溝５３aに、解放キック爪６３cが第２係合溝
５３cにそれぞれ係入する。従って、この図４に実線図
示する状態から、例えば、操作ボタン５７が押圧操作さ
れると、上記第１ストッパー爪６２による規制作用が解
除され、ストライカーフック６１が矢印a方向に回動し
て図６に示すようにシートロック装置５０はロックオフ
状態とされる。即ち、第１可倒シートバック３１の傾倒
操作が可能となる。

【００２９】また、同時に、図６に示すように、ストラ
イカーフック６１の回動に伴ってその第１ストッパー部
６１b(実用新案登録請求の範囲中の規制部材に該当す
る)がチャイルドシート側ロックブラケット５３の係合
面５３eに係合し、これによりチャイルドシート４の矢
印Ｃ方向への回動、即ち、チャイルドシート４の格納位
置から使用時位置への操作が規制されることとなる。即
ち、シートロック装置５０がロックオフ状態にあって第
１可倒シートバック３１が傾倒可能な状態下においては
チャイルドシート４の取り出し操作が確実に阻止される
ものである。

【００３０】これに対して、図４に実線図示する状態か
らチャイルドシート４が矢印Ｃ方向へ回動されその格納
位置から使用時位置側へ操作される場合には、第２スト
ッパー爪６３に対してチャイルドシート側ロックブラケ
ット５３が矢印Ｃ方向へ相対変位するのに伴って上記係
合ピン６３bが第１ガイド面５３b(前述の第２ガイド面
５３dとともに実用新案登録請求の範囲中の制御部材を
構成する)に対して摺動係合し、該第２ストッパー爪６
３は実線図示する位置から鎖線図示する位置側に向けて
矢印e方向に回動し、上記チャイルドシート側ロックブ
ラケット５３側から係合離脱されるとともに、上記スト
ライカーフック６１の第２ストッパー部６１cと係合し
てこれをロックオン状態のまま保持する如く作用する。
即ち、一旦チャイルドシート４が使用時位置に設定され
ると、以後のロックオフ操作は規制されるものである。

【００３１】このように、この実施例においては、 (イ) シートロック装置５０がロックオン状態にあって
第１可倒シートバック３１が車体側に固定されている場
合においてのみチャイルドシート４を使用時位置へ設定
することが可能とされ、該シートロック装置５０のロッ
クオフ状態ではチャイルドシート４の使用時位置への設
定が確実に防止される、 (ロ) チャイルドシート４が使用時位置に設定されてい
る状態においては、いかに操作ボタン５７を押圧操作し
ようとも、シートロック装置５０をロックオフさせるこ
とはできず、第１可倒シートバック３１の使用時位置か
ら倒伏位置へ操作が規制される、ことで、チャイルドシ
ート４が使用時位置に設定されている間は必ず第１可倒
シートバック３１はシートロック装置５０により車体側
に固定された状態とされる。従って、例えば衝突時にシ
ートベルト５に衝突荷重がかかった場合、この衝突荷重
は第１可倒シートバック３１のシートバックフレーム１
０を介して確実に車体側に伝達されここで支持されるこ
とから、該シートベルト５による乗員(子供)の拘束作用
が確実となり、該チャイルドシート４が可倒式の第１可
倒シートバック３１に組み付けられている構成であるに
もかかわらず、高水準の安全性が確保されるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例にかかる車両用シート装置の要
部斜視図である。

【図２】図１に示した車両用シート装置においてチャイ
ルドシートを取り出した状態を示す斜視図である。

【図３】図１に示した車両用シート装置の要部分解斜視
図である。

【図４】図１に示した車両用シート装置におけるシート
ロック装置の拡大斜視図である。

【図５】図４に示したシートロック装置の状態変化図で
ある。

【図６】図４に示した車両用シート装置の状態変化図で
ある。

【符号の説明】

１はリヤシート、２はシートクッション、３はシートバ
ック、４はチャイルドシート、５はシートベルト、６は
バックル、７はタング、８はベルトリトラクター、９は
ベルトアンカー、１０はシートバックフレーム、１１は
枠状プレート、１２はロック取付ベースプレート、１３
はパッド、１４はトリム、１５はパッティング、１６は
背当プレート、１７はブースタープレート、１８はパッ
ド、１９はトリム、２０はブラケット、２１はボルト、
２３はマジックテープ、３１は第１可倒シートバック、
３２は第２可倒シートバック、３３はシートバックサイ
ド、３４はシート収納部、３５は切欠部、４１は第１シ
ート部、４２は第２シート部、５０はシートロック装
置、５１はキャッチ機構、５２は操作ロッド、５３はチ
ャイルドシート側ロックブラケット、５３aは第１係合
溝、５３bは第１ガイド面(制御部材)、５３cは第２係合
溝、５３dは第２ガイド面(制御部材)、５３eは係合面、
５４はストライカー、５５は受溝、５６はストッパー
面、５７は操作ボタン、６０はキャッチブラケット、６
１はストライカーフック、６１aはストライカー受溝、
６１bは第１ストッパー部(規制部材)、６１cは第２スト
ッパー部、６２は第１ストッパー爪、６３は第２ストッ
パー爪(ストッパー爪)、６３aは第２ストッパー爪のス
トッパー面、６３bは係合ピン、６３cは解放キック爪、
７１〜７３はピンである。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略起立状態とされる使用時位置と該使用
   時位置よりも車体前方側へ傾倒する倒伏位置の間で起倒
   可能とされるシートバックの前面に、該シートバック側
   に埋没格納される格納位置と該シートバックから取り出
   されてシートクッション上に載置される使用時位置との
   間で姿勢変更可能なる如くチャイルドシートを取り付け
   るとともに、該シートバックには、車体側に固定したス
   トライカーに係合して該シートバックを使用時位置にお
   いて車体側に固定するロックオン状態と該ストライカー
   との係合を離脱して該シートバックの傾倒操作を許容す
   るロックオフ状態との間で作動するストライカーフック
   を備えたシートロック装置を設け、さらに上記シートバ
   ック側にチャイルドシート用シートベルトを固定してな
   る車両用シート装置であって、 上記シートロック装置側に揺動可能に設けられ、ロック
   オン状態にある上記ストライカーフックと係合して該ス
   トライカーフックのロックオフ側への作動を規制する第
   １位置と、該ストライカーフックとの係合が離脱され該
   ストライカーフックのロックオフ側への作動を許容する
   第２位置との間で姿勢変更可能とされたストッパー爪
   と、 上記チャイルドシート側に上記ストッパー爪と係合可能
   に配置され、該チャイルドシートが格納位置にある場合
   には上記ストッパー爪を第２位置に設定する一方、該チ
   ャイルドシートが格納位置から使用時位置に操作される
   場合には上記ストッパー爪を第１位置に設定する如く上
   記ストッパー爪をチャイルドシートの作動状態に応じて
   制御する制御部材と、 上記ストライカーフック側に設けられて該ストライカー
   フックがロックオフ状態にある場合に格納位置にある上
   記チャイルドシートと係合してその使用時位置側への作
   動を規制する規制部材と、 を設けたことを特徴とする車両用シート装置。