JP2573399B2 - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JP2573399B2
JP2573399B2 JP2176565A JP17656590A JP2573399B2 JP 2573399 B2 JP2573399 B2 JP 2573399B2 JP 2176565 A JP2176565 A JP 2176565A JP 17656590 A JP17656590 A JP 17656590A JP 2573399 B2 JP2573399 B2 JP 2573399B2
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    • G21C3/32Bundles of parallel pin-, rod-, or tube-shaped fuel elements
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は燃料集合体及び上部タイプレートに係わり、
特に、沸騰水型原子炉に適用され、高燃焼度を達成して
核分裂性物質の有効利用を図るのに好適な燃料集合体及
びその上部タイプレートに関する。
〔従来の技術〕
燃料経済性の向上は、燃料取出時の燃焼度を大きくす
ることによって実現できる。燃料取出時の燃焼度を向上
させるには、燃料ペレットに含まれるウラン235の濃縮
度を増大させればよいが、減速材/燃料比を大きくしな
いで濃縮度を上げたのでは、中性子スペクトルが硬化し
てしまうので、燃料集合体の無限増倍率は、その濃縮度
における最大値とはならない。
第19図は、燃料の濃縮度が増加するに従って、減速材
/燃料比と無限増倍率の関係がどのように変化するかを
示している。この図によると、同じ濃縮度でできるだけ
大きい無限増倍率を得るには、濃縮度に応じた最適の減
速材/燃料比を実現する必要がある。即ち、燃料経済性
を向上させるために濃縮度を上げると、最適の減速材/
燃料比が大きくなるので、水ロッドの本数を増やすか、
水ロッド面積を増やす必要がある。
また、燃料の濃縮度を上げると、燃料集合体内の径方
向の出力ピーキングが大きくなるので、燃料棒の線出力
密度が大きくなり、熱的に厳しくなる。
さらに、炉心のボイド(気泡)の軸方向分布は炉心の
下端で小さく、中央から上端部にかけて大きくなる。こ
のため、燃料集合体の上部領域では核分裂性物質の燃焼
が遅れ、これによってウラン235の濃度が相対的に他の
部分より高くなる。また、ボイドの効果により燃料集合
体の上部領域で核分裂性プルトニウムが生成される。以
上のことから、燃料集合体の軸方向上部で出力ピーキン
グが高くなる。燃料の濃縮度を上げると、この軸方向の
出力ピーキングも大きくなるので、同様に燃料棒の線出
力密度が大きくなり、熱的に厳しくなる。
一方、運転サイクルの初期には定格より小さい炉心流
量(炉心を流れる冷却水の流量)で運転を行い、運転サ
イクル末期に至って炉心流量を定格より大きくすること
によって、運転サイクル中における冷却水中のボイド率
を大きく変化させて、核分裂プルトニウムの蓄積と燃料
を効率的に行う流量スペクトルシフト運転が、最近考え
られている。この流量スペクトルシフト運転を行う場合
には、軸方向の出力ピーキングがさらに大きくなるの
で、燃料棒の線出力密度が一層増大し、熱的にさらに厳
しくなる。
従って、燃料棒の線出力密度を低減して熱的余裕を確
保するために、燃料格子配列を8行8列から9行9列に
するなどして、燃料棒本数を増やし、燃料棒本数1本当
たりの出力負担を軽減するすことが必要である。
以上の2つの観点から、燃料格子配列の変更により燃
料棒本数を増やして、その上で水ロッド断面積の増加又
は本数の増加により、減速材/燃料比を大きくすること
が、最近の沸騰水型原子炉用燃料集合体の傾向である。
例えば、特開昭62−118297号公報に記載の従来技術で
は、燃料格子配列を9行9列にした燃料集合体におい
て、中央部の3行3列の正方格子状に燃料棒9本が配置
可能な領域に大型の方形水ロッドを配置している。
また、特開平1−196593号公報には、燃料格子配列を
チャンネルボックスの面に対して45゜をなすダイヤモン
ド格子とし、中央部の燃料棒12本が配置可能な領域に十
字形の大型水ロッドを配置した燃料集合体が開示されて
いる。
ところで、上述したように、燃料集合体上部ではボイ
ド率が高く、プルトニウムが多く蓄積され、流量スペク
トルシフト運転を行った場合には一層多くのプルトニウ
ムが蓄積される。このように燃料集合体上部のプルトニ
ウムの蓄積量が多くなると、冷温時には炉心上部におい
てもボイドが消失し、水の密度が増大する。従って、無
限増倍率が大きくなり、炉停止余裕の確保が困難とな
る。
この問題に対し、特開昭64−88292号公報に記載の従
来技術では、燃料集合体の少なくとも1つの対角線に対
称となるごとく複数の減速材棒、即ち、水ロッドを配置
し、少なくともこれら水ロッドに挾まれる位置に軸方向
流さが短い燃料棒、即ち、短尺燃料棒を配置している。
この燃料集合体では、短尺燃料棒上方の燃料が位置しな
い部分、即ち、バニッシングロッドにおける冷却材のボ
イド率が冷温時において0となる。バニッシングロッド
の部分は冷温時に水ロッドと共に大きな1つの水ロッド
として機能する。このため、バニッシングロッドの部分
で、中性子減速効果が大きくなり過ぎ、逆に水による中
性子吸収効果が大きくなる。その結果、冷温時と高温時
の無限増倍率の差が小さくなり、原子炉の停止余裕が増
大する。なお、短尺燃料棒を配置した場合は、出力運転
時において燃料集合体内の二相流部における圧力損失の
低減という効果もある。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のように、燃料棒本数を増やして、その上で水ロ
ッド断面積又は本数の増加により、減速材/燃料比を大
きくすることが、最近の傾向である。この技術開発の傾
向のもとで、燃料ペレット中のウラン235の濃縮度をよ
り一層増大させて、取出燃焼度の高燃焼度化を目指した
試みが行われている。このように取出燃焼度の増加を図
るため、燃料の濃縮度を高めた場合には、減速材/燃料
比を最適にするために水ロッド領域をさらに大きくする
ことが必要である。しかしながら、上記特開昭62−1182
97号公報及び特開平1−196593号公報に記載の従来技術
に従って、大型水ロッドの水ロッド領域を増大させる
と、冷却材流路面積が狭くなって炉心の圧力損失が増大
する。
炉心の圧力損失の増大は主に以下の点で問題である。
(1)炉心の圧力損失が増大すると、その増加分を打ち
消すためポンプ容量を大きくしなければならない。も
し、この圧力損失の増加が生じていない状態で、ポンプ
回転数最大時に炉心流量の最大値を実現しているなら
ば、圧力損失増加があるとこのポンプでは、最大炉心流
量を実現できなくなる。
(2)圧力損失が増加すると安定性が低下する。即ち、
燃料集合体上方の二相流部の圧力損失は単相流部の圧力
損失よりも大きいため、燃料集合体の入口流量が増加す
ると、二相流部の抵抗が増大し、入口流量を減少させよ
うとする。入口流量が減少すると、二相流部の抵抗も小
さくなるため、再び入口流量は増加しようとする。この
繰り返しにより燃料集合体内で流量振動を生じ、安定性
が低下する。この流量振動は、圧力損失が大きいほど生
じ易い。
一方、特開昭64−88292号公報に記載の従来技術で
は、減速材/燃料比の最適化については配慮がされてお
らず、燃料経済性の面で問題がある。
また、高燃焼度燃料において、特開昭64−88292号公
報に記載のように、二相流部の圧力損失の低減及び炉停
止余裕の確保という2つの利点を有する短尺燃料棒を配
置する場合、燃料装荷量が減少する。燃料装荷量が減少
すると、取替燃料体数を増やさなければならず、使用済
燃料発生量の増大などの問題を生じる。これを解決する
ためには、燃料棒の径を太くして燃料装荷量を短尺燃料
棒の配置前と同じに保つことが考えられるが、燃料棒の
径を太くすると、流路面積が狭くなり、圧力損失が増加
するという問題がある。
本発明の目的は、燃料の高燃焼度化に対して炉心の圧
力損失を増加させることなく、減速材/燃料比の最適化
が可能な燃料集合体及び上部タイプレートを提供するこ
とである。
本発明の他の目的は、炉心の圧力損失を増加させるこ
となくかつ燃料装荷量を減らすことなく短尺燃料棒を配
置可能とする燃料集合体を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するために、本発明は、10行10列の正
方格子状に配置された多数の燃料棒と、水ロッド手段と
を有する燃料集合体において、前記多数の燃料棒は、4
行4列の中央領域の4つのコーナ部を除いた領域の外側
の領域に配置され、前記水ロッド手段は、前記中央領域
の4つのコーナ部を除いた、12本の燃料棒が配置可能な
領域に前記中央領域の中心部を取り囲むように配置さ
れ、前記中央領域の中心部に前記燃料棒の周囲に形成さ
れた冷却材通路と連通する冷却剤通路を形成した構成と
する。
上記燃料集合体において、好ましくは、前記水ロッド
手段は環状に隣接してかつ隙間をあけて配置された複数
の太径水ロッドを含み、前記中央領域の中心部に形成さ
れた冷却材通路はこれら複数の太径水ロッドで囲まれか
つ隣接太径水ロッド間の隙間を介して前記燃料棒周囲に
形成された冷却材通路と連通している。
また、好ましくは、前記太径水ロッドは、各々、前記
燃料棒3本相当の領域を占める水面積を有し、前記水ロ
ッド手段はこの太径水ロッドを4本有するものとする。
また、好ましくは、前記多数の燃料棒は、4行4列の
中央領域の外側の領域に配置された多数の第1の燃料棒
と、前記中央領域の4つのコーナ部に配置された4本の
第2の燃料棒とを含み、前記第2の燃料棒は、各々、前
記第1の燃料棒より軸方向長さが短い燃料棒である。
この場合、好ましくは、前記多数の燃料棒は、前記10
行10列の正方格子における最外周の位置に配置された、
前記第1の燃料棒より軸方向長さが短い複数の第3の燃
料棒を更に含む。そして、好ましくは、前記第3の燃料
棒の軸方向長さは前記第2の燃料棒のそれよりも長い。
また、前記複数の太径水ロッドに囲まれた領域に、前
記第2の燃料棒よりも軸方向長さが短い第4の燃料棒を
配置してよい。
また、好ましくは、前記複数の燃料棒の上端部を支持
する上部タイプレートを更に備え、この上部タイプレー
トは、前記中央領域の中心部に形成された冷却材通路の
軸心の延長線上に、その冷却材通路の流路面積よりも大
きな流路面積の開口を有する。
前記水ロッド手段は、炉心流量の制御によりロッド内
の液面高さが調節可能な複数のスペクトルシフト水ロッ
ドを含むものであってもよい。
また、上記課題を解決するため、本発明は、格子状に
配置された複数の燃料棒と、前記燃料棒の各々に対応す
る燃料単位格子の1つの面積よりも大きな第1の横断面
を各々有し、かつ互いに隣接して配置された複数の第1
の水ロッド手段と、前記複数の第1の水ロッド手段が実
質的に占める全ての前記燃料単位格子の群の最外周輪郭
よりも内側の領域の全面積を第2の横断面に有する1本
の第2の水ロッド手段を想定し、この第2の水ロッド手
段を前記複数の第1の水ロッド手段の代わりに配置した
とき、前記第2の横断面に生じる減速過剰な領域となる
部分に形成された第1の冷却材通路と、前記第1の冷却
材通路を取り囲んで実質的に前記内側領域に配置された
前記複数の第1の水ロッド手段と、前記第1の冷却材通
路と前記燃料棒の周囲を取り囲む第2の冷却材通路とを
連絡し、前記第1の水ロッド手段間に位置する第3の冷
却材通路とを備え、前記複数の燃料棒が、複数の第1の
燃料棒と、前記第1の燃料棒よりも軸方向長さが短く、
前記内側領域の外側で前記第3の冷却材通路に対向して
配置された複数の第2の燃料棒とを含むものとする。
更に、上記課題を解決するため、本発明は、格子状に
配置された複数の燃料棒と、前記燃料棒の各々に対応す
る燃料単位格子の所定数が配置可能な領域を実質的に占
有する第1の水ロッド手段と、この第1の水ロッド手段
が実質的に占める全ての前記燃料単位格子の群の最外周
輪郭よりも内側の領域の全面積を横断面に有する1本の
第2の水ロッド手段を想定し、この第2の水ロッド手段
を前記第1の水ロッド手段の代わりに配置したとき、前
記横断面に生じる減速過剰な領域となる部分に形成され
た第1の冷却材通路と、前記第1の冷却材通路を取り囲
んで実質的に前記内側領域に配置され、該第1の冷却材
通路から隔離された前記第1の水ロッド手段と、前記燃
料棒の周囲を取り囲む第2の冷却材通路で発生した蒸気
を、前記第1の冷却材通路に導く第3の冷却材通路とを
備え、前記複数の燃料棒が、複数の第1の燃料棒と、前
記第1の燃料棒よりも軸方向長さが短く、前記内側領域
の外側で前記第3の冷却材通路に対向して配置された複
数の第2の燃料棒とを含むものとする。
また、上記課題を解決するため、本発明は、少なくと
も9行9列の正方格子状に配置された、45GWd/t以上の
取出燃焼度を達成可能な多数の燃料棒と、前記正方格子
の中央領域に配置された水ロッド手段とを有する燃料集
合体において、前記水ロッド手段は前記中央領域にその
中心部を取り囲むように配置され、かつ原子炉定格運転
時の炉心平均のボイド率において無限増倍率がほぼ飽和
状態となる減速材/燃料比を与える大きさの水ロッド面
積を有し、前記中央領域の中心部に前記中央領域の外側
の領域と連通する冷却材通路を形成した構成とする。
前記多数の燃料棒は、3行3列の中央領域を除いて9
行9列の正方格子状に配置され、前記水ロッド手段は、
前記3行3列の中央領域に配置されているものであって
もよい。
更に、上記課題を解決するため、本発明は、正方格子
状に配置された多数の燃料棒と、中央領域に配置された
複数の水ロッドと、前記多数の燃料棒の下端部と前記複
数の水ロッドの下端部を支持する下部タイプレートと、
前記多数の燃料棒の上端部と前記水ロッドの上端部を支
持する上部タイプレートとを有する燃料集合体におい
て、前記上部タイプレートは、前記多数の燃料棒の上端
部が挿入される孔部を有する複数の第1のボスと、前記
複数の水ロッドの上端部が挿入される孔部を有する複数
の第2のボスと、前記第1のボス同士、前記第2のボス
同士、前記第1のボスと第2のボスとを相互に結合する
複数のリブとを備え、前記複数の第1のボスは、隣接す
る4つがこれら第1のボスを連結するリブと共に内側に
第1の開口を形成し、前記複数の第2のボスは、これら
第2のボスを連結するリブと共に内側に第2の開口を形
成し、前記第2の開口は前記第1の開口より大きい構成
とする。
〔作用〕
本願発明者等は、10行10列の正方格子状に燃料棒及び
横断面積の大きな1本の水ロッド(例えば特開平1−19
6593号公報に示された12本の燃料棒が配置可能な領域を
占める横断面を有する水ロッド)を配置した燃料集合体
において取出燃焼度55〜60Wd/tを目標とする場合、炉心
の平均ボイド率において水ロッド面積を変え減速材/燃
料比を4.5の前後で変化させても、無限増倍率はほとん
ど変化せず、水の増加に対して無限増倍率が飽和してい
ることを見い出だした(第4図の直線AB参照)。この無
限増倍率の飽和は、水ロッドの横断面の増大によってそ
の中央部に減速過剰な領域が形成されることに起因して
いることが分かった。
本発明は以上の知見に基づくものであり、減速効果の
向上に寄与しないその減速過剰な領域を、水ロッド外部
の領域とし、しかも燃料棒周囲の冷却材通路と連通する
気液二相流が流れる冷却材通路にすることにより、水ロ
ッドの横断面積(以下、単に水ロッド面積という)を減
少させて燃料集合体の減速材/燃料比の最適化を図るも
のである。更に、減速過剰な領域を前述の冷却材通路と
することにより、燃料集合体の圧力損失の低減を図るも
のである。
即ち、本発明においては、各燃料棒に対応する燃料単
位格子の1つの面積よりも大きな第1の横断面を各々有
する複数の第1の水ロッド手段を互いに隣接して配置す
る。ここで、第1の水ロッド手段が実質的に占める全て
の燃料単位格子の群の最外周輪郭よりも内側の領域の全
面積を第2の横断面に有する1本の第2の水ロッド手段
を想定すると、この第2の水ロッド手段は上述の減速過
剰な領域が生じる大きな横断面積を有する。そこで、そ
の減速過剰な領域となる部分に第1の冷却材通路を形成
し、これを取り囲んで複数の第1の水ロッド手段を配置
している。また、第1の冷却材通路と燃料棒の周囲を取
り囲む第2の冷却材通路とを連絡する第3の冷却材通路
を第1の水ロッド手段間に形成する。
例えば、本発明においては、10行10列の正方格子状に
燃料棒を配置した燃料集合体において、4行4列の中央
領域の4つのコーナ部を除いた、12本の燃料棒が配置可
能な領域に環状に隣接してかつ隙間をあけて複数の太径
水ロッドを配置する。このように複数の太径水ロッドを
配置することにより、同じ中央領域に十字形の大型水ロ
ッドを配置した場合に比べて水ロッド面積は小さくな
る。しかし、この水ロッド面積の減少は、減速材/燃料
比の変化に対して無限倍増率が飽和する領域における減
速過剰な領域の排除であり、複数の太径水ロッドの配置
により十字形の大型水ロッドとほぼ同じ無限増倍率が達
成できる。なお、太径水ロッドは、1つの燃料単位格子
(第1図の符号31参照)の面積よりも大きな横断面積を
有し、燃料棒の配列ピッチよりも大きな外径を有する。
一方、十字形の大型水ロッドを複数本の太径水ロッド
に代えることにより、複数の太径水ロッドの間に冷却材
通路が形成される。この冷却材通路は、水ロッドが相互
に隙間をあけて配置されているため、その隙間を介して
燃料棒周囲の冷却材通路と連通する。従って、十字形の
大型水ロッドを配置した場合に比べ圧力損失が低減す
る。
また、水ロッドに取り囲まれた冷却材通路の領域は、
発熱体である燃料棒から離れ、かつ1つの燃料単位格子
の面積よりも大きな横断面積を有する、非発熱体である
複数の水ロッドに囲まれているため、周囲からボイド水
が流れ込み易くなっている。このため、燃料集合体上部
の冷却材ボイド率が高い領域においては、その冷却材通
路にボイド水が多く集まり、燃料集合体の圧力損失が低
減する。
以上より、本発明によれば、燃料の高濃縮度化及び高
燃焼度化を達成すると共に、圧力損失を増加させること
なしに減速材/燃料比を最適化することができる。
また、本発明においては、4行4列の中央領域の4つ
のコーナ部に、各々、軸方向長さが短い4本の第2の燃
料棒が配置される。この場合、本発明では上述したよう
に、複数の太径水ロッドにより形成される冷却材通路が
圧力損失を低減しているので、燃料棒の径を太くして
も、それによって生じる圧力損失の増大が補償される。
従って、短尺燃料棒を配置しても燃料装荷量は低減せ
ず、短尺燃料棒の採用による圧力損失低減及び炉停止余
裕の向上の効果を確保し、同時に燃料経済性の向上を図
ることができる。
また、複数の太径水ロッドを環状に隣接配置した場
合、特に二相流が流れる上方領域において水ロッド同志
が流量振動のためにフレッティングを生じる可能性があ
るが、本発明の短尺燃料棒の配置により、短尺燃料棒20
の上方領域にフレッティング検査用の小型カメラの操作
領域が確保され、定期検査中に水ロッドの検査も容易に
行うことができる。
また、本発明においては、太径水ロッドとしてスペク
トルシフト水ロッドを使用することにより、流量スペク
トルシフト運転により燃料経済性がさらに向上する。
さらに、本願発明者等は、9行9列の正方格子状に燃
料棒を配置する燃料集合体においても、水ロッド手段の
配置に介して同様に無限増倍率の飽和の現象があること
を見出だしており、3行3列の中央領域にを取り囲むよ
うに水ロッド手段を配置し、かつ原子炉定格運転時の炉
心平均のボイド率において無限増倍率がほぼ飽和状態と
なる減速材/燃料比を与える大きさの水ロッド面積とす
ることにより、同様に、減速材/燃料比が最適化され、
かつ圧力損失が低減される。
〔実施例〕
以下、本発明の幾つかの実施例を図面に基づき説明す
る。
まず、本発明の第1の実施例を第1図〜第6図により
説明する。本実施例は、10行10列の正方格子状に燃料棒
を配置して燃料集合体の平均濃縮度を約5wt%に高め、
取出平均燃焼度が55〜60GWd/tの高燃焼度化を図ったも
のである。
第1図において、本実施例の燃料集合体は10行10列の
正方格子状に配列された多数の燃料棒1を有し、4行4
列の中央燃料の4つのコーナ部を除いた、12本の燃料棒
が配置可能な領域に、「W」の略称を付した断面円形の
4本の太径水ロッド2が環状に隣接してかつ隙間37をあ
けて配置されている。太径水ロード2は各々燃料棒3本
相当の領域を占める水面積を有している。換言すれば、
4本の太径水ロッド2の群は、一点鎖線36で取り囲まれ
た12個の燃料単位格子の群が配置可能な領域、即ち、そ
の12個の燃料単位格子の群の最外周輪郭を示す一点鎖線
36よりも内側の十字型の領域に実質的に配置されてい
る。ただし、厳密に言えば、各太径水ロッド2は、第1
図に「K」の符号を付した部分が一点鎖線36の外側にあ
る隣りの燃料単位格子内にはみ出している。しかしなが
ら、この太径水ロッド2のはみ出しは僅かであり、その
はみ出しによって該当する燃料単位格子内への燃料棒1
の配置は阻害されないので、太径水ロッド2は、実質的
に一点鎖線36よりも内側に配置されていると言える。
なお、燃料単位格子とは、一点鎖線35で示すように隣
接する燃料棒1間の中間点を通って1本の燃料棒1を取
り囲む、正方形に形成された領域である。この正方形の
一辺は、燃料棒1の配列ピッチに等しい。
4本の太径水ロッド2に囲まれた中央部には冷却材通
路3が形成されている。即ち、太径水ロッド2は、冷却
材通路3の周囲に位置している。この冷却材通路3は隣
接水ロッド間の隙間(一種の冷却材通路)37を介して燃
料棒1の周囲に形成される冷却材通路38と連通してい
る。これら燃料棒1及び太径水ロッド2はチャンネルボ
ックス4により取り囲まれている。
第2図に燃料集合体全体の構成を示す。燃料棒1と太
径水ロッド2は上部タイプレート5及び下部タイプレー
ト6により上端及び下端を支持され、かつ中間部の複数
の箇所をスペーサ7にて保持されている。また、チャン
ネルボックス4はこのようにして構成された燃料バンド
ル全体を取り囲んでいる。
上部タイプレート5は、第3図に示すように、燃料棒
1の上端を支持する孔部8Aを有する多数のボス8と、太
径水ロッド2の上端を支持する孔部9Aを有する4つのボ
ス9と、ボス9相互を連結するリブ10と、ボス8相互を
連結するリブ10Aと、ボス8とボス9を連結するリブ10B
とを備えている。4つのリブ10に囲まれた開口11は上述
した冷却材通路3の上方に位置し、開放されている。こ
れにより、冷却材通路3は開口11を介して燃料集合体の
上方領域に連通している。開口11の流路面積は、冷却材
通路3のそれよりも大きい。このため、上部タイプエー
ト5の圧力損失が著しく軽減される。特に、開口11が冷
却材通路3の上方に位置しているので、冷却材と蒸気の
気液二相流が冷却材通路3から上部タイプレート5の上
方に抜け易い。開口11の流路面積は4本のリブ10Aで囲
まれた開口11Aのそれよりも大きい。
次に、以上のように構成した本実施例の作用を説明す
る。
まず、第4図に、10行10列の正方格子状に燃料棒を配
置した燃料集合体において、燃料集合体の無限増倍率の
減速材/燃料比(H/U比:水対ウラン原子数比)に対す
る依存性の検討結果を示す。この特性は、前述したよう
に、一点鎖線36で示す横断面が十字型の1本の水ロッド
の横断面積を変えることによって得られたものである。
燃焼度は、サイクル末期の炉心平均燃焼度相当(35GWd/
t)で、ボイド率は炉心平均のボイド率(40%)であ
る。
第4図において、低濃縮度と記したラインは燃料集合
体平均の濃縮度が約4wt%であり、取出平均燃焼度45〜5
0GWd/tを目標とした場合である。高濃縮度と記したライ
ンは燃料集合体平均濃縮度が約5wt%であり、取出平均
燃焼度は55〜60GWd/tの高燃焼度化を図ったものであ
る。
低濃縮度の場合、水ロッド面積を減速材/燃料比が4.
5より小さいC点から減速材/燃料比が4.5より大きくな
るD点へ増加していく場合、無限増倍率は減少する。こ
れはD点においては水が必要以上に多すぎるために、水
ロッド内の水による熱中性子吸収効果の影響が大きく、
C点に対して反応度損失を生じる。
一方、高濃縮度の場合は、水ロッド面積を変えて減速
材/燃料比をA点からB点またはB点からA点へと4.5
の前後で変化させても無限増倍率はほとんど変化しな
い。即ち、1本の水ロッドの横断面積がある程度大きく
なると、その横断面積内に減速過剰な領域が形成され
て、減速材/燃料比の増加と共にその減速過剰な領域が
増加し、水(減速材)の増加に対して、減速材/燃料比
のある範囲内で無限増倍率が飽和する。しかし、減速過
剰な領域が増大し過ぎると、高濃縮度においても、水ロ
ッド内の水による熱中性子吸収効果の影響が大きくな
り、低濃縮度のD点のように無限増倍率が減少する。
以上のように、取出燃焼度55〜60Wd/tを目標とする場
合、減速材/燃料比が4.5前後において反応度は飽和す
るため、水ロッド中心部付近の減速過剰な領域の水を取
り除いても反応度はほとんど変化しない。即ち、減速材
/燃料比が4.5前後であるならば、反応度はほぼ一定で
ある。
本発明は以上の知見に基づくものであり、減速材/燃
料比の変化に対して無限増倍率が飽和する領域において
水ロッド面積を減少させることにより減速材/燃料比を
最適化し、かつその水ロッド面積を減少させた領域を冷
却材通路として圧力損失の低減を図るものである。
本実施例は、互いに隣接する4本の太径水ロッド2の
群が実質的に占める全ての燃料単位格子35(本実施例で
は12個の燃料単位格子35)の最外周輪郭(一点鎖線36)
よりも内側の領域の全面積を横断面に有する1本の十字
型水ロッド(一点鎖線36で画定される大きさの水ロッ
ド)を想定し、この1本の十字型ロッドを4本の太径水
ロッド2の代わりに配置したとき、この想定した十字形
水ロッドの横断面に生じる減速過剰な領域となる部分に
冷却材通路3を形成したものである。その減速過剰な領
域は、第1図M点付近に形成される。M点は、一点鎖線
36で画定された十字型ロ水ロッドの軸心である。
本実施例においては、10行10列の正方格子状に燃料棒
1を配置した燃料集合体において、4行4列の中央領域
のコーナ部を除いた、12本の燃料棒が配置可能な領域
に、4本の太径水ロッド2を環状に隣接して設置してい
る。このように複数の太径水ロッド2を配置した場合、
第5図に示すように、同じ中央領域にその4本の太径水
ロッド2に接する十字形の大型水ロッド12を配置した場
合に比べて水ロッド面積は小さくなる。しかし、本願発
明者等の検討の結果、この水ロッド面積の減少は第4図
の上述した減速材/燃料比が4.5の前後での変化に相当
し、4本の太径水ロッド2は十字形の大型水ロッド12と
ほぼ同じ燃料集合体無限増倍率を達成することが判明し
た。
そして、このように4本の太径水ロッド2を配置する
ことにより、これら太径水ロッド2で囲まれた領域に冷
却材通路3が形成され、かつ太径水ロッド2とこれらに
隣接する燃料棒1との間にも十字形の水ロッド12の場合
に比べ広い冷却材通路13が形成される。このため、圧力
損失が低減する。
また、本実施例では、第5図に示す大型水ロッド12の
サイズを第6図に13で示すごとく小さくして冷却材通路
面積を確保するのではなく、4本の太径水ロッド2に分
けて、これを環状に配置することにより、環状配置の中
心部付近に上述した冷却材通路3を形成している。この
冷却材通路3の領域は、発熱体である燃料棒1から離れ
かつ非発熱体である水ロッド2に囲まれているため、周
囲からボイド水が流れ込み易くなっている。このボイド
水が流れ込み易くなる効果は、1体のサイズを小さくし
た大型水ロッド13と隣接燃料棒1間の冷却材通路よりも
大きい。このため、燃料集合体上部の冷却材ボイド率が
高い領域においては、小サイズ化した大型水ロッド13を
配置した場合よりも、本実施例の水ロッド2を配置した
場合の方が中心部にボイドが多く集まる。即ち、燃料棒
1の周囲で発生したボイド(蒸気)を含む気液二相流
が、冷却材通路3に流れ込み、その通路3内を上方に移
動する。原子炉停止時の冷温時(原子炉冷温停止時)に
は、冷却材通路3は4本の太径水ロッド2と協働して1
つの大きな水ロッドとして機能するので、原子炉停止中
において高温時から低温時に変化したときでも炉停止余
裕が増大する。
ところで、上述した第4図に基づく評価はボイド率が
炉心平均のボイド率(40%)での評価であり、燃料集合
体の軸方向位置で見れば中央付近での評価である。しか
し、燃料集合体上部においてはボイド率はより高くなっ
ている、このため、無限増倍率が少し小さくなる可能性
がある。しかしながら、本実施例では、4本の太径水ロ
ッド2が互いに隣接配置され、それらに取り囲まれる冷
却材通路3にも水(液体)が流れるので、燃料集合体上
部における無限増倍率の減少度合いが抑制される。これ
により、燃料集合体上部での中性子減速が有効に行わ
れ、径方向の出力分布が改善される。
以上のように、本実施例によれば、10行10列の正方格
子状に燃料棒を配置して、燃料の高濃縮度化(約5wt
%)及び高燃焼度化(55〜60GWd/t)を達成すると共
に、圧力損失を増加させることなしに減速材/燃料比を
最適化することができる。
また、本実施例によれば、4本の太径水ロッド2は上
述した十字型の大型水ロッド12,13に比べて製造が容易
であるという効果もある。
さらに、本実施例では、4本の太径水ロッド2は対称
性の良い配置となっているので、燃料集合体の出力分布
及び製造性の観点からも好ましい。
本発明の第2の実施例を第7図及び第8図により説明
する。
第7図において、本実施例の燃料集合体は、中央の4
行4列の正方格子状に16本の燃料棒が配置可能な領域の
4つのコーナ部に、軸方向長さが燃料棒1より短い、
「P」の略称を付した4本の短尺燃料棒20が配置されて
いる。他の構成は第1の実施例と同じである。なお、本
実施例では、4本の太径水ロッド2は、第1の太径水ロ
ッド2よりも若干直径が小さいので、これらの水ロッド
は一点鎖線36で画定される12個の燃料単位格子35を合わ
せた領域内に配置される。本実施例においても、第1図
の実施例と同様に太径水ロッド2を若干大きくして、一
点鎖線36よりも外側に若干はみ出させることも可能であ
る。
第8図に短尺燃料棒20を普通の燃料棒1と比較して示
す。普通の燃料棒1は燃料棒本体21と、本体21の上下棒
に設けられ、それぞれ上下タイプレート5,6(第2図参
照)に挿入される端栓22,23を有している。短尺燃料は
燃料棒1の本体21に比べ短い燃料棒本体24と、本体24の
下端に設けられ、下部タイプレート6に固定されるネジ
付の端栓25とを有している。短尺燃料棒20の本体24にお
ける燃料ペレットの充填長さ(有効燃料長)は、普通の
燃料棒1の8/24から18/24である。
本実施例においては、燃料集合体の上部の水平断面内
において、短尺燃料棒20の上方部分である上記4つのコ
ーナ部には燃料棒が位置していないため、原子炉停止時
の冷温時には、4つの太径水ロッド2と冷却材通路3内
の水とその4つのコーナ部の水が1つの大きな水ロッド
として機能する。即ち、燃料集合体上部では、4行4列
の正方格子状に16本の燃料棒が配置可能な領域に1本の
矩形断面の大型占ロッドが配置されたのと同じ形態とな
る。このため、この中央領域での水による中性子吸収効
果が増大する。その結果、高温時から冷温時への水密度
が増加したとき、無限増倍率の増分が小さくなり、第1
図の実施例よりも更に炉停止余裕が増大する。
また、燃料集合体上方の二相流部の圧力損失は単相流
部の圧力損失よりも大きい。本実施例では、短尺燃料棒
20を配置したので、この圧力損失の大きい二相流部にお
ける圧力損失の低減という効果もある。
さらに、本実施例によれば以下の効果が得られる。
二相流部の圧力損失の低減及び炉停止余裕の確保とい
う2つの利点を有する短尺燃料棒20を配置する場合、燃
料(ウラン)装荷量が減少する。これは取替燃料体数を
増やす必要を生じ、燃料装荷量が減少すると、使用済み
燃料発生量の増大などの問題を生じる。これを解決する
ためには、燃料棒ペレットの直径を大きくして燃料装荷
量を短尺燃料棒の配置前と同じに保つことが考えられ
る。しかしながら、燃料ペレットの径を太くすると、燃
料棒の径が太くなって流路面積が狭くなり、圧力損失の
増加、燃料棒除熱効果の低下等の問題を生じる。
本実施例では、第1の実施例で説明したように、4本
の太径水ロッド2を環状に隣接配置したため、中央部の
冷却材通路3が圧力損失低減の役割を果たしている。こ
のため、燃料棒1,20の直径を大きくしても、それによっ
て生じる圧力損失の増大は相殺されることとなり、圧力
損失を増大させることなく燃料棒径を太くして、短尺燃
料棒の採用に伴う燃料装荷量の低減を補償することがで
きる。従って、短尺燃料棒の採用による圧力損失低減及
び炉停止余裕の向上の効果を確保し、同時に高燃焼度化
による燃料経済性の向上を図ることができる。
また、本実施例のように4本の円形水ロッド2を環状
に隣接配置した場合、水ロッド同志が流量振動のために
フレッティングを生じる可能性がある。即ち、水ロッド
同志が振動、接触して管壁に傷をつける可能性がある。
水ロッドにこのような振動による損傷が生じないよう
に、水ロッド相互間はスペーサ7(第2図参照)により
固定されている。しかしながら、定期検査の際にこの部
分を調べられればそれが望ましいことは言うまでもな
い。この場合、燃料集合体を分解して調べるのは2〜3
か月の定期検査期間中においては不可能である。このた
め、炉心に装荷されている燃料集合体内にファイバース
コープ等の小型検査カメラを挿入して調べるとよい。し
かしこの場合、水ロッド2に隣接する燃料棒が全て普通
の燃料棒1であるとすると、これら燃料棒が障害とな
り、水ロッドの相互隣接部分付近の管壁表面を調べるの
が困難である。
本実施例によれば、短尺燃料棒20が太径水ロッド2間
に形成される隙間37に対向して位置し、太径水ロッド2
相互の隣接部分付近における流路面積が短尺燃料棒20の
上方領域の分だけ増加する。このため、フレッティング
検査用の小型カメラの操作領域が確保され、定期検査中
に水ロッドの検査も容易に行うことができる。短尺燃料
棒の上方領域は二相流であるため、特に、流量振動によ
るフレッティングの可能性が高く、入念な検査を要す
る。従って、この部位における小型カメラの操作領域の
確保は検査効率の向上に大いに役立つ。
さらに、高燃焼度燃料においては、上方領域の減速材
/燃料比を大きくして、軸方向の減速材/燃料比の最適
化を図る必要性が認識されている。本実施例によれば、
第1の実施例で説明したように、4本の太径水ロッド2
に囲まれた領域に形成された冷却材通路3にボイド水が
流れ込み易くなっている。また、短尺燃料棒20の上方領
域は圧力損失が低いため同様にボイド水が流れ込み易
い。その結果、水ロッド2を含むこれらの領域は1本の
準太径水ロッドとして機能し、径方向の出力分布を平坦
化する。また、軸方向で見れば、準太径水ロッドは上方
領域の減速材/燃料比を大きくする。従って、本実施例
によれば、中央の冷却材通路3と短尺燃料棒20の作用に
より軸方向の減速材/燃料比が最適化され、高燃焼度燃
料に適した燃料構造を提供することができる。
本発明の第3の実施例を第9図及び第10図により説明
する。
第9図において、本実施例の燃料集合体は、第7図に
示す第2の実施例において、燃料集合体内の燃料棒配列
の最外周部にさらに8本の短尺燃料棒30を配置したもの
である。短尺燃料棒30の軸方向長さはその目的に応じて
種々選定できる。その一例として、短尺燃料棒30は第8
図に示す短尺燃料棒20と同様の構造を持ち、燃料棒本体
の長さは、炉停止余裕が厳しくなる炉心の上部領域を含
まない長さ、即ち、普通の燃料棒1の8//24から18/24の
範囲である。
短尺燃料棒30を配置した場合、燃料配列の最外周にお
いても、水ロッド周辺と同様に燃料集合体の上部領域に
大量の水が存在することになる。このため、冷温時にチ
ャンネルボックス4の外側の水ギャップ部で十分に減速
された中性子が、最外周の短尺燃料棒30の上方で水に吸
収される割合が増加する。従って、冷温時と高温時の無
限増倍率の差が第2の実施例の場合よりも小さくなり、
炉停止余裕の確保がさらに確実なものとなる。
第10図に短尺燃料棒30の長さが短尺燃料棒20の長さと
異なる場合の実施例を示す。短尺燃料棒30は、短尺燃料
棒20の本体21よりは長い燃料棒本体31と、本体31の下端
に設けられ、下部タイプレート6(第2図参照)に固定
されるネジ付の端栓32を有している。
高燃焼度化を達成するために濃縮度を高めた燃料炉心
においては、炉停止余裕が厳しいため、短尺燃料棒の採
用は炉停止余裕確保の一手段として有効である。しか
し、短尺燃料棒本数を増やすこと、及び短尺燃料棒長さ
を短くすることは、燃料装荷量の減少につながる。
一方、短尺燃料棒の配置位置としては炉停止余裕確保
の観点から見ると、燃料配列の最外周部が最も効果があ
り、次に水ロッド隣接部の効果が大きい。
また、最大線出力密度の管理、中性子計測等の面から
は短尺燃料配置はできるだけ対称性を持つことが望まし
く、従って10×10燃料棒配列の場合、最外周部に配置す
る短尺燃料棒本数は各辺2本ずつの8本とするか、コー
ナ部に4本配置するのが適当である。ところで、コーナ
部燃料棒は水ギャップ部の水の影響が大きく、炉停止余
裕確保には好適であるが、出力運転時の反応度損失を生
じる場合もある。この対策としては、本実施例の第1の
構成例のように各辺2本ずつの8本の短尺燃料棒配置と
すればよい。しかし、燃料棒長さを短くすると、本数が
8本あるため燃料装荷量の減少が大きい。これに対し、
第10図に示す短尺燃料棒30を使用した本実施例の第2の
構成例では、炉停止余裕の最も厳しい上部は燃料棒を12
本抜くが、中央部では水ロッド隣接部の4本を抜くだけ
であり、かつ最外周部に配置する短尺燃料棒30の長さは
中央部の短尺燃料棒20より長くしたので、対称配置を保
ち、かつ炉停止余裕を確保できる短尺燃料棒配置におい
て、炉停止余裕を向上しながら燃料装荷量を最大にでき
る効果がある。
本発明の第4の実施例を第11図〜第13図により説明す
る。
第11図において、本実施例は、第1図の実施例におい
て4本の太径水ロッド2の代わりに、「SSR」の略称を
付した4本のスペクトルシフト水ロッド40を配置してい
る。ここで、スペクトルシフト水ロッドとは、炉心冷却
水流量の制御により水ロッド管内の液面高さを変化させ
て、中性子減速効果を大きく変化させることのできる水
ロッドであり、特開昭63−73187号公報の第5頁上部左
欄13行から第12頁上部右欄10行に記載の発明によるもの
である。
第12図にスペクトルシフト水ロッド40の構造を示す。
水ロッド40は、水ロッド本体をなす上昇管41、上昇管41
の内面に配置された2本の下降管42を有し、上昇管41は
冷却水上昇流路43を形成し、下降管42は冷却水下降流路
44を形成し、両流路43,44は下降管42の上端付近に設け
られた孔45を介して連通している。上昇管41の下端には
下部タイプレート6に挿入される口金部46が設けられ、
口金部46には冷却水上昇流路の流入口47が形成されてい
る。また、口金部46の外周には下部タイプレート6に固
定するためのねじ部が形成されている。一方、下降管42
の下端付近における上昇管41との接合部には冷却水下降
流路44の流出口48が形成されている。
スペクトルシフト水ロッド40の動作原理を第13図によ
り説明する。
第13図は水ロッド40の原理的な構造を示すものであ
る。燃料集合体の下部に位置する下部タイプレート6は
冷却水流に対する抵抗体として作用し、領域冷却水上昇
流路43の流入口47はこの抵抗体6よりも下方の領域に開
口している。冷却水下降流路44は冷却水上昇流路43内を
上昇した冷却水流を反転させて下方に導き、その流出口
48は抵抗体6よりも上方の領域に開口している。抵抗体
6には複数の冷却水流通孔49が設けてある。
抵抗体6に設けた冷却水流通孔49を流れる冷却水の流
量を変化させると、抵抗体6より下方と上方の領域との
間の差圧ΔP=P1−P2が変化する。この差圧ΔPは冷却
水流量のほぼ2乗に比例するので、例えば抵抗体6を通
過する冷却水流量を定格流量の80%から120%に変える
と、差圧ΔPは80%流量時の約2.25倍になる。
一方、水ロッド40の内部の冷却水は水ロッド40の周囲
にある燃料棒から照射される中性子やガンマ線によって
発熱し、発熱するが、流入水量が蒸発量とバランスする
と第13図(a)に示すように上昇流路43内に水位が保持
される。蒸気は冷却水流出口48から吐き出される。さら
に、抵抗体6を通過する冷却水流量を増加させると、蒸
発量より流入流量がまさり、第13図(b)に示すように
上昇流路43の水位は上昇し、ついには上昇流路43から下
降流路44に冷却水が溢れ出す。さらに、冷却水の流入量
が増大すると、第13図(c)に示すように水ロッド内で
の沸騰が抑制されたまま、即ち、ボイド率が著しく低減
された状態で冷却水流出口48から流出する。
以上に述べた現象によって、冷却水流量を調節するこ
とによりボイド率の大幅な調整が可能であり、中性子の
減速効果を大きく変化させる流量スペクトルシフト運転
が可能となる。
従って、本実施例によれば、第1の実施例と同様の効
果が得られると共に、燃料の高燃焼度化と流量スペクト
ルシフト運転により燃料経済性をさらに高めることがで
きる。
本発明の第5の実施例を第14図及び第15図により説明
する。
第14図において、本実施例の燃料集合体は、第7図に
示す第2の実施例における太径水ロッド2よりも少し直
径の小さい4本の太径水ロッド2Aを環状に隣接配置し、
これら太径水ロッド2Aにより囲まれた領域に形成される
冷却材通路3Aの面積を第2の実施例の冷却材通路3より
も少し大きくし、この通路3Aに短尺燃料棒50を配置した
ものである。ここで、第2図の太径水ロッド2の水ロッ
ド面積に対する本実施例の太径水ロッド2Aの水ロッド面
積の減少は、第4図の直線A−Bで説明したように、減
速材/燃料比の変化に対して無限増倍率がほとんど変化
しない飽和状態の範囲とする。他の構成は第2の実施例
と同じである。
第15図に短尺燃料棒50を普通の燃料棒1及び短尺燃料
棒20と比較して示す。短尺燃料棒50は、短尺燃料棒20の
本体21よりさらに短い燃料棒本体51と、本体51の下端に
設けられ、下部タイプレート6(第2図参照)に固定さ
れるネジ付の端栓52を有している。燃料棒本体51におけ
る燃料ペレットの充填長さは、普通の燃料棒1の8/24か
ら12/24である。
本実施例においては、冷却材通路3Aに短尺燃料棒50が
配置されているが、燃料集合体で圧力損失の大きいのは
上方領域の二相流部であり、この上方領域には冷却材通
路3Aが存在している。このため、本実施例によっても、
第1の実施例と同様に高燃焼度化を図りながら、第1の
実施例に近い圧力損失低減の効果を得ることができる。
また、燃料集合体の上方領域には冷却材通路3Aがあり、
この冷却材通路3Aにはボイド水が流れ込みやすいので、
第1の実施例と同様に減速材/燃料比の最適化を図るこ
とができる。
また、本実施例によれば、短尺燃料棒50を配置したの
で燃料装荷量を増やすことができる。
本発明の第6の実施例を第16図により説明する。
第16図において、本実施例の燃料集合体は10行10列の
正方格子状に配列された多数の燃料棒1を有する点は第
1の実施例と同じであるが、4行4列の中央領域の4つ
のコーナ部を除いた、12本の燃料棒が配置可能な領域に
は、外側形状が断面矩形をした1本の大型水ロッド2Bが
配置されている。大型水ロッド2Bには、その中心部を軸
方向に貫通する冷却材通路3Bが形成され、かつ軸方向の
複数箇所に、水ロッド2Bの内部の冷却水領域とは連絡し
ない冷却材通路51が形成され、この冷却材通路51により
冷却材通路3Bを水ロッド2Bの外側の通路と連絡してい
る。
このように構成した本実施例においても、冷却材通路
3Bは第1の実施例の冷却材通路3と同様に機能する。従
って、第1の実施例と同様に、10行10列の正方格子状に
燃料棒を配置して、燃料の高濃縮度化及び高燃焼度化を
達成すると共に、圧力損失を増加させることなしに減速
材/燃料比を最適化することができる。
本発明の第7の実施例を第17図により説明する。本実
施例は、燃料棒の平均濃縮度が約4wt%で、取出平均燃
焼度が45〜50GWd/tの9行9列格子燃料の燃料集合体に
本発明を適用したものである。
第17図において、本実施例の燃料集合体は9行9列の
正方格子状に配列された多数の燃料棒60を有し、中央の
3行3列の領域に、「W」の略称を付した断面円形の4
本の太径水ロッド61が環状に隣接してかつ隙間をあけて
配置されている。太径水ロッド61は各々燃料棒3本相当
の領域を占める水面積を有している。そして、4本の太
径水ロッド61に囲まれた中央部には冷却材通路62が形成
され、この冷却材通路62は隣接水ロッド間の隙間を介し
て水ロッド外側の冷却材通路と連通している。これら燃
料棒60及び太径水ロッド61はチャンネルボックス63によ
り取り囲まれている。
第1の実施例において、第4図を参照して、10行10列
の燃料配列を持つ燃料集合体で、取出燃焼度55〜60Wd/t
を目標とする場合、減速材/燃料比が4.5前後において
無限増倍率は飽和しているため、水ロッド中心部付近の
水を取り除いても無限増倍率はほとんど変化しないこと
を説明した。本願発明者等は、9行9列の正方格子状に
燃料棒を配置した燃料集合体においても同様の特性があ
ることを見出だした。本実施例はこの知見に基づくもの
である。
即ち、9行9列の正方格子状に燃料棒1を配置した燃
料集合体においては、例えば、特開昭62−118297号公報
に記載のように、中央部の3行3列の燃料棒9本を取り
除いた領域に大型の1本の方形水ロッドを配置し、減速
材/燃料比を大きくすることが提案されている。本実施
例では、4本の太径水ロッド61を環状に配置しているの
で、この1本の方形水ロッドに比べて水ロッド面積は小
さい。しかし、この水ロッド面積の減少は第4図の上述
した減速材/燃料比が4.5の前後での変化と同様に、4
本の太径水ロッド61は1本の方形水ロッドとほぼ同じ無
限増倍率を達成することが明らかになった。
従って、本実施例によっても、減速材/燃料比の変化
に対して無限増倍率が飽和する領域において水ロッド面
積を減少させることにより減速材/燃料比を最適化し、
かつその水ロッド面積を減少させた領域を冷却材通路62
として圧力損失の低下を図る効果がある。
本発明の第8図の実施例第18図により説明する。第18
図(a)において、本実施例は環状に隣接配置される4
本の水ロッドとしてスペクトルシフト水ロッド40Aを用
いている。1本のスペクトルシフト水ロッド40Aの構造
を第18図(b)に示す。スペクトルシフト水ロッド40A
の下降第42Aは上昇管41Aの外面に取り付けられている。
下降管42Aは他の3本のスペクトルシフト水ロッド40Aに
対しても共用であり、それらの上昇管の外面にも取り付
けられている。これら4本の水ロッド40Aは、それらに
よって取り囲まれる冷却材通路3に下降管42Aが位置す
るように配置されている。この実施例では、4本のスペ
クトルシフト水ロッド40Aの下降管を1本として共有さ
せたが、4本のスペクトルシフト水ロッド各々に細径の
下降管を取り付け、これら4本の下降管が全て上記冷却
材流炉3内に位置するようにしてもよい。
スペクトルシフト水ロッドは上昇管と下降管を持つ水
ロッドであるが、原子炉運転中は発生するγ線により上
昇管内の減速材(水)が発熱し、蒸気となるが、スペク
トルシフト水ロッドの構造部材も同じγ線照射により発
熱する。上昇管のみの水ロッドの場合、構造部材は水ロ
ッドの内側を流れる減速材、水ロッドの外側を流れる冷
却材によって冷却されるため、γ線照射による材料劣化
を防止できる。しかし、下降管を有するスペクトルシフ
ト水ロッドの場合、上昇管内部に下降管を設けると、上
昇管は冷却材通路を流れるボイド水によって冷却される
ものの、下降管は上昇管内部に生じる液面内及び液面上
部に生じている蒸気領域に面するため、上昇管に比べて
有効に冷却しにくく、構造部材が劣化しやすいという問
題がある。また、上昇管外側に取り付けた下降管を燃焼
棒に面するように配置した場合、下降管近接部の燃料棒
周囲は冷却材通路が狭くなり、燃料棒の除熱効果が低下
するという問題がある。
本実施例の場合、下降管を上昇管外側に設けたため、
上昇管と同様に下降管も冷却材により冷却され、γ線照
射による構造材劣化を防ぐことができる。即ち、本実施
例においては、スペクトルシフト水ロッドによって囲ま
れる冷却材通路を利用して、この領域に下降管を配置し
たものであり、この冷却材通路には冷却水が集まり易く
なっているため、有効に冷却される。
〔発明の効果〕 本発明によれば、燃料の高濃縮度化及び高燃焼度化を
達成すると共に、圧力損失を増加させることなしに減速
材/燃料化を最適化することができる。
また、本発明によれば、短尺燃料棒の採用による圧力
損失低減及び炉停止余裕の向上の効果を確保し、同時に
燃料経済性の向上を図ることができる。
また、短尺燃料棒の配置により、フレッティング検査
用の小型カメラの操作領域が確保され、定期検査中に水
ロッドの検査を容易に行うことができる。
さらに、短尺燃料棒の配置により径方向の出力分布が
平坦化され、かつ軸方向上方領域の減速材/燃料比を大
きくして、高燃焼度燃料に望ましい軸方向の減速材/燃
料比を提供することができる。
また、本発明においては、太径水ロッドとしてスペク
トルシフト水ロッドを使用することで、流量スペクトル
シフト運転により燃料経済性を一層高めることができ
る。
さらに、本発明によれば、9行9列の正方格子状に燃
料棒を配置する燃料集合体においても、同様に、減速材
/燃料材を最適化し、かつ圧力損失を低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例による燃料集合体の水平
断面図であり、第2図はその燃料集合体の縦断面図であ
り、第3図は上部タイプレートの平面図であり、第4図
は減速材/燃料比の変化に対する無限増倍率の飽和を説
明する図であり、第5図及び第6図はそれぞれ本実施例
における水ロッド配列の作用を説明する図であり、第7
図は本発明の第2の実施例による燃料集合体の水平断面
図であり、第8図はその燃料集合体に配置される普通の
燃料棒と短尺燃料棒とを比較して示す図であり、第9図
は本発明の第3の実施例による燃料集合体の水平断面図
であり、第10図はその燃料集合体に配置される普通の燃
料棒と2種類の短尺燃料棒とを比較して示す図であり、
第11図は本発明の第4の実施例による燃料集合体の水平
断面図であり、第12図はその燃料集合体に使用されるス
ペクトルシフト水ロッドの縦断面図であり、第13図
(a),(b)及び(c)はスペクトルシフト水ロッド
の動作原理を説明する図であり、第14図は本発明の第5
の実施例による燃料集合体の水平断面図であり、第15図
はその燃料集合体に配置される普通の燃料棒と2種類の
短尺燃料棒とを比較して示す図であり、第16図は本発明
の第6の実施例による燃料集合体の水平断面図であり、
第17図は本発明の第7の実施例による燃料集合体の水平
断面図であり、第18図(a)は本発明の第8の実施例に
よる燃料集合体の水平断面図であり、第18図(b)はそ
の燃料集合体に使用さるスペクトルシフト水ロッドの外
観図であり、第19図は、燃料集合体の水平断面内の減速
材/燃料比と無限増倍率の関係を、濃縮度をパラメータ
として示す図である。 符号の説明 1……燃料棒 2……太径水ロッド 3……冷却材通路 4……チャンネルボックス 5……上部タイプレート 6……下部タイプレート 7……スペーサ 20……短尺燃料棒 30……短尺燃料棒 40……スペクトルシフト水ロッド 2A……太径水ロッド 3A……冷却材通路 2B……大型水ロッド 3B……冷却材通路 35……燃料単位格子 36……最外周輪郭 37……隙間 38……燃料棒周囲冷却材通路 50……短尺燃料棒 51……冷却材通路 60……燃料棒 61……太径水ロッド 62……冷却材通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植木 太郎 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 井筒 定幸 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 昭61−79190(JP,A) 特開 昭61−196192(JP,A) 特開 昭64−88292(JP,A)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】10行10列の正方格子状に配置された多数の
    燃料棒と、水ロッド手段とを有する燃料集合体におい
    て、 前記多数の燃料棒は、4行4列の中央領域の4つのコー
    ナ部を除いた領域の外側の領域に配置され、 前記水ロッド手段は、前記中央領域の4つのコーナ部を
    除いた、12本の燃料棒が配置可能な領域に前記中央領域
    の中心部を取り囲むように配置され、 前記中央領域の中心部に前記燃料棒の周囲に形成された
    冷却材通路と連通する冷却剤通路を形成したことを特徴
    とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の燃料集合体において、前記
    水ロッド手段は環状に隣接してかつ隙間をあけて配置さ
    れた複数の太径水ロッドを含み、前記中央領域の中心部
    に形成された冷却材通路はこれら複数の太径水ロッドで
    囲まれかつ隣接太径水ロッド間の隙間を介して前記燃料
    棒周囲に形成された冷却材通路と連通していることを特
    徴とする燃料集合体。
  3. 【請求項3】請求項2記載の燃料集合体において、前記
    太径水ロッドは、各々、前記燃料棒3本相当の領域を占
    める水面積を有し、前記水ロッド手段はこの太径水ロッ
    ドを4本有することを特徴とする燃料集合体。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の燃料集合体におい
    て、前記多数の燃料棒は、4行4列の中央領域の外側の
    領域に配置された多数の第1の燃料棒と、前記中央領域
    の4つのコーナ部に配置された4本の第2の燃料棒とを
    含み、前記第2の燃料棒は、各々、前記第1の燃料棒よ
    り軸方向長さが短い燃料棒であることを特徴とする燃料
    集合体。
  5. 【請求項5】請求項4記載の燃料集合体において、前記
    多数の燃料棒は、前記10行10列の正方格子における最外
    周の位置に配置された、前記第1の燃料棒より軸方向長
    さが短い複数の第3の燃料棒を更に含むことを特徴とす
    る燃料集合体。
  6. 【請求項6】請求項5記載の燃料集合体において、前記
    第3の燃料棒の軸方向長さは前記第2の燃料棒のそれよ
    りも長いことを特徴とする燃料集合体。
  7. 【請求項7】請求項4記載の燃料集合体において、前記
    複数の太径水ロッドに囲まれた領域に、前記第2の燃料
    棒よりも軸方向長さが短い第4の燃料棒を配置したこと
    を特徴とする燃料集合体。
  8. 【請求項8】請求項1記載の燃料集合体において、前記
    複数の燃料棒の上端部を支持する上部タイプレートを更
    に備え、この上部タイプレートは、前記中央領域の中心
    部に形成された冷却材通路の軸心の延長線上に、その冷
    却材通路の流路面積よりも大きな流路面積の開口を有す
    ることを特徴とする燃料集合体。
  9. 【請求項9】請求項1記載の燃料集合体において、前記
    水ロッド手段は、炉心流量の制御によりロッド内の液面
    高さが調節可能な複数のスペクトルシフト水ロッドを含
    むことを特徴とする燃料集合体。
  10. 【請求項10】格子状に配置された複数の燃料棒と、前
    記燃料棒の各々に対応する燃料単位格子の1つの面積よ
    りも大きな第1の横断面を各々有し、かつ互いに隣接し
    て配置された複数の第1の水ロッド手段と、前記複数の
    第1の水ロッド手段が実質的に占める全ての前記燃料単
    位格子の群の最外周輪郭よりも内側の領域の全面積を第
    2の横断面に有する1本の第2の水ロッド手段を想定
    し、この第2の水ロッド手段を前記複数の第1の水ロッ
    ド手段の代わりに配置したとき、前記第2の横断面に生
    じる減速過剰な領域となる部分に形成された第1の冷却
    材通路と、前記第1の冷却材通路を取り囲んで実質的に
    前記内側領域に配置された前記複数の第1の水ロッド手
    段と、前記第1の冷却材通路と前記燃料棒の周囲を取り
    囲む第2の冷却材通路とを連絡し、前記第1の水ロッド
    手段間に位置する第3の冷却材通路とを備え、前記複数
    の燃料棒が、複数の第1の燃料棒と、前記第1の燃料棒
    よりも軸方向長さが短く、前記内側領域の外側で前記第
    3の冷却材通路に対向して配置された複数の第2の燃料
    棒とを含むことを特徴とする燃料集合体。
  11. 【請求項11】格子状に配置された複数の燃料棒と、前
    記燃料棒の各々に対応する燃料単位格子の所定数が配置
    可能な領域を実質的に占有する第1の水ロッド手段と、
    この第1の水ロッド手段が実質的に占める全ての前記燃
    料単位格子の群の最外周輪郭よりも内側の領域の全面積
    を横断面に有する1本の第2の水ロッド手段を想定し、
    この第2の水ロッド手段を前記第1の水ロッド手段の代
    わりに配置したとき、前記横断面に生じる減速過剰な領
    域となる部分に形成された第1の冷却材通路と、前記第
    1の冷却材通路を取り囲んで実質的に前記内側領域に配
    置され、該第1の冷却材通路から隔離された前記第1の
    水ロッド手段と、前記燃料棒の周囲を取り囲む第2の冷
    却材通路で発生した蒸気を、前記第1の冷却材通路に導
    く第3の冷却材通路とを備え、前記複数の燃料棒が、複
    数の第1の燃料棒と、前記第1の燃料棒よりも軸方向長
    さが短く、前記内側領域の外側で前記第3の冷却材通路
    に対向して配置された複数の第2の燃料棒とを含むこと
    を特徴とする燃料集合体。
  12. 【請求項12】少なくとも9行9列の正方格子状に配置
    された、45GWd/t以上の取出燃焼度を達成可能な多数の
    燃料棒と、前記正方格子の中央領域に配置された水ロッ
    ド手段とを有する燃料集合体において、 前記水ロッド手段は前記中央領域にその中心部を取り囲
    むように配置され、かつ原子炉定格運転時の炉心平均の
    ボイド率において無限増倍率がほぼ飽和状態となる減速
    材/燃料比を与える大きさの水ロッド面積を有し、 前記中央領域の中心部に前記中央領域の外側の領域と連
    通する冷却材通路を形成したことを特徴とする燃料集合
    体。
  13. 【請求項13】請求項12記載の燃料集合体において、前
    記多数の燃料棒は、3行3列の中央領域を除いて9行9
    列の正方格子状に配置され、前記水ロッド手段は、前記
    3行3列の中央領域に配置されていることを特徴とする
    燃料集合体。
  14. 【請求項14】正方格子状に配置された多数の燃料棒
    と、中央領域に配置された複数の水ロッドと、前記多数
    の燃料棒の下端部と前記複数の水ロッドの下端部を支持
    する下部タイプレートと、前記多数の燃料棒の上端部と
    前記水ロッドの上端部を支持する上部タイプレートとを
    有する燃料集合体において、 前記上部タイプレートは、前記多数の燃料棒の上端部が
    挿入される孔部を有する複数の第1のボスと、前記複数
    の水ロッドの上端部が挿入される孔部を有する複数の第
    2のボスと、前記第1のボス同士、前記第2のボス同
    士、前記第1のボスと第2のボスとを相互に結合する複
    数のリブとを備え、前記複数の第1のボスは、隣接する
    4つがこれら第1のボスを連結するリブと共に内側に第
    1の開口を形成し、前記複数の第2のボスは、これら第
    2のボスを連結するリブと共に内側に第2の開口を形成
    し、前記第2の開口は前記第1の開口より大きいことを
    特徴とする燃料集合体。
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