JP2573786Y2 - エンコーダ装置 - Google Patents

エンコーダ装置

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JP2573786Y2
JP2573786Y2 JP1992052177U JP5217792U JP2573786Y2 JP 2573786 Y2 JP2573786 Y2 JP 2573786Y2 JP 1992052177 U JP1992052177 U JP 1992052177U JP 5217792 U JP5217792 U JP 5217792U JP 2573786 Y2 JP2573786 Y2 JP 2573786Y2
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、エンコーダ装置に関す
るもので、特にバックアップ電源を備えたアブソリュー
トエンコーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】検出対象の絶対位置を検出するアブソリ
ュートエンコーダでは、本来の使用状態ではない例えば
運搬時などでも常時検出対象の動きを検出する必要があ
る。そこで、本来の使用状態ではない場合はセンサー部
にバックアップ電源から電源を供給し、常時検出対象の
位置を検出するようにしている。
【0003】エンコーダ装置でバックアップを必要とす
る状況は様々であるから、できるだけ長時間にわたって
バックアップできることが望ましい。しかるに、従来一
般のアブソリュートエンコーダ装置では長時間にわたっ
てバックアップすることはできない。何故なら、センサ
ー部は、応答性をよくしようとすれば電流を多く流す必
要があり、電流を少なくすれば応答性が悪くなるという
特性があるが、本来の使用状態において検出対象が急速
に移動しても確実に検出対象の位置を検出することがで
きるように、センサー部に電流を多く流して応答性を高
めてあり、よって、バックアップ電源の消費が早くなる
からである。
【0004】そこで本出願人は、バックアップ時は一般
に検出対象の動きが緩慢であることに着目し、本来の使
用状態では高速用センサ部に主電源から充分な電流を供
給して充分な応答性が得られるようにする一方、バック
アップ時はバックアップ電源から低速用センサー部に小
さな電流を供給することにより、長時間にわたってバッ
クアップすることを可能にし、また、バックアップ時で
も、検出対象が高速で移動する場合は、高速用センサ部
を作動させるようにして、バックアップ時の高速応答性
も保証したエンコーダ装置について先に特許出願した。
特願平4−70158号の明細書および図面記載の発明
がそれである。図5は上記出願にかかる発明の思想を取
り入れたエンコーダ装置の例を示す。
【0005】図5において、検出対象に結合された磁気
記録媒体としての磁気ドラム12の周面に対向させて高
速用MR素子15と低速用MR素子17が配設されてい
る。各MR素子15,17は、それぞれ基板5b,7b
上に磁気抵抗パターン5a,7aを有している。各磁気
抵抗パターン5a,7aは、複数の磁気抵抗ストライプ
を有してなり、この磁気抵抗ストライプによって検出信
号が得られるようになっている。MR素子15の出力は
高速センサ部16に、MR素子17の出力は低速センサ
部18に入力される。高速センサ部16および低速セン
サ部18はそれぞれ波形整形回路を有し、MR素子1
5,17の出力を波形整形して矩形波信号として出力す
る。高速用MR素子15と高速センサ部16は応答性が
高く、消費電流は大きい。低速用MR素子17と低速セ
ンサ部18は消費電流が小さく、応答性は低い。
【0006】MR素子の具体的な接続例は各種考えられ
ており、図6はその一例を示す。図6において、2個の
磁気抵抗パターン41,42はそれぞれトランジスタ4
5,46のエミッタに接続され、各トランジスタ45,
46のベースには一定の電圧V0が印加され、各トラン
ジスタ45,46のコレクタにはそれぞれ抵抗43,4
4を介して電源が接続され、各トランジスタ45,46
のコレクタはコンパレータ47の各入力端子に接続され
ている。磁気を検出して磁気抵抗パターン41,42の
抵抗値が変化するとトランジスタ45,46のコレクタ
の電圧が変化する。これをコンパレータ47で波形整形
することにより矩形波信号として出力することができ
る。
【0007】図5に示す高速用MR素子15および低速
用MR素子17は、それぞれ図6に示すMR素子と同様
に構成される。また、図5に示す高速センサ部16およ
び低速センサ部18は、図6に示すコンパレータ47と
同様のコンパレータを含む。図5において、高速センサ
部16および低速センサ部18から出力された矩形波信
号は、センサ出力選択部26に入力され、高速センサ部
16の出力信号又は低速センサ部18の出力信号が選択
される。選択された信号はカウンタIC27でカウント
されてアブソリュート信号として出力される。カウンタ
IC27の出力は図示されないコントローラに入力され
る。コントローラはカウンタIC27の値が目標値に達
するように、磁気ドラム12が結合された検出対象の位
置、速度などを制御する。
【0008】上記センサ部16,18、カウンタIC2
7などには、ドライバ電源31又はバックアップ電源3
2から電源が供給される。ドライバ電源31は商用交流
電源から作られる5V程度の直流電源である。ドライバ
電源31を主電源としてこれを上記各回路に供給し、ま
た、高速センサオン・オフ判断部20に入力する。高速
センサオン・オフ判断部20は、バックアップ電源32
の電圧がドライバ電源31の電圧よりも低いことを利用
してドライバ電源31が停電したかどうかを判断するも
ので、高速センサ部16への電源供給をオン・オフする
スイッチ24を有している。高速センサオン・オフ判断
部20は、通常時、すなわちドライバ電源31が動作し
ているときは高速センサ16をオンにしたまま低速セン
サ18を無視し、バックアップ時、ドライバ電源31が
動作しないとき、すなわちエンコーダ電源ラインがバッ
クアップ電源32の電圧になったときは、磁気ドラム1
2の回転速度に応じてスイッチ24をオン・オフする。
【0009】高速センサオン・オフ判断部20はまた、
バックアップ時に、例えばカウンタIC27による単位
時間あたりのカウント値を監視することにより磁気ドラ
ム12の回転速度を監視するようになっていて、速度が
一定以上の場合は上記スイッチ24をオンにして高速セ
ンサ部16に電源を供給し、速度が一定以下の場合はス
イッチ24をオフにして高速センサ部16への電源の供
給を絶ち、低速センサ部18にのみ電源を供給する。セ
ンサ出力選択部26は、高速センサオン・オフ判断部2
0のスイッチ24がオンの場合は高速センサ部16の出
力を選択し、スイッチ24がオフの場合は低速センサ部
18の出力を選択する。
【0010】いま、バックアップ時に磁気ドラム12が
低速で回転しているものとすれば、高速センサオン・オ
フ判断部20はスイッチ24をオフにして低速センサ部
18にのみバックアップ電源32から電源を供給する。
センサ出力選択部26は低速センサ部18の検出出力を
選択し、これをカウンタIC27がカウントする。これ
に対して、バックアップ時に磁気ドラム12が高速で回
転すると、高速センサオン・オフ判断部20はスイッチ
24をオンにして高速センサ部16にバックアップ電源
32から電源を供給し、磁気ドラム12の高速回転に対
応して検出信号を出力する。センサ出力選択部26は高
速センサ部16の検出出力を選択し、これをカウンタI
C27がカウントする。
【0011】高速センサ部16は応答性が高く消費電流
は大きいが、バックアップ時は磁気ドラム12が高速で
回転しているときしか電源が供給されない。また、バッ
クアップ時は一般に磁気ドラム12が低速で回転してい
ることが多いから、高速センサオン・オフ判断部20は
スイッチ24をオフにして低速センサ部18にのみバッ
クアップ電流Iboを流していることが多く、低速セン
サ部18に流れる電流は高速センサ部16に流れる電流
よりも小さいため、バックアップ電源32によるバック
アップを長時間維持することができる。仮りに、バック
アップ時に何らかの原因で磁気ドラム12が高速で回転
したとしても、そのときは高速センサオン・オフ判断部
20がスイッチ24をオンにして高速センサ部16にバ
ックアップ電源32から電源を供給して応答性を高める
ため、磁気ドラム12の回転位置を的確に検出すること
ができる。
【0012】なお、MR素子の具体的な接続例として図
7に示すような例もある。これは一定間隔をおいて配置
されかつブリッジ接続された4個の磁気抵抗パターン5
1,52,53,54を有してなるMR素子50を用い
た例で、直列接続された磁気抵抗パターン51,52と
直列接続された磁気抵抗パターン53,54に電圧が印
加され、磁気抵抗パターン51,52の中点と磁気抵抗
パターン53,54の中点をコンパレータ55の各入力
端子に接続したものである。各磁気抵抗パターン51,
52,53,54が磁気を検出して抵抗値が変化する
と、上記各中点電位が変化する。これをコンパレータ4
7で波形整形することにより矩形波信号として出力する
ことができる。
【0013】
【考案が解決しようとする課題】前記出願にかかる発明
によれば、バックアップ電源によるバックアップを長時
間維持することができ、バックアップ時でも高速応答性
を確保できるという効果がある。しかし、二つのセンサ
部16,18に検出信号を入力する二つの磁気センサ1
5,17が、それぞれの基板5b,7bと感磁部5a,
7aとによって個別に構成され、これらが磁気ドラム1
2の磁極との関係において一定の位相をもって離間して
配置されているため、二つの磁気センサ15,17の位
相合わせが面倒であるという難点があった。
【0014】本考案はこのような点に鑑みてなされたも
ので、バックアップ電源によるバックアップを長時間維
持することができ、かつ、バックアップ時でも高速応答
性を確保することができるエンコーダ装置であって、高
速用の磁気センサと低速用磁気センサの位相合わせが容
易なエンコーダ装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本考案は、請求項1に記
載されているように、回転可能に設けられ磁気信号を発
生する磁気記録媒体と、この磁気記録媒体の磁気記録面
に対向して設けられ上記磁気信号を検出する磁気センサ
と、この磁気センサの基板上に設けられ、設定値よりも
磁気信号の検出信号周波数が高い場合の上記磁気信号を
検出する第1の感磁部と、この第1の感磁部と同一の基
板上に設けられ、設定値よりも磁気信号の検出信号周波
数が低い場合の上記磁気信号を検出する第2の感磁部
と、上記第1の感磁部の検出信号を入力して波形整形す
る高速センサ部と、上記第2の感磁部の検出信号を入力
して波形整形する低速センサ部と、上記磁気記録媒体の
回転速度を監視して上記磁気信号の検出信号周波数が前
記設定値以上の場合は上記高速センサ部へ電源を供給
し、上記磁気信号の検出信号周波数が前記設定値以下の
場合は上記低速センサ部へ電源を供給する高速センサオ
ン・オフ判断部と、この高速センサオン・オフ判断部が
オンの場合は上記高速センサ部の出力を選択し、上記高
速センサオン・オフ判断部がオフの場合は上記低速セン
サ部の出力を選択するセンサ出力選択部とを具備して
ることを特徴とする。請求項2に記載されているよう
に、第1の感磁部の電気抵抗よりも第2の感磁部の電気
抵抗を大きくするのが望ましい。
【0016】
【作用】第1の感磁部と第2の感磁部は同一の磁気セン
サ基板上に設けられているため、磁気センサの生産時に
第1の感磁部と第2の感磁部との間隔を所定の間隔に設
定しておけば、磁気記録媒体の磁極に対する第1の感磁
部と第2の感磁部の位相関係は一律に決まり、磁気セン
サを磁気記録媒体に対向させて配置する際の位相合わせ
は不要になる。磁気信号の検出信号周波数が設定値以上
になると高速センサオン・オフ判断部が高速センサ部へ
電源を供給し、センサ出力選択部が高速センサ部の出力
を選択する。磁気信号の検出信号周波数が設定値以下の
場合は高速センサオン・オフ判断部が低速センサ部へ電
源を供給し、センサ出力選択部が低速センサ部の出力を
選択する。バックアップ時は、主としてバックアップ電
源から電気抵抗の大きい第2の感磁部に電源を供給する
ようにすれば、長時間にわたってバックアップすること
ができる。
【0017】
【実施例】以下、図1ないし図4を参照しながら本考案
にかかるエンコーダ装置の実施例について説明する。た
だし、図5の例と共通の構成部分には共通の符号が付し
てある。図1において、検出対象に結合された磁気記録
媒体としての磁気ドラム12は、周方向に交互に異極着
磁されて多数の磁極を一定間隔で有している。磁気ドラ
ム12の周面に対向させて磁気センサ10が配設されて
いる。磁気センサ10は磁気抵抗効果素子(MR素子)
からなり、一つの基板11上に第1の感磁部10aと第
2の感磁部10bが設けられている。各感磁部10a,
10bは、例えば適宜の磁気抵抗パターンを有し、各磁
気抵抗パターンは、複数の磁気抵抗ストライプを有す
る。
【0018】上記第1の感磁部10aおよび第2の感磁
部10bは、磁気ドラム12の周面に着磁によって記録
された磁気信号を検出する。そして、磁気ドラム12が
回転すると、上記第1の感磁部10aおよび第2の感磁
部10bが対向する位置の磁極が切り替わり、第1の感
磁部10aおよび第2の感磁部10bが正弦波状の検出
信号を出力する。この第1の感磁部10aによる検出信
号と第2の感磁部10bによる検出信号との間には、第
1の感磁部10aと第2の感磁部10bとの間隔および
磁気ドラム12の磁極間隔との関係によって、所定の位
相差、基本的には0゜の位相差をもつように設定され
る。第1の感磁部10aは、ある一定の設定値よりも周
波数が高い時に上記磁気信号を検出することができる。
これに対して第2の感磁部10bは、ある一定の設定値
よりも周波数が低い時に上記磁気信号を検出するように
なっている。また、第1の感磁部10aの電気抵抗より
も、第2の感磁部10bの電気抵抗が例えば10倍程度
大きく設定されている。
【0019】MR素子の具体的な接続例としては適宜の
ものを採用して差し支えなく、例えば、前述の図6の例
又は図7の例のものを採用してもよい。
【0020】図1において、第1の感磁部10aの出力
は高速センサ部16に、第2の感磁部10bの出力は低
速センサ部18に入力される。高速センサ部16および
低速センサ部18はそれぞれ波形整形回路を有し、第
1、第2の感磁部10a、10bの出力を波形整形して
矩形波信号として出力する。周波数が高い磁気信号を検
出することができる高速用の第1の感磁部10aと高速
センサ部16は応答性が高く、消費電流は大きい。周波
数が低い磁気信号を検出する低速用の第2の感磁部10
と低速センサ部18は消費電流が小さく、応答性は低
い。
【0021】高速センサ部16および低速センサ部18
から出力された矩形波信号は、センサ出力選択部26に
入力され、高速センサ部16の出力信号又は低速センサ
部18の出力信号が選択される。選択された信号はカウ
ンタIC27でカウントされてアブソリュート信号とし
て出力される。このカウンタIC27の出力が図示され
ないコントローラに入力される。コントローラはカウン
タIC27の値が目標値に達するように、上記磁気ドラ
ム12が結合された検出対象の位置、速度などを制御す
る。
【0022】上記センサ部16,18、カウンタIC2
7などには、ドライバ電源31又はバックアップ電源3
2から電源が供給される。ドライバ電源31は商用交流
電源から5V程度の直流電源を作る。ドライバ電源31
を主電源としてこれを上記各回路に供給し、また、高速
センサオン・オフ判断部20に入力する。高速センサオ
ン・オフ判断部20は、バックアップ電源32の電圧が
ドライバ電源31の電圧よりも低いことを利用してドラ
イバ電源31が停電したかどうかを判断するもので、高
速センサ部16への電源供給をオン・オフするスイッチ
24を有している。高速センサオン・オフ判断部20
は、通常時、すなわちバックアップ電源32の電圧がド
ライバ電源31の電圧であるときは、高速センサ部16
をオンにしたまま低速センサ18を無視し、バックアッ
プ時、すなわちエンコーダ電源電圧がバックアップ電源
32の電圧まで下がったときは、磁気ドラム12の回転
速度に応じてスイッチ24をオン・オフする。
【0023】高速センサオン・オフ判断部20はまた、
バックアップ時に、例えばカウンタIC27による単位
時間あたりのカウント値を監視することにより磁気ドラ
ム12の回転速度を監視するようになっていて、速度が
一定以上の場合は上記スイッチ24をオンにして高速セ
ンサ部16に電源を供給し、速度が一定以下の場合はス
イッチ24をオフにして高速センサ部16への電源の供
給を絶ち、低速センサ部18にのみ電源を供給する。セ
ンサ出力選択部26は、高速センサオン・オフ判断部2
0のスイッチ24がオンの場合は高速センサ部16の出
力を選択し、スイッチ24がオフの場合は低速センサ部
18の出力を選択する。
【0024】次に、上記実施例の動作を図2とともに説
明する。ドライバ電源31が有効に作動している場合
は、図2の最上段に示すようにドライバ電源31から電
源が供給される。このとき高速センサオン・オフ判断部
20は、高速センサ部16をオンにしたまま低速センサ
18を無視する。
【0025】停電によってドライバ電源31が作動しな
かったり、運搬時など通常の使用状態以外でドライバ電
源31を使用することができない場合は、バックアップ
電源32から電源が供給される。バックアップ時は、エ
ンコーダ電圧がドライバ電源31の電圧より低いバック
アップ電源32の電圧になるため、これを高速センサオ
ン・オフ判断部20が検出し、さらに高速センサオン・
オフ判断部20は磁気ドラム12の回転速度によってス
イッチ24をオン・オフする。すなわち、高速センサオ
ン・オフ判断部20は、図2の中段に示すように、一定
の検出信号周波数設定値を境にしてこれよりも検出信号
周波数が高いか低いかを判断し、スイッチ24をオン・
オフさせる。磁気ドラム12が低速で回転しているとき
は、図2の中段に符号Cで示すように検出信号周波数が
設定値よりも低いため、スイッチ24をオフにして低速
センサ部18にのみバックアップ電源32から電源を供
給する。このときのバックアップ電流Iboは、図2の
下段の右半部に示すように少ない。センサ出力選択部2
6は低速センサ部18の検出出力を選択し、これをカウ
ンタIC27がカウントする。
【0026】これに対して、バックアップ時に何らかの
原因で磁気ドラム12が高速回転すると、図2の中段に
符号A,Bで示すように検出信号周波数が設定値よりも
高くなるため、高速センサオン・オフ判断部20はスイ
ッチ24をオンにして高速センサ部16にバックアップ
電源32から電源を供給し、磁気ドラム12の高速回転
に対応して検出信号を出力する。このときのバックアッ
プ電流Iboは、図2の下段の上記符号A,Bに対応す
る部分に示すように大きくなる。センサ出力選択部26
は高速センサ部16の検出出力を選択し、これをカウン
タIC27がカウントする。
【0027】第1の感磁部10aおよび高速センサ部1
6は応答性が高く消費電流は大きいが、バックアップ時
は磁気ドラム12が高速で回転しているときしか電源が
供給されない。バックアップ時は一般に磁気ドラム12
が低速で回転していることが多いから、高速センサオン
・オフ判断部20はスイッチ24をオフにして低速セン
サ部18および第2の感磁部10bにのみバックアップ
電流Iboを流していることが多い。前述のように、第
2の感磁部10bは第1の感磁部10aよりも電気抵抗
が大きく、第2の感磁部10bに流れる電流は第1の感
磁部10aに流れる電流よりも小さく、かつ、低速セン
サ部18に流れる電流は高速センサ部16に流れる電流
よりも小さいため、バックアップ電源32によるバック
アップを長時間維持することができる。仮りに、バック
アップ時に何らかの原因で磁気ドラム12が高速で回転
したとしても、そのときは上記のように高速センサオン
・オフ判断部20がスイッチ24をオンにして高速セン
サ部16および高速用の第1の感磁部10aにバックア
ップ電源32から電源を供給して応答性を高めるため、
磁気ドラム12の回転位置を的確に検出することができ
る。
【0028】以上説明した実施例によれば、長時間にわ
たるバックアップおよび高速応答性が向上するほか、共
通の磁気センサの基板上に周波数が高い磁気信号を検出
することができる高速用の第1の感磁部10aと周波数
が低い磁気信号を検出する低速用の第2の感磁部10b
とを設けことにより、次のような効果がある。すなわ
ち、磁気センサ10の生産時に第1の感磁部10aと第
2の感磁部10bとの間隔を所定の間隔に設定しておけ
ば、磁気ドラム12の磁極に対する第1の感磁部10a
と第2の感磁部10bの位相関係は一律に決まるため、
磁気センサ12を磁気ドラム12に対向させて配置する
際の位相合わせが不要になる。従って、位相合わせのた
めの機構が不要となり、エンコーダ装置全体の構成が簡
単になるという利点があり、また、位相合わせ作業が不
要で組立作業が容易になるという利点がある。
【0029】なお、高速センサオン・オフ判断部20に
よるスイッチ24のオン・オフ切り換え動作は、通常時
もバックアップ時も常時行われるようにしてもよい。す
なわち、通常時かバックアップ時かにかかわらず、磁気
ドラム12が高速で回転するときはスイッチ24をオン
にして高速センサ部16に電源を供給し、磁気ドラム1
2が低速で回転するときはスイッチ24をオフにして低
速センサ部18にのみ電源を供給するようにしてもよ
い。
【0030】なお、第1の感磁部と第2の感磁部を共通
の磁気センサ基板に設けて磁気センサを構成するに当た
っては、各種の態様が考えられる。図3は、磁気センサ
10の各種態様を示している。図3(a)の例は、第
1、第2の感磁部10a,10bを磁気ドラム12の円
周方向に並べて共通の磁気センサ基板11上に設けたも
ので、図1に示す実施例と同様の態様にしたものであ
る。図3(b)の例は、第1、第2の感磁部10a,1
0bを磁気ドラム12の回転軸方向に並べて共通の磁気
センサ基板11上に設けたものである。図3(c)の例
は、第1、第2の感磁部10a,10bを磁気ドラム1
2の円周方向に並べて共通の磁気センサ基板11上に設
けるとともに、片方の感磁部である第2の感磁部10b
を2分割して第1の感磁部10aを両側から挾むように
配置したものである。なお、第1の感磁部10aを2分
割して第2の感磁部10bを両側から挾むように配置し
てもよい。
【0031】図3に示す何れの態様にしても、前述のよ
うな効果を奏する。しかしながら、磁気センサ10と磁
気ドラム12との相対位置関係のずれや軸の傾きなどを
原因とする検出信号の位相ずれなどの特性の劣化は図3
(c)の場合が最も小さい。図4は、図3(a)(b)
(c)の各態様において、磁気センサ10と磁気ドラム
12との相対位置関係のずれや軸の傾きを生じたときの
検出信号の位相ずれを比較して示す。上記(a)の態様
では、磁気ドラム12の中心を通る線と磁気センサ10
の中心を通る線とが横方向にずれた場合、一方の感磁部
の出力が低下し、これを波形成形して矩形波信号に変換
すると、他方の感磁部出力に基づく矩形波信号に対して
位相がずれる。また、上記(b)の態様では、磁気ドラ
ム12の軸に対して磁気センサ10の軸が傾いた場合に
第1の感磁部10aと第2の感磁部10bの出力信号の
位相がずれる。これに対して上記(c)の態様では、磁
気ドラム12の中心を通る線と磁気センサ10の中心を
通る線とが横方向にずれても、磁気ドラム12の軸に対
して磁気センサ10の軸が傾いても、第1の感磁部10
aと第2の感磁部10bの出力信号の位相がずれること
はない。もっとも、図4(a)(b)で示した位相ずれ
は、理解を容易にするために極端表わしたもので、通常
の精度をもって磁気センサを配置すれば、位相ずれはほ
とんど問題ない。
【0032】以上説明した実施例はロータリーエンコー
ダ装置の例であったが、本考案は、リニアエンコーダ装
置にも適用可能であり、その場合も、前述の効果と同様
の効果を奏する。磁気センサとしてホール素子を用いる
ことも可能である。
【0033】なお、共通の基板上に複数の感磁部を配置
した従来例として特開平1−212312号公報記載の
ものがあるが、本考案とは全く異なった目的をもって共
通の基板上に複数の感磁部を配置したもので、具体的構
成および作用効果においても本考案とは異なるものであ
る。
【0034】
【考案の効果】請求項1記載の考案によれば、共通の
気センサ基板上に、磁気信号の検出信号周波数が設定値
よりも高い場合の磁気信号を検出する第1の感磁部と、
磁気信号の検出信号周波数が設定値よりも低い場合の
気信号を検出する第2の感磁部とを設けたため、第1の
感磁部と第2の感磁部との位相は上記基板上での位置関
係で一律に決まり、磁気センサを磁気記録媒体に対向さ
せて配置する場合の位相合わせが不要となる。そのた
め、二つの感磁部を位相合わせするための機構が不要と
なり、エンコーダ装置の構成が簡単になるとともに、位
相合わせ作業が不要で、組み立て作業が容易になるとい
う効果を奏する。また、通常の使用状態では高速センサ
部に主電源から十分な電源を供給して十分な応答性が得
られるようにする一方、バックアップ時はバックアップ
電源から低速センサ部に小さな電源を供給することによ
り、長時間にわたってバックアップすることが可能にな
る。さらに、バックアップ時であっても、検出対象が高
速で回転しまたは移動する場合は、高速センサ部が作動
するため、バックアップ時の高速応答性も保証される。
【0035】請求項2記載の考案によれば、第1の感磁
部の電気抵抗よりも、主としてバックアップ時に用いる
第2の感磁部の電気抵抗を大きくしたため、バックアッ
プ電源によるバックアップ時間を長くすることができる
という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるエンコーダ装置の実施例を示す
ブロック図。
【図2】同上実施例の動作を示すタイミングチャート。
【図3】本発明に適用可能な各種磁気センサの例を示す
斜視図。
【図4】同上各種磁気センサの出力の位相を比較して示
す比較図。
【図5】従来のエンコーダ装置の例を示すブロック図。
【図6】MR素子の接続例を示す回路図。
【図7】MR素子の別の接続例を示す回路図。
【符号の説明】
10 磁気センサ 11 基板 12 磁気記録媒体 10a 第1の感磁部 10b 第2の感磁部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01D 5/245 102 G01D 5/243

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転可能に設けられ磁気信号を発生する
    磁気記録媒体と、 この磁気記録媒体の磁気記録面に対向して設けられ上記
    磁気信号を検出する磁気センサと、 この 磁気センサの基板上に設けられ、設定値よりも磁気
    信号の検出信号周波数が高い場合の上記磁気信号を検出
    する第1の感磁部と、この第1の感磁部と同一 の基板上に設けられ、設定値よ
    りも磁気信号の検出信号周波数が低い場合の上記磁気信
    号を検出する第2の感磁部と、上記第1の感磁部の検出信号を入力して波形整形する高
    速センサ部と、 上記第2の感磁部の検出信号を入力して波形整形する低
    速センサ部と、 上記磁気記録媒体の回転速度を監視して上記磁気信号の
    検出信号周波数が前記設定値以上の場合は上記高速セン
    サ部へ電源を供給し、上記磁気信号の検出信号周波数が
    前記設定値以下の場合は上記低速センサ部へ電源を供給
    する高速センサオン・オフ判断部と、 この高速センサオン・オフ判断部がオンの場合は上記高
    速センサ部の出力を選択し、上記高速センサオン・オフ
    判断部がオフの場合は上記低速センサ部の出力を選択す
    るセンサ出力選択部と を具備してなるエンコーダ装置。
  2. 【請求項2】 第1の感磁部の電気抵抗よりも第2の感
    磁部の電気抵抗を大きくした請求項1記載のエンコーダ
    装置。
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